俺はこの一日だけで多くのミスをした
まず一つ目はほぼ空腹でこちらの世界に来てしまったこと
実際リーバに会うまでに一回空腹で死にそうになった
その時は商店でおにぎりが一個売っていたので即購入して危機は脱したので良かった
しかし、その時から何も食べずにダンジョン内を長期間うろうろした後でリーバに会いこちらの世界へ
出口を見つけ出てみるとそこは辺りが真っ暗な林の中
周辺を調べようとするが満腹度は0%になり少し体を動かすだけで体力は減り、動かなくても体力が減り続けるという地獄
そんな時だった救世主が現れたのは
お腹が空腹だと猛抗議をしている時に感じた気配
誰か来たのかと顔を上げようとしたが体は動かない
「連れて帰りましょう」
「あのな、野良猫を拾うような感じで言うな」
かすかに聞こえてくるのは二人の声
どこのどなたか存じませんが飯を…
「はぁ分かった。お前が言いだしたんだから自分で運ぶんだぞ」
「はい、ありがとうございますマスター」
最後に聞こえたのはどこか諦めを含んだ声とその人物に感謝する声だった
次のミスは現状をちゃんと理解していなかったこと
とても美味しそうな匂いで目を覚まし、まず目に入ったのは木製の天井
ここはどこだろうとか考える前に本能的に体は動き食卓に着く
途中誰かに話しかけられた気がするけど眼前のご飯の山に意識が向いてしまう
「マム助さん、こちらも如何ですか?」
「おお!これも美味そうだな、頂きま~す!」
美味かった、とても美味かった
スープにサラダ、ハンバーグにスパゲッティ
久し振りに食べる洋食に感激しつつ手は止めず
いつの間にか隣ではマム助も俺と同じようにガツガツと食べていた
そしてそのマム助の姿を微笑ましく見ている緑髪の少女
ん~?どこかで見たような?
まぁいいか、それよりも飯だ飯と思考の大半を食事に向けたのがいけなかった
「おい、お前」
「ん?なに?」
「貴様はどこから来た?」
どこから?そりゃ
「ああ、そのことか。俺達は別世界から来たんだよ」
さらりと放った一言
数秒した時にとんでもないことを暴露したことに気付いたが、時すでに遅し
俺の言葉を理解した金髪幼女が大層驚いているが何故かもう一人の少女からのリアクションは無く
逆に大声を出した金髪幼女に注意していた
その後数回やり取りがあったがマム助のおかわり宣言で話は終わり、俺もそれに便乗してみたがそれで先ほどの発言は流してもらえず再度追及されてしまった
まぁ仕方がないかと観念して説明をしようとしたら何故か弄られていたので助け船を出すことにした
そしてようやく俺はここがどんな世界なのか分かり始めていた
「俺達は別世界から来たんだが」
「待て、別世界とは|魔法世界(ムンドゥス・マギクス)のことか?」
彼女の言葉で疑念は確信に変わり
更に言えばこの幼女のことも分かったわけで
やっぱりここは…ネギまか?
「何か言いたいことでもあるのか?」
「え!?いや、何でもない。それで話の続きなんだが」
とこれが3っつ目のミスだったりするわけで
つい俺の考えを声に出してしまった
それからは大変でこの金髪幼女いや、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルに俺達の説明に苦労するのだった
その時にまたミスをやらかしてしまったのだがそれに気付いたのは1時間後の事だった