エヴァンジェリンを1万ギタン+遠投+百発百中で仕留めてから半日
「なぁ相棒、この杖はどこに入れておく?」
「ん?金縛りの杖はこっちの壺に入れておいてくれ」
「おう、分かった」
俺達は現在エヴァンジェリンの別荘の一室を借りてアイテム整理をしていた
「これは?」
「巻物系はこっちの壺にお願い」
リーバから大量のアイテムの入った壺を貰ったがそのどれもが整理されておらず
どの壺にどのような系統のアイテムが入っているのか分かりづらかった
なので壺の中身を全部ぶちまけて系統別に分けているという訳だ
それにしてもアイテムの種類が多いのなんのって
杖だけでもかなりの数があるし、武器防具にいたってはそれの倍以上もある
たまにこれってダンジョンクリアの報酬だったよな?みたいなものもある
「ケケケ、ソノ刃物クレヨ」
「あげないからな」
「チェッ、ケチ」
「ああ、姉さんがあんなに嬉しそうに」
どこから湧いたのかチャチャゼロ登場
刀剣類の山にうっとりしている
そしてそんな姉をジッと録画している茶々丸ちゃん
「茶々丸はここに居るか?…やっぱりいたか」
「どうしたんだよ金髪姉ちゃん?」
「金髪姉ちゃんは止めろ。私にはエヴァンジェリン・A・K・マ「分かった分かった。で、茶々丸姉ちゃんに何か用事があるんだろ?」くっ、弱小魔物の分際で」
「マスター」
「ん?どうした?」
「先ほどの発言の撤回を要求します。マム助さんは癒しでありその様な括りに縛られて良い存在ではありません」
最初に会った時から思ったんだが茶々丸ちゃんってマム助を溺愛してるよな
なんというか自分のペットが一番みたいな感じで
「ふん、撤回などするものか。そもそも茶々丸はこいつを可愛がりすぎだ」
「マスター、この殺伐とした世界ではマム助さんのような存在で癒されないと生きていけません」
「お前は稼働しだしてまだ1年も経っておらんだろうが!」
あれ?原作時はある程度稼働していたはずだからネギってまだこっちに来てない?
「まぁ良い、それよりもだ食事の準備はどうした?早くしろ」
「分かりました。献立は何が良いですか?"マム助さん"?」
それはマム助に振るんじゃなくてマスターであるエヴァンジェリンに振らないと
「オイラは肉が良いな」
マム助、お前も少しは考えろよ
見てみろ、完璧にスルーされてエヴァンジェリン怒ってるぞ
「了解しました。腕によりをかけて作らさせてもらいます。ガーリックステーキを」
「茶々丸!?」
そしてまさかのガーリックステーキ
吸血鬼であるエヴァンジェリンは食べれないじゃん
さっきの発言の仕返しか?
「それでは失礼します」
「茶々丸待て!待つんだ!私が悪かったからニンニクは止めてくれ~!!」
ぺこりと頭を下げ部屋を出る茶々丸ちゃん
それを慌てながら追いかけるエヴァンジェリン
主人と従者というよりもお母さんと子どもみたいだな、どっちが子供とは言わないけど
「飯ガ出来ルマデ散歩デモ行クカ」
「いってらっしゃい。ちなみにその持っている剣は置いてけよ」
「チッ、バレテタカ」
その体で剣を隠して持っていこうと考えるなよ、バッチリ見えるぞ
文句を言いながらも部屋を出ていくチャチャゼロ
残ったのは俺とマム助になったのだが急にマム助の雰囲気が変わる
いつものおちゃらけたものではなくダンジョンに挑むときの厳しい顔
「なぁ相棒」
「分かってる、ちょっと待ってくれ」
マム助が聞きたいことは分かっているがこれは重要な事なので念を入れる
壺から取り出したるは一つの腕輪
"気配察知の腕輪"と呼ばれるそれを装備する
すると頭の中に幾つかの点が動く映像が見えてくる
これは人間魔物関係なくある程度の大きく生きているものの場所を察知する腕輪だ
現在見えるのは俺を除くと4つ
俺の隣に居るマム助と2つ一緒に動いていることからエヴァンジェリンと茶々丸ちゃん、離れた所に1つあるがこれはチャチャゼロだろう
「近くには誰もいないみたいだし大丈夫だ」
「そうか…相棒、この世界ってやっぱり」
「多分考えている世界で合っていると思うよ」
どうやらマム助もこの世界がどのような世界か分かってたみたいだ
「それにしても、まさか相棒が前語っていた"あれ"だとは思ってなかったぜ?」
「俺だってまさか来るとは思わなかったさ」
マム助が言っているあれとはもちろん原作知識のことである
リーバ神達には気付かない内に覗かれていたみたいだけど、それ以外で知っているのはマム助のみだ
旅してる最中が暇な事が多かったし、マム助のことは信頼していたから時間つぶしにと色々と話していた
ネギまとかその他アニメに漫画の事など色々と
話したおかげでピンチを脱したこともあった
例えば漫画のあいつはこんな時にこうして助かったから俺達もやってみるか?みたいな感じで
「それで相棒はどこまで覚えているんだ?」
「ん~昔の事だからそこまで細かい事は覚えてない」
話の流れは覚えてるけどそれが何月何日なのかとかは覚えてない
「それでどうするんだよ?」
「どうするって?」
「相棒はこの後起きる事を知ってるんだぜ?それなら色々と動けるだろ」
ああつまりそれは原作介入するかとかか?
