衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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およそ1ヶ月ぶりの投稿です。
タイトル通りゆまがおこです。
変なネタ入ってますが、そこはスルーをお願いします。


ゆまが怒った ゆまVS.ツァン

エド・フェニックスによる宣戦布告を受けた十代。

今すぐにでもデュエルしたいらしく、ウズウズしている。

 

「十代、どのデッキを使うつもりだ?」

 

十代は基本的に融合召喚メインの【HERO】デッキを使うが、エクシーズメインの【M・HERO】もある。どっちを選んでもいいが、カイザーとの卒業デュエルのときのようなハイブリッドはやめてもらいたい。

 

「エドが融合を使うんだ。俺も融合を使うぜ!」

 

そう返したあと、デッキを調整すると言って、十代は寮に戻っていった。

翌日、エドはデュエルアカデミアには現れず、肩透かしをくらったような気分のまま授業を受け、いつもの面々とともに昼休み。

最近ゆまと交代で雪乃が作ることになった俺の弁当を黙々と食べる。

 

「後ろから刺されろッス」

「折れればいいドン」

「…………」

 

丸藤と剣山が毎回呪詛を唱えるのにも慣れてきたが、ディレの視線だけはどうにも慣れない。何か言いたいことがあるのか聞いても、『別に』としか返ってこない。非常に居心地が悪い中弁当を平らげる。

 

「お兄ちゃん、デュエルしよっ!」

 

食べ終わったらゆまがデュエルを挑んできた。特に断る理由も無いので応じる。

デュエルディスクを使わずに、その場にカードを並べる。

 

「「デュエル!」」

 

宮田龍斗

LP4000

 

VS

 

宮田ゆま

LP4000

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数ターン後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮田龍斗

LP1200

モンスター

魔・罠

手札4枚

 

VS

 

宮田ゆま

LP3100

モンスター

【E・HERO ブレイズマン】:攻

ATK1200

【M・HERO アシッド】:攻

ATK2600

魔・罠

手札4枚

 

「【ブレイズマン】でダイレクトアタック!」

「……何もない……」

 

宮田龍斗

LP1200→0

 

【エレキ】デッキで挑んだが、互いに手札事故が発生。【エレキリギリス】によるロックで粘ったが、ゆまの勝ちパターンといえる【アブソルートZERO】→【アシッド】でフィールドを一掃される。セットしていた【エレキトンボ】のおかげで後続を出せたが、3連続【強制脱出装置】で壁となるモンスターを用意させてもらえず敗北した。

 

「勝ったー!」

「良かったわね」

 

両腕を上げて喜びを表すゆまの頭を雪乃が撫でる。

ゆまは何も言わず気持ちよさそうに目を細めている。未だにももえ以外にされると屈辱感に襲われる俺とはえらい違いだ。

 

「…………」

「龍斗、悔しいからってここで黙々とデッキを見直さない。帰ってからやりなさい」

 

デッキを広げていると、明日香が近づいてきた。あわよくばと思っているのか、頭に手を伸ばしてくる。

当然のようにその手を払うと、明日香は『チッ』と舌打ちした。

 

「一般人、それも妹に負けるテスターってどうなの?」

「…………」

「龍斗さん!」

 

舌打ちした明日香を睨んでいると、ディレが俺に対して非常に重い一言を放った。ディレの罵倒で傷心し、ゆまに負けてショックを受けていた俺にはトドメと言っていい一言を放たれその場に伏せる。

ももえに心配されたが、個人的なショックが大きかった俺はその場に伏せたまま、

 

「……どうせ俺は偶然テスターになった一般人ですよーだ……」

 

キャラがぶれた。

 

「ツァンさん!お兄ちゃんを虐めちゃダメですっ!」

 

ゆまがツァンに立ち向かう。怒っているのか、頬を膨らませている。

 

「今回はたまたまデッキが回らなかっただけで、いつもは私より強いんです!」

「でも負けたのは事実じゃない」

 

ゆまのフォローにディレが冷たく言い放つ。

険悪なムードの中、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。

 

「げっ、チャイム鳴っちゃった。龍斗、早く行くわよ!」

 

次の授業はジュンコと同じなのだが、動く気力が無く、その場に伏せたままでいると、ジュンコに襟を掴まれズルズルと引き摺られていった。

 

「む〜〜〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後の授業中に復活し、寮に戻ろうと校舎前に行くと、ゆまが頬を膨らませて腕を組んで仁王立ちしていた。アイツは何をしているんだ?

