女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!!   作:エマーコール

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はいどもども。……いきなりこの話から読み始めた人はいませんよね(汗

さて、今回は………うん。どう説明すればいいのやら…

と、とにかく、第0章の終わりの7Sz、どうぞ!

あ、ちなみにあとがきもありますよー。


7Sz 十三班

 …意識が遠のく―――

 

 ……これが、『死』―――

 

 ………

 

 ……

 

 …

 

 ………俺、また死ぬのか―――

 

 ………貸したままで―――

 

 ………そんなの、嫌だ―――

 

 ……………

 

 ………………ヒカイさん―――

 

 ………………ジョウト―――

 

 ……二人とも、大丈夫か―――

 

 ………確かめるためにも―――

 

 ……生きるんだ

 

 生きて、あの後どうなったか確かめなくちゃいけない

 

 そうだ。生きて――――――

 

 

 

 

 

 

「……ぅ…っ…」

 

 ……ここはどこだ。

 

 俺は……誰だ。

 

 いや、冗談はこれまでにして。俺は寝たままで辺りを確認する。だって、布団から出たくなかったし。冗談抜きで。

 ……どうやら天国とも地獄ともって、訳じゃないな。病院………って言ったらなんか違うような……。

 ……………

 

 待て、なんか頭に違和感ある。俺は気になって頭を触ってみた。

 …

 ……

 ………

 …………

 

 あ、何だケモミミか。よかったー。

 

 ………

 …………

 ……………

 

「よくねぇよ!!バンダナどこ行ったんだよまじで!!!」

 

 あと、なんでケモミミなんだよ神様ぁ!!!性別まで変換されてケモミミ付きとはどういうことだぁ!!!

 

 ……え?ケモミミ嫌いなのかって?

 

 …

 ……

 ………

 …………

 

 大好きですが何か?

 

「じゃ、ねぇし。つか本当にどこだよここ。……いや、待て」

 

 状況を整理するべきだ。

 

 確か、まず俺は二人と一緒に試験を―――

 

「っと、そうだ!!ヒカイさんは!?ジョウトは!?」

「ここだアホ」

 

 ハッとして俺は布団から身を出して声の方へ向く。………ジョウトだ。……無事、ってわけじゃないけど、一応無事、ってことでいいか。ジョウトは今まで寝てて今起きました、と言った顔だ。

 そしてそのついでに気づいた。ここ、他の人もいたんだ。……さっきの発言でちょっと迷惑かけたことを反省していた。

 

「………」

「………」

 

 互いに声が出ない。……そりゃそうだよな。内部崩壊起こしたし…。気まずいのも分かる。そして、お互いにだいたい無事だってことも。

 

「……おっさんはそっちだ。まだ寝てるぜ」

 

 先手を打ったのはジョウトだ。ジョウトはヒカイさんが寝てるベットの方を指差した。……さすがに、まだ寝てるか…。

 ……寝てる?……ジョウトとほぼ同等の攻撃を喰らったのにか?

 

「…あの後おっさんが俺の事をかばいやがってな…。…チッ、このまま寝たら承知しねぇぞくそじじい」

 

 ……だからか。ジョウトが起きていてヒカイさんは寝ているわけは。

 ……確かに、このまま寝られたら困るな。…だって、まだ謝ってない。ヒカイさんは俺のことを遠回しに戦力外って言った。それで、……恥ずかしい話、俺が勝手にキレて反論して、それで崩壊を起こした。自分の過ちを認めて謝らなくちゃ、俺はずっと後悔する。

 

「…耳」

 

 あ?

 

「……耳あるんだな」

 

 ………話飛び過ぎィ。

 

「あるな。で?」

「……」

「おさわり禁止な」

 

 男に触られても嬉しかねぇよ。俺男だぜ。身体女だけど。女の人にだったら……まぁ許す。…いやそしたら変態みたいじゃねぇか俺!!いろんな意味で!!!

