自由大熊猫UNKNOWN ただしキグルミ 本編完結 作:ケツアゴ
そしてグランドオーダー公式サイトが春に運営開始!
・・・・・もっと前に事前登録したがセイバーリりィは貰えるのだろうか?
一誠は最近、自分に向けられる視線が変わって来ているのを感じていた。少し前までは何時もの行動のせいだが女子から侮蔑の視線を送られていたのだが、今は一誠を見ながらヒソヒソ話をするその視線は好奇に満ち溢れている。
(よっしゃ! これはモテ期来たかっ!? ふはははは! 学園中のおっぱいを手に入れるのも夢じゃねぇぜ!)
友人である二人が流した『アーシアは騙し、リアスは脅して手篭めにしている』、という悪評も何時の間にか消えており、何故かリアスが一誠の家に居候し同じベットで眠っている。この時の一誠はまるで自分が世界から祝福されているような気分だった。
「でさ、余りにも可哀想だから、”一誠君は祐斗君と相思相愛で、腐女子のアーちゃんとリーアたんは間近で其れを見る為に同居してて、一誠君の変態行動も二人が彼に関わっているのも祐斗君の嫉妬心を刺激して次のステップに進む為”って噂を流してあげたんだ」
「そ、それは親切……なのかなぁ?」
此処は旧校舎の封印された部屋の中。その部屋の住人であるギャスパーは本来は極度の臆病者なのだが、『全く怖くないパンダ』と名札に書かれていたのでアンノウンの事は怖がっていなかった。
なお、その噂を流す際に一誠が祐斗の着替えを盗撮した時の写真をそういうプレイの最中と言って使ったらしい。
「そうそう、今日は僕の友達を連れてきたよ。大丈夫。彼は変態という名の紳士だから」
「どうも初めまして、アーサーです。座右の銘はYESロリータNOタッチ! ちなみに男の娘も範囲内です。まあ、実妹には遠く及びませんがね」
「ひ…ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」
ギャスパーはアーサーの姿を見るなり物凄い勢いでダンボールに隠れる。だが、そのダンボールには穴が開けられていた。ギャスパーは益々パニックに陥り、彼の瞳が妖しく輝く。しかし何も起きなかった。
「あ、あれ? なんで停まらないんですか?」
「聖書の神如きが作った道具に僕が負けるはずがないじゃない。たかが無駄死に君だよ?」
「私は最強の聖剣の使い手ですので」
ギャスパーの持つ神器は視界に収めたものの時間を停めるという物で、それが対人恐怖症の一因であった。まだ怯えて震えるギャスパーの方にそっと手を置いたアンノウンは彼の手を取って三角を作らせる。
「大丈夫。僕が力のコントロール方法を教えてあげる。……このまま手を頭上に上げて」
「こ、こうですか?」
「そして叫ぶ! ピィラミットォパウワァァァァァァァァァッ!!!」
「ピ、ピラミットパワー?」
「違う! ピィラミットォパウワァァァァァァァァァッ!!! 復唱!」
「ピィラミットォパウワァァァァァァァァァッ!!!」
「其れを一セット十回で一日三セット。ほら、此処に体験者の声が」
アンノウンは一枚のチラシを取り出す。其処には体験者の写真付きのコメントが載っていた。
『PNマジ暴君REDさん”このトレーニングをしてから余の美声は更に磨きがかかり、聴いた国民全てが感激のあまり放心したのだ!”』
『PN金ピカAUOさん”このトレーニングにより、我はキャストオフによって更に光り輝けているぞ”』
『PN悪を背負った村人さん”このトレーニングのおかげで牛丼ばかり食べる相棒が出来ました”』
「す、凄いです! 僕も頑張れば……」
この日からギャスパーが封印された旧校舎の一室に妙な呪文が響くようになった。
「じゃあ、僕はそろそろ出掛けるね、ギャー君。何か面白そうな事が起きている気配が部室からするんだ」
「では、私はギャスパーちゃんと遊んであげましょう。……相撲などどうですか? プロレスごっこでも構いませんよ?」
「ピ、ピィラミットォパウワァァァァァァァァァッ!!!」
その頃、オカルト研究部所属のリアス眷属達と生徒会長であるソーナ・シトリー眷属の新人達の顔合わせが行われていた。ソーナの兵士である匙は一誠と同じ駒だと知って少々不満そうだ。
「俺としちゃ、変態三人組の一人でホモのお前と同じ扱いをされたくないんだけどな」
「何だと、テメェ! ……てか、ホモってなんの事だよ?」
