東方渡世抄 〜現実と幻想の境界〜 【更新停止】   作:小鳥戦士

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普通の少年は不幸にも運命を翻弄され、
この世界から追放される。
それでも少年は、故郷の世界の記憶を胸に、
新たな人生を歩きだす。

東方渡世抄 〜現実と幻想の境界〜

始まります。


プロローグ
別れは突然に


キーン コーン カーン コーン......キーン コーン カーン コーン.......

 

今日も今日とて、学校の朝のチャイムは鳴る。本日の天気は晴れ。風は心地良く吹き雲の一つもない、完璧な青空。

全国でこの天気が続いているのだろうと思える程の雄大な空。

そんな夏真っ盛りの中、今焦点を当てている学校はいつもとは違った雰囲気を出していた。それもそのはず、今日は7月17日。全国の学校に存在する長期間のお休み、そう夏休み前日である。そのため学校の生徒達は夏休みになにをするかなどの話の花が咲いていた。

 

「おーし、ホームルーム始めるから席つけ〜」

 

アッ、センセイキタ

ンジャアトデナ

ツーカアイツハ?

サァ?マタチコクジャ?

 

先生がクラスに入ってきた途端、さっきまでの賑やかな話は終わり、今度はヒソヒソとおしゃべりが始まった。

 

「よーし、みんな席ついたな?ホームルーム始めるぞー.....ってはぁ.........またかアイツは.....高校2年なんだからもっと自意識をだなぁ.....」

 

このクラスでは毎日毎日遅刻してくるやつがいた。

1年の頃は礼儀正しく、部活に勉強に。もちろん遅刻も無し。優等生みたいなやつだった。だが今となってはどうだろう。部活にはしっかりとやる気を注いでいるようだが他はダメになってしまった。何故そうなってしまったのかとこの教師は思う。自分の教育がダメなのかと日々葛藤としている辺り、この教師はいい先生なのだろう。

 

その時、廊下からドタバタと走っている音が聞こえてきた。その音はどんどん近づいてきたと思った途端

 

「ダイナミック登校 IN クラスッ‼︎」

 

と、よくわからない事を叫びながら一人の生徒が教室に入って

 

「はいOUT〜〜」

「いやセーフだプギャッ⁈」

「皆までいわせねぇよ?」

これずに教師にドアを閉められそのまま激突した。

 

 

 

 

 

*******************

 

 

 

「イ.....イタイ、痛すぎる......」

 

「だ.....大丈夫?思いっきりドアにぶつかってたけど......」

 

「大丈夫ならこんな顔から滝のように血が流れてるわけないだろ天然か...... 」

 

彼の名前は望月 蒼刃。ここ碧永高校の生徒で高校2年生だ。ちなみに高校はあおながという。特に紹介するような特徴はなく、強いて言うならサッカー部に所属してるくらいだ。あとまぁまぁ口が悪いが童顏である。

 

「て、天然じゃない!私は普通だよ!あいむのーまる‼︎」

 

「確かに天然じゃないな。訂正するよ。お前はただのおバカさんだった。ごめんな?気づけなくてw」

 

「はぅぅぅぅ......」

 

初回から彼に弄られている天然おバカの女の子の名は如月 澪。蒼刃と同じ碧永高校2年生である。彼女はただの天然なのかおバカなのか、たまによくわからない事をしてくるのでいつも一緒にいる蒼刃の格好の餌食になっている。ちなみに彼女も童顏である。

 

この二人、実は幼稚園からの付き合いでいつも一緒にいる。流石にトイレは無いが。まぁ、いわゆる幼馴染って奴だ。別にベッタリって訳じゃないが、本当に仲が良いのでリア充リア充と(特に蒼刃が)男子に妬まれている。

 

〜閑話休題〜

 

「さってと......」

 

「あり?どうしたの蒼刃君」

 

「トイレだよトイレ。お前はトイレまで着いてくる気か変態か。」

 

「ちっ違うよ‼︎ただどうしたのか聞いただけだよう‼︎」

 

「ハイハイ、変態さんは座ってな。」

 

ガラララ.....とドアを閉める

 

「ちがーう‼︎」

 

澪を弄るだけ弄った後、蒼刃は鼻血を処理しにトイレに向かった。そこまでやばいらしい。

そこに、蒼刃と入れ違いになったらしい人物がドアを開いてやってきた。

 

「ん?なんだあいつ。おーす!澪いるか〜?.....って澪〜?どうしたの?」

 

「うう〜......沙良ちゃ〜ん.....」

 

その時私は机に突っ伏して涙目ながら呻く彼女を見て思った。

あぁ..... またやられた《弄られた》のね〜......と。

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

「んで?早速冒頭ながらもはや恒例の行事の如く澪は弄られた訳だけど.....『あれ』渡せた?」

 

「うぅぅぅぅ..... あんなマシンガントークの弄りの中で渡すなんて無理だよ.....まさに戦車に水鉄砲で挑む様だよ.....」

 

「物っっ凄い例えをするんだね澪。でも何故かな?何故かその言葉の意味がわかる気がするんだよね..... 」

 

沙良ちゃんが教室に入って来た時から時間は経ち、今は終業式に向かうため、二人で体育館に向かっている所です。

ちなみにこの子は神崎 沙良ちゃん。私の高校の一番の友達です。

 

そしてこの視点からは始めまして、如月 澪です。これからよろしくお願いしますっ!

 

「でもさ、終業式終わるまでに渡さないと間に合わんじゃん?」

 

そう、その通りなのです。今日、終業式が終わるまでに渡さないといけない物があるのです。ですが......

