落とし穴、落ちた所で、生神に   作:美坂 遙

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アリアが部屋から帰った後クリエに

頭の上で寝ているクロの事と

武器の強化について聞いてみた

 

「あのさ、さっきまでクロ居なかったよね?

いつの間にか頭にまた乗ってるんだけど・・・」

 

「クロはシャドーキャットの特性を持っているので

スキル・シャドーダイブで夏希様の影に隠れていたのでしょう

寝ているのはまだ生まれて半日ですから

体力が少ないので体力を回復させてるのでしょう」

 

なるほどねぇ~

 

「今は寝ていますからダメですが意識がある状態なら、

帰還を命令すればスマホの中に戻ります

ちなみに、スマホからクロを選び

強制帰還させることも可能です」

 

気持ちよさそうに寝てるし可哀想だから寝かしておくか

軽いしな・・・

 

「そういえば、武器は後からでも強化出来るって言ってたけど

どうやるんだ?」

 

「スマホから強化したい武器を出して

追加したい能力をイメージし直せば

神気の制御能力の高さが許す限りは強化出来ます

今の夏希様なら、剣などに能力を付ける事は出来ませんが

今よりは攻撃力も上げられます。

それと、簡単な物なら装飾を刻めるはずです」

 

言われた通り棍を取り出し表面に

天秤座のイメージをするとちゃんと天秤を刻めた

一度スマホに戻し確認してみると

神気の棍が神気の棍 リーブラ

となっていた

 

「名前が変わったけど他は分からないな・・・」

 

「流石にまだ気付けるほどの変化はありませんよ

切断系なら切れ味が上がるとは思いますが

打撃系は見た目には分かりづらいですね」

 

確かにそうかもな・・・

太刀も魚座をイメージし魚を刻めた

刀身もイメージし直し少しは見た目が良くなったようだ

鞘も創ろうとしたが上手く入らなかった

鞘はまだ無理のようだが・・・

 

弓も創ってみようかな

長弓をイメージしてみると形には成ったが・・・

 

「引けない・・・」

 

しなるという機能が再現出来ないのか・・・

 

「やはり、まだ形状変化は出来ないようですね」

 

一応、射手座のイメージで人馬の絵を刻んでおいた

矢も創ってみたが・・・

 

「矢減らないし普通の弓使ったら卑怯臭いな・・・」

 

 

 

 

一段落ついたのでアリアの言っていた

この集落の食堂へ向かうことにしたが

クリエは食べ物を食べられ無いから

スマホの中に戻ったがクロは相変わらず寝ている

小さな集落だけありすぐに目的の食堂に着いた

中に入ると40才くらいの女性が

接客していた

 

「いらっしゃい。

その格好、あんたが夏希だね

魔物退治してくれたんだろ?

うちの若い奴らは北の谷に獲物探しに行ってるからね

戦える奴らが少なくてさ助かったよ」

 

そう言って席へ案内してくれた

クロの事を聞いてみたが子猫だしかまわないらしい

しかもこの集落にいる間食事代はタダで良いらしい

 

「恩人に対してうちが出来ることと言ったら

こんな事くらいだからね

あたしの名前はシーマだ、厨房に居るのはは旦那のガイルだよ

おーいあんたー、恩人に食べさすんだから

下手なもん作るんじゃないよ~」

 

奥を見ながらそう言うと厨房なのか

エプロン姿の男性が顔を出して手を挙げて

任しとけと言っていた

 

「今日の夕飯は兎肉のシチューだね

持ってくるから座っときな」

 

そう言ってパンとシチューの乗ったトレイを運んできた

美味しそうな匂いがしているせいか

クロが起きてしまった

 

「み~」

 

私も欲しいとばかりに尻尾を振っている

 

「おや、起きたのかい?

お前さんにはミルクを用意してやるよ」

 

使役獣でも飲めるのだろうか?

そう思って頭から降ろすとシチューへと近づいたが

シーマにつまみ上げられて元の位置に戻された

 

「シャドーキャットの子供なら肉もいけるかもしれないが

まだ小さいからミルクで我慢しな」

 

そう言ってミルクの入っている皿をテーブルへ置いた

クロは不満そうに鳴いていたが

子猫だしミルクの方が確かに良さそうだ。

 

「いやぁ、本当に助かったよ、

キメラなんてハンターかナイトが居ないと

うちくらいの集落なら全滅だからね

もう少し規模が大きくなって村と呼ばれるくらいになったら

ハンターの三星クラスかCrankの騎士が常駐するんだけどね

まぁ今回キメラが来たから近い内に

国からDrankの騎士位は派遣されてくるよ」

 

ハンターの星について聞いてみると

基本的には魔物退治で貯まった功績で星が貰えるらしい

 

「この集落で一番星を持ってるのは二星のカイルだね

名前で分かるかもしれないがうちの息子だよ

娘もこの間一星になったと言ってたね」

 

なるほどね・・・

 

食べ終わったのでお礼をして部屋に帰ろうとした時

入口から二人の男女が入ってきた

 

「ちょうど良かった、この二人が息子と娘だよ」

 

改めて見てみるとカイルさんは20才位、女の子はアリアと同じ位かな?

ただ、女の子はなぜか思いっきり睨んでいる・・・

カイルさんの方を見ると苦笑いしていた。

困惑していると女の子が近づいてきて

 

「私のアリアを誑かしたのはお前か~!!」

 

と叫んだ・・・

 

普通は切れるの男の方じゃないのか?

 


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