女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!!   作:エマーコール

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こんにちはー。前の前書きは思いつかなかったのでパス。

今回は転生者のちょっとした話とちょっとだけキマシタワー、そして原作沿いです。

それでは、chapter2の終わり、28Sz、どうぞ!

もちろん、あとがきもありますが、今回はchapter2をすべて読んだ、もしくはゲームをプレイした方のみ見てくださいね。ちょっとネタバレっぽいのがあるので。


28Sz 激闘のその夜

 

 無事都庁に帰ってきた俺達はやっとのことで自由時間となっていた。

 そして、俺は帰ってくるや、10班の部屋へと遊びに来ていた。

 

「……アオイーいるかー?」

「あ、はいはい!いますいます!!」

「……一人?」

「はい。ナガレさんとキカワさんは別の任務有るので、私はここで待機を……」

「よく休めた?」

「もちろん!いつでも任務に呼んでも、アオイパワーで頑張りますよー!!」

 

 うおっと!?いきなりシャドーボクシングすんな!

 …でも、どうやらある程度立ち直れたみたいだ。

 

「……あ、先輩。いいですか?」

「うん?どうしたの?」

「……えっと、ガトウさんについて」

 

 ガトウさん……?何か知ってるの?

 

「あ、はい。ロナのこと、結構頼れるけど、いつか自爆するって。最初の任務のときに、そういってました」

「自爆……」

「優しすぎる人ほど、戦場には出れない。アオイはあんなふうになるなよ。と」

「ひっでぇ……俺のこと、そんなやつって評価されてたのかよ」

「でも……私は先輩に憧れますね」

「どういうこと?」

「なんとなく、先輩に惹かれるものがあるので!」

「どういう意味だよ……」

 

 けど……自爆、か。確かに、そうかも。

 何かあるとすぐ怒って、ソイツにぶちまけて、それで、みんなに迷惑かけちまう。

 

「……だから、俺のようになるなよ!アオイ!」

「無理です!」

「即答!?」

「だって、憧れの人ですから!先輩は!」

 

 ……うわ、すごいキラキラした目で見られてるよ……。

 ……けど、良い後輩かも。残念。俺には記憶はないので、結構新鮮な気分だ。

 俺も、転生前は誰かに憧れていたのかもしれないな。少なくても、誰かに。

 

「それにしても、男の人みたいですよね。先輩は」

「女だ!(身体だけ!)」

「ほんとですかー?」

 

 ……え?

 

 …

 ……

 ………

 

 …………アオイって、こんなキャラだっけ?

 

「……ちょっと、身体拝借してください!」

「は!?」

「お願いします!少しだけ!」

「お邪魔しましたー!!!」

 

 やっべぇ逃げろ!!俺食われちまう!!……べ、別に……悪い気は……ある!あるからめちゃくちゃ、全力で逃げろ!!!

 

 

 

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……」

 

 に、逃げ切った……か?……いや、意外と油断ならんな。うん。

 ……ん?これは……

 

「ギター………?」

 

 ……どうやら逃げ切った先は、居住区フロアっぽい。そして、俺が興味を示したものは、ギターだ。

 ……ちょいと年季が入ってる……か?

 

「……なんじゃ嬢ちゃん。それが気に入ったのかの?」

「え?……あ、は、はい……」

 

 ……ギター、ギター……

 ……なんでギターで興味を持ったんだろうか?うーん。記憶ないからわから……ん……?

 

「あ、あの、ちょっと弾かせてもらっていいですか?」

「構わんよ」

 

 ありがとうございます。俺はお礼をいいながら、ギターを首にかけ、非常に慣れた手つきで持って、弾いた。……何の曲かは、分からないけど、けど、結構なじみある曲だな。どこか落ち着いた雰囲気な、そんな曲。

 

「……おぉ。すごいすごい」

「へ?……あ、ありがとうございます」

 

 俺は素直に褒められて照れくさくなった。……うう、聞いていた人からも拍手もらっちゃったよ……。

 一通り拍手をもらった後、おじいさんは俺とギターを興味深そうに見た後、こういった。

 

「……ギター、持っているのかね?」

「いえ、持ってません。……多分、家に置いてきちゃったんでしょうね」

「ほう……」

「あ、でも、もらう気はありませんよ。今はお金や物資はないですし、でも、また弾きに来るかもしれません」

 

 要は、もらわない限り弾かせてくれっていうずる賢い方法だ。……集まれば、買うけど……

 

「……いんや。譲ろう」

「え?で、でも……」

「お嬢さんはいい才能をもっておる。もしよろしかったら、またこのフロアに来て、みんなに曲を聞かせてやってもらえないかのぉ?」

「……忙しくて、あんまり時間取れないと思いますけど、それでもいいのなら」

 

 ……なんか、嬉しいな。もう一つの才能が芽生えたって感じで、それを認められたようでさ。

 おっと、誰かがこっちきた。子供のようにパタパタ走る音がして、ちょっと道を開けた。

 

「あ、おじーちゃーん」

「おぉ。帰ってきおったか」

 

 ……あ!この前の子供!!

