落とし穴、落ちた所で、生神に   作:美坂 遙

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俺達はたまに魔物が居る程度の道を走り

集落へと帰り着いた

俺は馬車から降りて体を伸ばし入口を見ると

商隊の人が馬車から降り門番に説明をしていたようだ

 

 

眺めていると門番の一人が近づいてきた

 

「カイル達が居ないみたいだけど

キメラは倒したんだよな?」

 

「はい、青い光が上がるのを確認しています」

 

俺が門番と話しているとクロが頭から降りて

スマホをポケットから引っ張り出し

前足で画面をつつき始めた

 

何かあるのかと画面を見ると

地図アイコンをつついていたようだ

俺がアイコンにさわると地図が現れ

光る小さなクリエが表示された

 

「どうやら今ここみたいですね

このペースなら後30分くらいで帰って来れそうかな?」

 

俺が地図を見せると門番も同意した

 

 

 

それから30分程で予想通りカイルさん達は帰ってきた

 

「お疲れ様、カイルさん

無事キメラは倒せたみたいですね」

 

「そっちも無事たどり着けたみたいで良かったよ

キメラは俺の箱に入っている」

 

とりあえず物資を食堂に持って行くことになり

商隊の人達と向かうことになった

 

 

 

俺達は食堂と換金所の倉庫に物資を下ろし

遅めの昼食にする事になった

食べながら荷馬車の事を聞くと

修理するからと護衛の人が浮かして持って帰る事になり

シエルはアリアの所に行くといって出て行った

 

 

 

「カイル様はこれからどうするのですか?」

 

「とりあえず教会に行って神父様とこれからの事を

話し合うことになるかな。

夏希君達はどうするんだい?」

 

特に用事がないと考えていると

さっきの会話に出てきた魔獣の事を思い出した

 

「さっきのキメラの事で聞きたいことができたから

俺も行きますよ」

 

そう言って3人で教会へ向かった

 

 

 

「神父様報告に来ましたが

夏希君も何か聞きたいことがあるらしいです」

 

部屋に入るとライル神父が書類を眺めていた

 

「救援お疲れ様です。

報告は先ほどシエルがしていきましたから構いませんよ

夏希様、聞きたい事とは何でしょうか?」

 

護衛の人が言っていた魔獣の意味と

番の子供が魔獣に成れると言う事について聞いてみた

 

「魔獣と言うのは魔物が会話が出来る知恵と自我を持ち

人化が出来るようになった者のことを言います

基本的には魔獣まで育つ事はあまり在りませんが

魔物の番から産まれた場合は

魔獣まで育つ確率は高くなります

本来魔物は魔力溜まりから生まれますが

親の胎内から産まれた子供は親の力を受け継ぎ

魔獣まで育ちやすくなるのです」

 

「ちなみに夏希様の私のような機械生命体はなりませんが

クロのような使役獣はこのまま育てば

神獣と言われる者になります」

 

違いは在るのかと聞いてみたら気を使えるのが魔獣で

神気を使えるのが神獣らしい

 

「それと魔獣は人間との間にも子供が生まれます

二世代目は人間が母親なら見た目は

人間とあまり変わらない獣人に

父親が人間なら魔獣の特徴が強いので半獣人と言われてます

二世代目同士の子供はそのどちらかの特徴が現れます

アクアリアには神獣水龍の子孫である

下半身が魚竜の半獣人が居ますよ」

 

人魚が居るのか

 

 

 

「神獣の子孫は水竜の人魚マーメイド以外にも、

炎鬼の鬼人ドワーフ

嵐鷲の鳥人イーグル、神樹の樹人ドライアド

それと光と闇の精霊を始祖に持つ金髪と銀髪のエルフが居ます」

 

「エルフに関しては肌の色からライトエルフとダークエルフ

ともいわれてるけどね」

 

イメージ的に獣人とか差別受けてそうだなと考えていると

クリエが少し悲しそうな表情を浮かべ説明した

 

「夏希様の考えている通り国によっては差別視されています

神獣の子孫達はましですが

犬や猫などの魔獣の子孫達は違法な奴隷にされていても

見て見ぬ振りされている事さえ在ります。」

 

「流石に神獣の奉られている神殿のある六聖国には

獣人差別してる人はは殆ど居ないと思うけどね」

 

あれ?七柱なら七都市じゃないのか?

棺も入れると八なのに

 

「なぜ、六都市なんです?

七柱のがある所に在るなら七都市じゃないの?」

 

「なぜ六都市なのかと言うのは

創造の七柱の神獣がどこにいるのかが分からないので

神殿が六個しか無いからです」

 

もしかしてクリエの元になった神代人形の事か?

気になってクリエに聞くとやはりそうらしい

 

「ここに集落があるのも七柱の配置予想図を見る限りは

この近くに七柱が在りそうだから

国王が調べさせたキャンプが元だからね」

 

「国王も凄いですね、確かにこの近くの草原に

創造の七柱は在りますよ」

 

俺がそう言うとライルさんとカイルさんは

ものすごく驚いていた

 

「夏希様、ライル神父様達に教えてもよろしかったのですか?」

 

「何かまずかったかな?

カイルさん達なら問題ないと思うし

鍵がないと入れないよね?」

 

「確かにそうですがゲートでの移動を

一般人に見られると騒ぎになるのでは?」

 

確かに場所が分かると人も増えるか

 

「夏希君、それならそこに家でも建ててみるかい?

君も自由に使える拠点があった方が楽だろう?」

 

「確かに楽かもしれませんけど

魔物の彷徨くところに建てても壊されるんじゃないですか?」

 

「夏希様七柱の間の入口から半径100m程は結界があり

敵意を持った魔物は入れません

おそらく六聖国が栄えたのも

結界を利用したものと思われます」

 

なるほど結界が在るから良いのか、

そう言うことなら、世話になったし

ライルさん達にも利用してもらおうかな?

 

「ライルさん、もし結界の場所を教えるとしたら

どうしますか?

もし良かったら、開拓村として

利用してもらっても良いんですけど。」

 

「よろしいのですか!?

ただ移設となると国王の許可がいりますので

夏希様の事を国王に報告する事になりますが・・・」

 

「大々的に発表とかしないなら良いですよ

国王にもそう言っておいてください」

 

そう言ってカイルさん達を見ると嬉しそうだったが

俺が部屋から出ると小声で何か話しているようだった。

 

 

 

「首都をここにするとか言いそうじゃな・・・」

 

   こ

「あの娘なら言いそうですね

まぁ、悪くはありませんけど」

 

これを聞いていたのは

影に隠れて遊んでいたクロだけだった


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