自由大熊猫UNKNOWN ただしキグルミ 本編完結   作:ケツアゴ

37 / 49
新作やってます 感想求む


二十九話

体は毛皮で出来ている(I am the bone of my kegawa).

 

血潮はボケで 見た目はパンダ(Steel is my body, and fire is my pannda).

 

幾度のシリアスシーンをボケで破壊(I have created over a thousand blades).

 

ただの一度も自重はなく(Unknown to Death).

 

ただの一人もツッコミきれない(Nor known to Life) .

 

彼の者は常に巫山戯(Have withstood pain to) 家の炬燵でゲラゲラ嗤う( create many weapons)

 

故に、其の行動に反省はなく(Yet, those hands will never hold anything).

 

その体はきっと毛皮で出来ていた(So as I pray)

 

大熊猫の剣製(パンダデミデット ブレードワークス)!!」

 

 世界が一変する。豪華な大広間の大理石は一瞬でクッションが敷き詰められた床に変わり、天井は子供の落書きの様な鳥が飛び交う空の絵へとなった。そして最も変わったのは周囲に設置された物。歴代の戦隊物やヒーローアニメの剣の玩具が未開封の状態で其処にあった。

 

「此処にあるのは全て玩具(贋作)だっ! だけど、偽物が本物に勝てないなんて誰が決めたっ! ……具体的に言うと僕の力で一つ一つが魔帝剣グラムや聖王剣コールブラントと同等の力になっているよ」

 

「おい、馬鹿、止めろ! さっさと戻せっ!」

 

 元浜と松田を除く全員が無事に宿泊先のサーゼクスホテルに到着し、自由行動前の注意事項の際、パンダなので当然の様に大人気でチヤホヤされていたアンノウンは新たな世界を構築し、古い世界を塗りつぶした。

 

「あっ! 大丈夫だよ。世界が変わったの、この広間だけだから」

 

 壁に手を掛けると其所には普通にドアがあり、困惑した従業員が立ち尽くしていた。

 

「つまり戻せないと?」

 

「うん!」

 

 なお、広さは変わっていないので修繕費を掛ければ元に戻せる事が発覚。何故かアザゼルの預金から全て払われる事になったが、請求が来るのは五年後なので彼はその事を知らない。

 

 真の不幸とは不幸を不幸と知らない事である。

 

 

 

「そーれ! そーれ! そーれ!」

 

 京都の街中を巨大な神輿を縄で引く一団が現れる。神輿の上に立っているアンノウンはグレモリー家の家紋が入った扇子を振り回しながら掛け声を出し、キグルミ達が一斉に縄を引っ張る。普通な捕まるがパンダなので警察も声援を送り、銀行強盗は感動のあまり自首をする。後に彼は世界を回って恵まれない人々を救うのだが、それは全く別の話である。

 

 事件が起きたのはそんな時だ。

 

 

 

 

 

「おいおい、なんで京都で妖怪に襲われるんだよ」

 

「さあ? でも、私には一つ理由が浮かぶんだが……」

 

 其れは一誠達が稲荷神社にお参りに行った時の事、一足先に卑猥な内容のお祈りをしていた一誠を狐の妖怪が襲撃したのだ。今回悪魔が修学旅行に参加するのは通達済みで有るに関わらずだ。流石に叩きのめす訳にも行かず苦戦していた一誠だが、直ぐにゼノヴィア達が増援に駆けつける。更にゼノヴィアの肩にはリアスの貯金で買った団子やお饅頭を食べ、ゼノヴィアの頭に食べ滓や団子のタレを零しまくっているオーフィスの姿もあった。

 

「……なぁ、お前達の目的って……喋るパンダ?」

 

「知っているのか。キサマらも被害者か?」

 

「まぁ、俺んちのペットだし」

 

 いきなり襲ってきた妖怪達。彼らはボロボロにしたパンダのヌイグルミを持ち、血塗れのパンダが描かれた旗を持っていた。そして、一誠の言葉を聞いた瞬間、怒りが頂点に達する。

 

「……そうか。キサマら、奴の仲間かっ! 姫様を攫った奴だと思いきや、まさか奴の仲間だとはなっ!」

 

「九重様を連れてこなくて正解だったわっ! 精神が汚染されるっ!」

 

「……うるさい」

 

 そして、本日七枚目のすまないさんが来た事で不機嫌なオーフィスによって吹き飛ばされる。だが、ギャグ小説なので次のシーンでは完治しているだろう。

 

 

 

「……星5、二枚も一気に来た。我、幸せ」

 

 一誠の財布から抜き取った金で引いた十連ガチャの結果が満足だったのか笑みを溢すオーフィス。なお、次も星四以上が全てすまないさんだったので少し不機嫌になったオーフィスであった。

 

 

「ジークフリート、八つ当たりで殴る」

 

 とんだとばっちりである。

 

 

 

 

 

「……何故か悪寒がしたよ、ブーメ……曹操」

 

「今、ブーメランサーって呼ぼうとしたよねっ!? 言っておくけど、アレはバイトだからねっ!? 本当は受けたくなかったんだけど、オーフィスの脱ぎたての服を被ってハァハァしている所を録画されて脅された訳じゃないからねっ!?」

 

「あ、その映像なら禍の団(カオス・ブリゲート)の構成員全員にウイルスメールで送られてきたわよ。ウイルスのせいでパソコンの画面がパンダ型になって超ラッキーだったわ。……携帯は変形合体ロボットになってフラミンゴとカモノハシをお伴に万里の長城に向かったけど」

 

「……そ、そういえばアレから皆の目が冷たかった様な。アンノウンに投げ付けられたからじゃなかったのか」

 

 ショックのあまり腰から崩れ落ちた曹操。彼だけが気付いていなかったが、座り込んだ場所には犬の糞があった。

 

 

 

 

 

「そうか。妖怪に襲われたか。……彼奴のせいで」

 

「ええ、襲われました。……彼奴のせいで」

 

「ごめりんこ☆」

 

 夕食後、アンノウンとオーフィスが全て食べ尽くした為にシェムハザの金でピザで腹を満たした一誠達はアザゼルに昼間の事を報告。胃薬を一気飲みしたアザゼルは一誠と共にアンノウンを睨む。すると彼は反省の極地とも言える態度で謝った。

 

 具体的に説明するならばウインクをしながら自分への罰として頭を軽く殴り弱点である舌を出すというもの。テヘペロとも呼ばれる其の謝罪方を見たアーシアとゼノヴィアは彼を庇い、グダグダなまま話し合いは終わった。

 

 

 なお、祐斗は戦おうとして聖魔剣を創り出したら吐き気を催して気絶。触りたくなかったので妙に浮かれていたヘラクレ何とかという外国人に運ぶのを依頼。心労が顔ににじみ出ていた彼は同情に満ちた瞳で引き受けてくれた。

 

 

 そしてこの日の深夜、アンノウンとオーフィスは京都から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「めんそーれ!」

 

「めんそーれ?」

 

 幾ら探しても二人の姿は京都に無く、心配して涙目になるアーシアに、胃痛が和らぐと安堵するアザゼル。三日後、リアスの所に散々飲み食いして遊び倒した請求書が届いた。




意見 感想 誤字指摘お待ちしています

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。