落とし穴、落ちた所で、生神に   作:美坂 遙

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ぷに~

何かが顔に乗っているのに気づき目が覚めた

 

目を開けるとクロが前足で顔を押さえていた

昨日乗るのは止めるように言ったから学習したようだ

 

「おはようクロ、起こしてくれてありがとな」

 

お礼を聞いたクロは布団の上で丸くなった

外を見るとまだ薄暗く朝食には早そうだ

 

「少し時間をつぶしてから食堂に行くか・・・

クロ、お前はどうする?」

 

クロは顔を上げると、体をよじ登ってきた

また、頭に乗るつもりのようだ・・・

クロが登って居る間にクリエも呼び出し

俺達は教会の外に出てきた

 

「夏希様、今日はカイル様と訓練をする予定になっていますが

準備はよろしいのですか?」

 

「弓はカイルさんが貸してくれるみたいだし

短槍は創ったから問題ないと思うけど?」

 

「私は問題ないのですが夏希様は防具を用意しなくてはいけないのでは?」

 

そういえば防具は盾しか持ってないな

朝食の後買いに行くか。

 

その後、少し集落を見て回り食堂に着いた

中を見るとシーマさんとシエルがテーブルをふいていた

 

「おはよう夏希、今日はカイルと訓練するんだろ?

しっかり食っとくんだよ?」

 

そう言ってシエルにパンと

ベーコンの乗った目玉焼きを持って来るように言った

 

シエルも流石に給仕の仕事はするらしく

ちゃんと持ってきた

もちろんミルク付きで。

 

朝食をほとんど食べ終えた頃カイルさんも奥から出てきた

 

「おはようございます、今日はよろしくお願いします」

 

「おはよう夏希君、訓練はいつからやるんだい?」

 

「朝食食べた後防具を買いにいく予定ですから

その後お願いします」

 

「それなら、夏希君はキメラの毛皮を持ってるんだから

作ったらどうだい?

マントかロングコートなら裏に武器を隠せるから

君の力とも相性は良いと思うよ」

 

なるほど、確かに何もないところから創り出すよりも、

懐から出せば目立ちにくくはなるか。

 

「作るなら昨日行った雑貨店に行けば

3日くらいで出来ると思うよ

夏希君の用事が終わるまで蒔きでも割ってるから

終わったら呼びに来てよ」

 

俺はカイルさん達にお礼を言った後

雑貨店に向かいロングコートを頼むことにした

 

 

 

 

雑貨店に着いた後店員に素材持ち込みで

ロングコート作成を頼むと

銀貨三枚でつくってくれることになった

 

 

俺達は食堂の裏にいたカイルさんと合流して

草原までやってきた

 

「昨日は魔物が居なかったらしいけど

今日は空の魔物は居るみたいだね

地上にも少しは居るみたいだし」

 

くる途中探知魔法を使ったらしくそう言った

カイルさんは指輪にしまってあった弓を

二個取り出しその一つを渡してきた

 

「その弓は記念にあげるよ

短槍は持ってるんだよね?」

 

俺が倉庫から短槍と矢を取り出してみせると

その矢を見て一つ選び

カイルさんは自分の弓を取り出し構えると

空に向け放ち空を飛んでいたナイトホークを

一撃で撃ち落とした

 

「俺は天属性の魔法を付加して強化してるから倒せたけど

ホーンラビットなら大丈夫だろうけど

この矢じゃ強化無しだとナイトホークには刺さらないな

何発か当てれば倒せるとは思うけどね」

 

と苦笑しながら言ってきた

 

と言うことは魔法が使えない俺には

遠距離戦の決め手がないという事か・・・

 

 

 

 

コストは高くなるが市販の矢も買うことにした俺が

矢を倉庫に入れようとしたがカイルさんに

練習にはこの矢でも問題ないと言われたので

弓の練習を始めることになった

 

「とりあえずそこにある大きな木を狙って練習しようか

食堂で使う薪になりそうだしね」

 

そう言って木を指差した

とりあえずカイルさんの指示通り狙い練習を始めた。

 

 

 

 

一通り練習した後座って休むことになったが

今の腕ではナイトホークには刺さる以前に

当たらないなぁと考えているとカイルさんが話しかけてきた。

 

「最初は動く的や自分が動きながら当てるのは難しいから

木を狙って練習か、見つからないように隠れてからの

不意打ちを狙った方がいいよ」

 

確かに不意打ちなら当たりそうだ

 

「慣れてくると応用もできるしね

俺が短槍を使うのもこんな風に使えるからだよ」

 

そう言ってカイルさんは別の弓と短槍取り出し構えると

木を狙い撃ち出した

 

短槍は木を抉るように回転し貫いた

 

「俺は気で引く力を強化して、

魔法で弓の負担を減らした上で

短槍に風を纏わせて回転をかけることで威力を上げてるけど

飛ばすだけなら強度が高い弓なら

慣れれば夏希君なら出来ると思うよ」

 

確かに神気を使えば撃つことは出来ると思うけど

 

「夏希様の創った弓がちゃんと弓として

使えるようにならないといけませんね。」

 

そうなんだよなぁ、今の創った弓は引けないから

買うしかないんだけどカイルさんに聞いた限りでは

もっと大きい町に行かないと売って無いらしいしなぁ

 

「まぁ最初は無理しない程度に

止めておいた方が良いだろうね

普通の弓が狙った場所に当たるようにならない

とさっきの技は、狙ったところには当たらないだろうしね

本来は短槍ではなくバリスタと言う

特殊な矢を使う人が多いから

町に行けば売ってるだろうし慣れてから買ったらいいよ」

 

確かに弓はかなり練習が必要だから

腕が上がるまでは普通の矢で練習あるのみだな。

 

「弓はこれくらいにして短槍の練習をしようか?

まぁ棒術が使えるなら

直ぐに出来るようになると思うけどね」

 

そう言って木のそばに落ちていた短槍を拾うと

型を見せてくれた

 

「短槍は弓使いが間合いに入られたときに

矢を持って戦ったのが元になったと言われている

騎士槍やポールウェポンと違って軽いから手数が増えるし

剣より間合いが長いのが利点かな」

 

確かに重いと弓使いは持てないかもな。

 

「欠点としてはポールウェポンと違い払う事には向かず

騎士槍に比べて射程も短いね

重さも軽いから破壊力でも劣るよ

だから手数で補うんだけどね

盾と組み合わせて戦う人もいるよ」

 

カイルさんに色々教わって気が付くと夕方になっていたので

木を倉庫にしまい食堂裏の広場にもって行き夕飯を食べたが

夕飯を食べた後は疲れていたのかすぐに眠くなったので

クリエを帰した後すぐに寝ることにした

 

もちろんクロは枕の横に先に寝ていた・・・


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