午後の最後の授業で一緒だった雪乃、十代、丸藤と顔を見合わせてからゆまのもとへ行こうとすると、俺達より先にディレが校舎前に行った。

そしてゆまがディレに声をかけ、少しの間話したあと、

 

「「デュエル!」」

 

いきなりデュエルしだした。

なんでそんなことになるのかと気になり、全員で駆け寄る。

ゆまに事情を聞いてみると、昼休みにディレが俺を虐めたので、俺に謝らせるためにデュエルすることになったらしい。

…………何故お前が出てきた。

止めようとしたが、ゆまが泣きそうな顔になったので、諦めて見物することに。

 

「私の先攻!手札から魔法カード【融合】発動!手札の【E・HERO シャドー・ミスト】と【E・HERO ブレイズマン】を融合!

影に潜むヒーロー。燃え盛るヒーロー。今一つになりて、私に新たな力をください!融合召喚!一緒にツァンさんをやっつけて!【E・HERO ノヴァマスター】!」

 

【E・HERO ノヴァマスター】

攻撃表示

ATK2600/DEF2100

 

「なんで、アンタ達兄妹は召喚するたびに変なこと言うの?」

「変なこと……?お兄ちゃん、私変なこと言った?」

 

ディレの疑問にゆまは答えられない。それどころか変なことを言ったという自覚がないらしい。キョトンとした様子で俺を見ている。

 

「召喚口上のことだろ。基本はただの演出だが、ペガサス会長に披露したら受けてたぞ。個性が出て面白いって」

 

故にデュエルディスクのアップデートをした一年前に、融合召喚の演出が変えられた。アレがなかったら【DDD】の連続召喚に口上が追いつかず微妙な空気になっていたと思う。

ディレは俺の回答に『ふーん』とだけ言ってゆまに向き直った。

……実は俺の召喚口上は結構パクりが多いとは言わない。言ったら面倒だから。

あと雪乃。なんで俺を見るんだ?ゆまはあっちだぞ。

 

「【シャドー・ミスト】の効果発動!このカードが墓地に送られたら、デッキから【シャドー・ミスト】以外の【HERO】を手札に加えます!【E・HERO エアーマン】を手札に加えて、そのまま召喚!」

 

【E・HERO エアーマン】

攻撃表示

ATK1800/DEF300

 

「【エアーマン】の効果発動!召喚・特殊召喚に成功したとき、デッキから【HERO】を手札に加えることが出来ます!【バブルマン】を手札に!」

 

宮田ゆま

手札2枚→3枚

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンドです!」

 

宮田ゆま

LP4000

モンスター

【E・HERO ノヴァマスター】:攻

ATK2600

【E・HERO エアーマン】:攻

ATK1800

魔・罠

伏せ1枚

手札2枚

 

「ボクのターン、ドロー!永続魔法【六武の門】を発動!このカードは、ボクのフィールドに【六武衆】が召喚・特殊召喚されるたびに武士道カウンターを2つ乗せ、取り除いた個数によって効果を変える!さらに【六武衆ーヤイチ】を召喚!」

 

【六武衆ーヤイチ】

攻撃表示

ATK1300/DEF800

 

黒い鎧に黄色の線が入った男が、いつでも矢を射れるように弓を構えて現れた。

それと同時に【門】にカウンターが乗る。しかし、ゆまのモンスターを倒すことはできない。【六武衆】でゆまの【エアーマン】と【ノヴァマスター】を倒すことができるのは……【シエン】……いや、アレはまだ発売してないか。となると……厳しいか?

