落とし穴、落ちた所で、生神に   作:美坂 遙

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1話 プロローグかな

「・・・ここはどこだ?」

 

 目を覚まして周りを見回してみたが目に映る景色が明らかにおかしい

 見えるのは綺麗な七つの水晶らしき物で出来た柱で、その一つ中央にある虹色の柱だけが光っている

 

 少なくともさっきまで歩いていた道では無いな、歩いていたらいきなり落下したような気がするが

 

「とりあえず状況を整理するか」

 

 まず、目の前に転がるバッグの中身からかな。

 

 

(スマホ、手巻き式充電器、財布、ミニ工具付きライト、そして・・・)

 

「画面の割れたノートパソコン・・・」

 

 マジか・・・

 

 

 

 いつまでも途方に暮れていても仕方ないので部屋を調べることにしたが・・・

 

「字が読めない」

 

 水晶の根元にある石板に書かれている字は今まで見たことがなかった。

 良く見てみようと光っている水晶に近付いた時、頭の中に声が聞こえてきた。

 

(それは世界を支える七柱の一つじゃよ)

 

 

 少し慌てて声がした場所を探すが誰も居ない。

 不思議に思っていると今度は上の方から

 

(七柱の間に墜ちてくるとは面白い奴じゃな)

 

 と言う声が聞こえたので見上げると白髪頭のお爺さんが浮いていた・・・

 

 

 

 あまりの光景にポカンとしていたが、少し冷静になってきたのでとりあえず聞いてみた・・・

 

「あなたは誰ですか?」

 

 するとお爺さんは少し笑って答えた。

 

(わしは多層世界の最高神じゃよ)

 

 神様か、まぁ浮いてるし信じるしか無さそうだが、聞き慣れない言葉が聞こえたので、まさかと思い恐る恐るこの場所について聞いてみると

 

(ここか?ここはな、お前さんが住んでいた世界を支える柱のある場所、七柱の間じゃよ。お前さんにも分かりやすく言うと異世界じゃな)

 

 やはり異世界だったらしい・・・

 まさか小説などでよく見る異世界転移とは。

 

「まさか神様が俺を転移させたんですか?」

 

 それを聞いた神様は笑いながら

 

(それは違うぞ?お前さんはな次元の穴に落っこちたのじゃよ、要は落とし穴みたいな物じゃな)

 

 

 

 どうやら小説などでよく見る異世界転移とは、事情が違ったようだ

 

「すいません色々聞きたいことはあるのですが、俺は元の世界には帰れるのでしょうか?」

 

 すると神様は少し申し訳無さそうに今は無理だと言ったので、俺は今はと言った理由を訪ねてみた

 

「すいません、今はと言いましたが、条件が揃えば帰れるのでしょうか?」

 

 すると神様は俺が落ちた穴について話し始めた

 

(お前さんが落ちた次元の穴は世界が成長する時に出来る次元の亀裂なんじゃよ。本来なら大きくなっても精々30㎝位にしか成らんから小さい物しか通れないんじゃが、多層世界の境界の修復に使う星のエネルギーを人間が使いすぎたり、源を作り出している自然を破壊しとるからのー)

 

・・・ここでも環境問題が出てくるのか。

 

(通り抜けた物は下の世界では作れない物が多いから、この世界では神具とも言われておる。お前さん達の世界ではOパーツと言われておったかの?)

 

 Oパーツがそうだとしたらもしかして俺が居た世界の上にも世界があったのか、それと俺の居た世界がそれなら上の世界はもしかして・・・

 

(次元の境界が限界になるとその世界はお前さんが考えとる通り消滅するぞ。)

 

 マジか?

 


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