落とし穴、落ちた所で、生神に   作:美坂 遙

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アリアの案内で雑貨店に着いた俺は

服の相場を聞いてみた

 

「アリア、クリエのサイズの服ならいくら位なんだ?

ケチるつもりはないけど防具も買いたいし

今度のことも考えないとね」

 

「クリエのサイズなら高くても銀貨1枚位です

防具はここの集落であるのは革系か機鳥系の防具ですから

大して高くはありません

精々銀貨3枚位ですね」

 

「それくらいなら問題ないな

アリア、俺は服とかよくわからないし

選ぶのは任せるよ、2、3着位買っておいてくれ

ただし、女物だけを買うのは止めてくれよ?」

 

俺は銀貨2枚を渡しながら

昨日のアリアの様子から釘を刺しておいた

アリアは案の定買うつもりだったのか

乾いた笑いを見せていた

 

「俺は自分の服を買った後はここで待ってるから

何かあったら言ってくれ」

 

「分かりました、可愛いのを選んできますね!」

 

そう言って中へ三人で入っていった

似合いそうだから良いけど

やはり女物は買うつもりのようだ・・・

 

 

 

俺は銅貨70枚で服の予備を買い

入口にある椅子に座って三人を待っていた

時間を見るとここに来たのが10時だったから

もう1時間も経っていた

 

「長い・・・」

 

任せた手前呼びに行くのもどうかと思ったが

さすがに暇なので様子を見に行くことにした

 

 

中に入るとクリエにミニスカートを履かそうとしている

シエルとアリアを見つけた

 

「お~い、さすがにクリエにミニスカートはダメじゃないか?

関節が目立つだろう?」

 

「夏希様、お待たせして申し訳在りません

服は予定通り買えましたがお二方が

私にプレゼントをすると言い出しました」

 

「夏希さん、すいませんお待たせして

やっぱり目立ちますよね。

クリエが着ていた服に合うコーディネートを

探していたんですけど中々無くて。」

 

「あんたはどうでも良いけどクリエは

可愛いんだから似合う服を着ないと損なのよ!」

 

シエルもクリエが気に入ったようだが

相変わらず俺のことは気に入らないらしい・・・

 

「膝関節が隠れるくらいのスカートか

靴下を履いたらどうだ?」

 

俺がそう言うとアリアが食いついてきた

 

「靴下ですか、良いですね!

ただ、サイズがないので残念ですけど

また今度ですね」

 

とりあえずは満足したようなので

四人で店から出てきた

 

「買い物が済んだけどこれからどうする?

特にないなら昼食の後はクリエと草原で

訓練もかねて狩りでもしようと思ってるんだが?」

 

「そうですね、特に用事はありませんし

私も付いて行きますね

回復は任せてください。」

 

アリアも行くのならもしかして・・・

 

「アリアが行くなら私も行くわよ!

二人きりとか魔物の群より危ないわ!」

 

相変わらずひどい言われようだ・・・

 

 

 

 

四人で草原までやってきたが

なぜか魔物が居ない。

 

「それにしても魔物が居ないな・・・」

 

「確かにおかしいですね、

シエル魔法で魔物の位置探せる?」

 

「探せるとは思う、でもこいつに協力するの嫌なんだけど?

・・・分かったわよ」

 

別にアリアに手を出してる訳じゃないのに

何でここまで警戒されてるんだ?

アリアに言われて仕方なく探してくれるようだ・・・

 

「フィールドソナー・・・おかしいわね

探索魔法を使っても半径500m以内の地上に魔物が居ないわ。」

 

シエルが魔法を使って探したようだが魔物がいないらしい

 

「シエル様の魔法で見つからないのなら

地上の魔物はどこに行ったのでしょうか?」

 

「もしかしたら、昨日のキメラが

影響してるのかもしれませんね

自分より格上の魔物が現れれば、

生存本能に従って逃げるかもしれませんから」

 

なるほどね、魔物が居ないなら仕方がない。

 

「シエルさん、魔物相手に訓練出来ないから

さっきの魔法の事を聞いて良いかな?」

 

「何で教えないといけないのよ?」

 

「シエル、そんな事言わないで教えてあげなよ」

 

シエルは不満気な顔をしながらも説明してくれるようだ

 

「さっき使ったのはフィールドソナーと言って

地面に魔力を流して微弱な振動を感知する魔法よ

地上半径500m、地下半径50m位まで感知出来るわ」

 

「なら空中に居る場合は探知はどうやるんだ?」

 

アリアは空を見上げて魔法を使った

 

「今使ったように天属性には

フィールドレーダーと言うのが在ります

一応私は使えますが適性があまり高くないので

精度はあまり良く無いですけど

半径200mの空中には居ませんね」

 

なるほどね、他の属性にも探知魔法は在るらしい

 

「私の光属性に在るのはサーチライトと言う魔法で

対象に当てると対象までの距離と、

ある程度の情報を知ることが出来ます」

 

要は鑑定みたいな物か

 

「闇は見えない物、要はスピリット系の魔物とか、

光学迷彩を使う機械生命体を見破る効果だね

後は武具に憑いてる呪いも感知出来るかな

あたしも一応使えるよ」

 

そうシエルも付け足した

 

整理してみると

 

火・熱源探知、水・水中探知、

地・地表及び地中探知、天・地表及び空中探知

光・鑑定及び距離感知、闇・看破及び可視化

って所か

そう考えているとクリエが小声で

創造属性にも探知能力は在る事を教えてくれた

 

「創造属性は神気を発するマーカーを作り対象に打ち込み

それを地図上に表示する事で位置を知ることが出来ます

夏希様の場合はスマホから発動させられるはずです」

 

使い方次第で役に立ちそうだな

でも、100m離れたら手元に戻ってくるのでは

なかったのだろうか?

 

「武具の場合でもそうですが

条件付けをする事で距離の問題はなくなります

マーカーは手元を離れ何かに接触すれば条件を満たします

武具の場合は私達使役獣が装備しているなら

問題は在りません

もし、その状態で武具を落としたら

使役獣の下に戻ります」

 

なるほど、戦闘中に武器を落としてクリエが

丸腰にならなくてすむのは良いことだな

 

 

 

魔物が居なかったけどシエルもアリアと久しぶりに

遠出が出来て機嫌が良くなったようだ

 

中々充実した時間を過ごせて満足した俺たちは

集落へ帰り夕飯を食べてから分かれた

 

 

別れ際にもシエルには威嚇されたのは納得がいかないな・・・

 

帰って寝よう・・・


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