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

ツァン・ディレ

LP4000

モンスター

【六武衆ーヤイチ】:攻

ATK1300

魔・罠

【六武の門】《武士道カウンター:2》

伏せ2枚

手札2枚

 

何故攻撃表示で召喚したのか。俺が疑問に思う中、ゆまはデッキに手をかける。

 

「私のターン、ドロー!【E・HERO ブレイズマン】を召喚!」

 

【E・HERO ブレイズマン】

攻撃表示

ATK1200/DEF1800

 

「【ブレイズマン】の効果発動!召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから【融合】を手札に加えます!」

 

宮田ゆま

手札2枚→3枚

 

「そして【融合】を発動!フィールドの【ブレイズマン】と【エアーマン】を融合!燃え盛るヒーロー、風操るヒーローと一つになりて、新たな力を貸してください!融合召喚!来てください!【E・HERO Great TORNADO】!」

 

【E・HERO Great TORNADO】

攻撃表示

ATK2800/DEF2200

 

緑をベースに太いオレンジの線が入った身体、腕や肩の関節部には白とオレンジの装甲を取り付け、膝の辺りまで隠れるほどの黒いマントを纏ったヒーローが現れる。

 

「【Great TORNADO】の効果発動!融合召喚した場合、相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力と守備力は半分になります!タウン・バースト!」

 

【Great TORNADO】を中心に竜巻が発生し、【ヤイチ】の攻撃力と守備力を下げる。

 

【六武衆ーヤイチ】

ATK1300/DEF800→ATK650/DEF400

 

「バトルです!【ノヴァマスター】で【ヤイチ】を攻撃!」

「罠発動【和睦の使者】!これで【ヤイチ】は戦闘で破壊されず、ボクが受ける戦闘ダメージは0になる!」

 

【和睦の使者】から出てきた数人の人が呪文を唱えると、ディレのフィールドに光のドームが現れ、【ノヴァマスター】の攻撃を防いだ。俺のときは徹底抗戦の構えだったと思うんだが……

【ヤイチ】は未だに弓を構えたままで、疲れてきたのか、若干腕が震えている。

 

「むぅ……ターンエンドです!」

 

宮田ゆま

LP4000

モンスター

【E・HERO ノヴァマスター】:攻

ATK2600

【E・HERO Great TORNADO】:攻

ATK2800

魔・罠

伏せ1枚

手札2枚

 

不貞腐れたように右頬を膨らませてエンド宣言するゆま。

そしてこのタイミングで剣山以外の面子が合流してきた。

明日香が何故ゆまとディレがデュエルしているのかと聞いてきたので軽く説明。

 

「愛されてるわね。お兄ちゃん」

 

説明を聞いたジュンコがニヤニヤと笑いながら寄ってくる。ももえは両手を頬に当てキャーキャー言っている。

ジュンコにどう返答すべきか困った俺は、『ふん』とだけ返してゆまとディレのデュエルを見た。

 

「ボクのターン、ドロー!【六武衆ーヤリザ】を召喚!」

 

【六武衆ーヤリザ】

攻撃表示

ATK1000/DEF500

 

全身青の鎧を着た槍使いが現れる。鎧の左腰からはケーブルが槍に繋がれていて、槍先は青白く発光している。

 

「【門】にカウンターがさらに乗る!そして【ヤイチ】の効果発動!ボクのフィールドに他の【六武衆】がいる場合、1ターンに1度セットされた魔法・罠を破壊できる!」

 

【ヤイチ】が弓の弦から手を離し、放たれた矢がゆまのリバースカード、【ミラー・フォース】を撃ち抜いた。

 

「まだまだ行くよっ!このカードは、ボクのフィールドに【六武衆】がいる場合、手札から特殊召喚できる!【六武衆の師範】を特殊召喚!」

 

