プロローグなのでまだネギまは出ません、すみません。
その日俺はとある里に辿り着いた。
ジゲンの里と呼ばれるこの里の人々は最近頭を悩ます出来事が起こっていた。
不思議のダンジョン
一般的にダンジョンというのは人に害を為すモンスターが蔓延る場所
そして、その奥には武器や財宝などが多く眠っているというものだ
しかしこのダンジョンは他とは異なる点があった
それはダンジョンに入るたびに地形が変わるというもの
つまり地図を片手にとはいかないのだ
一度入ったら生きて出ることは出来ない、そんなダンジョンに挑むのは風来人と呼ばれる人達
「しっかし、ここにもシレンは来たのか?」
「もちろんだ、さあさオイラ達も早くクリアしようぜ」
里に唯一ある宿屋の一室で俺は相棒と一緒に準備をしていた
「それにさ、このダンジョンをクリアしたら丁度20だぜ。お前の言ってたシレンの様に生きるって目標にまた一歩近づくんだ」
「それは良いんだけど、こんなダンジョンあったか?」
記憶を巡らせてみるが"前世"の記憶にはこのダンジョンをプレイした記憶が無い
ああ、ちなみに言うと俺は転生者だ
死亡原因とか知らないけど気付いたらあるタワーの頂上で倒れていた
それから紆余曲折あって俺は風来人になった
相棒とは駆け出し風来人の頃に出会いそれからの縁だ
「前世では遊んだことがないってか?良いじゃないか、偶には初見プレイもさ」
カラカラと笑う相棒に合わせて相棒の白い尻尾はパタパタと揺れていた
うん、相棒って言ったけど人間じゃないんだ
「いやいや、初見ってことは対策が無いわけで、死亡フラグバッチリじゃん。良いよな、自分はモンスターだからって暢気でさ」
そう俺の相棒は本来なら人々に害を与えるモンスターだったりする
赤ちゃんの頭と同じぐらいの大きさの丸い体
口から上は綺麗な青で染まり、それ以外は真っ白
三角形の耳に犬よりも大きなこれまた白い尻尾
世間ではマムルと呼ばれるこいつが俺の相棒だった
「おいおいこっちだって大変なんだぜ。お前が近くに居ないと他の風来人に狩られそうになるし、階層が深いほど他のマムル達を呼ぶのだって大変なんだぞ」
ぺしぺしともふもふな尻尾で叩いてくるマムル
多分、第三者が見れば襲われているようにも見える相棒のスキンシップ
しかも人語を話すとなると注目度はさらに上がるだろう
ちなみに名前はマム助というのだが、相棒曰く有名な語りイタチの名前の一部を拝借してマッパと名乗ろうとしたが全力で止められたらしい
「まぁ色々と喋っている間に準備は終わったし、今日は早く寝て明日に備えようか」
「おう、そうだな。それじゃオイラは風呂にいってくるぜ」
と尻尾を器用に使って部屋の襖をあけて、ぴょんぴょんと跳ねながら風呂場に行ってしまった
ってかモンスターが風呂に入るとかどうなんだろ?
聞いた話ではダンジョンには秘湯があるらしく、いつも仲間のマムル達と入浴していたとか
背中をあらいっこしてるマムルとか可愛すぎだろ
などと考えていると宿屋のいたる所から悲鳴が聞こえてきた
はて?一体何か起きたのだろうかと思考すること数秒
「あっ!マム助のこと女将さん以外知らないのでは…」
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「いや~ひどい目に遭ったぜ」
「モンスターが宿屋に居たら普通は驚くって」
どうにか風呂場で討伐されそうになっていたマム助を救い
色々な人に迷惑をかけたので謝って回ったのでとても疲れた
「それにしてもよ~、差別だぜ差別。モンスター権侵害だぜ」
「いや、そういうのは無いから」
なんだよモンスター権ってさ
人権みたいなものか?
「まぁいいやとりあえず風呂に入って、おいしい飯も食べた。後は寝るだけだな」
「そうだね、余計なことして疲れたし、早く寝るか」
時計なんてものこの世界には無いので月が昇っている位置で把握するにおそらく午後10時過ぎ
前世みたいに娯楽もほとんどないから大体の人はもう寝ている時間だ
「ふぁ~あ、オイラは寝るから明かり消しといてな」
「ああ、おやすみ」
部屋の隅で丸くなって眠るマム助
それを見ながら燭台の火を消して俺も布団に入る
明日もどうかクロンの追い風があらんことを…
久し振りにシレンをやっていたら無性に書きたくなった。
反省も後悔もしまくっているorz
おそらく次でネギまが出ます。