 

「バァーカ。元から触る気すらねぇよ」

 

 すげぇムカツクなてめぇ。

 

「…チッ、てめぇは寝てても問題ねぇってのに。ったく」

 

 ………すみません、こいつを刺殺する許可ください。

 いや、そうじゃねぇ。まず状況確認だ。

 

「……そういや、あの後俺ら…っつか、ここどこ?」

「あ?……あの後はオレ自身も覚えちゃいねェ。んで、気が付いたらここだ。……あのバァさんの話によると、ここは地下シェルターらしいな」

 

 ……バァさん=ナツメさんだな。…本人聞いたら確実にしわ寄せているぜ。その光景が容易に思い浮かぶなほんと。……あれまた話が変な方向に飛んでる。

 

「……外の状況は、聞いてるのか?」

「あぁ……今じゃ98%……ほぼ日本全土がドラゴンであふれかえっているとよ。それでマモノも大量発生……さらにはフロワロで日本中が赤く染まっているらしいぜ」

「フロワロ……って、あの花?」

「見事にビンゴしてたな、お前の発言」

 

 ……思わず自分のすごさに驚きかけたが、ただの偶然だろう……とも思えなかった。何であっているのか、よく分からない。

 さらにジョウトは続けた。この後、ドラゴンの襲撃からやむを得ず、ここ、地下シェルターまで生きている人たちが一気に避難してきたらしい。だから、こんだけ人がいるんだな。

 

 ……それにしても、ドラゴンか。

 

 ………名前を聞いただけで俺はまた震えていた。…治りそうもないなこれ。治ったらどうなるか予想もつかないけどさ。

 ……いや、それよりも重要なことがある。……本当は言いたくないんだけど、言うしかなかった。

 

「………つか、試験はどうなったんだ。…あの後、俺らの他の候補生は…?」

 

 聞いてはいけないような気がした。本当に言いたくなかったし、ジョウトも黙ってしまった。……でも、知らなくちゃいけない気がした。

 長い沈黙の後、ひっそりとジョウトが口を開く。

 

「………………0だ」

 

 …………

 

 いくらなんでも、0とかおかしいだろ…。だったらなんで俺ら生きてんだよ。自分に嫌気をかざしながら、俺は今までの行動を深く反省していた。

 ……あの時、俺らが急いでいたら、0はなかったはずだよな……。

 

「………どうするんだ、これから」

 

 ジョウトが訊ねてくる。……そりゃ、決まっている。……言うのは簡単だけど、実行するのは難しい、これだ。

 俺自身、死にたくないからずっと俺はここにいたい。…でも、いつになったら本当の世界に戻れるんだ?

 それに、地下シェルターだ。こんなことしたら、食糧とかなくなるはずだろ。それで餓死したら、だめだ。

 ………決断ができない。怖い。嫌だ。もう戦場に行きたくない。

 

 ……でもそんなことしたら、また見捨てることになる。それはもっと嫌だ。

 

「……………」

「ま、俺はこのままでいいんだけどよ」

 

 じゃあなんで聞いたし!?俺はベットでずっこけそうになった。もう一度、今度は俺は言った。何で聞いたんだよ。

 

「…そりゃ怖ぇしよ。ずっと閉じこもってた方が安全だろ」

 

 ……確かに。よくよく考えると、ガトウさんのチームがいるし、なんとかなるかもしれないし。そういうのはプロに任せちまえばいいし……

 って、また変な方向に思考が傾いているし。……誰かに任せたままじゃダメだろうよ。

 

「…テメェだってそうだろうよ。もう行きたくねぇだろ」

 

 ……行きたくないさ。そりゃそうだよ。

 

「………でもさ、それでずっと閉じこもってて、結局死んだらだめじゃないのか?意味ないんじゃないのか?」

 

 よく纏まってない俺の考えだけど、でも確実にあるものはある。今の俺には力があるんだ。二人にもらった力が。

 これを有効活用しないと、何も出来やしない気がするんだ。さらに俺は自分を鼓舞するかのように続ける。

 

「正直行きたくねぇよもう。足引っ張るのも、人の死んでるところも…。でも目を逸らしたままはだめだろ。

 …死にたくなければ死ななければいい。そうなんじゃないのか?」

「……」

 

 ジョウトは黙り込んでしまった。…マジで変な事言ったよな…。死にたくなければ死ななければいい。…我ながら変な言葉だよ。

 

「…テメェひとりで死なないことはできんのか?」

「無理」

 

 即答。そりゃ無理。俺一人じゃ怖いのは事実だ。

 ……あー、やっぱりジョウトが呆れた。

 

「だからさ、……頼む。もう一回力、貸してくれないか?」

 

 この通りっ!と言った感じで俺は頭を下げた。……でも、無理に貸して、ってわけじゃない。無理なら無理って言ってもらいたい。そうしないと、スッキリしない。

 

