東方渡世抄 〜現実と幻想の境界〜 【更新停止】   作:小鳥戦士

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とりあえずすぐできたので投稿。



第一章 転生
第1話 博麗神社と蒼刃の現状


心地良い風が、少年を包み込む様に吹く。

その風は森の木々を揺らし、微かに音を立てる。

目の前には、山の斜面に沿う様に取り付けられた、少し苔の生えた石階段が山の頂上まで繋がっているー

 

太陽の光が少年を照らす中、その少年は目を覚ました。

 

「 ......此処は.......」

 

なんだろう.....なんか懐かしい感じがする。それに風が気持ち良い。

 

少年、望月 蒼刃はゆっくりと眼を開け、目の前の光景を目にした。太陽の光が目に入り少し眩しそうにして。

 

「階.....段?なんで目の前に.....」

 

.....登るか。それしかやることが無い。

 

 

〜少年登山中〜

 

 

 

「はっ.....はっ.....はっ......」

 

長すぎないか?この階段......なんか体がすぐ疲れるし頭くらくらする......

 

そんな頭と体の働く余力も残っていない俺は、あることに気づく。

 

「..........そうか、そうだった。俺は......」

 

ー終業式の時に倒れたんだったー

 

なら、この階段は?森は?風は?太陽は?この肉体的な疲労は一体なんなのか。

 

これは意識がないからこそ見える、一つの幻想の欠片なのだろうか。

 

しかしその答えは、割とあっさりとあり得ない光景として紐解かれた。

 

 

 

 

「は?」

 

それは階段を登りきったすぐ先にあった。

 

「.......は?」

 

それは、一つの神社と一人の巫女だった。

 

「....................は?」

 

その神社の名は『博麗神社』。その巫女の名は『博麗霊夢』。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁈」

 

この世界の名は『東方project』。

それは古来よりその存在を知られているものでありながら、その正体を解明出来ないがため、空想の存在とされている妖怪や神を擬人化した弾幕シューティングゲームである。

そしてここはその東方の舞台、『幻想郷』。

忘れ去られたものが唯一存在できる、永遠の楽園。

 

「う.....うっそっーん......」

 

俺は驚きの余り貧血の影響もあるのか、そのまま地面に倒れこみ、また気絶してしまった。

というか、幻想の欠片とかそんなチャチなものではなく、二次元という名の幻想そのものだった。

 

〜少年現実逃避中〜

 

 

 

「何かしらこいつ。いきなり現れて参拝客かと思ったらいきなり倒れて。」

 

「さぁ?もしかしたら幻想郷に迷い込んだやつかもしれないぜ?」

 

蒼刃が倒れた後、すぐに駆けつけた博麗霊夢と、神社に入っていた霧雨魔理沙によってとりあえず神社に運びこまれた後、霊夢と魔理沙は蒼刃について話し合っていた。

まあ、どっからどうみても蒼刃は不審者なので、何かあったらいけないとの事。

ん?蒼刃が起きたようだ。

 

「......うーん、知らない天井だ。」

 

「いやでしょうね。」

 

一度やってみたかったこのセリフである。つーかここどこだよ全く......

 

「ん?だれ.......ゑ?」

 

..........いるね、あの方が。仕方ない、定番の定番いきますか(震え声)

 

「う.....う.....」

 

「「う⁇」」

 

そして俺は言った。半分自暴自棄して。

 

「嘘だど「うるさい。」そげぶッ⁉︎」

 

いや言えなかった。いやね?溝うちにライダーキックくらったんだよ⁇バカなの?死ぬの?

 

「いや......俺が死ぬ.....」

「なにいっているの?うるさいんだけど。」

「ハイ.....申し訳......ありません......」

 

モウヤダコノヒトコワイ

 

でも、そんなふざけたやりとりはすぐに終わる。

何故なら........

 

「おいおい霊夢!年下の餓鬼にそれはひどいんだぜ⁈」

 

「はい?ちょいちょい、俺は君らよりも年上.......」

 

 

............え?

 

 

俺の体が、若干9歳くらいにまで若返っていたからだ。

 

な.............なん......だと........?