「あっ? 木場の着替えを盗撮した件だけでも証拠は充分なんだ。ってか、あまり近付くな。俺はノーマルなんだ。それに俺は駒四個消費したんだぜ。お前なんかに負けるかよ」
「止めなさい、サジ。それに駒の消費数なら兵藤君の方が上ですよ。彼は八個全て使用したらしいですから」
「なっ!?」
ソーナの言葉に匙は驚いて固まり、其の肩にアンノウンの手が置かれた。
「ねぇ、どんな気持ち? 格下だと思って馬鹿にしたら相手の方が上だったけど、今どんな気持ち?」
「わっ!? なんだよこのキグルミはっ!?」
その言葉を聞いた瞬間、リアスは匙に駆け寄って手を握り締めていた。
「……良かった。私だけじゃなかったのね……。皆、アンノウンの事を本物のパンダって言い張るのよ」
「はぁっ!? どう見てもキグルミじゃないっすかっ!」
「……二人共、何を言っているのですか? どう見ても喋るだけのパンダではないですか。……少々疲れているようですね。サジ、今日は生徒会の仕事は免除しますので早く休みなさい」
ソーナは匙を心底心配している目で見ると休むように告げる。この時、リアスの胃がキリキリと痛み出した。
「会長も何言ってるんですかっ!? ……てか、いきなり現れて馬鹿にしやがって! おい、表出やがれ!」
「あっ、別に良いよ」
アンノウンは匙の挑戦を受け入れる。ソーナはそれを止めようとしたのだが、リアスが肩を掴んで静かに首を振ったので何も言えなかった。
(……このままじゃソーナまで。あれ? そうなったら私の被害も減るかしら?)
(私の直感が告げています。これ以上関わるとロクなことにならない、と。……ああ、仕事が忙しかったようなきがします。きっとそうですね!)
「リアス、私は仕事を思い出したので戻らせて頂きます」
「会長、もう仕事は……いえ、何でもアリマセン」
向けられたのは満面の笑顔。副会長で『女王』の椿姫は何も言えなかった……。
「さあ! 何処からでもかかって来やがれっ!!」
匙は所詮はキグルミを着た不審者だとアンノウンを侮って先制を譲る。するとアンノウンは前転をしながら急接近し、匙の目前で大きく飛び跳ねる。そのまま背後に回ると両足で匙の首を挟み、両手で足を掴んで背中を海老反りにする。
「地獄車ぁ!」
ゴロゴロと転がっていった二人はそのまま校庭に植えられた木に激突してへし折る。朦々と土煙が立ち篭める中、アンノウンが立ち上がった。
「糞っ! パンダ野郎のせいで酷い目に……あれ? なんで俺の手がパンダに?」
匙は自分の手を見て震える。今の攻撃で『俺がお前でお前が俺で』状態になっていた。
「お、俺がパンダにっ!?」
「そして……僕が僕っ!?」
「俺の体、何処行ったのっ!?」
「あっ、お腹のスイッチを押せばキグルミが脱げるから。ふふふ、これこそ僕の666の奥義No.616『早着替えさせ』!」
「これかっ!」
匙はお腹のボタンを発見するなり強く押し、そのままナース服姿で何処か遠くに射出されて行った……。
「……あら。どうやら終わったようね」
「……放っておきましょう。巻き込まれるだけです」
なお、オカ研メンバーは巻き込まれたくないので観戦などする訳がなかった。
「今日は一誠君の家で部活するから遊びに来たよ、ギャー君」
「アンノウンさんは参加しないんですか?」
「だって一誠君の写真見てるだけなんだもん。それでさ、僕も写真を持ってきたんだよ。此れはアーサー王が選定の剣を抜く際、柄に僕が接着剤を塗っていた事がバレて追い掛け回されていた時の写真で、これはギルギルとエルキーと一緒にフンババを倒した時の祝勝会の写真。これはイスカンが
「あの~、なんでこんな昔に写真が有るんですか?」
「ギルギルが似たような魔法のアイテムを持ってたからパク……借りたんだ」
~おまけ~
「総統! 変態が突っ込んできました!」
「落ち着くんじゃ吉田くん!」
「……此処は? って、熊ぁっ!?」
どこかの悪の組織のアジトに突っ込んだ匙が目を覚ますと白衣を着て二本足で立つ熊が居た。
「お前はディナー! 俺のディナー! お前はディナー! 俺のディナー!」
そして、噛み付かれた……。
明日は遊びに行くので更新は一個がやっと 他の更新は無理
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