衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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イベントのメインが終わり、カードの配布したりする話です。


イベント終了後 VS.一般人

「以上をもって、シンクロ・エクシーズ・ペンデュラム召喚の実演を終了する!」

「それではこれより、スターターデッキと新パックの配布を始めマース!龍斗ボーイ、明日香ガールと雪乃ガールも手伝ってくだサーイ!」

 

城之内さんとのデュエルを終えたと思った瞬間、海馬さんとペガサス会長の背後に大量のダンボールが現れた。黒服の人達とともに。

打ち合わせでデッキやパックの配布は決まっているので、特に慌てることもなく所定の位置につく。

スターターデッキも新パックもそれぞれ3種類用意してあり、シンクロ・エクシーズ・ペンデュラム召喚に対応したデッキ。それを強化しやすいパックとなっていて、俺はペンデュラム召喚対応のデッキとパックを渡すことになっている。明日香はシンクロ、藤原はエクシーズだ。

数に限りがあるので、1人1つのデッキと5パックとされた。

俺達テスターは一般客に、海馬さんとペガサス会長はマスコミに配布することになっている。たまたまデュエルディスクを持ってきていた人には、KCの人達が新型と交換している。

一般客の大半は小学生以下の年齢層だが、たまに中学生・高校生のやつも来る。小学生くらいの男の子に『俺の方が上手くペンデュラムを使えるようになる』とナマイキなこと言われたときは、『やってみろ』と挑発的な笑みを浮かべてしまった。

 

「えへへ……」

「…………」

 

何故お前まで並んでるんだよ。ゆま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全て配布し終えて、マスコミは編集やら何やらのために会場を後にし、一般客にはテーブルがいくつも用意され、その場で開封、デッキの改造に励んでいる。

 

「えっと……あとは一般客のデュエルの相手くらいか?」

 

状況確認のために明日香と藤原に聞いてみると、少し疲れた様子で2人が頷いた。一般客はここで組んだデッキを使って、俺達テスターや同じ一般客を相手にデュエルができる。俺達はさっき使ったデッキと、別にデッキを用意してある。明日香は【氷結界】を、藤原は【クラウンブレードライトロード】。俺は適当にいくつか持ってきた。ペガサス会長や海馬さんの話をざっくり纏めると、自重しなくていいらしい。さすがに相手を選ぶけどな。

 

「疲れたか?」

 

先程の明日香と藤原の様子が気になったので声をかけてみる。

 

「デュエルや解説はそうでもないんだけどね……」

「デッキとパックを配るときにナンパされたのよ……私も明日香も……」

 

…………まぁ、2人とも美人とかのカテゴリーに入らなくはないだろうし。ナンパされても不思議じゃないだろう。明日香は握力お化けで、藤原は俺のベッドにとんでもないパジャマで侵入してくるけど。

『お疲れだったな』とだけ伝えると、何故か2人とも恨めしそうに俺を睨む。

 

「なんで貴方は無事な顔してるのよ……女顔のクセに!」

「名前から男だとわかったんだろう。男とわかっててナンパするような奴いたら、俺は速攻で逃げる」

 

あと手をワキワキと動かしながら近づくのをやめろ。ゆっくりと近づく明日香に対し、俺もゆっくりと後退する。

 

「お兄ちゃん!見て見て!凄いの当たったよ!」

 

状況を打ち破る救世主が背後からタックルしつつ現れた。タックル直後抱きついて俺に当たったというカードを見せてくる。

 

「ん。どれど……れ…………」

 

【エルシャドール・ネフィリム】(シークレット仕様)

 

…………いや、強いけど、お前の【HERO】に入れるつもりか?【シャドール】モンスターいないだろ?

