自由大熊猫UNKNOWN ただしキグルミ 本編完結 作:ケツアゴ
私は既にオリオンいるから引いていないよ
「パンダ体操開始ー! まずは両手を挙げてクルクル回る動きー!」
「運転の邪魔ですよ、アンノウン」
此処はフランス、街から遠く離れた荒れ果てた道を一台の消防車が走っている。ハンドルを握るのはジャンヌ・ダルク、その横でポテチを食べながら騒いでいるのは喋るパンダ(ただしキグルミ)のアンノウンだ。何故二人だけでフランスに居るのか、それは少し時間を遡る。
「ねぇねぇ、ソロマンちゃーん!」
「……アンノウン、今の僕はロマニ・アーキマンだって言っただろ?」
生き残ったスタッフの中では一番の地位――ただし、レフに殺される所を人形焼と入れ替えられて生き残ったオルガマリーは除く――の部屋にやって来たアンノウンは彼が隠していた秘蔵のお菓子を貪りながら本来の名前と今の名前を合わせた渾名を口にし、ロマンは慣れた様子でお茶を出していた。
「だから合わせてソロマンって言ったよ? もー! ボケるのは早いよ、ソロモン君」
「君はたまにはボケないで真面目にしてくれないかい?」
「やだっ!」
「……だろうね」
予想通りといった風にロマンは深い溜め息を吐くのであった……。
「以上!!」
「いや、何も説明されていませんよね!? どうして私達だけでフランスに居るのとか、消防車に乗っているのとかっ!」
「……何言っているの、ジャンちゃん? 車に乗った方が早いし疲れないからじゃん。其れに僕は僕たちだけでいる理由を説明するって言ってないよ? ……まったく、これだからショタコンは……常識身につけたら?」
「誰がショタコンですか! 誰が!! いい加減にしないとハッ倒しますよ!?」
「生後少ししか経っていないホムンクルスに恋したジャンちゃん」
ブチリ! っと何かが切れる音がジャンヌから聞こえた。アンノウンを量子変換した事によるレイシフトの不具合からかマスターであるアンノウンと二人っきりになって早半日。ジャンヌのストレスは溜まる一方だった。
「いい加減にしなさい! 少しは真面目に……!」
「ジャンちゃん、前、前! アクセル!!」
「え?」
慌てた様子のアンノウンの声に驚き、思わず言葉通りにアクセルを踏み抜くジャンヌ。正面には二人のサーヴァントの姿があった。
『AaaaaaaaSaaaaaaaa!?』
『クリスティィィィィヌ!?』
血反吐を撒き散らし地面に激突する二人。ベチャリという音と共に光の粒子となって消えていった。
「……は踏まないでって言おうとしたのに。……恐ろしい! 流石は当時の常識を無視したジャンヌ・ダルク。恐ろしい……ガタガタガタ」
「い、今のは(多分)敵ですし……この時代に道路交通法はないので問題有りません! それと棒読みですよ」
問題あるとしたらアンノウンに染まり始めた事だろう。ただし、本人は気付いていない。
「あはははははははは! 脆い、脆いわ! 愚かな私が必死に守った国がこんなにも簡単に壊れていくなんて……最高ね!」
藤丸とマシュ、其れと追加召喚された
「くっ! あのジャンヌさん、強いです!」
この頃の黒いジャンヌは配布キャラの予定だったからか星4でがあるがルーラーで、体力の低さもボスなので問題ない。そして、ワイバーンの突撃を防いで体勢が崩れたマシュ目掛けて黒い炎が放たれた。
「はあ!」
「ジャンヌさん!」
だが、その炎は横から駆けて来たジャンヌの旗が炎を振り払う。小次郎がその間にワイバーンを始末し、黒いジャンヌ――以降邪ンヌ――はその姿をワイバーンの上から見て目を見開いていた。
「ねぇ、お願い、誰か私に頭から水をかけて頂戴。マズイの。ヤバイの。本気でおかしくなりそうなの」
「あっ、いいよ。みんなー! あのジャンちゃん目掛けて放水開始ー!」
「ぷぎゃっ!?」
四方から数台の消防車を使って邪ンヌ(星4)目掛けて放水が始まる。大量の水を頭にかけられた邪ンヌ(この時は配布キャラ予定)はワイバーンの上から落下し、尻をしたたかに打ってしまった。
「お可哀想に……」
流石に哀れみを感じたのかジャンヌ(サービス開始時は高評価の星5)は即座に攻撃に移れず、それが邪ンヌ(最近ネタキャラ)の怒りを買ってしまった。
「哀れで愚かな聖女様が同情なんてしてんじゃないわよ! そして其処のパンダ!
「あっ、お礼は結構だよ。後で手間賃はオルマリちゃんに請求するから」
「……凄いです、先輩。何が凄いと具体的には言えませんが兎に角凄いです」
「これが魔術師の世界なのか」
その時、観測してるオルガマリーは必死に否定するも何故か声が届かず、魔術師の風評被害がまた続いた。
「いやぁ〜、それにしても僕って親切だよね。わざわざ敵のお願いを聞いてあげるんだからさ」
「……貴女、今アンノウンの事を知らないと言いましたね? 貴女は私のはずなのに」
「はぁ? そんなパンダなんて知っている訳ないじゃ……」
「あっ、あの子から聖杯の力感じるし、多分偽物じゃない? 大体、ジャンちゃんは僕が保護してブサイクなモンスターの人形と入れ替えたんだからさ」
「……なる程。貴女の正体が分かりました.貴女は……」
アンノウンの言葉に邪ンヌ(マテリアルでジャンヌに微笑ましいと思われていると記載)は動揺し、ジャンヌ(最近は評価低迷)はその正体を察した。
「あのボストロール人形の付喪神ですね!」
ドヤ顔のジャンヌ。ただし、それが真実とは限らなかった。
「……まぁ、あの後逃げられて色々あったけど漸く本拠地まで来たね」
「ええ、生姜焼きのタレを焦がしてしまったフライパンで
「その後、サンソン殿とアタランテ殿の二人は野球盤を囮にするというモーツァルト殿の策が大当たりして退けたでゴザルが。……謎のゴスロリ幼女が”またお前”と呟きながら
尚、ヤンデレと音痴とは会っていない。
「あっ、マシュちゃん。君の足元にボタンがあるんだけど押して……」
「これですか?」
「……しまったら駄目だよって言おうとしたのに」
時既に遅し。マシュの足は足元のボタンを踏み、邪ンヌ(公式認定顔芸キャラ)と聖杯持ってる奴らが居る城が爆発した。
尚、
「歴史ある城ごと吹き飛ばすなんて……
「何ですか、そのアダ名!? って言うか誤解ですっ!」
「えぇ〜? ホントにゴザルかぁ?」
「
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