衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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進化 VS.亮

翌日昼、昼食にパンを食べながらカイザーとのデュエルに使うデッキの調整をしている。

 

「エクストラはこれでいいはず……あとはメインか?いや、しかしコンセプトを考えるとこの構成の方が……」

 

微妙にデッキの回りが悪く、カイザー相手に勝てるか微妙な状態だ。3年のトップ……【サイバー】……

 

「……このカード……うん。ならこのカードを抜いて、代わりにこうすれば……微妙か?いや、でもこれなら……よし、これでいこう」

 

これならカイザーにも勝てるはず……

 

「三沢、最後の調整に付き合ってくれ」

「またか……わかった」

 

何を呆れている三沢。『何度でも付き合う』と言ったのはお前だぞ。

 

「「デュエル!」」

 

数分後

 

「ダイレクトアタック!」

「……負けたよ。見事だ」

 

ふむ。これならいけるか。偶然な気もするが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたな」

「いや、俺も数分前に来たばかりだ」

 

カイザーが来た。

待ちかねた。たった1日がこんなに長く感じたことはない。

周りには天上院や十代達テスター候補連中と丸藤、前田、俺がカイザーとデュエルすることを知ってついてきた三沢。

 

「いくぞ、カイザー!」

「来い」

 

ギャラリーなんていてもいなくても変わらない。ただカイザーを倒したい。それだけだ!

 

「「デュエル!」」

 

宮田龍斗

LP4000

 

VS

 

丸藤亮

LP4000

 

おそらくカイザーは【サイバー・ドラゴン】を1枚は握っているはず、だからこそ、先攻をもらう!

 

「俺の先攻、ドロー!モンスターをセット!カードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

宮田龍斗

LP4000

モンスター

裏守備1枚

魔・罠

伏せ2枚

手札3枚

 

「俺のターン、ドロー。【サイバー・ドラゴン】を召喚」

 

【サイバー・ドラゴン】

攻撃表示

ATK2100/DEF1600

 

やはり持っていたな、【サイバー・ドラゴン】!

 

「いくぞ、【サイバー・ドラゴン】で守備モンスターを攻撃。エヴォリューション・バースト!」

 

【サイバー・ドラゴン】の熱線が俺の裏守備モンスター……【プロト・サイバー・ドラゴン】を焼き払う。

 

「【プロト・サイバー・ドラゴン】だと!?」

 

カイザーが驚愕の表情を浮かべ、俺は薄く笑みを浮かべるのを自覚する。

今回用意したデッキは【サイバー】デッキ。ミラーマッチに近いことをしている。だが、俺の【サイバー】は未来の【サイバー】だ。負けるわけにはいかない!

 

「どうした?まだカイザーのターンだぞ?」

「……【タイムカプセル】発動。デッキからカードを1枚選択し、【タイムカプセル】に入れる。ターンエンド」

 

丸藤亮

LP4000

モンスター

【サイバー・ドラゴン】:攻

ATK2100

魔・罠

【タイムカプセル】

手札4枚

 

とりあえず第一目標は達成した。

残すは勝利のみ!

 

「ドロー!【サイバー・ドラゴン・コア】を召喚!」

 

【サイバー・ドラゴン・コア】

攻撃表示

ATK400/DEF1500

 

「【コア】?なんだそのカードは?」

「え!?お兄さんの知らない【サイバー】カード!?」

 

知らなくて当然なんだがな。

 

「【サイバー・ドラゴン・コア】の効果発動!召喚に成功したとき、デッキから【サイバー】または【サイバネティック】と名のつく魔法・罠を手札に加える。デッキから【サイバー・リペア・プラント】を手札に加え、【融合】を発動!手札の【サイバー・ドラゴン】とフィールドの【サイバー・ドラゴン・コア】で融合!」

「【サイバー・ドラゴン】とそれ以外のモンスターで融合!?あのカードを召喚するつもりか!それはサイバー流の禁じ手!」

 

【キメラテック・オーバー・ドラゴン】のことか?攻撃力1600出しても意味ないだろ。

 

「光輝く機龍よ、光纏う機龍の核よ!神秘の渦で一つになりて、更なる力と姿を見せよ!融合召喚!現れろ!【サイバー・ツイン・ドラゴン】!」

 

【サイバー・ツイン・ドラゴン】

攻撃表示

ATK2800/DEF2100

 

「バカな!【サイバー・ツイン・ドラゴン】は2体の【サイバー・ドラゴン】を融合させたときのみ召喚できるカード!」

「【サイバー・ドラゴン・コア】はフィールド・墓地にいるとき、カード名を【サイバー・ドラゴン】として扱う」

「そんなカードはサイバー流には……」

 

