落とし穴、落ちた所で、生神に   作:美坂 遙

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俺が困惑してるのを見て

カイルさんが申し訳なさそうにしながら

睨んでいる女の子に拳骨を落とした・・・

 

「すまないな夏希君、キメラを倒したことを

門番から聞いた後神父様に会いに行ったんだけど

アリアが君について行くことを聞かされてね、

アリアが部屋に居なかったから

先に家に帰ってきたんだけど

中から母さんとの会話が聞こえてね

こいつの名前はシエル、自称アリアの大親友でね

アリアが男に付いてくのが許せなかったみたいで

この通り暴走したんだよ。」

 

そう言って足下へと視線を向けた

シエルは頭を押さえてうずくまっている・・・

 

なるほどね、唆しては無いけどアリアが付いてくるのは

紛れもない事実だからなぁ

 

「確かにアリアも行きますけど、

アクアリアにある湖へ行くから地元民であるアリアが

案内してくれるだけなんだけどね」

 

「神父様から聞いたけどそうらしいね

こいつはアリアと離れたくないだけだからな

谷に獲物探しに行くときですら

かなり渋ってたから無理矢理連れてったしな」

 

そう言って苦笑いしている

横を見るとシーマさんは額に手を当ててため息を吐いていた

話を変えるために狩りのことを聞いてみるか

 

「カイルさんは狩では武器は何を使ってるんですか?」

 

「武器かい?メインは弓で状況に合わせて

短槍と魔法を使ってるな」

 

弓か、扱えるようになればかなり役に立つから

教えてくれないかな、

 

「カイルさんもし良かったら、弓教えてくれませんか?

ここには後5日居ますので都合が付いたらで良いんですが」

 

「明日からでも良いよ、

母さん達を助けてくれたお礼にもなるからね

なんなら、短槍と魔法も教えようか?」

 

「明日はアリアと一緒に裏の集会所で素材の換金をした後

クリエの服を買いに行く予定ですから

明後日からお願いします

ただ、短槍はありがたいんですが、魔法は適正がないから

使えないんですよ・・・」

 

魔法は適正無いのは神様からも言われてるからなぁ

本当に残念だ・・・

 

「そうなのか、なら明後日からやるか

武器は予備が倉庫にあるから問題ないぞ」

 

「短槍は用意できますけど

弓は出来ないので助かります

それでは、明後日お願いします」

 

帰ろうとして歩こうとしたら

足下のシエルが立ち上がって宣言した

 

「明日は私もついて行くからね!!

二人で買い物とかさせるものですか~!!」

 

そう宣言したシエルだったが厨房から出てきたガイルに

引きずられて奥へ消えた・・・

 

クリエも居るから二人じゃないんだけどなぁ

 

 

 

部屋に帰ってきた俺は

カイルさんとの訓練で使う短槍と

在って損はない小盾を創った後

クリエに渡していたナイフを取り出し乙女座を刻んだ

ナイフの名前にビルゴが追加されたのを確認したところで

クリエは素手でも戦っていたことを思い出し

気になった事があったのでクリエを再び呼び出した

 

「夏希様どうかしたのですか?」

 

「クリエは格闘とナイフを使ってたけど盾は使えるか?」

 

「はい、騎士盾と小盾の知識は持っています

ただ、小盾は扱うことは出来ますが騎士盾は

サイズの問題であまりおすすめは出来ません」

 

よし、それなら左手に小盾を装備して

後衛のアリアを守ることが出来そうだ

俺はビルゴを手に持ち

盾の先端から刀身が突き出した

手甲に似た武具を創った

試しに盾の裏にあるナイフをつかんで引っ張ると

ちゃんと引き抜けた。

 

「よし、ちゃんと機能したな

クリエには後衛のアリアを守って貰いたいからね

これなら、腕にはめて使えば盾とナイフとしても使えるし

盾に納めてるときなら両手が使えるはずだ」

 

「試してみなければ分かりませんが

アリアさんを守れるように頑張ります」

 

そういえば、キメラと戦ったとき

上の世界よりも体が動かしやすかった気がしたので

聞いてみた

 

「キメラと戦ったときいつもより

体にキレがあった気がするんだけど

生神になった影響か?」

 

「生神になった影響というよりは

神気を扱えるようになったからですね

夏希様の世界では気を扱える人はあまり居ませんが

気や魔力などを流せば体が強化されます」

 

なるほど、それで動くやすかったのか

 

「気は治癒や筋力などの身体機能が強化されます

そして、魔力は体に属性を付加できます

神気は気と同じく身体機能強化できますが

魔力の様に属性を付加することも出来ます

ただし、出力は気や魔力に劣ります」

 

神気は神の力なのに劣るのか・・・

 

「普通は気や属性を複数持っていないので

多様性が神気の特性とも言えますね」

 

工夫次第と言うことだな・・・

無双とかしてみたかったけど

少なくともまだ無理だな

 

 

そろそろ寝ようかと思いランプに手を伸ばしたが

クロの事をどうしようかと考えていると

クロは頭から降り布団の中へ潜り込んだ

 

帰る気はないらしい・・・

 

「夏希様の護衛をするつもりなのでしょう

私はスマホに帰りますが

クロはこのままでも問題はないと思いますよ」

 

俺は布団をめくりクロを確認したがすでに寝ていた・・・

 

本当に護衛なのか・・・?


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