衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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数日全然書けずにいましたが、代わりに小ネタが浮かびました。
前回はこんな感じで終わったと思います。

2ターン目エンドフェイズ

海馬瀬人
LP2500
モンスター
【青眼の白龍】:攻
ATK3000
魔・罠

手札1枚

VS

宮田龍斗
LP3000
モンスター
【SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング】:攻
ATK2500
【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】:攻
ATK2700
【ラヴァルバル・チェイン】:守
DEF1000
魔・罠
伏せ1枚
ペンデュラム
【EM モンキーボード】:スケール4
手札3枚
EX
【Em ヒグルミ】
【Em ヒグルミ】
【竜剣士ラスターP】
【EM リザードロー】


挑戦 VS.海馬

イベントを終えてI2社、KCによるパーティーの最中、海馬さんに仕置きと称したデュエルを強要された。海馬さんは先攻1ターン目で【青眼】モンスターを3体召喚されたが、こちらも【WE】を駆使して2体を突破した。

 

「龍斗!」

 

エンド宣言した直後、枕田が近づいてきた。怒っているのか、俺を睨んでいる。

 

「アンタ、ターンが長すぎよ!みんなを見てみなさい!」

 

枕田が自身の背後を指差す。その先には、その場に座り込んでいるKC、I2社の社員とももえ、ゆまの姿が。明日香は引きつったような笑みを浮かべ、藤原は子供を見守っているかのような笑みだ。その視線が俺に向いているのが気になる。ペガサス会長は、視線をこちらに向けているが、何か考えているのか、顎に右手を当てている。

 

「アンタのターンが無駄に長いから、みんなダウンしちゃったじゃない!」

「いや、あんな手札になったら仕方ない。多分誰だって長くなる」

 

初手に【ヒグルミ】と【ラスターP】、【揺れる眼差し】が揃ったら多少の誤差があってもああなるだろ。

 

「小娘、デュエルの邪魔だ。さっさと失せろ」

 

海馬さんの発言に、枕田は海馬さんに向かって何かを言いそうになったが、相手が海馬さんだとわかると何も言わずに下がっていった。

 

「デュエル再開だ。俺のターン!…………墓地の【太古の白石】を除外し、墓地の【青眼】を対象に効果を発動する!」

 

【太古の白石】の効果……別に止めなくてもいいか。

 

「通します」

「墓地から【青眼】を手札に加える」

 

海馬瀬人

手札2枚→3枚

 

「そして、手札の【青眼】を見せることで、手札の【亜白龍】を特殊召喚できる!」

 

【亜白龍】か……それは面倒だな。

 

「その特殊召喚にカウンター罠【神の通告】!ライフ1500をコストに、モンスター効果の発動、モンスターの特殊召喚を無効にして破壊する!」

 

宮田龍斗

LP3000→1500

 

【亜白龍】が姿を現そうとすると、俺の頭上から雷が発生し、【亜白龍】を消し飛ばした。

 

「ならばバトルだ!【青眼】で【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】を攻撃!滅びの爆裂疾風弾!」

 

【青眼】のブレス攻撃が【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】を爆散させた。

 

「ぐっ……!」

 

宮田龍斗

LP1500→1200

 

「魔法カード【復活の福音】!墓地より【亜白龍】を特殊召喚!」

 

【青眼の亜白龍】

攻撃表示

ATK3000/DEF2500

 

「【亜白龍】の効果発動!このターンの攻撃を放棄する代わりに、相手モンスター1体を対象にし、破壊する!滅びのバーンストリーム!」

 

【亜白龍】のブレスによって、【ライトニング】が爆散した。

 

「俺はレベル8の【青眼】と【亜白龍】でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!