 

「あんなん恥ずかしいし無理だよ.....」

 

そう彼とは幼稚園の頃からの幼馴染で何かと一緒に居る事が多い。だけど何ヶ月か前、彼は劇変した。

元々彼はそこまで活発的な人ではなく、どちらかと言うと物静かな性格で限られた友人家族としか関わらなかった。

でも、今はどうでしょうか。限られた友人家族との関係は変わらないとしても性格に関して180°変わったと言っても過言ではなくなってしまいました。

でもその事に気付いているのはこの学校では私だけ。この碧永高校は私と蒼刃君の家からは少し遠い場所にあるため中学のみんなとは離れているのです。

 

「あぁ.....道は遠いよ千里の道だよ.....」

 

「直ぐそこにゴールはあるけどね〜。」

 

あぁ、《彼》ならどうしたんだろうなぁこんな時.......

 

 

 

 

****************

 

 

 

「え〜ですから、この碧永高校の生徒である事に誇りを持って夏休みを有意義に過ごしてください。即ちそれは〜」

 

 

「ふぁぁぁぁ......ねむねむ」

 

どうもこんにちは。こちら蒼刃だ。この視点からは始めましてだ。これからよろしく頼む。

 

それよりも校長の話が長すぎる。なんであんなつまんない話に59文字も使われるんだよ多すぎだろ。10文字で十分だろあんなん。

 

とゆうかさっきの鼻血で軽く貧血なんだよなぁ.....立ってるの地味にキツイ。

 

「みお〜、鉄分補給グミみたいなのない〜?」

 

「えっ⁈うーん....あっ、あった。はい鉄分グミ。」

 

「あーとー」(ありがとう)

 

そんな時は後ろの人間四次元ポケット澪。こいつなんでも持ってるからなぁ.....流石幼馴染。大助かりだ。

 

「えっと、蒼刃君?さっきからフラッフラしてるけど?」

「え?なんて?」

 

つーかどうやら俺はかなりヤバイ状況らしい。なんか周りがチラチラ見てくるなぁと思ってたけどそれかぁ.....ってか周りのコエがドンどんきコえなくナッてきた......?

 

 

 

ブシュッッッッ‼︎‼︎

 

 

 

 

 

なにかが死んだ決定的な音がした。

 

 

「ソウハクン?ソウハクン⁉︎シッカリシテ‼︎ソウハクン‼︎」

 

身体に力が入らず、感覚が消え去っていく。意識が消えかける。何が起きたのかわからず、無意識に自分が立っていた床を見下ろそうとしてーーー世界が90°違って見えた。もう既に身体は気付かぬうちに倒れていた。しかしそれだけでは終わらなかった。

 

 

 

俺の身体は、自らの鼻から、耳から、口から、目から。あらゆる穴から噴き出した赤黒い血液の海に倒れ込んでいた。

 

 

「ウソ、ウソ!ウソ‼︎ナンデ⁉︎ドウシテソウハクン⁉︎マッテ、マッテヨ‼︎ワタシマダーーーー」

 

もう、なにも聞こえない。なにも……感じない。いまやっと理解した。これが、この消えて無くなりそうな感覚こそが、生命の終わり、死。

俺は誰の叫び声か分からないまま、意識を手放し崩れ落ちた。でも最期の最後で、懐かしい感じと共に慌てふためくやつの顏を見ていた。

 

なんかゴメン。でも.....泣くな.....よ.....?

 

 

 

 

 

この日俺はこの世から消え去った。

 

それは、暑い暑い夏の始まりの日のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わはは〜、あいつドンマイすぎるだろ。朝寝坊しただけであそこまで悲惨な運命たどんのかよw

これはどうする事も出来んなぁ.....まあ、あんな死に方する運命に生まれた奴が悪いってことで‼︎

あぁ〜早く終業式終わんないかな〜。

 

《ソイツ》は、まるで興味が無い様に目を逸らし、早く夏休みが始まる事を願った。人の死を、目前にして。

 

ふぁぁ、眠すぎ。ん?なんだよいま取り込み中だ後に......ってハァァァ⁈《命の花》を抜いたぁ⁈雑草と間違えてっておま.....え?その花の宿り主がいま死んだやつ⁈……嘘だろ。なにをしているんだお前は‼︎

 

なにやら聞き逃す事が出来ない事が直接頭に流れ込んで来たらしい。ソイツには珍しく、かなり焦っているらしい。

 

......仕方ない。そいつを転生させる。ああ、こいつの存在は全て消せ。一応保存しとけよ。ん?どこに転生させるかって?そりゃあ......

 

 

忘れ去られた存在のみが辿り着ける秘境。

 

東方projectの世界。

幻想郷に決まってるだろ?




ハイ、本当に.......本当にお久しぶりでございます。
小鳥戦士です。
物語は基本、あらすじにもあるように、二人称でいきたいと思います。
この場合少年は望月蒼刃で少女は如月澪ですね。まあ、澪の登場はだいぶ後になりますが。
とりあえず現状は空いた時間にこれを書いていくスタイルですので不定期更新となります。本当は書き溜めする予定でしたが、余り書けなかったのと自分的にに合わなかったのとです。
ちなみに何故、旧作の式神幻想録を上書きしたのかと言うと、黒歴史の削除と物語の予定上です。
では夜も遅い事ですし最後に一言。

これから新しく生まれ変わった式神幻想録改め東方渡世抄をよろしくお願いします。



2017年6月12日 追記

表現のインパクトと文字が足らなかったので所々追加しました。

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