「……ヤだね。俺死にたくないし」

 

 だろーな。でも逆にスッキリした。

 一人で出るのは嫌だからせめて誰か一緒に来てもらいたかった。典型的な臆病者だよ。俺は。

 

「けど、あのままやられっぱなしなのも将にあわねぇよ。せめて一発、地獄に送らせねぇと腹の虫がおさまらねェ」

 

 ……なんだよ、結局出るわけじゃん。素直じゃないなぁ、ジョウトは。

 

「ま、おっさんがいねぇとオレらじゃ無理だろ。…おっさん目覚めたらまた話そーぜ。ロナ」

 

 ………え?今なんて?…ロナ?

 

「ほらよ。テメェのファンからだってよ」

 

 ファンいねぇし!つかいつの間にファンクラブあるんだよ!!大嘘確定。…っと、こっちに何か投げ寄こしてきた。………。

 これは……白いニット帽?…耳あてもついてるし。耳あて俺には無意味じゃん。かぶったら耳ごと帽子の中だし。

 

「じゃあおやすみ。…決して自作ではねぇから感謝すんじゃねぇよ」

 

 おやすみッ!とまたジョウトは言うとそのまま布団をかぶった。

 

 ……ドストレートにお前じゃねぇか製作者本人(ジョウト)!!

 ……つか、お前そんなスキルあったんだな。スキル、編み物。人は見かけによらないってこのことだよな。某不良オトメンだってそうだろうよ。

 

 ……まぁ、いいか。確かに耳出したまんまじゃ、いろんな人に怪しまれる。もしかしたらマモノなんかじゃないのかもって噂も立たれるだろ。……もう噂になってるかもしれないけど。

 

 …ま、一応言っとくか。

 

「…ありがとな」

 

 そういって俺はニット帽をかぶり、ふと、両手を見た。

 

 ……そういや、あの時ぶっ放したあれは……。気になって、両手にマナをこめてみた。………右手に赤い『気』が、左手に水色の『気』が。

 確かに、あの時の感覚に近い。でも、それよりはすごい弱々しく感じる。寝起きだからかもしれないし、火事場の馬鹿力ってやつだったのかもしれない。

 …でも、それで二人を護れたんだから、それでいいじゃん。

 俺はそう思った。ゆっくり、右手の方を目線に合わせるように上げて、さらにマナをこめて………。

 

「って、あぶねぇ……こんなところで超能力発揮したら火災報知器なるって」

 

 あわててツッコみ、急いで解除。……おお、危ない危ない。

 ……あれ、ちょっとまて。……超能力?超能力って……

 

「……サイキック…?」

 

 サイキック。さまざまな特殊な属性攻撃を扱える、デストロイヤーとは違った火力型で、さらには回復、補助も行える万能な職業。けれど、その分防御を犠牲にしてしまい、強烈な攻撃の前には防御の弱さが響き、常に当たらない位置にいることを余儀なくされる―――。

 

「…また、これか。…ったく、何なんだよこれ……」

 

 何かと変な声っぽいのが響く。俺がその職業の名前を言ったとき、それは発揮される。

 じゃあ、もう言わない方がいいよな…。

 

「……とにかく、寝よう。……ちゃんと、ヒカイさんと話さなくちゃいけない…」

 

 そうだよ。俺はまだちゃんと謝ってない。

 だから……死なないで。

 

「……おやすみっ!!!」

 

 面倒くさくなってヤケになってそのまま寝た。

 

===============

 

「……ん…」

「あ、ヒカイさん……」

 

 やっと目覚めた。あれから1週間。……俺らが寝込んで3週間たとうとしようとしたとき。

 

「……」

 

 ……だめだ、言い出せない。……本当に許してくれんのかな…。俺はそう思った。だって、相手は……正論を言ったんだぜ。俺はそれを否定してしまった。……いや、言わなきゃ、だめだ。俺は覚悟を決めた。

 

「すみませんでした!!」

 

 ……それだけだ。考えたはずなのに、それしか言えなかった。……いや、考えたら、言い訳だ。全部俺が悪いんだ。許してくれるとは……思ってない。

 

「………」

 

 沈黙が重い。頭を下げてるから、どうなっているのか、分からない。……

 

「……顔をあげたまえ。……まずは状況説明だ」

「え?……………あー」

 

