やはり鋼鉄の浮遊城での奉仕部活動はまちがっている。   作:普通のオタク

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生暖かい視線で見守って頂けると幸いです。
暫くはプロローグが続きます。


プロローグ
なぜか、奉仕部は贈り物を受け取る~プロローグ1~


奉仕部に、いや、俺にとって、消せない黒歴史となった生徒会に関連する一連のドタバタ……より正確に言えば本物発言が黒歴史である。つーか、一色に聞かれていたのが本当に恥ずかしい。だれか、だれかいっそ殺して!

 

あらためて。

 

一連のあれこれが終わり、25日にウェイウェイ言うクリパを終えた翌日。

二人に対してささやかな贈り物をし、大晦日くらいまでに冷静になろうなどと考えていた俺のもとに、由比ヶ浜から一通のメールが届いた。

まともに読むと頭が痛くなるような文字が並んでいたが、要件を要約するとこうなった。

『陽乃さんがクリスマスプレゼントを用意してくれたから取りに来て欲しいって……奉仕部の3人全員で』

あの雪ノ下さんが、わざわざ俺たち3人に用意するクリスマスプレゼント。こうして文字に起こすと改めて思うのだが、マジで嫌な予感しかしねー。

とはいえ、同時に奉仕部名義ということであるならば、あの人も変なことはしないのではないか? 雪ノ下を直接いじるわけでもなし。只の文字通りの好意、プレゼントだと思っていい気もする。

警戒するに越したことはないと、今まで積み重ねてきたボッチの危機回避用、警報センサーはガンガン鳴っている。のだが……いやだって、物心ついた時からプレゼントとかろくにもらったこと無いし……喜んじゃうのは仕方ないよね?

 

暖房の効いた部屋でゴロゴロしながらメールを改めて読み進めると、受け取る場合は今日中に奉仕部の部室に行く必要があるらしい。

冬休みに入って、何が悲しくて学校に行かなければならんのだ。

 

けど、まぁ。せっかく。

せっかく用意してくれたであろうプレゼントを無下にすることもあるまい。送る側も、それなりに色々考えるのだということを俺は身にしみて学んだのだから。

「小町。俺ちょっと出かけるけど、なにか欲しい物とかあるか?」

「あまーいスイーツを買って来てくれたら小町的にポイント高いかなー」

ドア越しに声をかけたら可愛くキャラを作りながらも部屋の主は顔を見せない。

今年が受験ということで集中しているのだろう。

鬼気迫っている様子……では無いものの、余裕はなさそうな小町の返答に兄としてできることは余りにもない。

今ここでドアを開けて声援を送るのも考えたが、このドアは今は一種の境界線だ。

ここを踏み越えれば小町の領域(テリトリー)に侵入したことになり、牙を向いて威嚇をしてくる。お兄ちゃん、そんな風に妹を育てた覚えはないんですがねぇ……。いや、実際の所やり返してくるかは分からないが。

「お兄ちゃん、人の部屋のドアの前でなにブツクサ言ってるのさー。心配してくれるのは分かるけど気持ち悪いよ?」

俺の配慮を配慮と分かっているはずなのだが、呆れた様子の追い打ちをかけてくる。

元気なくても兄を罵倒するのはデフォなのね小町ちゃん。




週一投稿目標なのでゆっくりお待ちください

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