女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!!   作:エマーコール

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ついに明日、「セブンスドラゴンⅢcode:vfd」発売ッッッッッッッ!!

そして、chapter5が終了するっ!! ……な、なんとか終わりまでは到達することが出来ました。……初期の目標からは遠ざかっちゃったけど。

ではでは、54Sz、どうぞ!!


54Sz 迷わない

 

 

 

 

「寝ていられるかァーーーーーーーッッッッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 ……えーっと、現在会議室。先ほどの怒鳴り声はキリノ。

 

「……ハァ、ハァ……」

 

 少しばかし、急いできたものだからキリノ少し息切れてます。……しっかし、すごい権幕だったな……リアクションが思わず取れなかった。他の人も同様だ。

 

「……自衛隊、キミたちが帝竜を倒しに行ったら誰が都庁を守ってくれるんです!? まさかスグに帰ってくればいいと思っているわけではないですか!?」

「う……」

「あとSKY!! ミヅチを倒すって、準備もなくSKYだけで!? だいたい障壁はどうするんです!? お得意の根性論ですか!?」

「む……」

「そこ、ナビ二人!! ナツメさんの朝ごはんから寝るまでを分析って、それで何が分かるんですか!! ナツメさんの好物が厚焼き玉子だったとかですか!? しかも身体が弱いキミたちが不眠不休で!? 倒れられちゃ困るんですよ!?」

「え、えっと……」

 

 …

 ……

 ………

 …………

 

 ……………き、キリノおっかねぇ……。つか、怖ぇ……。……多分、無意識に一二歩下がってただろ……俺。

 

「そしてロナ!!」

「え!?」

「何であなたは前もそのまたすごく前も作戦を無視して身体を壊そうとするんですか!? そうやって自分の身体を大事にしないで無理ばかりして、それで迷惑かけられたら困るんですよ!?」

「……あ……ご、ごめんなさい……」

 

 怒られた……。……

 でも……さ……なんかキリノ、復帰したような、いや、完全に目を覚ましたような勢いだよな。………へへ。

 まぁ……今は、おっかないけど……。

 

「もう……どうしてこんなことになっているんですか……はぁ……」

 

 ……まるで今までの事がどうでもよくなるぐらいにすごく重い沈黙が流れる。ぶっちゃけ、みんなはまだ表情が変わらない。いや、めちゃくちゃなまでに気にも留めることができない。……キリノ怖い。

 

「………会議を、始めますか」

「……え、え、え……?」

「いーんです僕がやります、僕が司令官になります。ほっとくと何が起こるか分からないし、滅茶苦茶すぎます。……みんなを導く、『光』になろうと思います」

 

 ……キリノはそう言って、指令台の前に立つ。……やる気だな、キリノ。

 

「……えーっと、分かった。……でも、念のため聞くけど、いいのか?」

「さっきも言った通りですよ。……けど、みんな優しすぎますよ。そんなみんなに囲まれて、僕は幸せ者だ。……ガトウさんにもキカワさんにも支えてもらった命、使わなきゃ、バチが当たりますよね」

「…………へ、へへ。……だな、そうだな」

 

 俺はなんかひとりでに納得して、とりあえず席に着く。

 ……確かに、俺のも、みんなにつないでもらった命だ。だから……ちゃんと使っておかないと。

 

 

 ……で、会議は進んでいく。決して話半分聞き逃したわけじゃないぞ。

 

 まずは目的だ。大きく二つ。一つ目は残り二匹の帝竜討伐、もう一つがタワー周辺の障壁の破壊。

 で、まず一つ目の帝竜のほうからだ。一匹目はあのデカブツ……ザ・スカヴァーだな。んでもう一匹は、お台場を凍土と化した帝竜らしい。で、まずは手ごろでいつ動くのか分からないスカヴァーの討伐から処理していくことになった。まぁ、こいつにはなんかの光(別に強ければなんでも良いらしい)を当てれば虚弱化するっていう明確な弱点があるから処理は楽だな。

 で、その弱点を突いた、巨大ライト―――そうだな、野球場にある、球場全体を照らすライト一つの巨大化&光強大版と言えば分かるな―――を開発班が制作しているらしい。……ただ、これにはまだ時間がかかるらしいから、それができ次第やろうと思うとのこと。

 じゃあもう一つ、障壁の話。これについてはキリノが引き受けるとのこと。……何か案があるのかと、誰かが言った。……これには、『ドラゴンクロニクル』が必要になる、らしい。で、それらのデータは膨大だけど、他のデータで代用して……あーえっと、つまり、あれだ。……パズルだパズル。そういうことなんだろ。多分。

 

 ……だから、俺達13班は頼まれた。「残り二種の帝竜のサンプルを採取して来てほしい」って。そうすることしか、さっきのデータを……パズルを完成させることができない。

 

 

 俺達の返答? ……聞くなよ。 ……どうせ、答えはその通りなんだからさ。

 

 

 ……という訳で、今日の疲れをいやすために、俺達は部屋に戻ることにした。

 部屋に戻った直後……

 

「ごめんなさい」

 

 ……俺はすぐに謝った。……そりゃ、今日のはめちゃくちゃなことをしちまったんだし。身体壊されて、仲間失ったら……それは、嫌だもんな。

 気づいたんだよ、やっと。……13班って、そう言うのが鉄則か何かなんだろ。

 

「……無茶はするな、と言ったはずだ」

「はい……」

「でも、また言いつけを破った」

「はい……」

「忘れては、いなかったな?」

「………いいえ。忘れてました。……一度、激情で頭がいっぱいで、自分でも訳が分からないまま飛び出してきて、とにかく仲間を失いたくなくって……」

 