「積極的に流れを変えるつもりはないよ。さすがに俺達で対処出来ない奴らもいるし」
造物主とかチートすぎだろ
「了解、とりあえずは流れに身を任せる感じで良いんだよな?」
「そうだな、あと厄介ごとは主人公に任せるってことで」
きっと主人公補正でなんとかしてくれるでしょ
あと、なんとなくエヴァンジェリンや茶々丸ちゃんに関わった時点で改変しちゃった気がするけど大丈夫だよね?
「さてと、オイラ達のこれからの方針も決まったし、ご飯にしようぜ?もうそろそろ作り終わってるんじゃないか?」
「お前って本当に食い意地はってるな」
「しかたがないだろ。あっちでは食べたことないものばっかりなんだからさ」
まぁあっちは基本和食メインだしな
偶にチョコバナナとか洋物もあるけどかなり珍しいしな
とかなんとか言ってる間に誰かが接近中
これは茶々丸ちゃんかな?
「お食事の準備が出来ました」
「おお!待ってたぜ!」
「それではこちらに」
茶々丸ちゃんの案内で食堂に来たんだけど
「…なぜだ、なぜ私がこのような扱いなのだ…」
「マァ頑張ンナ、御主人」
食堂の隅っこでいじけるエヴァンジェリンと慰めてるのか笑いに来てるのか分からないチャチャゼロがいた
「茶々丸姉ちゃん、今日のご飯はなんなんだ?」
「はい、今日はマスターの命で"仕方が無く"ロールキャベツになりました」
「そこまで強調しなくとも良いではないか!さっきの発言は撤回しただろう!」
あ、結局茶々丸ちゃんに降伏したんだ
「気にするなって、金髪の姉ちゃん」
「誰の所為だ!誰の!」
「それではお食事をお楽しみください」
「あれ?茶々丸姉ちゃんは食べないのか?」
「私は食事の必要性がありませんから」
そういえば茶々丸ちゃんはガイノイドだから食事は必要ないんだっけ?
「え~、でも食べることは出来るんだろ?なら一緒に食べようぜ」
「いや、しかし…」
まさか食事を一緒にと誘われるとは思わなかったのかかなり戸惑っている
「マム助もこう言ってるし、一緒に食べよう?」
「そうだぜ、皆で食べた方が絶対に美味しいからさ!」
「…はい」
「御主人、イジケテイルト飯ガ冷メチマウゼ?」
「別にいじけてなどおらん!全く…」
何やら葛藤があったのだろうがその末に一緒に食事を取ることにした茶々丸ちゃん
ブツブツと文句を言いつつも席に着くエヴァンジェリン
「それでは手を合わせて…」
「「いただきます」」
「い、いただきます」
「ふんっ」
「ケケケ」
全員が席に着いたのを確認した後、ブフーに感謝するという意味を込めてマム助と挨拶をするが合わせてくれたのは茶々丸ちゃんだけ
エヴァンジェリンは鼻息荒く、チャチャゼロは怪しく笑いながら食事を始めた
そういえばチャチャゼロってお酒とか飲むみたいだけど、あの小さな身体のどこに入っているんだろ?
エヴァと茶々丸の立場が逆転w
まぁ可愛いは正義ということでw