戸が開いたと思ったら孫策がいて、そして急に戸は閉められた。ダダダッっと二つの足音が遠ざかっていく。
「なんだったんだ?」
「なんだったんでしょう?」
俺達は二人できょとんと首を傾げるが、考えても分からないので準備していた象棋をする。
パチリパチリと駒を進めながら、途中になっていた話の続きをする。
「さっき孫策が帰って来るのは十日前後掛かるはずと言ってなかったか?」
「ええ、私はそのつもりで色々と準備を進めていたのですが……きっと居ても立ってもいられなくて、無理したのでしょうね」
「さっきの様子からするとそんな感じだな。まだまだ子供っぽい所は抜けてないみたいだ」
「十年の呪縛が解けるのですからはしゃぐ気持ちも分かります。けれど予定は守ってもらいたいものです」
「準備には後数日かかると言っていたしな」
「はい、今日明日に持て成せと言われても中途半端な歓迎になってしまいますから。とはいえ、今日は総じて良い日です。先生と再会でき、お姉様も無事で帰ってきてくれました」
「示し合わせた訳でもないのに同日に建業へやってくるとは思わなんだ。しかしなんというか、孫権、大人になったな」
「はい、あれから十年も経ちましたし、私も早く大人にならなければいけませんでしたから」
「遊戯の続きを必死にせがんだ時とは印象が全く違うな」
「先生だから甘えてるんですよ。それに私と対等に象棋が打てる人なんていなかったから、歯止めが効かないほどに嬉しかったのもあります」
「まあ人の目のないところだったら存分に甘えてくれよ。うん、象棋はかなり強くなってるな、攻めも良いし、なにより守りが上手い」
「その守りも先生には容易く抜かれてしまいましたけどね。ふふっ、でも先生に褒められたのなら私も一流の象棋打ちとして堂々と胸を張れますね」
「おうよ、後は攻めの一手をもう一歩深く踏み込んで打てるようになれば完璧だな」
「性格でしょうか、先手をとり続けるような打ち筋は何度打っても満足の行く形となりません」
「そうか、だが戦いを先導するのは兵を指揮する将と王の役目だし、慣れてけよ」
「そう、ですね。お姉様の代わりに戦場に立つ事もあるでしょうし、盤上でもたついていては話になりません」
「……お前、本当に成長したな。孫策よりも大人になったんじゃないか?」
「いえいえ、お姉様もしっかりと成長しておられますから」
「あれでか?」
「……」
目を逸らした孫権に苦笑をこぼし、それからはしばし象棋に集中する。
時たま指導をしつつ、他愛も無い話をしつつ、穏やかな時間が過ぎていく。
そして終盤、孫権は小さな声で呟いた。
「先生、私は……」
「ん? どうした?」
「私の打ち方はこれで良いのでしょうか?」
先ほどと違うニュアンスを感じた俺は、盤面に向けていた視線をちらりと孫権に向けた。
彼女はとても静かに盤面を見つめている。
言葉と雰囲気から推測するに、この盤面は彼女そのもので、それを良いのか? と聞いているのだと思う。
俺は改めて盤面を眺め、盤上の推移を思い出す。
先手を取って攻めるより、敵の攻勢を的確にいなして守りを重視する戦い方。ハイリスクハイリーンは出来る限り避け、ローリスクローリターンを厭わない姿勢。判断には感性による果断は一切なく、広い視野を持って情報を吟味して確実性に重きを置く。指導を良く聞き、自身の判断よりも正しいと思えばすぐ実行に移す。
「これの何がいけないのか、逆に俺はわからんぞ」
孫権が何を気にかけているのかは大体ではあるがわかる。
「私も様々な模索を繰り返し、その末に辿り着いた答えだったんです。ですからこれが正しいと思い、鍛えてきました。けれど勝って全てを得る方法を難なくこなすお姉様を見て、揺らいでしまいました。