 ……全部、本当だろ。忘れてたよ。本当に。……あの時は冷静になれなくって、とにかく、自分のわがままで、迷惑かけて。

 ……あの時から、何一つ、変わってないよな、俺……。

 

「……そうか」

「……」

 

 ……意外にも、それだけだった。……呆れられた、とは、何故か思えなかった。

 

「……オッサン、どこ行くんだ?」

「少し、外の空気を吸ってくる。……時間はかかるかもしれんがな」

 

 そう言って俺の横を通り過ぎて、そっと、俺の手を握る。

 

「……もう無理はするな。いいな?」

「はい」

「……いい返事だ」

 

 ニッ、っとヒカイさんは笑うと、部屋を出る。

 ……へへ、また、信頼してくれるんだな。……今度は約束守るようにしとかないと。………って、あれ?

 俺はいつの間にか握られていた、紙をみる。……表紙には、「一人で見ておくように」。とだけ書かれた紙だ。

 

「……あーくそ眠ぃ。オレは先に寝てんぞアホ娘」

「あ、ジョウト……あのさ」

「なんだよ」

 

 ジョウトは、今にも眠りたいと思いつつ、俺の話を聞いてくれた。

 

「……なぁ、昼間のあの男子……なんだったんだろ?」

「……意外にも、未来からやってきたやつ、とかな」

「何でそう思えるんだ?」

「勘だ」

 

 でーたよ、勘。……まぁ、今はそう思うしかないよなぁ。……つか、なんで俺気になっているんだろ。……何で、だろうな?

 

「まぁ……そう思えば、少しばかりは未来が明るく感じる気がしたぜ。もしそんな未来があるなんて思えば、やる気でるだろ?」

「お前意外とロマンチストだな?」

「るっせーよ。とにかくオレはもう寝るわー。お休み」

 

 そう言うより早いか、ジョウトはベットに潜り込むと、すぐに寝始めた。

 はえーな意外と。……まぁ、確かに今日はいろいろと疲れたかもな、本当に、色々とな。

 

 さて………一人になった。ジョウトは……寝てるだろ。絶対。そう思って、俺は手紙を開く。……内容は意外と簡素なものだった。けど―――

 

 

 

 

 

「23時、エントランスにて待つ。キミに、キミ自身を教えるために。

 恐らく、知ったら後戻りはできない。嫌なら、この手紙は捨て、寝ててくれ」

 

 

 

 

 

 ………どういうことだ? 俺……転生したはずなのに、これって……。

 

 ……転……生? いや……もしかして……

 

 

 憑依?

 

 

 ……いやいや、んなアホな!? 神様言ってただろ!? 転生だって! ……もう、マジで訳が分からなくなってきた。

 

 ……でも、確かに気にはなる。……もしかしたら、なんで『ルシェ』なのかが、分かる気がするから。

 

 それに、声。………最初に感じたのは、確か四ツ谷だったような気がする。で、次は……その次の日に寝た時の気がする。で、最も新しく聞いたのは……さっき、キリノを連れてくる前に、屋上に飛び出てからな気がする。

 確証なんてないけど……さ、でも……気になる。

 

 ……23時、だな。

 

 それまで俺は、特に何もすることなく、ただボーっと天井を眺めたり、時間を確認、たまにマナを動かして戦闘に支障ないかの確認とか、それぐらいだ。

 

 ……23時、の少し前。

 

 

 俺は言われた通り、エントランスにやってきた。……正面口に、ヒカイさんがいた。

 

「……ヒカイさん」

 

 俺は近づいて、話しかける。……ヒカイさんは俺をしばらく見て、こういった。

 

「……もう一度問う。……いいのか、本当に」

「……はい」

 

 覚悟は、とっくにできてるさ。……いや、知ったところで俺は何もできやしない。

 やってしまった過去(運命)は変えられない。誰も口出しできない。

 でも、やってしまう前である未来(運命)は変えられる。

 ……だから、今この現実(運命)に立ち向かうさ。

 

「……では、行くか」

「どこに、ですか?」

「……四ツ谷に、な」

 

 ……そう言って、俺とヒカイさんは、借りてきた(前まで使ってた車じゃない)車で、四ツ谷に向かうことになった。

 

 ……この先、何があっても、多分俺のやることは変わらない。

 

 

 

 

 お前(ロナ)も、そうだろ―――?

 

 

 

 

 

 




……と、言う訳でして、chapter5はこれにて閉幕です。
次はchapter6……ではなく、chapter5.5に移行です。完全オリジナル、という視点になりますね。ただこれらは、多分2、3話で終わるかと。

さて……少しばかり雑談を。
ついに明日発売、「セブンスドラゴンⅢcode:vfd」。……実はそれに先立ちまして、無印とこの2020をコラボして、みたかったと思っています。
いや、いくらなんでも年代が吹っ飛んでいるそれらを組み合わせるのはさすがにちょっと無謀かな、と。……ちなみに、内容は「13班がエデン時代にタイムスリップしてハントマンと一緒に帝竜討伐」だけです。コラボがこれしか思いつかなかった。……あんまり進めてなかったのも内緒です(何

えーっと、では、次はchapter5.5を楽しみに、もちろん、「Ⅲが最優先だオラァ!」と言う人は、ガンガン遊んでください!! で、でも少しばかり見てくれたっていいんだよ?

 そう言えば、もう2020とⅢはこの作品でコラボしちゃってます。まぁ察しのいい人は一発ですよね。
 何気にハーメルン初の、Ⅲのキャラが(声だけ)登場しちゃってたりも?(苦笑

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