女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!!   作:エマーコール

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キリがいいので今回は短め。


閑話 13班の休暇ー②

 会議室―――

 

「………というわけなので。外出許可ください」

「断ってって言ったの僕だよね………?」

 

 うん。言われた。でもだめだった。

 

「なんていうんだろ、圧力、とはまた違った、気迫、ともなんか違うような、何かに押されて」

「……うん」

 

 なんかちょっと納得しちゃったような顔でキリノは俺の肩を引き寄せて小声で言う。

 

「まぁ本人には一切悪気はないから仕方ないんだよ、きっと」

「それを本人の前で言うの?」

「……こうするしか言う機会がないからね」

 

 そうして俺から少し離れたキリノ。ため息を一つつく。

 

「分かりました。僕もそこまで鬼ではありません。但し無駄な戦闘は一切せず―――」

 

 突然ガチャリと扉が開いた。気になった俺は振り返ってみると。

 

「ジョウト?」

「なんだよお前までいたのかアホ娘」

「誰がアホ娘だ」

 

 こいつ後で覚えとけよ。

 

「で何だよジョウト。会議室来たってことは外出許可貰いに行こうって話か?」

「………何で知ってんだ」

 

 当たりかよ。何でお互い離れてから1時間も経ってないのに、どうしてこうなった?

 

「いや知らない。てか何で? ジョウトお前どっちかっつーと外出ない方だろ」

「まぁちょいとな。あるものが必要になったんだよ」

「あるもの?」

 

 訪ねようとして俺はジョウトの顔を伺う。と。

 

「オージョウト! ユーも依頼を受けるということね!」

「は?」

「ノープログレム! ちょうどロナと目的地が同じのクエストあるよ!」

「いや受けねぇって。話進めんな褐色―――」

「そうは言っても無理だってジョウトだって分かってんだろ?」

 

 半分諦めの表情で俺はジョウトにそう告げる。いやもう、出会った時からそういう人だってことは俺もジョウトも、今いないヒカイさんも分かってる。

 それにチェロンに悪気はない、というのも事実だ。彼女はとにかく人の笑顔のために色んな人の意見を聞いている。相手が誰であれ、どんな身分でも。だから少なくても、俺は彼女に悪印象を持ってはいない。ジョウトはどうなのか分からないけど。

 

「全く君たちは勝手に話を進めるね……」

「あ。ごめんキリノ。無視してたわけじゃないんだけど」

「分かってるよ。君たちが優しい人だってことは僕も理解している。でも本心としては休んでもらいたい。そこでだけど……」

「待て待て待て待て」

 

 今度はジョウトが割り込んできた。

 

「オレは一言も『受ける』とは言ってねーぞ。てかオレが受けるのは別件で……」

「てかまずジョウトはどこに向かおうっての? それによってはになるんだけど」

「渋谷。そこで今後役立ちそうなのがあるんだよ」

「あ渋谷か。なら目的地は一緒だ」

 

 と言って、俺はチェロンのメモをジョウトに見せる。丁度その肉が捕れる箇所は渋谷にあるという。

 

「……いやお前そのためだけに外出許可貰いに来たのかよ」

「悪いかよ。ジョウトもあるものとしか言ってねーからお互い様だろ」

「ま。それ言われちゃおしまいだな」

 

 意外とあきらめは良いなお前。そう思ったけど口には出さずに息をつく。しかしジョウトが欲しい物って何だろ。裁縫セット? まさかな……。

 

「話はついたね? ……仕方ありません。今回は外出許可を出しておきます。但しこちらも条件を出しておきます」

「条件?」

 

 俺とジョウト、ついでにチェロンは外出許可の条件を聞くことになった。




Q こんなにやや強引に依頼受けてたっけ。
A ほら序盤……。13班に選択権は……。

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