ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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『あー、あったあった、あったわこんなハナシ』

 

 先日のカオスはなんだったのか。

 本日は逆に大人し目の2-A。じょしちゅーの心内(こころうち)は男子には掴みきれないよ。

 

 というよりは距離を置かれているご様子?

 ここのところ教室内で堂々と近づいてくるのが鳴滝姉のみって、俺のロリコン疑惑がまた深まるじゃないですか。やだー。

 元より男子であるワタクシめと淑女どもの距離がまた広がっているよぉ。ふぇぇ。

 

 

「くーふぇいとしょーぶすれば打ち解けるんじゃないかな」

 

 

 ガタッ、と風香の言葉に立ち上がる黄色い勝負馬鹿。座ってなさい。呼んでねーから。

 

 ちなみに現在は昼休み。わがクラスの淑女どもは中庭にてバレーに興じているようであった。

 クラス内にいるのは件のイエロー以外だと、屋台率いる中華な一味や、授業の予習をしていたりする金髪お嬢様に若干ニヒルな隣のメガネっ娘。

 バレーに興じているのは運動部四人娘、そのそばには図書館探検部らしき組み合わせがいっしょに雑談をしている模様。あのロングヘアデコ助はきっとバカブラック。

 そういえば、最近活用しきれてない原作知識によれば、バカレンジャーよりも鳴滝のほうが成績いいってことなんだよな……。見た目小学生に負ける学力って……ぷふー。

 

 

『なんだか不快な視線をいただいているようなのですが……』

 

『え、えと、ゆ、ゆえゆえは子供じゃないですよー……下着とかも紐だったりするですよー……』

 

『待ちなさいのどか、それは何のアピールですか』

 

『え……、ロリコンさんに目をつけられないために、』

 

『喧嘩を売っているのですか。

 いいでしょう、言い値で買いますよ……っ!?』

 

『そ、そんなつもりはないよー……!』

 

 

 おや? バカブラックとやらに目を向けていれば何やら不穏な雰囲気に……?

 宮崎?とゆえゆえとか言ったはずのデコ助が喧嘩っぽい空気を醸している。珍しっ。

 

 と、確か次は体育だっけ。

 着替えを持って男子便所へ向かうべく席を立つ。残念ながら更衣室が無いので、教員用男性トイレのみが今の俺の安息地である。まだ時間はあるけど、ここの淑女どもが教室で着替えをする前に移動しておかないとにゃー。

 

 

『~~っ! ~~っ!!』

 

 

 ん? なんか騒がしい……。

 

 

「なんかあった?」

 

「あっ、烏丸くん! こ、校内暴力がー!」

 

 

 教室を出たところで鉢合わせたのは最近めっきり影の薄くなっていた和泉に、これまで直接の対面が無かった佐々木まき絵。

 特に佐々木は若干涙目。おぅ? なにがどーした?

 

 

   × × × × ×

 

 

 ネギ君を呼びに行くと言った佐々木と別れて、和泉とともに現場へ急行。

「女子高生あたーっく!」との台詞とともにバレーボールで弾き飛ばされる前髪っ娘がいた。

 

 

「おーい前髪、大丈夫か?」

 

「ま、前髪……? は、はい、なんとか……」

 

 

 なんだか喚き立てている女子高生らしきお姉さま方はいったん放置としておいて、倒れた宮崎?に声をかけて助け起こす。

 ちょっとおどおどとした態度だけど、そこそこ普通に対応してもらえてはいるようだ。男性恐怖症の娘だとか聞いていたけど。ネギ君で慣れたのかね?

 それとも俺がロリコンだと思っているから平気だとかいう理由じゃないよな……? ないと思いたい。

 

 

「ど、どうして男子がここに……」

 

 

 おぅ。確かミッション系の高学年お姉さま方。黒百合? 黒薔薇? 確かそんな人たちだった気がする。

 驚いてる?

 

 

「共学化のテストケースですよ、お姉さま方

 それよりなんでまたこんなことを?

