衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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ひゃっほーう(棒)。
なんだか一方的すぎて話がヌルヌル終わるぜぇ!
な作者です。


第二次テスター試験ー② 明日香VS.十代

「次いこう。次は……明日香いっとくか」

 

明日香の相手は……十代か。

前回不合格だったから心配だな。

ログはっと……枕田とももえがログを投げ捨てやがった……まぁいいや。

 

「明日香さまは【ドゥローレン】と【安全地帯】や【デモンズ・チェーン】のコンボで相手を虐めるドSデッキ。厄介な相手と当たりましたね……」

「ももえ、ソレどういう意味かしら……?」

 

明日香が青筋を立てている。ももえが視線で助けを求めてきたが、『これはももえが悪いからフォローできない』と視線で伝える。

 

「そんなことより明日香、十代は何のテスターに?」

「そんなことって…………エクシーズって言ってたわ」

 

エクシーズか……前回は全てのテスターといってたが、今回はエクシーズに特化させてきたということか?筆記のテストは……13点……微妙……前回よりは上がってはいるが、かなり危ないな。

 

[[デュエル!]]

 

遊城十代

LP4000

 

VS

 

天上院明日香

LP4000

 

[俺の先攻、ドロー!【E・HERO エアーマン】を召喚!]

 

【E・HERO エアーマン】

攻撃表示

ATK1800/DEF300

 

【HERO】……エクシーズの【HERO】って……【プトレマイオス】じゃないよな?あの無茶苦茶な構成してたやつがそんなカード使わないよな?

 

[【エアーマン】の効果発動!召喚・特殊召喚に成功したとき、デッキから【HERO】を手札に加える!【E・HERO バブルマン】を手札に加える!]

 

【バブルマン】……嫌な予感がする。

 

[カードを5枚伏せる!]

 

が、ガン伏せ……手札1枚……これは……

 

[このモンスターは、手札がこのカード1枚だけの場合、特殊召喚できる!来い!【バブルマン】!]

 

【E・HERO バブルマン】

攻撃表示

ATK800/DEF1200

 

[伏せた魔法カード【増援】を発動!【バブルマン】を手札に加えて特殊召喚!]

 

【E・HERO バブルマン】

攻撃表示

ATK800/DEF1200

 

「…………十代のやつ、殺る気満々だな」

「龍斗さん、このあとの展開判るんですか?」

「俺の予想ではプトレノヴァインフィニティがやってくる。もしくは【ショック・ルーラー】」

 

呪文めいた発言にももえと枕田は首を傾げたが、明日香だけは無反応だった。

 

[俺はレベル4の【エアーマン】と2体の【バブルマン】でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!幾つもの光が、戦士となりて舞い降りる!エクシーズ召喚!現れろ!ランク4!【星守の騎士(テラナイト) プトレマイオス】!]

 

【星守の騎士 プトレマイオス】

攻撃表示

ATK550/DEF2600

 

「よ、弱っ!3体使った割に攻撃力弱っ!効果強いんだろうけど言わせて!攻撃力弱っ!」

 

出てきた途端に枕田が突っ込む暇さえ与えずリアクションした。十代はプトレノヴァインフィニティを使ってきたか……初ターンならこれがベストなのかな?

 

[【プトレマイオス】の効果発動!ORUを3つ使い、このモンスターを素材に、ランクが1高い【No.】以外のエクシーズモンスターにランクアップする!]

[ランクアップですって!?]

「ら、ランクアップするモンスター!?」

「でも、召喚したモンスターの効果は1度しか使えません……何を考えて……」

 

枕田とビデオ内の明日香が同じリアクションするなか、ももえは比較的冷静だった。

俺はただ無言で苦い顔をしていた。

十代、いきなり恐ろしいことしてくれやがったな。

 

[現れろランク5!【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】!]

 

【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】

攻撃表示

ATK2100/DEF1600

 

「さ、【サイバー・ドラゴン】!?」

「【サイバー・ドラゴン】のエクシーズ……」

「枕田、ももえ。まだ先があるぞ」

 

前にも少し見せたモンスターが来るぞ。

 

[更に【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】でオーバーレイ!]

「今度はなんです!?」

[1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!これが【サイバー・ドラゴン】の進化!無限の力を解き放て!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!来い!ランク6!【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】!]