ねえ先生、お姉様は私とは違う打ち方をされると思います、そしてその戦いは私よりもずっと先生の懐に近づけるのではないでしょうか?」
「んーまあ確かに、もっと華やかで緊迫した勝負にはなったかも知れん」
「やはりそうですか……」
「想像ではあるが、孫策の打ち方だったら相手に多大な出血を強いた後、王と主要な駒の全てが華々しく散り、そうして最後には空っぽの盤面しか残らんのだろうな。
でもお前の最後の盤面はとても綺麗だ、各々の駒が敵と睨み合ったまま役割を果たしつつ残っている。正直それはすごい事だと思う」
「すごい事、ですか。しかし負けてしまったら意味など」
「意味はある。孫策のやり方では格上だろうと食らいつけるが後がない。負け戦は悲惨なものになるだろうな。けれどお前の負け方はとても綺麗で、次を想像させる戦い方だ。盤上ではなく、現実においてはこちらの方が余程厄介だ。
だから断言する、お前のやり方は正しいよ。孫策とお前では性質が違う、孫策は率いる王でお前はまとめる王、孫策は攻める将でお前は守る将なんだ。どちらも必要不可欠で、優劣をつけようとしても局所的なものにしかならん」
俺はそう言い切った。
孫権はしばらく視線を落としていたが、視線を上げて俺の目を見た時、そこには強い光が宿っていた。
「ありがとうございます、おかげで自信が蘇りました」
「そうか、わがままに付き合って一局指した甲斐があったな」
「ええ、わがままを言って良かったです。という訳で先生、もう一局お願いしても良いですか?」
「俺も動き回ってここに着いたんだ、さすがにもう寝かしてくれ……」
「ふふっ、冗談です。ですけどまたお付き合い願いますね?」
「ああ、しばらくは逗留するつもりだし、また機会もあるだろうさ」
俺はそう言って孫権の部屋から退出した。
周りの気配を確認、よし、誰もいない。乙女の部屋に夜遅くに人が出入りするのは外聞が悪すぎるからな。用心用心と。
それじゃあ用意された部屋でお休みさせてもらおう。
翌日の昼過ぎ、部屋でグダグダしていた俺の元に甘寧にやってきた。
昨日の内に挨拶は済ませているので、おはようとだけ言って用件を聞く。
将だけを集めて情報交換をするので付いてきて欲しいとの事。
んー俺が行って良いんだろうかね? 俺を知らない人間も多いだろうし、元教え子が多いとはいえ線引も大事だろうし。
と言うと、甘寧は苦笑しながら、
周瑜様が仰られた通りですね。荊州と揚州の様子を伺う為に各地を回っていた名医を呼び出した、という建前が用意されていますから、ご安心下さい。
と言った。
昼過ぎまで俺を留めたのはそういう意図があったのか、昨日の今日で素早い根回しだ。きっと俺を囲い込む準備も既に済んでいるんだろうなぁ。
そうして会議室に連れて来られた。
室内には見知らぬ顔の将兵が既に十数人の将が集まっていたのだが……なんか既にそこそこ狭い。
本来将を多く集めて話し合いをする場合、ここよりも厳重な防諜対策と警備が敷いてある玉座の間で行うのが普通だ。
俺は隣りにいる甘寧に何故なのかを聞くと、まだ孫策が帰ってきたことは伏されている、という答えが返ってきた。孫策と孫権の協議の結果、民に気を遣って祭りの準備が整う数日間は箝口令を敷き、隠れながら過ごすらしい。
本当に締まらない奴らだなぁと苦笑が漏れる。
そういった訳で玉座の間は使えない。使う許可を出せる人間が帰ってきている事を示唆してしまうし、何か重要な事が起きるのか? と不安と疑問を抱かせてしまう。
なので次いで防諜対策が施されていて機密情報も話し合えるこの部屋に連れて来られた訳だ。