現れろ、【No.46】!雷鳴よ、轟け!稲光よ、煌めけ!顕現せよ!我が僕となりし龍!【神影龍 ドラッグルーオン】!」

 

【No.46 神影龍ドラッグルーオン】

攻撃表示

ATK3000/DEF3000

 

海馬さんのフィールドに、金の翼膜と体毛を持った銀龍が現れた。

 

「【ドラッグルーオン】の効果発動!俺のフィールドに他のモンスターが存在しない場合、ORUを1つ使い、3つの効果の中から1つを発動できる!俺は『手札のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する』効果を選択し、【青眼】を特殊召喚!」

 

【ドラッグルーオン】のORUが大量の粒子になると、再び集まって【青眼】の姿になった。

 

【青眼の白龍】

攻撃表示

ATK3000/DEF2500

 

「ターンエンド!」

 

海馬瀬人

LP2500

モンスター

【No.46 神影龍ドラッグルーオン】:攻

ATK3000

【青眼の白龍】:攻

ATK3000

魔・罠

手札0枚

 

「俺のターン、ドロー!まずは【ラヴァルバル・チェイン】の効果発動!ORUを1つ使い、デッキからモンスターをデッキトップに置く効果を発動!【稲荷火】をデッキトップに!そしてセッティング済みの【モンキーボード】とスケール6の【リザードロー】でペンデュラムスケールをセッティング!そして、【リザードロー】のペンデュラム効果でこのカードを破壊し、1枚ドロー!」

 

宮田龍斗

手札3枚→4枚

 

「そして墓地の【ダメージ・ジャグラー】を除外してデッキから【Em ハットトリッカー】を手札に加える!」

 

宮田龍斗

手札4枚→5枚

 

「ま、また長くなりそうな動きね……」

「良いんじゃないかしら。龍斗が楽しそうなら」

 

明日香は頭痛でもきてるのか、頭を軽く押さえている。藤原、お前タフだな。他の人はほぼ全員ダウンしてるのに。

 

「俺は、スケール6の【EM ギタートル】とセッティング済みの【EM モンキーボード】でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

俺の背後にギターを胴体にした亀が現れた。

 

「2つのエンタメ。揺れ動く力の下、ステージの第二幕を開けろ!ペンデュラム召喚!エクストラデッキより蘇れ!【竜剣士ラスターP】!」

 

【竜剣士ラスターP】

攻撃表示

ATK1850/DEF0

 

「【Em ヒグルミ】!」

 

【Em ヒグルミ】×2

攻撃表示

ATK1000/DEF1000

 

「レベル4の【Em ヒグルミ】にレベル4の【ラスターP】をチューニング!」

「シンクロ召喚!?」

「エクシーズだけじゃないのね」

 

俺がシンクロ召喚することに、何故か明日香は驚き、雪乃は感心していた。

 

「燃え盛る焔よ!竜剣士を包み、新たな力を授けよ!シンクロ召喚!焼き切れ!レベル8!【爆竜剣士イグニスターP(プロミネンス)】!」

 

【爆竜剣士イグニスターP】

攻撃表示

ATK2850/DEF0

 

赤い鎧を着に纏った剣士が、竜の翼を広げて俺のフィールドに降りたった。

 

「ほう。【カステル】は使わんのか」

「【ラスターP】は【竜剣士】モンスター以外の素材に使えないので。【イグニスターP】の効果発動!1ターンに1度、デッキから【竜剣士】モンスターを守備表示で特殊召喚できる!2体目の【ラスターP】を特殊召喚!」

 

【イグニスターP】が地面に剣を突き立てると、【イグニスターP】が炎の竜巻に包まれる。数秒もすると、竜巻が消え、【ラスターP】が【イグニスターP】の前に現れた。

 

【竜剣士ラスターP】

守備表示

ATK1850/DEF0

 

「【イグニスターP】のさらなる効果!【ラスターP】を対象に発動!対象カードを破壊し、フィールドのカード1枚をデッキに戻す!【ドラッグルーオン】には退場してもらう!」

 

【イグニスターP】が剣先を【ドラッグルーオン】に向けると、【ラスターP】が【ドラッグルーオン】に突撃。体格差をもろともせず、【ドラッグルーオン】を押していく。【ドラッグルーオン】が広間の壁に激突すると、【ラスターP】も【ドラッグルーオン】も爆発した。

 

「俺の【復活の福音】を回避したか」

「というか、俺のエクストラの都合上、回避せざるを得ないだけです。破壊するカード無いんで。続けます。このモンスターは、俺のフィールドにモンスターが2体以上存在する場合、手札から特殊召喚できる!【Em ハットトリッカー】!」

 

【Em ハットトリッカー】

攻撃表示

ATK1100/DEF1100

 

何もない空間から、手袋とブーツ、ゴーグルと帽子だけのモンスターがポンッと音を立てて現れた。

 

「そしてこのモンスターは、俺のフィールドに魔法使い族モンスターがいる場合、手札から特殊召喚できる!来い!【稲荷火】!」

 

【稲荷火】

攻撃表示

ATK1500/DEF200

 

尻尾の根本から炎が燃え盛る狐が現れた。

 

「俺はレベル4の【ハットトリッカー】と【稲荷火】でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!

