女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!! 作:エマーコール
今回は話があまりにも短いために外伝扱いの話になりました。……本当に、短いです。もうしわけありません。(むしろ今までの話が長かったのかも)
では、35.5Sz、どうぞ!
「マモノだ!ジョウト!」
「おう!コード強化、ATK……start!」
「よし!いっけぇ!!」
俺は覚悟を据えた一撃をマモノに撃ち飛ばす。……よし、仕留めた。
……なんとなく、あの病院の後、ジョウトはどこかやる気にあふれている気がする。鬱っぽい現象も少なくなったし、むしろ、マジで前に進もうとしている。
だから、俺も負けてはいられなかった。俺も、前に進まなくちゃな!
「フッ……若者二人がこうして頼もしいところを見ると……私も、まけられんな!」
さらにヒカイさんが前へ進んでマモノを殴り飛ばす。
……うん!さらに俺達の力が強くなってるって自覚がある!……この調子なら、ヤツも倒せるよな。でも、油断はできない。……へへ、でも、なんか負ける気はしねぇ。
「……さて、ポイントはここだよな」
マモノたちを蹴散らして、ポイント通りの場所だと思われる場所に、また探査機を組み立てる。
「……にしても、いい気迫だな二人とも」
「いや、ジョウトが全力で前に進もうとしてるからですよ」
「ん?そう見えたか?」
……どうやら本人にも自覚ないぐらいに頑張っていたらしいな。ま、それでいいんだけどね。
「……なんだろうな。どうも、興奮しているっつーか……月が見えてな」
「月はいつでも見えるだろ?」
「そういうことにしとけ」
……まぁ、そう言うことにしとくか。……っと、設置完了。
『こちらキリノ。聞こえるか?』
「どわっ!?い、いきなり言うんじゃねぇよ!?」
『わっ!?……あ、あはは。ごめんごめん。設置が確認できたから通信を再開したよ』
「……う、うん」
『そして……ふふふ……チューニングもバッチリ完了だ!不整合の原因を割り出すのにずいぶん時間と頭を使ったけど―――』
……すまん。後は聞き流した。長くなりそうなので。
「いいからさっさとしろ。こっちはクソ竜とのご対面に待ち遠しいんだよ」
『あ、うん……ミロク!』
『了解っと、データ受信……100%コンプリート!スキャン完了だぜ!……なるほどな。確かに、このまま闇雲に進んでも帝竜にはたどり着けなかっただろうな』
「……受信するか?」
「素人が見ても分からねぇだろ」
「……そうだな」
まぁ、ミロクが導いてくれるはずだろ。きっと。……今じゃ、頼もしいからな!
「……よし、それじゃ、四ツ谷探索を『帝竜討伐作戦』に切り替えるんだよな!ミロク!指示頼んだぜ!」
『了解!オレの指示に従って最奥の帝竜を討伐してくれ!』
『……承認します。台詞まですっかりとられちゃったなぁ……でも、討伐に当たっては注意を怠らないように。13班、ミロク、頼んだよ!』
了解!俺はバンっと手を叩いて気合を入れる。
……今回もヘマはできないな。……なにせ、また怒られちゃったんだしよ。ただまぁ、それは俺らとミロクだけの秘密だ。
……にしても、だ。今まで10班の人達の援護のおかげで帝竜に勝てた……。……今回は三人だけで、勝てるのか……。不安がよぎる。
「……ハッ、三人はいいハンデだろ?折角、オレ達の力を見せるときなんでな?」
「あぁ。油断せず、いつも通りに進めば問題はない。私たちは、三人で13班だからな」
「ジョウト……ヒカイさん…………あぁ!そうだな!」
そうだよ。何迷ってんだよ。俺には仲間がいるじゃないか。13班って仲間が、さ。
……あの時、一瞬崩壊した寄せ集めだけの存在じゃない。俺がいて、ヒカイさんがいて、ジョウトがいて、それが13班だ。
不安も、きっと希望に変えてくれる。……だから、大丈夫だ。そうだろ?
「……よし!待ってろ『ロア・ア・ルア』!今までの礼はたっぷりとしてやるからな!」
「あぁ……!今まで以上にお前の思惑通りにしてやらねぇからな!」
「二人が気合入っているのでね?ブレーキ代わりにバンパーにもなる。だから、待ってろ」
俺達はうなずきあって、帝竜の元へと走り始めた―――