衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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今作で初めて多機能フォームを使いました。
あと、タグにしようと思ってたものを追加しました。


交渉 VS.ペガサス&海馬

目が覚めるとまた知らない天井。

少しばかりの不安を覚える。

で、転生とやらは成功したのかねぇ……

部屋の中のようで、今度はちゃんと壁があった。

で、部屋の中にある机に手紙らしきものがあった。あの自称神からだ。

書いてあった内容は、

 

1つ目、自分はデュエルアカデミアに受験していて、既に筆記は終えているが、実技はまだらしい。

筆記を受けてみたいとも思ったがまぁいいか。そこまで細かく頼んでないから注文の核さえクリアしてるならそれでいい。

 

2つ目、今日から2日後にペガサス・J・クロフォードの使いが自宅に来るらしい。交渉しろって言ってたけど、テンポ早くないか?となると、明日にも交渉の準備をしないとな。

 

3つ目、ここで家族構成の話だった。兄弟は無し、両親は数日前から海外赴任しているらしい。

…………ここの生活費は通帳に送られるらしい。いや、それはいいんだけど、俺、料理どころか家事できないぞ。

 

とりあえず、受験票を探すと、机の引き出しの中にあった。

確か原作だと筆記の成績順に新たに受験番号を用意されたはず。

…………4番。

……高くね?そこまでの成績とれる自信無いぞ。

まぁいいや。過ぎたこと考えてもめんどくさいだけだ。

とりあえず、明後日の交渉とやらに必要なものを考えるか。

 

「…………ん?」

 

考えるために少し下を向くと、視界に何か黒くて長い何かが上からやってきた。触ってみると、髪の毛?そして引っ張られる感覚。俺の?いや俺はこんなに髪は長くな…………いや、まさか。とりあえず家の中の探索とともに、洗面所を探す。どうやら家は2階建てで、2階に俺の部屋があるらしい。1階に降りると階段左の奥に洗面所があった。

鏡を見ると、

 

「な、なんじゃこりゃああ!?」

 

女顔の俺……と思われる人物が鏡に映っていた。前世と全然容姿が違う……いや、確かに容姿について頼んでないけどさ……なんで……いや待て、本当に女顔ってだけか?女の可能性は……上………無い。下……ある。

良かった……いきなり女として生きろとか無理だった……男で良かった……

 

「……良く考えたら受験票の名前と写真確認すれば良かったんじゃ……はぁ」

 

部屋に戻って受験票を見る。

……宮田龍斗……うん。名前は変わってない。

 

「……交渉の準備するか」

 

とりあえず、現物を見せた方がいいかな?とすると、シンクロ、エクシーズ、ペンデュラム……ペンデュラムは一応2枚別々のカードを持っていこう。あとチューナー。計5枚は最低でも必要か。あと実際に見せる可能性を考えてデッキ作らないとな。

 

「…………カードどこだ?」

 

我ながら間抜けだ。

周囲にそれらしいものは無い。となると、机の引き出しか、あるいは別の場所か。

 

「…………無い」

 

机の引き出しは無かった。

クローゼットの下とかには流石に無いとは思うけど一応探そう。

 

「……無い」

 

となると、別の部屋か。面倒な。

 

「……あった」

 

部屋を開けて右の部屋に堂々と【カード部屋】と書かれていた。

さっき家の中探索したときに気付けよ俺。

 

「……なぁにこれぇ?」

 

部屋に入ると、ストレージは無く、アタッシュケースが所狭しと並んでいた。

 

「……シンクロ……エクシーズ……ラベルが貼ってあるのか……よいしょっと……さて、どれを……は?」

 

ケースを開けて中を見ると、【ネオス】や【N】、【宝玉獣】、【D-HERO】は流石に無かったのに、

【スターダスト・ドラゴン】のカードが40枚近くあった。確かこれって5D'sで重要なポジションだったカードだろ?あまり見てなくて、ちょっとしか見れなかったからあやふやだけど。

…………いや、でもこんなにいらねぇよ。

複数デッキ作るにしてもこんなにいらねぇだろ。念のため他のカードも見てみると、全てカードが40枚近くあった。

 

「もうちょい細かく頼んでおくべきだったなぁ……」

 

まぁいいや。

交渉用にシンクロは【スターダスト】でいいとして、エクシーズは……【ホープ】でいい。……流れとして、ペンデュラムは【オッドアイズ】と言いたいけれど、ここは【時読み】と【星読み】で。チューナーは……【ジャンクロン】でいいか。

