前回はこんな感じで終わりました。
11ターン目エンドフェイズ終了
タイタン
LP600
モンスター
【迅雷の魔王ースカル・デーモン】:攻
ATK2500
【ジェノサイドキングデーモン】:攻
ATK2000
魔・罠
伏せ1枚
フィールド
【万魔殿ー悪魔の巣窟ー】
手札3枚
VS
遊城十代
LP100
モンスター
無
魔・罠
伏せ1枚
手札2枚
「フフフ……その男の意識は闇に落ちた……デュエルすることはできん」
「そ、そんな……」
十代が闇のデュエリストを名乗る男タイタンとのデュエルの最中、急に跪き眠りについた。体も一部が消滅している。本当に闇のゲームなのか……?
「…………俺が代わる。俺とデュエルだ」
「フフフ……いいだろう。そこの小僧はもうデュエルできないのなら私の勝ちと言えよう」
デッキを取り出し、奴の前に行こうとしたとき、意識を失っていたはずの十代がいきなり立ち上がった。
「まだ、まだ俺はやれるぜ!俺のターン、ドロー!」
「十代!?」
「ば、バカな!?まだ戦う気力があるだと!?」
十代は勢いよくカードを引くと、自分の体を見て何かを考えているのか少し黙ると前田に向かって、
「隼人、今俺の右腕が消えてるよな?」
とか聞いてきやがった。何を考えてるんだ?
「え?左……だと思うけど」
は?右腕だろ?
俺がそう思っていると、十代は何かを確信したのか、笑みを浮かべ、
「なるほど、はっきり言うぜ、お前の闇のゲームは、インチキだ!」
「な、なにぃ!?」
インチキ……何かのトリックだと?
しかし十代、それをどうやって証明する?
「多分コイツはマジシャンか何かで、催眠術を使って俺達に体が消えているように見せたのさ。だから俺達や隼人の見てる光景に食い違いがあるのさ」
催眠術……!
だから前田と丸藤や俺の見てる光景が違うのか……!
「ぬぅ……コレを見ろ!」
「させるかよ!」
タイタンが千年パズルを取り出して見せつける。俺はデッキケースからカードを取り出して千年パズルに突き刺すように投げつける。拳銃の撃鉄を止めたりする意味不明なカードがこんな形で役に立つとは……狙い通りカードが千年パズルの眼に刺さった。
「し、しまった!」
タイタンの反応の直後、消えていたタイタンと十代の体が元に戻った。
「ちぃっ!バレてしまったらこのデュエルを続行する意味はない!」
タイタンは偽千年パズルを地面に投げると、偽千年パズルは爆発した。
「「逃がすか!」」
俺と十代は即座に奴を追う。
するとフィールドの中央に向かって黒煙が渦を巻いて集まっていく。
「十代!」
「うわっ!」
嫌な予感に従い十代を突き飛ばすと、俺とタイタンが黒煙に呑まれた。
黒煙の中は形容しがたい暗い空間。しかし目の前はしっかりと見え、煙によって息苦しいという感じはしない。
「な、なんだこれは!?」
「今更何を言ってる。お前の仕業だろう」
「ち、違う!私はこんなのは知らない!」
タイタンは演技ではなく本当に動揺していて、これが第三者によるものだということが判断できた。
『クリクリ〜』
「ん?【ハネクリボー】?」
ソリッドヴィジョンは起動していないのに何故?いや、そもそも俺は【ハネクリボー】のカードは持ってきてない。
「な、なんだ!?や、止めろ!来るなぁ!!」
急にタイタンの声がしたので、見てみると、灰色のスライムのようなものがタイタンにまとわりつき、そして、
「んぐぅ!?」
タイタンの口の中に進入した。
俺の足元にも同じものがいるが、
『クリクリ〜!』
【ハネクリボー】が近づくと距離をとる。まさか、攻撃力300程度に怯えるのか?まぁアレが口の中に入ってくるよりはマシだが……
スライム達がタイタンの中に入り終えると、タイタンの様子が変わった。
「さあ、始めようか。本当の闇のゲームを」
「……何を言っているんだか……本当の闇のゲーム?そんなものは存在しない」
「この空間から出るには闇のゲームで勝利するしかない。そして敗北した者は闇に魂を喰われる」
「…………まぁいいや。いいぜ、茶番に付き合ってやる」
タイタンの足元に落ちている俺が投げたカードを拾い、ディスクを構える。
「「デュエル!」」
宮田龍斗
LP4000
VS
タイタン
LP4000
「先攻はもらう。俺のターン!モンスターをセット!カードを3枚セットしてターンエンド!」
宮田龍斗
LP4000
モンスター
裏守備1枚
魔・罠
伏せ3枚
手札2枚
『伏せ』より『セット』の方がしっくりくる。十代達とデュエルしててそう思い、言い方を変えた今日この頃。
「私のターン、ドロー。【天使の施し】を発動。カードを3枚引き、2枚捨てる」