【六武衆の師範】

攻撃表示

ATK2100/DEF800

 

「今【門】に乗っているカウンターは6つ。【門】の効果でカウンターを2つ取り除いて【六武衆】または【紫炎】の攻撃力を500ポイントアップさせる!ボクは【ヤリザ】の攻撃力をアップさせて、その同じ効果を合計3回、【ヤリザ】に注ぐ!」

 

【六武衆ーヤリザ】

ATK1000→ATK2500

 

【門】から【ヤリザ】に光が注がれ、【ヤリザ】の持つ槍の先が青白いものから赤黒く光るものに変化した。得物の変化に驚いたのか、【ヤリザ】は槍とディレを交互に見ている。

 

「でも、攻撃力は【ノヴァマスター】より低いです!」

「バトル!【ヤリザ】はボクのフィールドに他の【六武衆】がいるなら、ダイレクトアタックができる!【ヤリザ】でダイレクトアタック!」

 

【ヤリザ】は自分の槍の変化に戸惑いながらも、【ノヴァマスター】と【Great TORNADO】をすり抜け、ゆまに頭突きをかました。槍使えよ。

 

「はぎゅっ!」

 

宮田ゆま

LP4000→1500

 

頭突きされたゆまは舌を噛んだのか、目尻に涙を浮かべ、口を両手で押さえてこちらに走ってきた。

 

「ひた、ひたかんら!ふーって!ふーって!」

 

『舌噛んだ』はわかったが、『ふーって』ってなんだ。雪乃に翻訳を頼むと、

 

「舌噛んだから、舌をふーふーしてほしいみたいよ」

 

と返ってきた。別の刺激で誤魔化そうという考えらしい。雪乃の翻訳は正しいと、ゆまは何度も頷いている。

そんなので痛みが和らぐとは思えないのだが、ゆまは口を開けて催促してくる。

仕方ないとため息を吐いて、ゆまの舌に優しく息を2回吹きかける。

ゆまは顔を赤くして『ありがとうお兄ちゃん!』と駆け足でディレの前に戻った。

 

「……もういいの?」

「まだヒリヒリするけど、大丈夫ですっ!」

 

律儀に待っていたディレは『そう』と言って手札のカードをディスクにセットした。

 

「速攻魔法【六武ノ書】!【六武衆】2体をリリースして、デッキから【大将軍 紫炎】を特殊召喚する!」

 

【大将軍 紫炎】

攻撃表示

ATK2500/DEF2400

 

【ヤイチ】と【ヤリザ】が消滅すると、赤茶色の鎧に黒いマントを羽織った髭面の男が現れる。

 

「【紫炎】がいる限り、相手は1ターンに1度しか魔法・罠を発動できない!」

「い、一回しか使えないんですか!?」

 

ゆまの【HERO】デッキは魔法カードを多用するから、結構キツい状況だな。

 

「さらに罠発動【六武衆推参!】!墓地の【六武衆】を特殊召喚する!戻ってきて!【ヤリザ】!」

 

【六武衆ーヤリザ】

攻撃表示

ATK1000/DEF500

 

「【六武の門】にカウンターが乗る!さらにこの特殊召喚で、【ヤリザ】はまた攻撃できる!【ヤリザ】でダイレクトアタック!」

「っ!」

 

ゆまは再び来るであろう頭突きに備えて身を固くして目をギュッと閉じる。

その様子を見た【ヤリザ】はゆまの前で止まり、

 

「たっ!?」

 

デコピンをお見舞いした。だから槍を使えって。

 

宮田ゆま

LP1500→500

 

「ターンエンド。この瞬間、【六武衆推参!】の効果で特殊召喚されたモンスターは破壊される」

 

足下が爆発し、【ヤリザ】が破壊される。

 