交渉に見せるカードはこれでいいとして…………いや、待てよ。ペガサスに頼んでもルールが変わるだけか。ルールを変えてもすぐに施行されるわけじゃない。試験で使うんだ。デュエルディスクをそれようにアップデートしてもらわないといけない。デュエルディスクは社長こと海馬瀬人、つまり海馬コーポレーション(KC)が作ってるから海馬瀬人とも交渉するのか?…………青眼のサポートカードを賄賂に使おう。乙女とか乙女とか乙女とか。

 

「じゃあ次は入学試験用と念のための実演用のデッキ作成か……面倒な」

 

途中、食事と入浴を挟んだが、それ以外はデッキ作りにひたすら励んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日後

 

家のインターホンが鳴り、ドアを開けると、サングラスをしたガタイのいい黒スーツの男が2名来た。この人達か。ペガサスの使いとやらは。

しかし、手紙とは違うことが起きた。

 

「Nice to meet you.龍斗ボーイ。私はペガサス・J・クロフォード。インダストリアル・イリュージョン(I2)社から来ました」

 

ペガサス・J・クロフォード本人までやって来た。ちょっと待て。あの手紙の内容は使いが来て、そこから本社って流れじゃないのか?つまり本人登場は本社だろ?何故家なんだ?

 

「…………はじめまして。宮田龍斗です。お会いできて光栄です」

 

とりあえず、平静を装って挨拶をする。さてどうする?ここで交渉するのか?…………玄関で交渉はないな。

 

「立ち話もなんですから、とりあえずどうぞ。周りの方々も」

「ありがとうございマース」

 

居間にて待ってもらいお茶と…………煎餅しかない……だと?いや、それもそうか。来るとは思って無かったし。

 

「すみません。こんなものしか置いてなくて」

「No problem.突然訪問したのはこちらデース」

「ありがとうございます。……で、何故家に?貴方との面識は俺も、俺の親も無い筈ですが」

「夢の中の事デース。見た事のないドラゴンと見覚えの無い家、そこで私は見た事も、作った事も無い、DM(デュエル・モンスターズ)のカードに出会うというものでシタ。その夢のことは鮮明に私の脳に焼きついて離れませんでシタ。気になり、調べた結果この家に何かあると私のカンがそう告げたのデース」

 

なるほど。あの自称神が夢を使ってこの家に誘導したのか。まぁ、好都合といえば好都合なのかな。

 

「…………何度もすみません。少し、席をはずします」

 

返事を聞かずに部屋に行く。カードと念のためにデッキを持ち再び居間に。

 

「お待たせしました。見た事のないドラゴン、そして作った事もないカードとは、これのことじゃないですか?」

 

【スターダスト・ドラゴン】のカードを見せる。

 

「こ、このドラゴンデース!それにこのカードはいったい!?」

 

ただ話すと俺について話す必要があるか。まぁ、信じる信じないはペガサス次第か。話しても問題は無いだろう。

 

「…………それについては俺について少し話した方が楽ですね」

 

俺は【スターダスト】のこと、もっと言えばシンクロモンスターのこと、俺自身が転生によってそのモンスター達を得たことを話した。

 

「なるほどなるほど。転生……別世界からやってきた決闘者(デュエリスト)……シンクロモンスター……」

「しかし、ただ持っていてもこのままでは使えない。ですので、神を名乗る人物の手で貴方と交渉して、シンクロモンスター達を使えるようにしてもらおうかと。……交渉と言っても、俺にはサンプルとして、シンクロモンスター達を全種数枚を渡すくらいしかできませんが」

「それでは足りまセーン」

 

…………やはり社会人、いやこの人と交渉するのは無茶か。

とすると、あのデッキで行くのも……

 

「貴方の故郷……前世でのルール情報を提示してくだサーイ。シンクロモンスター達が居たDMのルール、現在のルールから変更する手間が省けマース」

「……他にはないんですか?俺自身に出来ることならしますよ」

「貴方にはテスターとして、シンクロモンスターを使って貰いマース」

 

……シンクロモンスターのテスター。

…………エクシーズは?

あ、いや、見せてないや。緊張してるのか。

4枚のカードを裏向きで、何も言わずに出すと。

 

「What's?……な、なんですかこのカード達は!?」

「俺の持つシンクロモンスターとは別のカードです。黒いフレームがエクシーズ、2色のフレームがペンデュラム、既存のフレームのカードはシンクロモンスターに必須のチューナーです。それらのカードも使いたいんです。テスター、ルールの提供ならしますので、お願いします!!」

「……わかりまシタ」

 

少し間を持ってペガサスは……一応上司になるのかな?いや、雇い主かな?まぁともかく、ペガサス会長は答えてくれた。

後はもう1人をどうするかだ。

 