手札交換……【デーモン】デッキだろ?使い道なんて……いやまぁ普通に色々あるか。
「【死者蘇生】を発動。墓地より【ジェノサイドキングデーモン】を特殊召喚。更にもう一体を通常召喚」
【ジェノサイドキングデーモン】×2
攻撃表示
ATK2000/DEF1500
攻撃力2000が2体。だがさっきまでとは雰囲気というか、何か違う。
「バトル!」
「リバースカード!速攻魔法【アーティファクト・ムーブメント】!フィールドの魔法・罠1枚を破壊する!」
「何をバカなことを。私の場に魔法も罠も無い!」
「バカなことを言ってるのはアンタだ!俺が破壊するのは、俺のカードだ!リバースカードを破壊し、デッキから【アーティファクト】モンスターを魔法・罠カード扱いで魔法・罠カードゾーンにセットする!そして破壊された【アーティファクトーベガルタ】の効果発動!魔法・罠カード扱いのこのカードが相手ターン中に破壊されたとき、墓地からこのカードを特殊召喚する!」
【アーティファクトーベガルタ】
守備表示
ATK1400/DEF2100
「【ベガルタ】の効果発動!相手ターン中の特殊召喚に成功したとき、自分フィールドのセットカードを2枚まで破壊する!セットカード2枚を破壊!破壊された【アーティファクトーモラルタ】、【アーティファクトーカドケウス】の効果をチェーン1、2で処理する!これらのモンスターは【ベガルタ】同様、魔法・罠カード扱いのこのカードが相手ターン中に破壊されたとき、墓地からこのカードを特殊召喚する!」
「ま、待て!モンスターを魔法・罠カードゾーンにセットするのはできないはず!」
「【アーティファクト】モンスターは共通効果の1つとして魔法・罠カード扱いで魔法・罠カードゾーンにセットできるのさ。チェーン処理だ。チェーン2、【カドケウス】を守備表示で特殊召喚!」
【アーティファクトーカドケウス】
守備表示
ATK1600/DEF2400
「チェーン1、【モラルタ】を特殊召喚!」
【アーティファクトーモラルタ】
攻撃表示
ATK2100/DEF1400
「そして【カドケウス】、【モラルタ】の効果をチェーン1、2で再び処理する」
「ま、まだあるのか!?私のターンだぞ!」
それが【アーティファクト】モンスター達の力だ。
「チェーン2、【モラルタ】の効果で相手モンスターを破壊」
「ならば【ジェノサイドキングデーモン】の効果だ。ルーレットの2・5が出たときこのカードを対象にした相手カードの効果を無効にし、破壊する」
「残念だが【モラルタ】の効果は対象を取る効果ではない。よって【ジェノサイドキングデーモン】の効果は使えない」
「な、なんだとぉ!?」
【モラルタ】を持つ青く光る男が【ジェノサイドキングデーモン】に斬りかかり、破壊した。
「チェーン1だ。相手ターン中に【アーティファクト】モンスターの特殊召喚に成功したので、カードをドローする」
宮田龍斗
手札2枚→3枚
「ぐぅ……【ジェノサイドキングデーモン】で守備モンスターを攻撃!炸裂!五臓六腑!」
「破壊されたのは【シャドール・ファルコン】だ。【ジェノサイドキングデーモン】の効果でリバース効果は無効となるもっとも、元々効果対象がいないので発動できないけどな」
「カードを伏せ、ターンエンド」
タイタン
LP4000
モンスター
【ジェノサイドキングデーモン】:攻
ATK2000
魔・罠
伏せ1枚
手札3枚
さて、今回は【アーティファクト】と見せかけて【シャドール】がメインだ。だというのに【
「ドロー」
……【超電磁タートル】……
「レベル5の【アーティファクトーカドケウス】と【アーティファクトーベガルタ】でオーバーレイ!」
杖と剣がフィールドに現れた銀河を模した空間に溶けていく。
「な、何だ!?何が起きている!?」
「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!二つの武具を重ね、不滅の剣がここに創造される!エクシーズ召喚!完成!ランク5!【アーティファクトーデュランダル】!」
【アーティファクトーデュランダル】
攻撃表示
ATK2400/DEF2100
「な、なんだこのモンスターは!?」
「このデュエルに勝てたら教えてやる。もっとも、負けるつもりは無いけどな。バトル!【アーティファクトーモラルタ】で【ジェノサイドキングデーモン】を攻撃!」
【モラルタ】を持っている青く光る人物が俺に【モラルタ】を投げ渡す。
俺が戦うんだな……受け取ってみると、案外軽い。
【ジェノサイドキングデーモン】の懐に飛び込み、横薙ぎに切り裂く。
「ぐうっ!」
タイタン
LP4000→3900