部屋に入った時、妙な懐かしさを感じた。
なんだろう、と考え、ああそうかと思い至る。
広さを確保するために机や椅子は全て端に寄せて積まれて、十人ちょっとの人間が部屋にいるというのは、孫策達と出会った時の光景を思い出させたのだ。
部屋の片隅で甘寧から孫権に関するあれこれを聞いていると、ばたんと戸が開いた。
「皆待たせたわ」
「皆ごめんねー、おばあちゃん達が中々起きなくてさー」
「仕方ないじゃろ、どこぞの馬鹿娘が大した理由もないのに決死行と見紛うばかりの無茶をやらかしたんじゃから。それと策殿は後で個人授業じゃの」
「そんな馬鹿に付き合った私達の苦労を鑑みて、今日ぐらいは休日にして欲しかったわぁ。それと孫策様は後で個人特訓ね」
「くくっ、お前達の様子を見るに、あの時じゃんけんで勝った儂を改めて褒めてやりたいぞ」
孫策と孫権を先頭にして張昭や程普といった懐かしい顔ぶれが続々中に入ってきた。
しかしその半数は非常に気怠げにしている。
衣服や髪が少しだけ乱れていたり、あくびを噛み殺していたり、目の隈などもかなり酷い、傍目からして眠いのを隠しきれていない。甘寧が言っていた巡回組なのだろうが……しかし孫策と周瑜だけは眠気も見受けられず、ビシッと衣装を着こなしている。
うーん、昨日見せた慌て者ぶりは見間違いだったのかね?
彼女達は各々先に集まっていた将達に謝っていたのだが、何人かが隅っこに居た俺に気付いた。
皆見事な二度見を披露してくれた。
最初甘寧に目が行き、甘寧遅れてすまんと目で伝え、隣りにいるやつ誰だろうと視線が移動し、なんかどこかで見た事あるなぁと首を傾げ、とりあえず頭を下げておこう、さて次に……と視線が移ろうとした所て先生?! と気付く。大体がこんな感じ。
俺の容姿は一切変わってないから、気付くまでの感覚がとても短い。
小さく手を振り、とりあえず会議を優先しようとジェスチャーと視線で訴えかける。
わかりました、とほとんどの人間が言外に察したのだが……
「おっ、白せんせーじゃん! 久しぶり!」
ただ一人それを察する事もせず、更には特級の爆弾を放り込む馬鹿が居た。
「ばっ、祖茂! アンタそれはっ!」
「……のぅ」
「おいおいどうしたよ程普? らしくもなく慌てちゃってよー。なんだ、お前も白せんせに会えて嬉しいのか」
「のぅ、祖茂よ。何故、白様の真名を知っておる? 何故、親しげに真名を呼んでおる?ちょっと儂に聞かせてはくれんか」
「そりゃ十年前に聞いたからよ! お前と権嬢が行った後で皆一緒に……あっ」
「ほぅ、そういう事か。皆の者遅れておいてすまんのじゃが、儂が名を呼んだ者以外は退出してくれ」
文官とは思えない圧を伴った殺気に皆が頷いた。祖茂の話を聞いて自身とは関係ないと悟った者は逃げるように退出し始めている。
孫軍には中途から入った甘寧がすっと退出するのに合わせて俺も部屋を出ようとしたのだが、
「一番の当事者が、何処に行こうと言うのです?」
ぐぬぬ、予想通り捕まってしまった。これは大人しく沙汰を待つしかない。
その後、孫権以外の懐かしい顔ぶれが正座しながら張昭の説教を聞いている。
真名の重要性とか、十年間頑張ってこれた糧が偽物だったのかとか、約束を破る人間は最低だとか、信頼の重要性とか、ぐぅの音も出ない正論を滾々と突き付けられ、誰も何も言えずに聞いている。
激して抑えつけるのではなく、静かに的確にこちらの罪悪感を突きまくるような説教は一時間ほど続いた。