 

「?お兄ちゃん?」

 

沈黙した俺に、ゆまは『どうしたの?』と首を傾げて俺を見つめる。俺は『いや』と前置きして、

 

「確かに凄いのが当たったな。それで、デッキに入れるのか?」

「ううん。融合素材になるのが【シャドール・ファルコン】しかないから、残念だけど諦める」

 

いや、【ファルコン】も当ててるのかよ。一応【ファルコン】もチューナーだから、シンクロのパックに入ると思ってたんだが、何故ペンデュラムのパックに……まぁいいや。

 

「兄ちゃん!オレとデュエルだ!」

 

デッキを組んだのか、小学生くらいの男の子がデッキをデュエルディスクにセットして、俺にデュエルを挑んできた。

 

「わかった。じゃあこっちに行こうか」

 

テスター陣がデュエルしたステージに移動してデュエル。相手はエクシーズを使うつもりだったみたいだが、デッキの構築が酷くエクシーズ召喚の準備もままならなかった。仔犬のようについてくるゆまを連れ、男の子がいたテーブルまで戻り、今男の子が持ってるカードを使ってデッキ構築の手伝いをした。これでエクシーズできる……はずだ。

 

「兄ちゃん、ペンデュラム使うんだろ?なんでエクシーズのデッキ組むんだよ?」

「今回たまたまペンデュラム召喚を見せるために出たけど、俺はエクシーズもシンクロも使うよ」

 

男の子と友達であろう子達にも『へぇ〜』と感心される。ゆま、何故お前は誇らしげなんだ?お前の話は出てないだろ。

 

「龍斗さん、頑張ってますわね」

「ひゃあっ!?」

 

急に背後から声がして、テーブルにいた子達と一緒にビクッと肩を震わせ、振り返ってみるとももえがニコニコと笑っていた。ゆまは……驚きすぎて椅子から落ちた。

 

「ももえか。おどかすなよ」

「ごめんなさいね。明日香さま達と違って随分熱心だったので」

 

言われて明日香と藤原を探す。見つけた先では、明日香と藤原、枕田が呑気に談笑していた。お前ら仕事……いや、俺がやりすぎなだけか。言われたのは『デュエルの相手』だしな。

 

「……ちょっとデッキの内容が酷かったから直しただけだ」

「兄ちゃん酷え!」

 

男の子がショック受けてるが、『レベルがバラバラすぎて何もできなかったのは誰だよ』と言うと、『ぐはっ!』とその場に突っ伏した。お前ノリがいいな。

 

「龍斗!」

「ん?枕田?」

 

さっきまで談笑していた枕田が、慌てたように話しかけてきた。

 

「ちょっと来なさい!」

「ちょ、引っ張るな!」

「お、お兄ちゃん待って!」

 

腕を掴まれ、そのままステージまで引っ張られる。ステージには染めたであろう金髪の男と、藤原と明日香が対峙していた。

 

「来たわね龍斗」

「『来た』というより、『拉致された』方が正しい気がするが……」

 

藤原に迎えられたが、俺としては、何故俺がここにいなければならないのか

理解できない。そう思いつつ藤原の発言に訂正を試みるが、藤原はスルーし男を指差す。

 

「龍斗、今からあのボウヤとデュエルしてほしいの」

 

そしてこの発言である。

心底面倒なので『はぁ?』と嫌そうな表情で言ってみるが、聞く耳持たずに明日香が経緯を説明し始める。

端的に言うと、藤原と明日香をかけて俺とあの男がデュエルすることになった。

 

「…………俺、関係無いだろ」

 

と文句を言ってみると、藤原が俺より弱い男に興味はない。とほざいたらしい。藤原に非難の目を向けてみるが、藤原当人は意味深に笑うだけ。横目で男を見てみると、早くしろと言わんばかりにイラついていた。……面倒な。

 

「……暴れられても面倒だしな。仕方ない」

 

左腰からデッキを取り出し、ディスクにセットしつつ前に出る。

 

「やっと出てきたな!」

「面倒だから早く済ませよう。いくぞ」

 

嫌々ディスクを展開する。男はイラつきを更に強めてディスクを展開した。

 

「「デュエル!」」

 

LP4000

 

VS

 

宮田龍斗

LP4000

 

「オレの先攻だな。オレは【切り込み隊長】を召喚!」

 

【切り込み隊長】

攻撃表示

ATK1200/DEF400

 

「【切り込み隊長】の効果発動!召喚に成功したとき、手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる!【ハウリング・ウォリアー】を特殊召喚!」

 

【ハウリング・ウォリアー】

攻撃表示

ATK800/DEF700

 

