自由大熊猫UNKNOWN ただしキグルミ 本編完結   作:ケツアゴ

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本日3更新


番外編 機械大熊猫都市ロンドン 子供のアイドルVS子供

「肉まん! カツカレー! 麻婆……は置いておいて、鳥の丸焼き!!」

 

 この日、ジャンヌは明晰夢を見ていた。目の前に広がるのはテーブル一杯のご馳走の山。食べる側から次々とメジュド様によって運ばれ、幾ら食べても無くならない。

 

「あ、あれはお寿司! しかも特上!!」

 

 ジャンヌの瞳がピカリと輝き、寿司桶に手が伸び……た所でけたたましい音楽と共に視界が光に覆われる。光が晴れた時、ご馳走は姿を消し、ジャンヌは大勢のメジュド様と共にパイプ椅子でテレビの収録を観覧していた。

 

 

 

 

 

 

 

「グランドビーストアンノウンと〜!」

 

「女神ステンノの……」

 

「「大熊猫お悩み相談室ー!!」」

 

 ドンドンパフパフとキグルミ達が効果音を入れて番組が始まった。

 

「お寿司……」

 

 

 

 

 

 

「まず最初のお悩みは煉獄在住のPN:”白い聖女マジ死ね”さんのお葉書〜!」

 

「下らないお悩みは何かしら? えっと……」

 

 アンノウンが葉書を読み上げステンノに渡す。背後の巨大モニターには目線にモザイクを入れたジャンヌダルク・オルタが一人でボードゲームをして北叟笑む姿が映し出されていた。

 

「私はセールランキングで一位入賞に貢献したのに絆クエストが未だに実装されません。後から実装されたイベントキャラは実装されて燃やしたいです。ですって。……下らない」

 

 背後のモニターには一位になったと万歳した後で冷静になって悶えるジャンヌダルク・オルタの姿が映し出されていた。

 

 

「えっとね、七章初登場のケッちゃんやキャスターのギルギル達にも同じ事言える? 皆、ストリークリアでマテリアルが開示されるんだよ?」

 

「スマンノって呼ばれる私や、五割の確率で出るアサシン福袋のハズレ扱いで引くのを躊躇わせる、絆クエストの続きが全く実装されない何処ぞの聖女よりはマシでしょう? 特に全裸を見なさい。彼、初期から出ている星3よ」

 

「まあ息子の件に触れるからかもしれないけど。其れにイベントでネタキャラとして出番有るから良いじゃない。はい、解決!」

 

 全く解決していない。

 

 

 

 

 

 

「次のお悩みはカルデア在住のPN:”オカン”さん……こと本名衛宮士郎君からのお悩み相談。えっと、友人のパンダのせいで変態扱いされて」

 

「貴方はギルディ。さあ、次のお葉書を出しなさい」

 

 

 

 

 

「次はコハエース在住のPN:”ノッブ&おきた”さんからのお葉書ー!」

 

「ぐだぐだ本能寺飛ばされたんじゃが、ですって。実に下らないわ」

 

「きっと何時の日か魔神セイバーとか豊臣秀吉とかピックアップして財布を奪い取りに来るって。はい、終了!! 次はアン王女の復讐号在住の……」

 

「却下。あら、もうこんなお時間。そろそろ終了ね」

 

「今日も皆のお役に立てて僕は嬉しいな!」

 

「ええ立派になったわアンノウン。物を奪ったり、詰まらない悪戯しか知らなかった貴方に人の弄くり方を教え高たかいが有ったわね。じゃあ、今週はこの辺で」

 

「s-ユーネクストアゲイン! 次はジャンヌダルク・オルタちゃんの夢の中にパンダイーン! 次のゲストはジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィだよ~!」

 

 

 

 

 

 

 

「貴女が元凶ですかっ!!」

 

 はい。女神様が元凶です。飛び起きたジャンヌの枕元に檄辛麻婆豆腐が湯気を立てた状態で置かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……も~! 幾ら僕を送るのが難しいからって僕だけ~?」

 

 漸く可能になった次の特異点であるロンドンへのレイシフト。だがアンノウンだけが他の者とは離れた場所に立っていた。霧が立ち込める中、誰の気配もなく通信も届かない。しかもこの霧には猛毒が含まれており、アンノウンはスキップしながら探索していた。

 

 

 

 

「エクレアに~半年持つプティング~ビクトリアサンドケーキ~!」

 

 追走する黒子と熊のキグルミは次々とお菓子をアンノウンに投げ渡し、それらは全てアンノウンの口に収まって行く。……だが、突如殺気が放たれた。殺気を放ったのは白い髪をした幼い少女。両手に持つナイフを構えてアンノウンに向ける。

 

「くえっちょん。あなたはわたしの……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カバディカバディカバディ! か~ら~の~! ボルジョイノツイスター!!!」

 

 ホップステップジャンプからのスライディングで少女に接近すると飛び上がると同時に上空に回転しながら上昇し、時計塔の屋根よりも高い場所で反転。更に回転を加えて一気に落下する。

 

 

「少女的だろうと動物的だろうと……この作品の可愛いポジは渡さない!! 大熊猫式地獄鴂落としっ!!!」

 

 三十分後、本の少女もページの間にポテチの食べカスをポロポロ落とされて泣きながら消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

「このままじゃ飯マズ王国の数少ない美味しい食事、モーニングとお菓子が食べられない! ……こうなったら」

 

 其れは世界を征服せんと遠征を続けた友の伝説の再現。

 

 自らに付き従う伝説の戦士達の大規模召還。

 

 魔法一歩手前の大規模魔術。

 

 

 

 

 

 

「集え! 無双のケダモノ達よ! 大熊猫の軍勢(パンダニオン・ヘタイロイ)!!」

 

 世界が塗り潰され、別の物へと変わる。毒霧に侵された空気は甘ったるい砂糖菓子の匂いに支配され、建物は全てお菓子の家へと変貌する。汚れ切った川はレモンティーへと変わり、樹木は花林糖になっていた。

 

 

 

「パンダとは! 動物園の来客者を集め、入場料を集める存在である!」

 

『然り! 然り! 然り!』

 

「故にパンダこそ動物園の頂点! パンダ目的の客数は動物園の客数と同じであるから故に!」

 

『然り! 然り! 然り!』

 

 

 居るだけで歯が痛くなりそうな世界を埋め尽くすのは無数のキグルミ達と一人の黒子。キグルミ同じ動物は一体も居らず、武器も全く別だ。

 

 火縄銃に大砲に迫撃砲に大筒に算盤に手裏剣に鎖鎌にライフルに拳銃にバルカン砲にガトリング砲にミサイルラチャーにロケット砲に波動砲にクレイモアにレイピアにバスタードソードにマトウシンジにハルバートにランスにジャベリンにトライデントに元気玉にダガーに小太刀に日本刀に薙刀に仕込み杖、その他諸々だ。

 

 

 

 

「蹂躙しろー!! 僕はお昼寝しているね」

 

 アンノウンは巨大なマシュマロに寝転がり、ハムハムと毟りながら食べ進める。彼が食っちゃ寝している間、キグルミ達は残った敵サーヴァントを始末し、現れたソロモンを全裸にした上で『ダビデの息子』と書いた看板にM字開脚で縛り付けられて練り歩いたのだがトイレ休憩時に逃げられてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ!? レイシフト直後に修正が始まった!?」

 

「お菓子もモーニングセットも美味しい~!」

 

 この日、人類史は飯マズ大国の食事に救われた・・・・・・・。

 

 




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最近ダンマチの新作始めました 感想待っています


そろそろネルガルの方も・・・・・・・

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