 

「体が......縮んで.......る?」

 

おかしい、どう考えてもおかしい。

何故だ、何故こんな体になった?それに何故か声も高い。

確かにこの世界はしっているし主人公達にあったいまそれはハッキリした。しかし疑問もまだ幾つか残る。それは

 

『そんな能力を持った奴が原作にいただろうか?』

 

 

この東方projectの世界は人間、神、妖怪と大きく分けて3つの存在がいる。

その存在は互いにいがみ合う事は少なく、人間は妖怪を恐れ、妖怪は恐れを媒体に存在し、神は人間に信仰されることで存在を保ち、人間に協力する。

 

そして一つ。ある特殊なものも存在する。それが『能力』である。神は基本的には能力を持っているが、人間、妖怪はそうではない。才能ある者しか扱えないのだ。

 

だが、そんな能力を持った奴はいない。そう断言できる。

 

 

「なにブツブツ言ってんのよ。まずあんた名乗りなさいよ。」

 

俺はハッとした。そうだ、幾ら考えても仕方ない。起きてしまった事は今はわからないけど、後からきっと解る。なせば大抵なんとかなる。はず。

 

とりあえず俺は本名を名乗る事にした。

 

「......俺は望月 蒼刃。望む月に蒼い刃と書いて望月蒼刃。歳は16......身体はこんなんだけどな。」

 

「いやいや、そんなちんちくりんな身長で16はないだろ。」

 

「仕方ないだろ。目が覚めたらこんな体になってたんだから。」

 

魔理沙がそう言うのも不本意ながらも頷ける。何故なら魔理沙や霊夢のちょうどお腹当たりに顔があるのだ。小さすぎる。

 

「.......博麗 霊夢。この博麗神社で巫女をしてるわ。」

 

「おい霊夢。こいつは信じて良いのか?なんかいかにも怪しいぜ?」

 

.......やっぱ怪しまれるよな。俺。

 

「大丈夫よ。私の感がそう言ってる。」

 

「ならいいか......お前の感は必ず当たるもんな。」

 

やっぱり博麗霊夢の感は当たるらしい。必ずと言う当たり、この時期は大体の異変は解決した後かな。あんまり原作したこと無いけど。

 

「さっきは疑って悪かったな。私の名前は霧雨 魔理沙、普通の魔法使いだぜ!」

 

うん、しってる。そのセリフはもう固定なのかな?ほぼ必ず聞くんだが。

と言うか他人の感だけで人を信じるのはやめた方がいいと思う。

 

「いやいや、あれは怪しまなきゃおかしい。気にしてないから大丈夫だ。問題ない。」

 

「ならいいぜ!」

 

サラッとスルー、兵長スタイル。やっぱここはネタは通じないよなぁ......つまらん。

 

「んじゃ博麗に霧雨「「名前で呼べ、面倒くさい。」」.....霊夢と魔理沙に質問。ここはどこでなんか見てるそこの奴は誰?」

 

「「え?」」

「ッ⁈」

 

まあ、本当はしってるけど俺の故郷がある世界の事は隠した方がいいかな。混乱呼ぶしまた怪しまれかねん。

後、なんかなにもない空間から見てる奴、やっぱりあいつだな。

 

そう思った直後、空間に亀裂が入った。

 

「.......始めまして、ここ幻想郷の創設者にして妖怪の賢者。八雲 紫でございます。以後お見知りおきを.......」

 

おっと出た出た。妖怪賢者、ゆかりん参上ってか?てゆうか

 

「無茶苦茶若く見えるなッ⁈」

 

なにこれ、原作や動画の設定画像から若い外見してる事は分かってた。でもこれは若すぎないか?

 

「あらぁ〜!嬉しいこと言ってくれるじゃない!ねぇ、私いくつに見える?」

 

「いや......まあ......その......20代前半?」

 

「あら惜しいわぁ。正解は「1000歳越えのBBAだぜ。」.......」

 

「さっ、行きましょうか蒼刃君。」

 

「えっ......ちょっま」

 

『アアアアアアアアアアアア‼︎』

 

魔理沙の断末魔の叫びが、霊夢に背中を押され、部屋から連れ出されていくなか、聞こえてきた。さながら

 

〜この現象はスキマ送りにされました〜

 

とでも言うのだろうか。

 

 

 


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