 仮にもクラスメイトにこんなことされて、ちょっと納得がいかないんですけど?」

 

 

 バレーの場所取りか? そんなんでいざこざ起こすって、お前ら小学生かよ。

 とは言わない。俺、空気読んだ。

 

 

「ふ、フンっ

 その子達が生意気だからちょっと教育的指導しただけよっ」

 

 

 うわっ、この人空気読めてねえっ。

 子供みたいな論点で中学生に突っかかるって、本当にお嬢様なのか? いや、ある意味お嬢様っぽいかもしれないけどさ。

 

 

「こ、コラー! 僕の生徒たちに何をするんですかー!」

 

 

 おお、ネギ君が佐々木に連れられてやってきた。

 

 ソレに気づいたお姉さま方。

 

 あっという間に囲まれてたじたじのネギ君。

 

 もみくちゃにされて可愛がられ始めた。

 ナニソレ羨ましっ。

 

 

「えー……

 なに? 要するにあの人たちって全員ショタコンなの? 雪広の同類なの? それが気に食わない理由なの?

 えー……、引くわー……」

 

 

 口にはそう出すけど羨ましいのも事実。イケメンは得だよねー。爆ぜろ。

 

 

「何の騒ぎなのよ? 校内暴力とかってきいたけど……」

 

「おお、明日菜

 あれだ。ネギ君が女子高生に捕食された」

 

「は?

 ……え。

 なに? あの人たちっていいんちょと同類なの? ショタコンなの? 引くわー……」

 

「お前俺と同じ台詞言ってるよ」

 

 

 どうしよう。助けるべきかもしれないけど、今その場に突貫するのってモテない男の僻みみたいに思われそうで行きたくない。

 

 

「二人とも、そこで私(ワタクシ)を引き合いに出すのはやめていただきたいのですけど……」

 

 

 雪広までやってきた。

 アレどうしようかね?

 

 

「って、雪広はアレを見て怒ったりしないの?」

 

「そんなことしませんわよ

 ネギ先生がわがクラスの担任というのは変えようのない事実

 ならば先生を信じて待つのも、いい女の条件ですわ」

 

 

 一段階上だった。訓練されたショタコンだった。あと何気にネギ君が完全に担任にされていた。そして高畑先生がいつの間にかクビになっていた。

 

 

「待ちなさいいいんちょ、高畑先生がまだ担任よ

 勝手にガキンチョを担任に据えないでよね」

 

「すぐにそうなりますわよ

 高畑先生って出張ばかりですし、未だにクラスを任されているとは思えないですわ」

 

「やだ、辛辣……

 それはそうと、お前らネギ君助けてやろうぜ

 なんか脱がされ始めたんだけど」

 

 

 た、たすけてー! というネギ君の悲鳴が中庭にて木霊する。しかし女子高生ぱわーに押されて、我がじょしちゅーぱわーでは太刀打ちできないようだ。みーんな遠巻きに眺めています。

 

 

「キミたち、そういうことは止めてあげてほしいなぁ」

 

 

 おお、高畑先生だ。高畑先生がご光臨なされたぞ!

 

 なんだかんだと口を出して穏便に女子高生たちを撤退へと追い込む高畑先生。きゃー、かっこいー、おっとなー。

 

 

「助かりました

 正直年下の俺≪男子≫が其処に突っ込むには問題があったので」

 

「いや、これくらいかまわないさ

 これも仕事のうちでもあるしね」

 

 

 そこで『仕事』と言わなけりゃかっこいいんだけどな。

 あ、そういえば聞いておきたいことがあったんだ。

 

 

「あー、ときに先生

 『職場』のお仲間とは最近どうです?」

 

 

 隠語で魔法先生のことを暗に指しつつ質問。でもコレ多分通じてないかもしれない。

 なんでこんな質問を? と思われるかもしれないけど、セル彦があの後どうなったのかが知っておきたい。

 あれからもう一週間くらいたってるけど、見かけないから生存報告を聞いておきたいというか。

 

 

「なんでそんな質問を?