銀の鎧の所々にスピーカーを取り付けた戦士が現れる。

 

「へへ……早速行かせてもらうぜ!レベル3の【切り込み隊長】と【ハウリング・ウォリアー】でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!出ろ!【グレンザウルス】!」

 

【グレンザウルス】

攻撃表示

ATK2000/DEF1900

 

赤い皮膚で頭部から炎を噴き出している恐竜型モンスターが現れる。エクシーズか……というか【グレンザウルス】の効果ってなんだっけ……?まぁ、初期エクシーズは大して怖くないから気にしないでいいか。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

LP4000

モンスター

【グレンザウルス】:攻

ATK2000

魔・罠

伏せ1枚

手札2枚

 

攻撃力2000のモンスターに、いつの間にか集まり見物している子供達からは諦めたような声が聞こえる。お前ら、明日香と藤原が1ターンで攻撃力2000オーバーのモンスターを召喚したの見てただろ?

 

「俺のターン、ドロー!」

「さっさと終わらせろよ。これからお楽しみがあるんだからさ!」

 

勝ちを確信してるのか、下卑た笑みを浮かべて挑発してくる男。俺のデッキがさっきと同じだと思ってるのか?

 

「フィールド魔法【メタモルF(フォーメーション)】を発動!」

 

俺の足下が青く光る。今回使うデッキは【メタルフォーゼ】。通常モンスターのペンデュラムモンスターと融合召喚をメインに設定したデッキだ。

 

「このフィールドがある限り、俺のフィールドの【メタルフォーゼ】モンスターの攻撃力と守備力が300ポイントアップし、俺のペンデュラムゾーンに【メタルフォーゼ】カードが存在する限り、効果モンスター以外の俺のフィールドの【メタルフォーゼ】モンスターは相手の効果を受けない」

「効果を受けない!?……チッ、面倒なカードを……!」

 

舌打ちして一瞬手札のカードを見たあと、俺を睨めつける。無視して手札のカード2枚を見せつける。

 

「俺はスケール1の【メタルフォーゼ・シルバード】とスケール8の【メタルフォーゼ・スティエレン】でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

俺の背後に独特なフォルムのジェット機に乗った女性と、バイクに乗った戦士が現れる。戦士とは言ってもサイキック族だが。

 

「これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能となったわけだが、先にコイツを召喚しよう。レベル1の【おもちゃ箱】を召喚!」

 

【おもちゃ箱】

攻撃表示

ATK0/DEF0

 

俺の足元に、赤いリボンでラッピングされた白い箱がコトッという音とともに置かれた。

 

「攻撃力0……ハッ!効果を受けないとか言っておきながら、攻撃力0の壁にもならないモンスターとはな!」

「【メタルフォーゼ・シルバード】のペンデュラム効果発動!」

「おい、オレが喋ってるだろうが!」

 

男が何か言ってるが、一々聞いてやる義理も義務もない。さっさと終わらせて戻りたいんだ。

 

「1ターンに1度、このカード以外の俺のフィールドの表側表示カード1枚を対象に発動。対象は【おもちゃ箱】だ。対象カードを破壊し、デッキから【メタルフォーゼ】魔法・罠を俺のフィールドにセットする!【錬装融合(メタルフォーゼ・フュージョン)】をセット!」

 

【シルバード】が柱から飛び出し、【おもちゃ箱】を吹き飛ばす。【おもちゃ箱】が開き、その中から2つの影と、裏向きのカードが現れた。

 

「【融合】……!?お前、ペンデュラムを使うんじゃ……!?」

「【おもちゃ箱】の効果発動!このカードが破壊され墓地へ送られた場合、デッキから攻撃力、または守備力が0でカード名が異なる通常モンスター2体を表側守備表示で特殊召喚できる!現れろ【メタルフォーゼ・スティエレン】、【竜剣士マスターP】!」

 

【メタルフォーゼ・スティエレン】

守備表示

ATK0/DEF2100

 

【竜剣士マスターP】

守備表示

ATK1950/DEF0

 

【スティエレン】がバイクのエンジン音を響かせながら現れ、同時に赤茶色の翼と尻尾を持ち、金と銀の鎧を纏った剣士が現れる。【スティエレン】がフィールドに止まると、乗っているバイクが青い光を放った。