 

【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】

攻撃表示

ATK2100/DEF1600

 

出てきたな【インフィニティ】……

 

「あれ?このモンスターどこかで……」

「ジュンコさんも?私もどこかで見たような気がします……」

「エクシーズだからジュンコか龍斗なんだろうと思っていたけれど、ジュンコじゃないとすれば龍斗ね」

 

枕田の呟きにももえが同意。それに明日香の推理のような呟きの直後、視線が俺に集中した。

 

「…………デュエル中にこんなカードは使ってない」

「え?ならいつ……」

「ただ、カイザーとのデュエルのあと、お前らが卑怯だなんだと好き勝手言いやがるからサイバー流の成れの果てとしてコイツを見せたことはある」

 

あとは明日香に限定すれば、カイザーが召喚したな。セブンスターズのカミューラ相手に。

 

「龍斗さん、そこだけ言ってくれれば良かったのに……」

「……ごめん」

 

ももえに言われ、軽く謝る。

 

[「【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】はフィールドの【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】を素材にエクシーズ召喚できる効果がある」]

 

ビデオ内の十代と説明が被るが無視して続行。

 

「この効果を使うと、十代がやったように【プトレマイオス】から【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】。そして【インフィニティ】に繋ぐ。これがプトレノヴァインフィニティだ」

「でも攻撃力は2100……そんなに強力なモンスターなの?」

「見てればわかる。たち悪いから」

[【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】はORU1つにつき攻撃力が200ポイントアップする!]

 

【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】

ATK2100→ATK2500

 

[ターンエンド!]

「これだけ?」

「黙って見てろ」

 

遊城十代

LP4000

モンスター

【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】:攻

ATK2500

魔・罠

伏せ4枚

手札0枚

 

[私のターン、ドロー!魔法カード【氷結界の紋章】を発動!デッキから【氷結界】モンスターを手札に加えるわ!]

[【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】の効果発動!1ターンに1度、カードの効果が発動したとき、ORUを1つ使うことでそのカードの発動を無効にして、破壊する!]

 

【インフィニティ】から赤白い線が伸び、【氷結界の紋章】を貫いた。

 

【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】

ATK2500→ATK2300

 

[……なら永続魔法【ウォーターハザード】を発動!自分のフィールドにモンスターがいない場合、手札のレベル4以下の水属性モンスターを特殊召喚できる!【氷結界の守護陣】を特殊召喚!]

 

【氷結界の守護陣】

守備表示

ATK200/DEF1600

 

[さらに【氷結界の術者】を召喚!]

 

【氷結界の術者】

攻撃表示

ATK1300/DEF0

 

[フィールド魔法【ウォーター・ワールド】を発動!これで水属性モンスターの攻撃力が500ポイントアップして守備力が400ポイントアップする!]

 

十代と明日香の足下が氷になり、それ以外のほぼ全域が水に変わった。

 

【氷結界の守護陣】

ATK200/DEF1600→ATK700/DEF1200

 

【氷結界の術者】

ATK1300/DEF0→ATK1800/DEF0

 

[【氷結界の守護陣】の効果!他の【氷結界】モンスターがいる限り、このモンスターの守備力以上の攻撃力を持つモンスターは攻撃できない!]

 

明日香の周囲に氷の壁が作られた。

 

「龍斗さん、なんだか暗い顔してますわよ」

「あ、いや、なんでもない」

 

明日香の【氷結界】を見てるとあのプレミを無意識に思い出してしまう。それが顔に出てたみたいだ。

 

[【氷結界の術者】は他の【氷結界】モンスターがいる限り、フィールドのレベル4以上のモンスターは攻撃できない!]

 

『エクシーズには関係無いけどね』と言う明日香の前で【術者】が呪文を唱える。

 

『サモサモキャットベルンベルンボチヤミサンタイ……』

 

呪文の内容がおかしいが詠唱を終えると明日香と十代の周囲に結界が張られる。

 

[ターンエンド!]

 

天上院明日香

LP4000

モンスター

【氷結界の守護陣】:守

DEF1200

【氷結界の術者】:攻

ATK1800

魔・罠

【ウォーターハザード】

フィールド

【ウォーター・ワールド】

手札1枚

 

「明日香、無駄なことしたな」

「そう言われるとそうなんだけど、なんだかムカつくわね……」

 

手札1枚、【守護陣】と【術者】でロックかけたけど、【術者】は攻撃表示。十代の【インフィニティ】に取り込まれるな。挽回も難しい。

 

[俺のターン、ドロー!【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】の効果発動!1ターンに1度、フィールドの攻撃表示モンスターをこのモンスターのORUにする!]

[なんですって!?それじゃあ、私のロックが……!]

[サイバネティック・アブソーバー!]

 

青白い線が【術者】を絡めとりORUに変化させた。

 

[ORUが増えたことで、【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】の攻撃力がアップする!]

 

【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】

ATK2300→ATK2500

 

[そして、他の【氷結界】モンスターがいなくなったことで、【氷結界の守護陣】の効果は消失する!]