 特に変わったことはないけど……

 ああ、あれがあったかな」

 

「なんです?」

 

「いや、気にすることでもないだろうけど、瀬流彦先生がね」

 

 

 おお、どんぴしゃ。

 

 

「何故だか知らないけど、いきなり男子中等部に転属願いを出してね

 まあそんな勝手なことをこの三学期の時期にできるはずもないから、新田先生に大目玉を食らったんだけど」

 

 

 そう笑いながら話す高畑先生。だが……

 諸に『反転』しちゃってますよねー、趣味嗜好。

 

 改めて、しずな先生の恐ろしさを実感した。

 

 

「そういえば、そのすぐあとにサウナにいっしょに行かないかと誘われたんだっけ……

 仕事の都合がつかなくて断っちゃったけど、あれはなんだったのかなぁ……」

 

 

 進化もしていた。無駄に嗜好が広がっていた。

 先生逃げてー!

 

 

   × × × × ×

 

 

「やっぱり高畑先生だよねー、ネギ君は結局おこちゃまだしー、大人の魅力ってゆうかー? みたいな、きゃはっ☆

 みたいなことを囁き合っていたんじゃねえの? お前ら」

 

「お前教室に盗聴器でも仕掛けてんのかよ……」

 

「当たった?」

 

 

 なんとなーく、そんなことを話していたような気がしてちうたんに答え合わせを要求。根本的に他人事と割り切っているらしい長谷川はまったく気にもかけていないらしいが、そういうハナシを着替えながらやっていたのだと言われて、引かれた。

 

 

「いや仕掛けてはいないけどね

 割と考えることくらいは予想つくもの

 みつを」

 

「つうか十歳のガキに期待どうこう以前に、そういう仕事をやらせようって言うのがまず間違ってんだけどな

 くそ、なんで気づかねえんだよアイツら……」

 

 

 それが認識阻害だもの。みつを。

 

 

「しっかし、あたっていたとなるとネギ君の株価も下降中かねえ

 いや、人気でやれるほど甘い仕事だとは思ってないけどね、教師って

 でも中学生っていう多感な時期と向き合うには必要な要素だと思うのよ、俺は」

 

「前から思っていたけどお前って結構爺臭いよな」

 

「失礼ね! 誰が加齢臭漂うオッサンよ!」

 

「言ってねえよ

 あと女言葉やめろ、キモイ」

 

 

 茶化してみたけどこれは転生者とかいうのが理由なのではなく、まともに付き合っている年上の幅が広いから。近くは高校生の先輩だけど、一応身元引受人は学園長だし、バイト先は新聞配達だし、よく話すのは高畑先生だしー。

 あとキモイ言わないで。

 

 

「まあそんなことより

 結局体育はどこでやるのさ?」

 

「屋上だとよ

 お前が女ならこうやってわざわざ呼びにいく必要もなかったんだけどなぁ」

 

「俺が女だったらこういうややこしい話にはなってないけどなぁ」

 

 

 軽口を叩きあいながら、言われた場所の突き当たり。階段を上りきった踊り場の扉を開ける。

 

 

『ドッチボールで勝負よ!』

 

 

 ……ん?

 

 




~『下着は紐だったり~』
 アダルト路線でアッピール。烏丸くんはクラス内ではロリ●ンだと認識され始めているようです。

~女子高生あたーっく
 原作ではその場にいたのは運動部の四人のみ。しかしこの世界のアキラたんはスタンド使い。これが運命の分岐点なのか・・・

~黒百合
 そらの原作知識はうろ覚えレベルです。作者も。

~ネギ君
 相も変わらず出番がない。この世界線では助けられもしなかった。多分あやかの狙いは××されてトラウマを負ったネギ君をやさしく介抱することで自身の好感度を上げようという若干姑息な手段。伏せ字の部分はR18なので各自ご自由に妄想下さい。

~サウナ
 俗に言うハッテン場。アッ―――――!な展開が待っている予感?

~みつを
 天丼芸は残念ながらおあずけ。


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