「次、【デュランダル】!」
「罠発動!【
【デュランダル】を受け取ろうとすると、いきなり【デュランダル】が砕けた。……装甲の要素を教えろ。
「カードを1枚セット。ターンエンド」
宮田龍斗
LP4000
モンスター
【アーティファクトーモラルタ】:攻
ATK2100
魔・罠
伏せ1枚
手札3枚
「私のターン、ドロー。【インフェルノクインデーモン】を召喚!」
【インフェルノクインデーモン】
守備表示
ATK900/DEF1500
「私は装備魔法【堕落】を発動。貴様のモンスターのコントロールを得る」
【モラルタ】とそれをもつ人物がタイタンのもとへ移動した。
それは返してもらう。
「リバースカード【堕ち影の蠢き】。デッキから【シャドール】カードを墓地に送る。【シャドール・リザード】を墓地に送る」
「何を企んでいるかは知らんが、そんなことをして何になるバt」
「そして【シャドール・リザード】の効果。デッキから【シャドール・リザード】以外の【シャドール】カードを墓地に送る。【シャドール・ドラゴン】を墓地に。そして【シャドール・ドラゴン】の効果で【堕落】を破壊する」
「な、なんだと!?」
俺のセットカードが1枚消えたが元通りだ。
「ぬぅ……ターンエンドだ……」
タイタン
LP3900
モンスター
【インフェルノクインデーモン】:守
DEF1500
魔・罠
無
手札2枚
「ドロー」
やっと来たか……【リザード】を落としてデッキ圧縮してよかった。
「魔法カード【影依融合】を発動!手札の【シャドール・ヘッジホッグ】と【超電磁タートル】を融合!
鋭利な針持つ人形よ、光持つ者を喰らい、その闇を深く、黒く染めあげろ!融合召喚!勝利を手繰れ!【エルシャドール・ネフィリム】!」
【エルシャドール・ネフィリム】
攻撃表示
ATK2800/DEF2500
「【ヘッジホッグ】の効果発動!このカードがカード効果で墓地に送られたとき、デッキから【シャドール】モンスターを手札に加える。【ネフィリム】の効果もチェーンして発動だ!チェーン2、【ネフィリム】の融合召喚に成功したとき、デッキから【シャドール】カードを墓地に送る。【シャドール・リザード】を墓地へ。チェーン1、デッキから【シャドール・ファルコン】を手札に加える」
宮田龍斗
手札1枚→2枚
「さらに【シャドール・リザード】の効果で【シャドール・ビースト】を墓地に送り、【シャドール・ビースト】の効果発動。カードを1枚ドロー」
宮田龍斗
手札2枚→3枚
「バトル!【モラルタ】で【インフェルノクインデーモン】を攻撃!」
【モラルタ】を受け取り、【インフェルノクインデーモン】を斬り裂く。
「続いて【ネフィリム】でダイレクトアタック!
「ぐぅぅ!」
タイタン
LP3900→1100
「ターンエンド」
宮田龍斗
LP4000
モンスター
【エルシャドール・ネフィリム】:攻
ATK2800
【アーティファクトーモラルタ】:攻
ATK2100
魔・罠
伏せ0枚
手札3枚
「私のターン、ドロー!……【インフェルノクインデーモン】を召喚!」
【インフェルノクインデーモン】
攻撃表示
ATK900/DEF1500
「装備魔法【堕落】発動!【エルシャドール・ネフィリム】のコントロールを得る」
さっきと同じパターン……だがこちらに除去カードがない……
「バトル!【エルシャドール・ネフィリム】で攻撃!」
使うことは無いと思ってたが、【ネフィリム】を相手にしたくない……仕方ないか……
「墓地の【超電磁タートル】の効果発動」
「墓地からモンスター効果だと!?」
「相手ターンのバトルフェイズ、墓地のこのカードを除外することでバトルフェイズを終了させる。この効果はデュエル中1度しか使えない」
もっとも、1枚しか入れてないし、除外再利用とかも無いから関係ないけどな。
「ぐうぅ……カードを1枚伏せ、ターンエンド」
タイタン
LP1100
モンスター
【エルシャドール・ネフィリム】:攻
ATK2800
【インフェルノクインデーモン】:攻
ATK900
魔・罠
【堕落】《エルシャドール・ネフィリム》
伏せ1枚
手札0枚
「ドロー!このスタンバイフェイズ、【堕落】の効果で800ポイントのダメージを受けてもらう。そして【インフェルノクインデーモン】の攻撃力が上昇」
タイタン
LP1100→300
【インフェルノクインデーモン】
ATK900→1900
「バトル!【モラルタ】で【インフェルノクインデーモン】を攻撃!」
「罠発動【聖なるバリア ーミラーフォースー】!これで貴様のモンスターは全滅だ!」
…………【ミラフォ】が仕事した!?