 

大きな音とともに瓦解する氷の壁。

 

[【強欲な壺】!カードを2枚ドロー!]

 

遊城十代

手札0枚→2枚

 

[【E・HERO シャドー・ミスト】を召喚!]

 

【E・HERO シャドー・ミスト】

攻撃表示

ATK1000/DEF1500

 

[バトル!【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】で【氷結界の守護陣】を攻撃!インフィニティ・ノヴァ!]

 

【インフィニティ】の熱線が【守護陣】を飲みこんだ。

 

[【シャドー・ミスト】でダイレクトアタック!]

 

【シャドー・ミスト】が明日香の目の前までジャンプ。着地と同時にチョップした。あれ……それって【ネオス】じゃ……

 

[くっ……!]

 

天上院明日香

LP4000→3000

 

[リバースカードオープン!速攻魔法【マスク・チェンジ】!【シャドー・ミスト】を墓地に送り、同じ属性の【M・HERO】をエクストラデッキから特殊召喚する!現れろ!【M・HERO ダーク・ロウ】!]

 

【M・HERO ダーク・ロウ】

攻撃表示

ATK2400/DEF1800

 

[これはバトルフェイズ中の召喚。よって追撃できる!ダイレクトアタック!]

 

【ダーク・ロウ】の飛び蹴り……いや、飛び膝蹴りが明日香を襲う。

 

[くぅっ!!お、女の子に飛び膝蹴りするなんて……!]

 

天上院明日香

LP3000→600

 

「女……の子?」

「なによ」

「…………いや、なんでもない」

 

これ以上の突っ込みは面倒なことになると判断して話を終える。

 

[ターンエンド!]

 

遊城十代

LP4000

モンスター

【M・HERO ダーク・ロウ】:攻

ATK2400

【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】:攻

ATK2500

魔・罠

伏せ3枚

手札1枚

 

【インフィニティ】と【ダーク・ロウ】って十代のやつ容赦無いな。

 

「枕田、理解したか?どちらも1ターンに1度だが、攻撃表示にしても破壊できなければORUにされて強化されて、効果除去は無効にされる。面倒だろ?」

 

枕田は嫌な顔をして頷いた。

これが明日香のラストターンか。

 

[私のターン、ドロー!……魔法カード【浮上】を発動!墓地から【氷結界の守護陣】を蘇生させる!]

[【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】の効果発動!ORUを1つ使って、【浮上】の発動を無効にする!さらに【ダーク・ロウ】の効果でその【浮上】は除外するぜ!]

 

これで除去はしやすくなったが、手札1枚でどうするつもりだ?

 

[想定内よ!魔法カード【強欲な壺】!カードを2枚ドロー!]

 

天上院明日香

手札0枚→2枚

 

[【ダーク・ロウ】の効果発動!ドローフェイズ以外で相手がデッキからカードを手札に加えた場合、相手の手札をランダムに1枚除外する!]

[手札を除外ですって!?]

 

【ダーク・ロウ】の目が怪しく光ると一瞬で明日香の手札を掻っ攫った。

 

天上院明日香

手札2枚→1枚

 

「このとき除外されたのは?」

「……【氷結界の三方陣】よ」

「…………意味無いカード引いたな」

 

手札に【氷結界】モンスターが3枚無いと使えないカードだろ?

 

[……カードを1枚伏せ、ターンエンド……]

 

天上院明日香

LP600

モンスター

魔・罠

伏せ1枚

【ウォーターハザード】

フィールド

【ウォーター・ワールド】

手札0枚

 

[俺のターン、ドロー!このままバトル!最後はやっぱり【HERO】でいくぜ!【ダーク・ロウ】でダイレクトアタック!]

 

前世でだったら『自分だけがヒーロー』とか言われそうな【ダーク・ロウ】のドロップキックが明日香を襲う。

 

[きゃああああああ!]

 

天上院明日香

LP600→-1800

 

[ガッチャ!…………んー……なーんk]

 

すごく微妙なタイミングでビデオは停止した。

 

「……完封だな。まぁ、テーマデッキからファンデッキクラスのデッキとそれ以上のデッキとの対戦なら、この結果は妥当か」

「……やけに引っかかる言い方ね」

「全て事実だろ」

 

【氷結界】があの【HERO】を突破する道筋は細すぎる。

 

「まぁ、リベンジしたいなら協力はしてやるから頑張れ。十代は合格でいいだろう」

 

興味としてデッキの中身は見させてもらうけどな。




次回は最終戦、ももえVSゆきのんです。
あと合格発表です。

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