ツァン・ディレ

LP4000

モンスター

【六武衆の師範】:攻

ATK2100

【大将軍 紫炎】:攻

ATK2500

魔・罠

【六武の門】《武士道カウンター:2》

手札0枚

 

「もう一度【ヤリザ】を召喚されたら、ゆまの負けだな」

「対策としては、【ヤリザ】の効果を使うために必要な【六武衆】。現状でいえば【師範】を破壊することかしら」

 

俺の呟きに明日香が対策を言う。あとは、このターンでディレに勝つくらいか。これは対策じゃないな。

 

「私のターン、ドロー!」

 

まだ舌がヒリヒリするのか、舌を出してこのターンの動きを考えるゆま。

【紫炎】によって魔法の発動に制限がかかっているが、ディレは手札もリバースカードも無いから、素直にモンスター展開して攻撃で良いと思うけどな。

 

「バトルです!」

 

モンスターを召喚しない……手札に【バブルマン】がいるのはわかっているが、それ以外のカードはモンスターじゃないのか?

 

「【Great TORNADO】で【紫炎】を攻撃!スーパーセル!」

 

【Great TORNADO】がゆっくりと回転を始め、回転速度を上げていく。やがて周囲の空気を巻き込んで巨大な竜巻を発生させる。

その様子を見ていると、右腕に何かがくっついた。

 

「…………雪乃、何をしている?」

「風で飛ばされちゃうじゃない」

 

くっついた物の正体は雪乃だった。

風で飛ばされるって……これはソリッドヴィジョンだろ。そう突っ込むが、雪乃は風で聞こえないというように『ん?』と首を傾げ、さらに右腕に絡む力を強くした。

……攻撃が終わったら離れるか。そう判断した俺は再度デュエルを見る。

強くなっていく竜巻の頂上が【紫炎】に向かって動く。

 

「【紫炎】の効果!このカードが破壊される場合、代わりにフィールドの【六武衆】を破壊できる!【師範】を身代わりに!」

 

【紫炎】に向かっていく竜巻の中に飛び込む【師範】。一瞬風が強く吹き、竜巻が消滅すると、竜巻に向かったはずの【師範】が居らず、代わりに【Great TORNADO】が宙に浮いていた。

 

ツァン・ディレ

LP4000→3700

 

「まだ【ノヴァマスター】がいます!【紫炎】を攻撃!ファイヤー・ボール!」

 

【ノヴァマスター】が火球を3発撃ち、【紫炎】を焼き尽くす。

 

「【紫炎】……」

 

ツァン・ディレ

LP3700→3600

 

「【ノヴァマスター】の効果発動!相手モンスターを戦闘で破壊した場合、カードを1枚ドロー!」

 

宮田ゆま

手札3枚→4枚

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンドです!」

 

宮田ゆま

LP500

モンスター

【E・HERO ノヴァマスター】:攻

ATK2600

【E・HERO Great TORNADO】:攻

ATK2800

魔・罠

伏せ1枚

手札3枚

 

「ボクのターン、ドロー!魔法カード【死者蘇生】!戻ってきて!【ヤリザ】!」

 

【六武衆ーヤリザ】

攻撃表示

ATK1000/DEF500

 

再三現れる【ヤリザ】。若干顔色が悪いようにも見える。

 

「【門】のカウンターを4つ使って、デッキから【六武衆の師範】を手札に加えて特殊召喚!」

 

【六武衆の師範】

守備表示

ATK2100/DEF800

 

「バトル!【ヤリザ】でダイレクトアタック!」

「させません!罠発動!【強制脱出装置(お兄ちゃん対策)】!【ヤリザ】を手札に戻します!」

 

俺対策ってなんだ。ピンポイントすぎるだろ。そう思いながら【ヤリザ】が手札に戻っていくのを見る。

 

「くっ……モンスターをセット。ターンエンド……」

 

ツァン・ディレ

LP3600

モンスター

【六武衆の師範】:守

DEF800

裏守備1枚

魔・罠

【六武の門】《武士道カウンター:2》

手札0枚

 

「私のターン、ドロー!魔法カード【融合回収】発動!墓地の【エアーマン】と【融合】を手札に加えます!」

 

宮田ゆま

手札3枚→5枚

 

「そして【エアーマン】を召喚!」

 

【E・HERO エアーマン】

攻撃表示

ATK1800/DEF300

 

「【エアーマン】の効果発動!デッキから【フォレストマン】を手札に加えて、【融合】を発動!手札の【バブルマン】と【フォレストマン】を融合!