 確かに。いきなりすぎて逆に呆れたよな…さすがに。

 

「えーっと……かくかくしかじか………」

「………なるほど。………だったら、やることは一つだ」

 

 …あのー、ヒカイさん?……スルーですか?俺謝ったのに?……許してくれなかったんだろうか。と、思ったら、肩を叩かれた。ヒカイさんだ。

 

「謝るのはこちらの方だ。……すまない。ロナ」

「え……違います、俺の方が……」

「待てアホ共。……やることがあるんだろうが」

 

 ジョウトにアホって言われた!お前酷い恨むぞー。…何故恨むかはわからないけど。

 

「オッサンだって、今やるべきこと分かってんだろ?んだったら、さっさと終わらせよーぜ。こんな辛気臭ぇところにいれないだろうよ」

「……フ。そうだな。その前に確認を取らせてくれ」

 

 ヒカイさんは俺を真剣な表情で見た。

 

「……覚悟は、あるか?」

「あります。…そうでもしなければ、ずっとこのまま、貸したままになります」

「ならば、いいだろう。……ジョウトも、あるな?」

「ったりめーだ。あのクソ竜を地獄送りさせねぇと気がすまねぇよ」

 

 ……三人の心が、決まった。

 (ロナ)も、ヒカイさんも、ジョウトも、目標に向かおうとしている。

 バラバラな俺達の心が、まとまった気がする。いや、まとまった。気がした、は嘘だ。

 

「……ナツメさんのところに行きましょう。……俺たちが志願するんです。この世界をまた元に戻したいって。…試験に、唯一生き残った俺達で」

 

 二人は無言でうなずく。

 ……そうだよ。俺達が生き残ったんだ。だったら、あの竜たちにとことんまで後悔させてやる。俺らを生き残らせて後悔したって。それが、候補生だった俺達ができることだ。

 

 扉を開けて、どこかへと歩く。でも、目的地は分かってる。

 その最中、歩いているときに自衛隊たちとすれ違った。俺は目でその人たちを追った。何人かがこっちを見ていた。……今まで、心配かけちまったもんな。そして同時に、戦える俺たちも頑張らなくちゃいけない。俺はそう思った。

 

「…来たのね」

 

 まるで俺たちが来るのを分かっていたように、ナツメさんがやってきた。

 ………どうも、この人は好きになれない。分からないけど……今はどうでもいい。

 

「……これから先は、ずっと地獄よ。予想もできないことも起こるでしょう。

 ……それでも、覚悟はできて?」

 

 もちろんだ。俺はうなずいた。隣にいたヒカイさんとジョウトも同じくうなずく。その俺達の行為にナツメさんはゆっくりうなずいた。

 

「いいでしょう。河城野炉奈、山蔵檜海、森雁条堵。今この時よりあなた達をムラクモ機関、機動13班として認定します」

 

       




…はい、というわけでしてまずは目標のchapter0が終わりました。次はchapter1ですね。
さて、一度この章が終わったので少し裏話をば…。今回は『なぜこんな話を書こうと思ったのか』。
まず事の発端は『自分の誕生日に何か書きたい』と思ったからです。これは0Szで言ってましたね。
そしてその何を書く?と思った時にふと、自分のPSVが目に留まりました。そこにはセブドラのアイコンが。
………そう言えば、セブドラのストーリーで(『俺流最強必殺ランチャー!!!』)だったような……。
こういう話は確かに、と思うこともありますがいくらなんでも……。と思った時、
あれ?もしこれらが……?
そう思った時にはいつの間にか話が勝手に頭の中で始まっていました。
そして、折角だからやったことない転生モノをやろう。んで折角だし、主人公は女体化させてしまおう。
と、変な方向に何故かぶっとび、結果的にこんな話になってしまいました。
自分はある意味、シリアスモノぐらいしか書けないために誕生日にシリアスか…と心の中で苦笑してました。
さて、次はchapter1ですね。chapter1となると……ですね。
次こそは、非常に分かりやすい話目指して書かせてもらいたいとおもい、ここで一度話をとぎらせていただきます。
では、次回まで、いや、最終回まで読んでいただけると私は嬉しさ倍増して気力とエクゾーストゲージがアップしますので、陰ながら応援してもらえると嬉しいです。


 ちなみに現在はセブドラ2020をやり直しているのは内緒です。

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