最後に、罰として凱旋の祭りが行われるまでは宴無し、酒断ち、真名の呼び合い禁止を宣言。宴無しで全員が、酒断ちで飲兵衛が、真名禁止で孫策周瑜が悲痛なうめき声を上げた。しかもこの罰は張昭も孫権も遵守すると言われてしまったので、抗う事すら出来ずに受け入れざるを得なかった。
更に罪悪感を募らせるとは、張昭の怒りは相当だったんだろうな。
真名が重要だと頭では分かっているんだが、四百年の空白がどうにも感覚をぼやけさせている。
真名超大事、改めて胸に刻まなければ。
説教が終ったので部屋を出て行った者達を呼び戻そうとして外に出ると、何故か皆が直立不動で立っていた。
張昭のあの声を聞くと無意識に背筋が伸びるのだそうだ。……皆何かしら諭されるような事してんだなぁ。
ともかくようやくの会議である。
まずは支配下に置いた長江南の大部分を巡回していた孫策達の話。
荊州南部、揚州全域は元より、交州東部までも影響下に置くことに成功したらしい。じわりじわりと交州西部にも影響力を浸透させているそうだ。
これにより冬の行動制限が大分緩和された。交州は冬でもそこそこ暖かく、作物の収穫が可能であり、海に面していているので塩と塩漬けや干物にされた魚介類が手に入る。他諸侯よりも食糧事情が潤った訳だ。
反乱の兆しもなかったようで、満足の行く収穫を得てこれたそうな。
次いで孫権達から長江北の様子が報告される。
袁家は身辺整理で忙しく、曹操は北の制圧に成功したが蝗害が酷く、その他諸侯も自領の平定で慌ただしく、まだ戦乱の舞台は幕を開けていないとの事。
ここに来て皆の顔に苦みが交じる。
当初立案されていた作戦を大雑把にまとめると、
1.まごまごしている袁家を壁にして、今の内に地盤を固める。
2.反董卓連合軍でも力を温存しながら戦っていた曹操は恐らく秋の収穫を待たずに袁家を攻める。
3.袁家は大打撃を受けるだろうが、兵数の差から決着は付かずに冬が到来。諸侯は冬を耐える為に行動が一切出来なくなる。
4.中華南部に本拠を置く孫軍は冬であっても比較的行動の制限がない。しかも温暖な気候の交州との交易路が確保出来れば行動は広がる。そして冬の内に可能な限り物資の調達に奔走する。
5.物資貯め込みが済み次第、春の兆しが見えた瞬間に北上して戦闘の傷が癒えていないであろう冀州袁家を背後から強襲。出来るならそのまま勢いに任せて曹操を飲み込む。
6・後は浮足立った諸侯を順次飲み込めば勝利。
という物だった。しかし曹操領地の大災害によって作戦は大幅な修正をしなければいけなくなった訳である。
なんともタイミングが良いというか悪いというか、順当に行っていればこの秋で大陸覇者の結果が出る筈だった。
曹操が袁家を飲み込み、孫家の地盤固めが間に合わなければ曹操の勝ち。
袁家がゴタゴタを早々に片付けて腰を落ち着け、曹操の対処に成功したなら袁家の勝ち。
冬の到来までに両雄の決着が付かず、損害がそれなりに出ていれば孫家の勝ち。
曹操側と袁家側の同盟がなされないならば、このいずれかの結果になっていた事は想像に難くない。
それほどまでに三者の力は突出していた。
だがここで曹操が脱落すると、三者の中でも頭二つ抜けて金、人、名誉を保有する袁家の一人勝ちになってしまう。
そうなってしまうと完全に手が出せなくなるので、孫家は裏から曹操と手を組まなければいけない。
そして袁家を二陣営で挟撃して打倒し、冀州を平定した後に両者の激突となるのだが……そこにたどり着くまでに掛かる時間で他陣営がどこまで巻き返してくるのか予想がつかない。
場が混沌としている間に天の御遣い陣営が盛り返すという事も……ああいや、そうか、すっかり忘れていた。
管輅が言っていたじゃないか、これは天の御遣い達の物語だって。