母なる水のヒーロー、森を守るヒーローと一つになりて、お兄ちゃんをいじめるツァンさんにお仕置きしてください!融合召喚!来てください!【E・HERO ガイア】!」

 

【E・HERO ガイア】

攻撃表示

ATK2200/DEF2600

 

【ガイア】を召喚したのはいいが、口上が私怨に満ちているぞ。

 

「【ガイア】の効果発動!融合召喚に成功した場合、相手モンスター1体の攻撃力を半分にして、その数値分、このカードの攻撃力をアップさせます!【師範】の攻撃力を半分に!」

 

【ガイア】が両腕を地面に当てると、【師範】の足下が光り、力を奪う。

 

【六武衆の師範】

ATK2100→ATK1050

 

【E・HERO ガイア】

ATK2200→ATK3250

 

「バトルです!【エアーマン】で【師範】を攻撃!ファン・ブレード!」

 

【エアーマン】が両翼のファンを掴み、【師範】に投げる。【師範】は抵抗すらできずに切り裂かれた。

 

「【師範】……!」

「続いて【ノヴァマスター】で裏側の【ヤリザ】を攻撃!ファイヤー・ボール!」

 

【ノヴァマスター】が放った火球が裏側表示の【ヤリザ】を焼き尽くす。今日は大活躍だったな。リリースされたり破壊されたり。

 

「【ガイア】と【Great TORNADO】でダイレクトアタック!」

 

【ガイア】が両腕を組んで地面を殴り、その衝撃で飛び出した岩と、【Great TORNADO】が竜巻を発生させてディレに突撃する。

風の音で、ディレの断末魔は聞こえなかった。

 

ツァン・ディレ

LP3600→800→-2450

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルを終え、ディレに形だけ謝ってもらい、ゆまが満足したところで雪乃に問い詰められた。

 

「どうして私のときは説明しないで、彼女のときには説明したの?」

 

まるで要領を得ない。『意味がわからん』と返すと、

 

「召喚口上のことよ。私のときは『バカにすんな』で済ませて、ツァンのときにはちゃんと説明したでしょ。それは何故?」

 

こんな返答が。

雪乃に言ったのは1年の中頃……よく覚えてるな。

 

「……お前は些細なことだと割り切って、ディレの場合はそういかないと思った。だから説明しただけだ。実際、あのときお前は引き下がっただろ?」

 

最後の一言が効いたのか、雪乃は不貞腐れたように俺の右腕にしがみついた。離そうとするが、今度はゆまが左腕にしがみつく。そしてそれを見たジュンコは『またか』と言いたげな表情でこちらを見て、ももえはキャーキャーと叫び、明日香が怖い笑顔を見せ、ディレが『やっぱり女たらし』と罵る。

遅れて合流した剣山に、『事故ればいいザウルスー!』と言われて逃げられた。

丸藤と十代に助けを求めようとしたが、剣山を追いかけて既に遠くに行っていた。

今日はゆまに負け、ディレに心を折られ、精神的疲労が原因なのか早く就寝。それにより、校舎前で響いた爆発音に気付かなかった。




次回はエドVS十代……は変更点思い浮かばなかったのでスルーして、天上院兄妹の対決です。
1ターンに1度、レベル4以下の獣戦士サーチして他の獣戦士の攻撃力400アップさせるモンスターって、【天キ】より質悪くないですか?そう思うのは私だけ?

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