人の知識を得て、更なる力で雲を裂け!エクシーズ召喚!撃ち抜け!ランク4!【鳥銃士カステル】!」

 

【鳥銃士カステル】

攻撃表示

ATK2000/DEF1500

 

「【カステル】の効果発動!ORUを2つ使い、【青眼】をデッキに戻す!」

 

【カステル】が空中に銃を放り投げ、独りでに発砲。【青眼】をデッキに戻した。

 

「くっ……!」

 

フィールドのモンスターが全滅したことに、苦々しい表情を見せる海馬さん。

 

「バトル!【イグニスターP】でダイレクトアタック!炎龍の剣閃!」

 

【イグニスターP】が鞘も無いのに剣を左腰に添えて居合の構えをとる。数秒の後に、その場で居合斬りすると、炎の龍が現れ、海馬さんに向かっていき、そのまま飲み込んだ。

 

海馬瀬人

LP2500→-350

 

デュエルを終え、海馬さんに開口一番『最初からそれくらい動け』と無茶を言われた。『あんな縛りだと客にわかりやすくすることも含めてあの辺りが限界だった』と言い返してしまった。

この状態で再開できそうもないということで、パーティーはそのままお開きとなった。

明日は学生陣のために、海馬さんとペガサス会長が海馬ランドを貸し切りにしてくれるらしく、枕田はガッツポーズをして、ゆまは『ふわぁ〜い』と微妙に声を上ずらせて右拳を力無く上げていた。

そして部屋にて。

 

「いや、まだ通常召喚してないから【ドクロバット・ジョーカー】サーチして召喚しろよ」

「えっ?あ、わ、わかってるわよ!」

 

『さっきのデッキを回してみたい』というゆまの無謀な挑戦に、明日香達も『参加する』と言ってきたので、部屋でマスタールール先攻1ターン目を想定してデッキを回させることに。1ターン回したらデッキを元に戻して次の人が回すという形で枕田からスタート。

何故か俺のベッドの上で回し、今【モンキーボード】から【リザードロー】をサーチしたところだ。

俺はゆまのベッドと俺のベッドの間に胡座をかき、枕田に口出ししながら、ゆまのベッドに寝転んでいるももえに頭を撫でられ、藤原を膝枕している。藤原は何度か退かしたのだが、その度に膝に帰ってくるので諦めた。ゆまと明日香は俺とは俺のベッドを挟んだ反対側にいる。

 

「えっと……次は……ペンデュラム……【稲荷火】、【ジゴバイト】、【ペンデュラム・マジシャン】……ペンデュラム2枚破壊して……」

「龍斗さん。よくこんなデッキ作りましたね」

「最初は【EM】と【Em】のハイブリッドのネタのつもりだったんだけど、調整してたらこんなデッキに……」

 

枕田は頭を抱えながら必死にデッキを回す。といっても、もうすぐ終わるだろうが。

 

「えっと……えっとぉ……あー!もう無理!これ以上は無理!」

「じゃあ、次は私の番ね」

 

枕田が諦めたところで明日香の番に。この次は藤原、ももえ、ゆまの順か。

明日香がベッドの上に乗り、枕田がゆまとともに只でさえ動き辛いベッドの間にやってきた。

 

「ゆま、回せそうか?」

「が、頑張る!だからお兄ちゃん、今日も一緒に寝よう!」

「ゆま、私も忘れちゃダメよ」

 

藤原、お前はいい加減自分の部屋で寝ろ。そう突っ込むが、藤原はどこ吹く風と俺のツッコミを無視する。ももえは何か妄想してるらしく、耳元でキャーキャー言っている。とてもうるさい。そして明日香の様子がおかしい。

 

「…………明日香」

「何かしら?」

 

