自由大熊猫UNKNOWN ただしキグルミ 本編完結   作:ケツアゴ

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最終章に入りました この作品ももうすぐ完結


多分ネタとしてほかの作品に登場するけれど


三十二話

 世界には神話や伝説が数多く存在し、其の各々に独自の神や怪物が存在する。だが、凡ゆる神話に共通して存在する者が一つ、最低最悪の性格の大熊猫、アンノウンである。

 

 曰く、ギルガメッシュとエルキドゥのコンビを正面から倒し、友になった。

 

 曰く、聖書の神が大切にしていた知恵の実を始めとする凡ゆる果実を全て食べ尽くし、サマエルの友である。

 

 曰く、アーサー王の選定の剣の儀式の際、柄に強力接着剤を塗って台無しにした

 

 曰く、ゴーゴン三姉妹や裏切りの魔女メディアのペットだった。

 

 その他にも暴君ネロやイスカンダルの友の名前として大熊猫の見た目と共に名前が歴史書に残されていたりなど、あらゆる歴史学者がその存在を調べている。

 

 其のアンノウンが夢幻を除けば最強とされるオーフィスと共にテロリストのトップだという事実は、彼に散々悪戯されて恨みを抱いている神話勢に激震を走らせ、今まさに対策会議が始まろうとしていた。

 

「……まさか彼がテロリストだったとはね」

 

「あの子、悪い子じゃなかったのに……性格は最悪だけど」

 

 アンノウンを居候させていたリアスの兄であるサーゼクスは責任感からか意気消沈であり、仲が良かったセラフォルーも落ち込んでいる。

 

「殺しましょう」

 

「照り焼きピザ頼んで良〜い?」

 

「我、グラタンピザ」

 

 黒歴史を広められたグレイフィアは殺意を漲らせ、アンノウンとオーフィスはポテチを貪る。ちなみに味はサワークリームオニオンで、此処に来る前にリアスのカードで買い求めた物だ。

 

「奴は他人をからかう事のみに力を注いでいる。悪戯目的ではないか?」

 

《甘いな。オーフィスよりも強いと言っているのだろう? なら、テロリストになったのなら消し去るべきだ》

 

「だがよ、オーフィスと奴だぜ? ……ほっといた方が良いんじゃNE?」

 

 放置すべきだと主張するオーディンと帝釈天。散々弄られて恨みに恨んでいるハーデスは滅するべきだと主張するも、他の神話勢は恨んでいるが関わりたくない、というのが本音だ。

 

 

「……って言うか、菓子だのゲームだので味方にできるんじゃねぇか?」

 

「彼ならステーキで味方に出来そうですが……」

 

「今はステーキよりもハンバーグかなぁ?」

 

「我はホルモンが食べたい。焼肉焼肉。……また、すまないさん。十枚中九枚……」

 

 アンノウンについて分かっているのは食い意地が張っているという事。アザゼルは買収で引き込む事を提案し、ミカエルも賛同するが、敵も味方もどっちも嫌だと神達から反対の声が上がる。アンノウンはケチャップとマヨネーズを混ぜ合わせたものをハンバーグにかけ、オーフィスは焼肉のタレ(塩)で口元や指を汚しながらアザゼルから盗んだ財布で注文した料理を思うがままに食べていた。

 

 

 

「……さて、問題は奴だけではない。トライヘキサの件だ」

 

(……同一人物……人物? なのじゃがな)

 

 次に話題に上がったのは黙示録の獣ことアンノウン(トライヘキサ)の話題。オーフィスより強い伝説の魔獣で、聖書の神が命懸けで封印した存在だ(……ただし、意味はなかった)。

 

「リゼヴィムめ。……厄介な事をしやがって」

 

「あっ! そろそろ番組の収録の時間だから僕は帰るね。並行世界で天気予報とクイズ番組の収録があるからさ」

 

「我、リアスのカードで土地転がし用の土地を買ってくる」

 

 アンノウンとオーフィスはアンノウンとオーフィスという危険極まりない存在について話し合う為の会議の途中で抜け出し、扉が閉まったのを見て舌打ちをした。

 

 

 

 

 

「ったく、相変わらず勝手なヤロー共だ。自分達がテロリストだったから、それに対抗する為の話い合いをしてんじゃ……あれぇ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。今日も一日頑張りましたっと。僕って本当に働き者だなぁ。でしょ? 出来ちゃった結婚したのにニートのヴァーリ君」

 

「ぐっ! お、俺だって働こうと思えば……」

 

「君、学校出てないじゃーん。好きな事ばっかしてるから、大人になってから後悔するんだよ?」

 

 仕事が終わったオーフィスは尻を左右に振りながらヴァーリの周囲を回る。時折鼻に突っ込んだリコーダーで『メロリンパッフェ クラシックバージョン』を吹きながら、屈辱に顔を歪ませるヴァーリを煽っていた。

 

『……宿主がニート。ヒッキー龍皇……この早漏がぁっ!!』

 

「何があった、アルビオンっ!?」

 

「僕が洗脳しといた。まぁ、皆の生活費は僕が出してるし、君は好きな事だけしてたら良いよ。招待子供達に『紐オヤジはどうしてお働きにならないのでございますかでヤンス?』とか訊かれるけど」

 

「どこの言葉だっ!」

 

 

 

 

 

 

 

「……アンタはパパみたいになったら駄目よ? ちゃんと私に似て生まれてきなさい」

 

 遠くから其の姿を眺める黒歌は腹を撫でながら真摯に願っていた。だが、世の中は無情。蛙の子は蛙。結局、二人の子はアンノウンに……。

 

 

 

 

 

 

「そういやよ、サマエル。オーフィスの顔に血が付いてたけど、誰の血だい?」

 

『八つ当たりで英雄派を潰してきたぞ。ゲームでジークフリートばかりなのが気に食わないらしい。まぁ、私を利用する為に代わりに封印されている腰振るパンダ人形(税抜き2980円)を召喚しようとハーデスと契約を交わしていたらしいからな。……まさかマスタードと夢幻龍のアレであんな事が起きるとは。まさにシュレーディンガーの猫、といった所か』

 

「……突っ込んだら負けだ。突っ込んだら負けだ。突っ込んだら負けだ」

 

 美猴は少し賢くなった。胃薬の使用量が減った……かに見えた。

 

 

 

 

 

 

 その後、宇宙海賊キャプテン★カツーラを名乗る侍や、マヨネーズ帝国皇帝マスタード十四世との戦いを経て大幅に強くなった一誠達は若手最強サイラオーグ・バアルとのゲーム当日を迎えようとしていた。

 

 

 

 

 

「今日の僕は腹を存分に満たしてきた。嘔吐物の貯蔵は十分さ」

 

 胃の中の物を吐き散らしながら気絶状態で戦う最凶の騎士・木場祐斗。

 

(……適当に頑張りましょう。感動のリタイアを演出すればお小遣いアップです)

 

 腹黒系ロリ・塔城小猫。

 

「さぁ! 皆頑張るわ……グボハァ!」

 

 胃薬一日三十ダース・リアス・グレモリー。

 

 その他の異常で奇妙な眷属達を率い、リアスは常識人であるサイラオーグに挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁて、トライヘキサちゃんを連れてゲーム会場で大暴れだぜ!」

 

 そして、悪意が動き出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(どのタイミングで招待明かしたら面白いかなぁ? とりあえずグレちゃんは弄ろう)

 

 悪意が動き出そうとしていた……。

 

 

 

 

 

 

 




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