 

「【メタモルF】の効果で、【スティエレン】の攻撃力と守備力が上昇する」

 

【メタルフォーゼ・スティエレン】

ATK0/DEF2100→ATK300/DEF2400

 

男は手札とフィールド、ディスクに目を向けたあと、口角を上げてこちらを見た。

 

「だが、守備表示じゃオレの【グレンザウルス】は倒せないぜ!」

「誰がこれで終わりだと言ったんだか……【シルバード】の効果でセットされた魔法カード【錬装融合】を発動!フィールドの【スティエレン】と【マスターP】を融合!黒鉄の魂を持つ者よ、竜の力と一つとなりて、伝説を手にせよ!融合召喚!『アダマント』の名を持つ者!レベル5【メタルフォーゼ・アダマンテ】!」

 

【メタルフォーゼ・アダマンテ】

攻撃表示

ATK2500/DEF2500

 

肩にバイクの車輪を取り付け、腰のあたりから炎を噴き出すマフラーを伸ばし、ハンドルと思われる筒から炎で出来た刃をもつ人型モンスターが現れる。

 

「オレの【グレンザウルス】の攻撃力を超えるモンスターを……!」

「【メタモルF】の効果で攻撃力と守備力が上昇」

 

【アダマンテ】の装甲が青く光る。

 

【メタルフォーゼ・アダマンテ】

ATK2500/DEF2500→ATK2800/DEF2800

 

「墓地の【錬装融合】の効果発動!」

「墓地から魔法カードだと!?」

 

もうテンプレと言ってもいいのではないかと思うセリフを無視して、墓地から【錬装融合】を取り出す。

 

「墓地のこのカードをデッキに戻し、1枚ドロー!」

 

宮田龍斗

手札2枚→3枚

 

……モンスターじゃなかったか。まぁいい。

 

「揺れ動く力、鋼鉄の意志のもと、伝説を導け!ペンデュラム召喚!エクストラデッキより蘇れ!【メタルフォーゼ・スティエレン】!」

 

【メタルフォーゼ・スティエレン】

守備表示

ATK0/DEF2100

 

「【竜剣士マスターP】!」

 

【竜剣士マスターP】

攻撃表示

ATK1950/DEF0

 

「そして手札から【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】!」

 

【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】

攻撃表示

ATK1900/DEF500

 

黄金のプレートを装着した男が、黄金の四輪バギーに乗り、ドリフトしながら登場した。

 

「【メタモルF】の効果で【メタルフォーゼ】モンスターの攻撃力と守備力が上昇する」

 

【メタルフォーゼ】モンスター達の乗り物が青く発光する。さっきから人の部分が強化されてない。

 

【メタルフォーゼ・スティエレン】

ATK0/DEF2100→ATK300/DEF2400

 

【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】

ATK1900/DEF500→ATK2200/DEF800

 

「罠発動【統制訓練】!お前のフィールドのレベル5以下のモンスター、【メタルフォーゼ・スティエレン】を選択して発動!フィールドに存在する、選択したモンスターと違うレベルを持つモンスターを全て破壊する!」

「【スティエレン】のレベルは2。よってレベル2以外のモンスターを破壊するが、俺のフィールドにいる【ゴルドライバー】と【アダマンテ】は【メタモルF】の効果で破壊されず、【マスターP】だけが破壊される」

 

この発言の直後、何も言わずに【マスターP】は爆発した。

 

「バトル!【アダマンテ】で【グレンザウルス】を攻撃!双炎斬!」

 

【アダマンテ】が両手の筒から噴き出る炎で【グレンザウルス】の体を3つに斬った。

 

「オレの【グレンザウルス】が……!」

 

LP4000→3200

 

「【ゴルドライバー】でダイレクトアタック!」

 

【ゴルドライバー】がエンジン音を響かせて男にドリフトで突撃。

しかし何かを踏んだのか、車体が跳ね上がり、錐揉み回転しながら男に向かっていった。

 

「ぉわぁ!?」

 

妙な声を出しながら男は回避。しかしライフは減らされる。

 

LP3200→1000

 