そもそも俺はサイバー流ではないんだがな。

 

「俺はI2・KCのテスター。こういうカードを持っていて不思議ではないだろ?」

 

まぁ本当は自称神に用意させたカードなんだけどな。

 

「続けよう。バトル!【サイバー・ツイン・ドラゴン】で攻撃!エヴォリューション・ツイン・バースト!」

 

俺の【サイバー・ツイン・ドラゴン】の熱線はカイザーの【サイバー・ドラゴン】を焼き払った。

 

「続けてダイレクトアタック!」

「ぐうっ!」

 

丸藤亮

LP4000→3300→500

 

「ターンエンド」

 

宮田龍斗

LP4000

モンスター

【サイバー・ツイン・ドラゴン】:攻

ATK2800

魔・罠

伏せ2枚

手札2枚

 

「俺のターン、ドロー!」

 

口調が強くなった。同じサイバー流のカードに負けたくないのか。

 

「【死者蘇生】を発動!俺の墓地にいる【サイバー・ドラゴン】を復活!」

 

【サイバー・ドラゴン】

攻撃表示

ATK2100/DEF1600

 

「【融合】を発動!場の【サイバー・ドラゴン】と手札の2体の【サイバー・ドラゴン】を融合!現れろ!【サイバー・エンド・ドラゴン】!」

 

【サイバー・エンド・ドラゴン】

攻撃表示

ATK4000/DEF2800

 

【サイバー・エンド】……!もう召喚してきたか!

 

「バトル!【サイバー・エンド・ドラゴン】で【サイバー・ツイン・ドラゴン】を攻撃!エターナル・エヴォリューション・バースト!!」

 

【サイバー・エンド】の3つの熱線が一つになり、【サイバー・ツイン・ドラゴン】と俺を呑み込んだ。

 

「…………」

 

宮田龍斗

LP4000→2800

 

「ターンエンド」

 

丸藤亮

LP500

モンスター

【サイバー・エンド・ドラゴン】:攻

ATK4000

魔・罠

【タイムカプセル】

手札1枚

 

いいねぇ……攻撃力4000!十代のときに見せた8000には届かないものの初期ライフと同じ数値。倒しがいがある!

 

「俺はターン……ドロー!!墓地の【サイバー・ドラゴン・コア】の効果発動!」

「!墓地からモンスター効果……!」

「相手フィールドにのみモンスターが存在するとき、墓地のこのカードを除外して、デッキから【サイバー・ドラゴン】と名のつくモンスターを特殊召喚する!現れろ!【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】!」

 

【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】

攻撃表示

ATK1500/DEF1000

 

「【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】……だと?」

「【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】の効果発動。手札の魔法カードを相手に見せることでこのカードのカード名を【サイバー・ドラゴン】として扱う」

 

俺はカイザーに手札の【サイバー・リペア・プラント】を見せる。

 

「カード名を【サイバー・ドラゴン】に……?」

 

前田はさっき同じような現象があったにも関わらず、この効果の意味を理解していないらしい。

 

「また【融合】か!」

「残念不正解だ!続いて【サイバー・ドラゴン・ドライ】を召喚!」

 

【サイバー・ドラゴン・ドライ】

攻撃表示

ATK1800/DEF800

 

「今度は【ドライ】……」

「【サイバー・ドラゴン・ドライ】の効果発動!召喚に成功したとき、俺のフィールドの全ての【サイバー・ドラゴン】のレベルを5にする。【サイバー・ドラゴン・ドライ】はフィールド・墓地にいるとき、カード名を【サイバー・ドラゴン】として扱う。よって【ツヴァイ】と【ドライ】のレベルは4から5になる!」

 

【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】

レベル4→5

 

【サイバー・ドラゴン・ドライ】

レベル4→5

 

「レベルを変更……?」

「まさか!」

「【サイバー・ドラゴン】でエクシーズ召喚するのか!?」

 

天上院と十代は流石に気付くか。

 

「俺はレベル5の【サイバー・ドラゴン】として扱う【ツヴァイ】と【ドライ】でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」

「これが噂のエクシーズ召喚か……!」

「新たな力と翼を手に、今この地に舞い降りろ!エクシーズ召喚!放て!ランク5!【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】!」

 

【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】

攻撃表示

ATK2100/DEF1600

 

「【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】……!」

「これが、【サイバー】モンスターの進化した姿だ」

「進化……」

「【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】の効果発動!ORUを一つ使い、墓地の【サイバー・ドラゴン】を特殊召喚する!蘇れ!【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】!このカードは墓地にいるときカード名を【サイバー・ドラゴン】として扱う!」

