落とし穴、落ちた所で、生神に   作:美坂 遙

9 / 20


あの後は順調に進み5分程歩いたところで

集落の入り口が見えてきた

 

「ようやく着いたな。

スマホの時間がまちがいないなら四時前には着きそうだな

そういえば俺は身分証明みたいな物を持ってないけど

入れるのか?」

 

「この世界では身分証明証として神気を込めたカードを

五歳の時に教会か集会所で渡されます

夏希様の場合はスマホに表示されている七柱の紋章が

身分証明証として使えます

それと、時間の概念は夏希様の世界と基本的には同じですので

スマホが自動的に会わせますから間違いは起きません」

 

「時間が分かるのはありがたいけど

スマホを見せるような事したら

直ぐにこの世界の人間じゃないとばれるんじゃないか?」

 

「問題ありません。カードそのものを見せるのではなく

自分の気に入った物に神気を移し

持ち歩くような仕組みになっていますので

神具に移して使っていると思われるでしょう

私はそもそも人間ではありませんので

夏希様の使い魔と説明すれば良いでしょう」

 

「使い魔?使役獣じゃないのか?」

 

「人間達が魔力を使い創った場合は使い魔

神々が神気を使い創った場合は使役獣と言います

能力も使い魔はスキルリストを二枠しか持ちません」

 

使い魔との違いを説明してもらい終わった頃

目の前にある集落の入り口に見張りが居ないことにきづいた

まだ明るいのに誰も居ないのは不用心だな・・・

 

「入り口に見張りが居ないけどこんな物なのか?」

 

「いえ、魔物や旅人のチェックの為に普通は居ます

何かあったのかもしれません」

 

そう言われ確かめるために入り口へ近づいた時

中から鐘の音が聞こえだした

 

「夏希様この鐘は魔物が侵入した時に鳴らす鐘です」

 

そう言われた俺は急いで集落へ走り込んだ

中へ入ると家の数は20軒位の集落だったので直ぐに

魔物がいる場所が見えた

 

「見た目はライオンだな」

 

「あれはキメラです、尻尾が蛇のタイプですね

この辺りには居ないはずの魔物ですが・・・」

 

キメラは頑丈な教会の扉に爪を立て破ろうとしているようだ

 

「クリエ!」

 

「はい、分かりました」

 

クリエはナイフを構えキメラへ切りかかった

キメラはクリエに気づくと扉から離れこちらを威嚇している

俺は棍を取り出し門に近づくと声をかけた

 

「クリエ、キメラの情報は?」

 

「夏希様キメラは頭が増えるほど上位種になります

このキメラは獅子と蛇の二つですので

噛みつきに注意すれば大丈夫です」

 

そう言われキメラを睨みつけると門の中へ聞こえるように

 

「俺達でこいつを倒すぞ」

 

と声をだした

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。