「メイン2。ペンデュラムゾーンにいる【スティエレン】のペンデュラム効果発動!フィールドの【スティエレン】を破壊して、デッキから【メタルフォーゼ・コンビネーション】をセットする」

 

モンスターとしてフィールドにいる【スティエレン】を、ペンデュラムゾーンにいる【スティエレン】が背後から猛スピードで激突し、どこかからカードを1枚持ってきて裏側で俺のフィールドにセットした……交通事故……いや、それよりもドッペルゲンガー……

 

「…………カードを2枚セットしてターンエンド」

 

宮田龍斗

LP4000

モンスター

【メタルフォーゼ・アダマンテ】:攻

ATK2800

【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】:攻

ATK2200

魔・罠

伏せ3枚

フィールド

【メタモルF】

ペンデュラム

【メタルフォーゼ・シルバード】:スケール1

【メタルフォーゼ・スティエレン】:スケール8

手札1枚

EX

【竜剣士マスターP】

【メタルフォーゼ・スティエレン】

 

「お、オレのターン!」

 

1ターンで追い込まれたと思ってるのか、声を震わせながらカードを引く。

 

「クソッ!モンスターを裏守備表示で召喚!カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」

「永続罠【メタルフォーゼ・コンビネーション】を発動しておこう。効果の説明は使うタイミングが来たらしてやる」

「…………ターンエンド!」

 

LP1000

モンスター

裏守備1枚

魔・罠

伏せ1枚

手札1枚

 

悪態をつきがらカードをデュエルディスクに叩きつけ、俺がカードを発動すると、イラつきながらターンを終了した。

 

「俺のターン、ドロー!【シルバード】のペンデュラム効果発動!フィールドの【ゴルドライバー】を破壊して【錬装融合】をセットする!」

 

【シルバード】がバギーごと【ゴルドライバー】をどこかに拉致し、代わりに【錬装融合】を持ってきて、フィールドにセットした。

 

「揺れ動く力、鋼鉄の意志のもと、伝説を導け!ペンデュラム召喚!エクストラデッキより蘇れ!【メタルフォーゼ・スティエレン】!」

 

【メタルフォーゼ・スティエレン】

守備表示

ATK0/DEF2100

 

「【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】!」

 

【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】

攻撃表示

ATK1900/DEF500

 

「【竜剣士マスターP】!」

 

【竜剣士マスターP】

攻撃表示

ATK1950/DEF0

 

「そして手札から【メタルフォーゼ・ヴォルフレイム】!」

 

【メタルフォーゼ・ヴォルフレイム】

攻撃表示

ATK2400/DEF2000

 

赤いボディとキャタピラが特徴の乗り物に乗った人型モンスターが轟音とともに現れる。

 

「よ、4体同時召喚……!?」

「【メタモルF】の効果で【メタルフォーゼ】達の攻撃力と守備力が上昇」

 

【メタルフォーゼ・スティエレン】

ATK0/DEF2100→ATK300/DEF2400

 

【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】

ATK1900/DEF500→ATK2200/DEF800

 

【メタルフォーゼ・ヴォルフレイム】

ATK2400/DEF2000→ATK2700/DEF2300

 

「そしてセットされた魔法カード【錬装融合】を発動!【スティエレン】と【アダマンテ】を融合!黒鉄の魂を持つ者よ、堅固なる力と一つとなりて、新たな伝説をこの地に刻め!融合召喚!『オリハルコン』の名を持つ者!【メタルフォーゼ・オリハルク】!」

 

【メタルフォーゼ・オリハルク】

攻撃表示

ATK2800/DEF2200

 

黄金の鎧と、背に背負う4つの車輪が特徴のモンスターが炎で出来た斧2本を持って現れる。

そして【メタモルF】の恩恵で攻撃力と守備力が上昇し、全身の鎧が青く光る。

 

【メタルフォーゼ・オリハルク】

ATK2800/DEF2200→ATK3100/DEF2500

 