「ありがとうございます。カードのサンプルについてはまた後ほど。それとある人物に会いたいんですが、なんとかなりませんか?」

「ある人物?」

「はい。KC社長、海馬瀬人です。俺は今、デュエルアカデミアへの入学試験を控えてまして、そこで、シンクロを使おうと思ってます」

 

テスターとしての初仕事になるし、プロを出しているアカデミアでまずシンクロ、エクシーズ、ペンデュラムを浸透させることもできるから、悪い話じゃないとは思う。

 

「それが何故、海馬ボーイに繋がるのデース?」

「デュエルディスクはKCが開発しています。つまり、ディスクのプログラムにシンクロ、エクシーズ、ペンデュラムのデータが無ければどれも使えない。使えてもテーブルの上だけですから、テスターも何もないですからね。彼の使う【青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)】のサポートカードを土産にお願いしようかなと」

「……OKデース。早速アポイントを取りましょう。少し時間をくだサーイ」

「わかりました。ではその間に、SPの方をお借りしてよろしいですか?カードのサンプルを渡しますので」

「いいでしょう。彼についていきなさい」

「「はっ」」

 

SP2名をつれてカード部屋にいき、同名カード2枚ずつ程度で用意して、シンクロ、エクシーズ、ペンデュラムのサンプルを渡す。

チューナーも渡したし、あと必要なものはないかな?あ、乙女とか白石さん見たいな青眼サポート忘れてた。これは別のケースに入れてっと。

 

「多分これで終わりだと思います。ではすみませんが、そのケースを下……車の方がいいですかね。そこまでお願いします」

「「わかりました」」

 

今度こそ、必要なものは無いよな?

…………無い。よし、行くか。

さて、ペガサス会長はっと。

 

「終わりましたか?こちらはすぐにでもKCに向かいマース」

「わかりました」

 

なら家の鍵持って戸締りして……よし。

白石さん等が入ったケースを持ってKCへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着いた……移動が長いような……短いか。シンクロ召喚とかについて少しレクチャーしてたから時間は潰せたし。

中は少し騒ついている。ペガサス会長が来たからか、それとも元々こういう状態なのかはわからないけど。

 

「ついて来てくだサーイ」

 

会長に言われるままに会長とKCの社員と思われる人について行くと、ある一室の前で止まった。

 

「社長、ペガサス会長がお見えになりました」

「通せ」

 

ドアが開けられ、部屋の中に入ると、重力を無視しているとか噂になっているコートを着た海馬瀬人がいた。

 

「ペガサス、急用とはいったいなんだ?くだらない用なら即刻出て行け」

「今回はあるカードを見てもらおうと来たのですが……【青眼の白龍】に関連するカードを」

「【青眼】に関連するカードだと?ふぅん。見せてみろ」

 

持ってるの俺なんだけどね。会長を見ると会長もこちらを見ていて、何か考えているようだった。

 

「無論タダではありまセーン。この少年の願いを聞き入れるのが条件デース。それ次第では見せるだけでなく、そちらに3枚ずつ渡しましょう」

「どこの馬の骨とも知れぬ奴の言うことを聞けだと?何を考えている」

「会長、ここは俺が」

 

というより、俺がやってこそ意味があるだろう。

 

「はじめまして、とだけの挨拶とさせていただきます。今の貴方にとって、俺の名前なんてどうでもいいでしょうから」

「ふぅん。自分の立場を少しは弁えているようだな。続けろ」

「ありがとうございます。俺から貴方へする要望から言わせて貰います。これから見せるモンスター群を、デュエルディスクで使えるようにしてほしいんです」

「それだけの価値があるのなら考えてやる。そのモンスター群とやらを見せてみろ」

 

相手は海馬瀬人だ。【青眼】系のカードとなると……シンクロモンスターなら蒼眼か……ということで【蒼眼の銀龍】を見せる。

 

「【青眼】だと!?いや、このカード名、そしてこの白いカード……なんだこのカードは?」

 

……この人今の一瞬、自分の嫁とそれ以外のカード間違えたぞ。

なんだ?似てればそれでいいのか?

まぁいいや。

 

「そのカードの説明の前に他のカードを見てください」

 

エクシーズやペンデュラムだと青眼サポートが見当たらなかったからペガサス会長に見せた【ホープ】や【星読み】などのカードを見せ、カード達の説明だけをした。転生云々は海馬瀬人にはアウトだったはずだからそこは伏せた。流石に1日2回も同じことを言うのは面倒だった。

 

「……いいだろう。望み通り試験までにアップデートを済ませてやる。ただし、敗北は許されんぞ」

「ありがとうございます。最善を尽くします」

 

と言っても……試験はあのデッキなんだけど……不安だなぁ……




次回から漸くデュエル描写です。
知識不足なので、ミスがありましたら指摘をお願いします。

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