 

【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】

攻撃表示

ATK1500/DEF1000

 

「墓地で【サイバー・ドラゴン】として扱うのはこの効果のため……!」

「【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】の更なる効果!1ターンに1度、自分の手札・フィールドの【サイバー・ドラゴン】を除外して攻撃力2100ポイントアップ!【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】を除外!」

 

【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】

ATK2100→ATK4200

 

「攻撃力が【サイバー・エンド・ドラゴン】を超えた!龍斗凄えよ!」

「バトル!【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】で【サイバー・エンド・ドラゴン】を攻撃!エヴォリューション・ノヴァ!」

 

【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】から青白い電気が【サイバー・エンド・ドラゴン】に向かって一直線に放たれ胴体部中央に直撃。【サイバー・エンド・ドラゴン】を爆散させた。

 

「くうっ!」

 

丸藤亮

LP500→300

 

「ターンエンド。このエンドフェイズ、【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】の攻撃力は元に戻る」

 

【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】

ATK4200→ATK2100

 

宮田龍斗

LP2800

モンスター

【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】:攻

ATK2100

魔・罠

伏せ2枚

手札2枚

 

「俺のターン、ドロー!」

 

【タイムカプセル】が地面から出てきた。もう2回目のターンか。

 

「【タイムカプセル】の効果で棺に入れたカードを手札に加える。そして手札から魔法カード【パワー・ボンド】を発動!このカードは機械族モンスターで融合召喚する!」

「だがお前の墓地に【サイバー・ドラゴン】は3体いる!【プロト・サイバー・ドラゴン】もフィールドにはいない!」

 

【サイバー・ツイン・ドラゴン】すら呼べない状況だ。何するかは予測できるけどな。

 

「手札から速攻魔法【サイバネティック・フュージョン・サポート】発動!ライフ半分をコストに手札・フィールド・墓地のモンスターを除外して、融合召喚を可能にする!」

 

丸藤亮

LP300→150

 

やっぱりな。

【サイバー】で且つ融合素材がないならコレがくる。

 

「墓地【サイバー・ドラゴン】3体を融合!更なる力を得て蘇れ!【サイバー・エンド】!!【パワー・ボンド】の効果で攻撃力は倍になる!」

 

【サイバー・エンド・ドラゴン】

攻撃表示

ATK4000/DEF2800→ATK8000

 

「バトル!【サイバー・エンド・ドラゴン】で【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】を攻撃!エターナル・エヴォリューション・バースト!!」

 

【サイバー・エンド】の熱線が【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】に襲いかかる。

 

「手札の【オネスト】の効果を発動!」

「手札からモンスター効果!?」

「自分の光属性モンスターがバトルするとき、ダメージステップ時に手札からこのカードを捨て、相手モンスターの攻撃力分そのモンスターの攻撃力をアップさせる!」

 

【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】

攻撃表示

ATK2100→10100

 

「攻撃力……」

「10100……!?」

「これが君の全力か……!」

 

丸藤、前田、カイザーがそれぞれ反応を見せる。

 

「迎撃しろ、【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】!エヴォリューション・ノヴァ!!」

 

【サイバー・エンド・ドラゴン】の熱線を【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】の電撃が掻き消し、そのまま【サイバー・エンド・ドラゴン】を爆散させた。

 

「ぐうぅぅぅ!!」

 

丸藤亮

LP150→-1950

 

「「「カイザーが……」」」

「お兄さんが……」

「亮が……負けた……!?」

 

十代達は目を見開いているが、俺は未来のカード達を使ってるんだ。負けるわけにはいかない。

 

「……俺の勝ちだ。カイザー」

「……見事だ。完敗だよ」

 

……この人なら【ノヴァ】達を渡してもいいか。きっと使いこなしてくれる。

 

「……カイザー、このカードを使ってくれ」

 

そう言ってさっき使ったデッキから【ノヴァ】を中心に、この時代にないはずの【サイバー】カードを渡す。

 

「いいのか?」

「ああ、アンタなら使いこなせると思ったからな」

「……ありがたく受け取っておこう」

 

そう言ってカイザーは俺からカードを受け取る。

 

「ん。じゃあ俺は行くよ。またいつか」

 

俺とカイザーは学年が違うからなかなか会えないからな。

 

「……今度は勝たせてもらうぞ」

 

去ろうとしたらこのセリフがやってきた。

 

「……返り討ちにしてやる」

 

フッと互いに薄く笑みを浮かべる。

そして俺とカイザーは自分の寮へと帰っていく。




次回デュエルはほぼしません。

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