「永続罠【メタルフォーゼ・コンビネーション】の効果を、墓地の【アダマンテ】を対象にして発動!1ターンに1度、融合モンスターが融合召喚された場合、墓地にいるその融合モンスターよりレベルが低い【メタルフォーゼ】モンスターを対象にして発動する。【オリハルク】のレベルは8、【アダマンテ】は5だ。よって条件は満たしている。このカードの効果で対象となったモンスターを特殊召喚する!蘇れ!【メタルフォーゼ・アダマンテ】!」

 

【メタルフォーゼ・アダマンテ】

攻撃表示

ATK2500/DEF2500→ATK2800/DEF2800

 

「っ……これじゃあ、モンスター1体で召喚したのと同じじゃねぇか!」

「そうだな。だが喜べ。【オリハルク】は効果モンスターでもある。【メタモルF】の効果で守られることはない」

「お兄ちゃん!今回黙ってたけど、みんなやり過ぎだと思ってると思う!」

 

背後から聞こえたゆまの突っ込みに、見物している子供達が無言で頷いた。

海馬さんだってはっちゃけていたのだから、別にいいだろ?

 

「別にいいんじゃない?龍斗が私のために本気だと思えば、可愛いと思えるけれど」

「でも、やり過ぎっていうのもわからなくはないわ」

 

別に藤原のためではないけどな。かといって明日香のためでもない。もし藤原と明日香がいなくなったら、俺1人で子供達の相手をしながら、ゆまを見てなきゃいけなくなる。それを避けたいだけだ。

 

「バトル!【ヴォルフレイム】で守備モンスターを攻撃!」

「罠発動【和睦の使者】!これでオレのモンスターは破壊されな」

「カウンター罠【ブローニング・パワー】!俺のフィールドのサイキック族モンスター、【メタルフォーゼ・ゴルドライバー】をリリースして発動!魔法・罠の発動、モンスターの召喚・特殊召喚のいずれか1つを無効にして破壊する」

 

男に割り込むように発動したカウンター罠により、【ゴルドライバー】は表になった【和睦の使者】に突撃。ドリフトしてカードを破壊した直後、派手にスリップして車体が跳ね上がり、バギーが大爆発した…………薄っすらとバギーに乗っていた人物が笑みを浮かべてサムズアップしているのが見える。

 

「【ゴルドライバー】さーん!」

 

ゆまも見えるらしく、【ゴルドライバー】の名を叫んでいた。

 

「そしてバトルは続行される!」

 

【ヴォルフレイム】がキュラキュラとキャタピラ音を鳴らして守備モンスター、【岩石の巨兵】を砕き、男に突撃していく。

 

「【オリハルク】の効果で、【メタルフォーゼ】モンスターが守備モンスターを攻撃したとき、攻撃力が守備力を超えているなら、その数値差の倍のダメージを与える」

「ば、倍!?う、うわぁぁぁ!!」

 

男は【ヴォルフレイム】から逃げようとするが、下敷きにされライフを失った。

 

LP1000→-400

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルが終了すると、男はショックを受けたのか、その場から動かず、連れと思われる頭の悪そうな女に連れて行かれた。いや、連れて行かれたというか、蹴り転がされたというのが正しいか。ともかく、面倒事を終えた俺達は仕事に戻り、一般客が全員帰るまでデュエルやデッキ構築のアドバイスをしていった。そして現在。

 

『かんぱーい!』

 

イベントの終了を記念して、俺達が泊まっているホテルの大広間で、KCとI2社の合同パーティーが催された。会社の枠を超えて食事しながら談笑している大人組と、俺達テスター+ゆまという形になっているのが基本だ。しょっちゅう大人組が絡んでくるので、疎外感のようなものはあまり無い。

あとは、KCの栗田さんを先攻1ターンキルしたり、リベンジしてきた栗田さんが後攻1ターンキルされたりしたくらいで賑やかなパーティーになるはずだった。

 

[宮田龍斗]

 

突如、広間のスピーカーから俺の名前が呼ばれた。声の主は海馬さんだ。

何事かと思い海馬さんを探すと、海馬さんは広間の奥にいて、マイクを持っていた。『なんです?』と声をかけると、

 

[この俺とデュエルしろ]

 

海馬さんにデュエルを強要された。




次回、社長VS龍斗!
ちょっとやり過ぎ感ありますが、気のせいだと思いたいです。

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