そうなるとこの混沌とした状況が創り出されたのは世界が望んだ運命なのか、もしくは管理者が手を回したのか。きっとそのどちらかなのだろう。
すんなりとはいかないが、色々と納得はできた。
まだ確定したわけではないが、天の御遣い達も援助して仲を深めておくのが正解か。
後で周瑜に言い含めておこう。
情報のやり取りも済み、凱旋パレードの詳細も詰まり、そろそろ会議解散の空気が漂い始めた所で周瑜が最後に、と言った。
「事前に簡単な説明をしていたが、皆の後ろにいる者の紹介を改めてしておきたい」
皆の顔が俺の方を向いた。
「彼の名は謙信と言い、治せぬ傷病無しと謳われた名医である。ここにいる多くの者は顔を見た事すらないだろうが、謙信殿は母が存命だった頃からの付き合いであり、また十年前から現在我らの統治下にある各地を先んじて回り、我らの事を喧伝しながら民を慰撫してくれた大恩人でもある。
今回の視察が何の障害もなく進められ、また統治を受け入れてもらえたのは謙信殿の功績が多大なのは孫策様も大いに認める所である」
熱い持ち上げである。しかしものは言い様だな、母が存命の頃からの付き合いって、間違っちゃいないが……。きっと先代からの付き合いという事を盾に色々と封殺したいんだろうな。
「彼の仕事はあくまでも医者であり教育者であるが、その知見を頼る為に城へ招く事もあるだろう、皆面通しを済ませておいてくれ」
早々にお前達の地位を脅かす存在ではないと将達に告げてくれたおかげで、こちらを向いた彼らの顔に悪感情は見受けられない。
「では危急の用がなければ再び集まるのは四日後の凱旋になる、それまでは各自好きに過ごせ。解散」
周瑜が解散を告げ、皆すぐに会議室を出て行く。
狭く窓もない部屋にすし詰めで、更には会議が長引いたので室温がやばいのだ。
俺もさっさと部屋を出たいが、忘れぬ内に周喩に御使い陣営の援助を言い含めておきたい。
なので周瑜と孫策の元に向かっていったのだが、
「先生、ちょ、ちょっと止まって!」
孫策に制止の声を上げられた。はて?と首を傾げていると、
「今ちょっと汗があれでちょっと近付かれると!」
あーそうね、これは気遣いが足りなかった。
「水浴びしてくるから、話があるならそれから!」
「まあ急ぎじゃないし、そういう事なら退散する」
「すみません先生、またこちらから伺わせいただきますので」
「ならそうだな、街で診療所を開く為の場所を確保しているからそこに人を寄越してくれ。開業準備の為に三日は昼夜問わず掛り切りになっているだろうし、好きな時間に来てくれて良い」
「わかりました、出来れば今日の夜にでも伺わせてもらいます」
「南地区の大通りに立て看板を用意するからすぐに分かるはずだ、それじゃあまたな」
そう言って俺は部屋を出、歓迎のための準備のために真っ直ぐ診療所へ向かうのだった。
「白様、お待ちしていました」
そうして診療所兼自宅に戻ると、そこには管輅が待っていた。
「悪いな、昨日の夜には戻るつもりだったんだが、予定外が」
「孫策が帰ってきたのでしょう? 大丈夫です、知っていましたから」
「相変わらずの予知だな。しかしそれでも不義理ではあった訳だし、謝るべきだろう」
「律儀な人ですね。謝意は白様の手料理で表して下さい」
「分かった、腰を落ち着けての料理は久々だし、肩慣らしに精一杯振る舞わせてもらうさ、材料は……」
「用意してあります、それと孫策と周瑜が直接やってくるので彼女達の分も用意した方がいいでしょう」
「……このままだと頼り切りになって、堕落してしまいそうだ」
そう苦笑いをしつつ、俺は昨日の段階で合流を果たしていた管輅とのやり取りを振り返るのだった。