いや、十代のときも仕事したか。
「速攻魔法【神の写し身との接触】!手札とフィールドのモンスターで融合する!」
「バトルフェイズ中に融合だと!?」
「手札の【シャドール・ファルコン】と【シャドール・ビースト】で融合!影と影重なりて、新たな影が闇より生まれる!融合召喚!閉ざせ!【エルシャドール・ミドラーシュ】!」
【エルシャドール・ミドラーシュ】
攻撃表示
ATK2200/DEF800
「【ミドラーシュ】はカード効果では破壊されない!そしてバトルフェイズ中の融合召喚のため攻撃できる!だがその前に【シャドール・ファルコン】の効果で自身をセット。【シャドール・ビースト】の効果で1枚ドロー!【エルシャドール・ミドラーシュ】で【インフェルノクインデーモン】を攻撃!シャドー・ブレス!」
「ぐうぅぅおお!!」
タイタン
LP300→0
決着直後、タイタンの足下に大量のスライムが集まりだした。
「ぬぅ!?な、何をする!バカな!本当に闇のゲームがあるというのか!?」
そう言って奴はスライム達で見えなくなった。どうなってるんだこれ?
『クリ〜!』
【ハネクリボー】の声が……いや、だからなんでソリッドヴィジョンが動いてるんだ?もうデュエルは終わったし、誰も【ハネクリボー】を使ってないぞ。
……疲れてんのかな……
【ハネクリボー】の奥に光の亀裂があった。あそこが出口か?
タイタンを置いて走る。
亀裂から出ると、元の部屋に着いた。
「龍斗!」
「……十代」
「無事ッスか!?」
「ああ、なんとか……伏せろ!」
「「「!?」」」
俺とタイタンがいた空間が急激に収縮し始め、突風が吹き荒れる。
「ッ!明日香!」
「十代!!」
十代が急に天上院を呼び、棺に飛び込む。気を失って抵抗できない天上院を抑えるつもりか。
突風は直ぐに止み、空間の収縮は止み、破裂音と共に紙吹雪が舞った。
…………空間の収縮…………どうやるんだ?
「龍斗君、アイツどこ行ったんスか?」
「さぁ?多分帰ったんだろう」
「多分って……」
「まぁアイツの居場所はどうだっていいだろ。とりあえず天上院を運ぶぞ」
☆
十代と龍斗達の移動中
「ヌフフ……今頃遊城十代はコテンコテンになってるはずナノーネ」
クロノス教諭が廃寮に進入。十代が敗北したことを確認するためだろう。
ある部屋に入ると
「……誰も居ない。さてはアイツしくじったノーネ?」
部屋の中を探索。するとすぐにある物を見つけた。
「…………領収書。クロノス・デ・メディチ様。……金は払ってないけど貰っておくか。アラビアータ」
☆
「…………ん…………」
「お!目が覚めたか」
天上院を運び出し、近くにあった切株を背もたれに座らせ。目が覚めるのを待つ。しかし直ぐに目が覚めたようだ。
「貴方達、どうしてここに?」
「悪かったな。変な事に巻き込んで」
十代はそれだけ言って【エトワール・サイバー】と廃寮で見つけた写真を渡す。
「……兄さん!間違いない。これは兄さんのサイン……」
曰く、天上院の兄は『天上院』の『天』を数字で書いていたらしい……これで少しは兄のことが解ればと十代は言っていたが、殆ど解ることはない。それがその兄本人の物かは、わからないのだから。……空気読んで言わないけど。
朝日と共にニワトリの鳴き声が聞こえた……オールした……そう思った瞬間眠気がやってきた。ね、眠ぃ……
「やべぇ!隼人、翔!皆が起きる前に戻るぞ!」
「それじゃ」
「サヨナラッス!」
3人は駆け足で寮に戻って行った。
「……俺も戻るか。じゃあn……ふぁああ〜」
少しでも寝よう。
のんびりと寮に戻る俺だった。
修正って恐ろしいです。急いで修正したので、変な部分があるかもしれませんが、見つけ次第ご指摘お願いします。
次回は十代VS翔……の見学です。
では