笑顔で振り向く明日香。何か気に障ることでもしたのか、笑顔が怖かった。ももえもキャーキャー言うのを止め、『ひっ!』と小さな悲鳴を上げた。

 

「…………【インフィニティ】よりも、【プトレマイオス】で止めてみろ。【ルーラー】で魔法止めて、相手ターンで【プトレマイオス】を【アザトート】にすれば、モンスター効果も止まるから」

 

これ以上は無理と判断したのか、【チェイン】、【ルーラー】、【インフィニティ】が並んだ布陣で片付けていたので口出ししてみる。すると明日香は『ありがとう』と怖い笑みのまま藤原と代わる。そしてゆまが俺の脚の上に座った。頭が邪魔して藤原が回してる様子が見えない。

 

「ゆま、ちょっとズレてくれ。見えない」

「う、うん!」

 

さっきの明日香が怖かったのか、硬い表情のまま少し左にズレるゆま。丁度右肩が俺の顎を置ける位置に来たので顎を乗せる。

 

「ふひゃあぁ!?」

 

突如ゆまが奇声を発し、ももえが再びキャーキャー言いだしたが、気にすることなく藤原のデッキ回しを見物する。明日香と枕田のを見ていたからか、口出しの必要が無さそうだ。順調に回していき、口出しすることなく終わった。そしてももえの番だ。

 

「龍斗さん!」

「ん?」

「手札事故です!」

 

そういって5枚のカードを見せてくる。

 

【EM リザードロー】

【Em ミラー・コンダクター】

【神の通告】

【エフェクト・ヴェーラー】

【Em ハットトリッカー】

 

……何もできないな。

 

「もう一度チャンスをください!」

「俺に言うな。言うなら明日香達に言え」

 

明日香達の了承を得て再度デッキを回す。そしてゆまの番だ。

 

「お兄ちゃん!手札にモンスターしかいないよ!」

「デッキのモンスターは30枚くらいだからな。当然だろ」

「あう〜……」

 

さっき使った魔法・罠って【揺れる眼差し】と【神の通告】くらいだったから、そのくらいはわかってるだろうに。ゆまの傍に近寄って、なるべく丁寧に効果を説明してデッキ回しを手伝うことにした。

一通り回して、寝ることにしたのだが……

 

「…………」

「ぅ〜…………」

「…………」

 

明日香とももえ、枕田の3人は大人しく部屋に戻ったのだが、藤原とゆまは昨日までと変わらず俺のベッドで俺と寝ようとする。それを阻止すべく、ベッドの前で藤原、ゆまと睨み合う形に。睨み合う中、ゆまは今にも吠えそうな様子で唸っている。

ゆまは放置でいいだろう。同じ部屋だし、従妹だから。

ただし藤原、お前はダメだ。その格好で男と寝るのは付き合ってる奴、もしくは家族とだけにしろ。

 

「やぁーっ!」

「…………っ!」

 

俺の視線が藤原に行った瞬間、微妙な気合いとともに、ゆまが中腰で突撃してくる。避けるか?いや、避けたらゆまがベッドに激突する。そう判断してゆまを受け止め、腕を腰に回して軽く持ち上げる。

 

「うひゃあ!?」

「っ!!」

 

ゆまが奇声を発したその瞬間、ベッドに突っ込む藤原に体全体でぶつかる。大して重くはないが、ゆまの体も使ったので、そこそこダメージはあるはずだ。

 

「お、お兄ちゃん!あんまり持ち上げないで!ぱ、パジャマが……!」

 

俺の腰に手を回していたはずの左手はパジャマのシャツを抑え、右手は床についている。ゆまを降ろしてその場に放置し、ゆっくりと立ち上がる藤原に対峙する。ゆまは少し乱れたパジャマを直している。

 

「いい加減諦めろ。この部屋で寝るのは構わん。百歩譲ってな。だが、俺と同じベッドは絶対に断る!」

「諦める?それは龍斗、貴方の方よ!ゆま!」

「て、てやー!」

 

横からやってくるゆまと、正面の藤原とのバトルは続く。まだ夜は明けそうもない。




【真青眼】氏は『召喚するタイミング無くね……?』と言ってストライキ起こされました。
次回はゆきのんの苦手な『肉まん我慢大会』です(大嘘)。

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