 

「あ、おねーちゃん!ねぇねぇ聞いて!ママ見つかったんだよ!」

「ほんと!?よかったね!」

「……でも。ずっと寝たまま。だから、ボクはいっしょうけんめいがんばるんだ!」

「そうか……うん!頑張れ!……じゃあ、そんな君のためにも、何か一曲、弾いてあげよかな?」

「ほんと!?じゃあ……」

「あっ!でも……ごめん。俺が知ってる曲……下手をすればオリジナルな曲だけ弾くけど……いいかな?」

「うん!」

「よし!……えーゴホン。それでは―――」

 

 

===============

 

 

「ただいま帰りましたー」

「……おかえりロナ。そこに弁当がある」

「ありがとうございます。ヒカイさん」

「……ちなみに、それは……?」

 

 あ、ギターの事か。俺はギターのことを簡単に説明した。

 

「……譲ってもらった。か」

「結構うまいんですよ。俺。ギター」

 

 あれから少し弾いてきて、困惑から確信に変わっていた。

 俺は転生前はギター弾いてきた、と。

 今は記憶がほとんどないけど、2曲はおぼろげだけど、弾くことができた。弾いているうちに、身体が勝手に反応して、それで、自分でも驚くぐらいにうまくできている。筈。

 

「ふーん……ギター……ねぇ」

「なんだったら二人も聞く?……ちょっと疲れたから一曲が限界だけど」

「……勝手にしろ。オレは勝手に聞く」

「リクエストはありかな?」

「いや……それはちょっと……」

 

―――久々に、明るい夜になりそうだ。……後でこの世界の有名な曲についても調べておきたいところだな。

 ……そのためにも、頑張らなくちゃな!!よっし!やる気出てきた!!

 俺は自分とギターに感謝しながら、夜の穏やかな時間をすごして、寝ようとした。

 

 

 

 

 

 ……なんか、妙に眠れないな。あんなに疲れているはずなのに。

 ちょっと外の空気を吸いたくて、部屋を出る。……あぁ、二人はもう夢の中。よく眠れるよなぁ……。ちょっとうらやましいぜ。

 っと、部屋を出た途端にキリノとバッタリ遭遇。……なんだろ?

 

「あ、すまない。こんな夜遅くに」

「いいよ別に。キリノだって徹夜で頑張ってたし、お互い様」

「ありがとう。……けどね、僕より君たちの方がハードだから少し様子を見ておこうと思ってね」

 

 そう言いながら、手に持っているのは注射器。……よかった。あんなでかいカッターナイフ型じゃないな。

 

「ちょっと、痛むよ」

「おう」

 

 ……と言いつつそんな痛くはないな。最近の力ってすげー

 

「よし、問題ない。……にしても、うらやましいよ。そんな力を持っているなんてね。僕にもそんな力があればキミたちと一緒に前線で戦えたのにな」

「いや、それはご勘弁。……キリノが前線に出るなんて想像できないし、なにより、今回の事件でキリノのありがたみを知ったから逆に阻止しちゃうよ」

「あはは……。……実は、そのことについてなんだけどね」

 

 ……まさか。

 

「今回のナツメさんのこと……どう思ってた?」

「……あれは、ひどい。見てて分かるだろ?」

「うん……聞くだけ野暮だったね。でも、ナツメさんは真面目だけど少し不器用なところもある人でね。誤解されるコトも多いけど、悪気があるわけじゃないんだ」

「悪気って………子供じゃないんだし……つか、なんでキリノはそこまでナツメ……さん、を信用できるんだ?」

「それはやっぱり……憧れの人だろうだからな」

「……あんな人が?」

「……気づいていると思う……いや、分からない部分が多いけど、ナツメさんは武術も座学も一通りこなせるうえに、研究者としても大きな成果を残してきた」

「……マジ?」

「うん。……ミイナ達も、実はナツメさんの研究から生まれたんだよ」

「……は?」

 

 ……どういうことだよ……一体……!!

 

「うわっ!?ろ、ロナ!?」

 

 ……あっ、知らず知らずのうちにキリノの胸ぐらをつかんでいた……。あわてて放しつつも、二人と出会った日を思い出していた。

 ……道理で、あんな名前だったのか……ミイナじゃなくて、ミロクじゃなくて、あんな名前……

 ……それなのに、あの二人の生みの親はある意味ナツメさんなんだな……。

 

「でも、どうして……」

「それは……分からない。けど、ナツメさんは君たちのようにS級の才能は持ってないと思うけど、でも、あらゆる場面でA級の才能を発揮できる、上に立つ人間として理想的な人だと思うよ」

「……本当か?」

「……意外と疑り深いんだね。ロナは。でも、少なくても、僕はそう思う」

 

 ……やっぱ、信用できないな。……だって、まるでS級に依存しているような気がする。

 あんな人の命を軽々投げ捨てるような、そんな人……。

 

 

 ……他に、何かあるんじゃないのか………?

 

 

「っと、ちょっとしゃべりすぎたかな。僕は仕事に戻るよ。……ロナはどこかに出かけるの?」

「いや、眠気があんまり来なかったから外に行こうかなって思ったところ。でも、なんか眠くなってきたし、もう寝るよ」

「うん。……ゆっくり、身体を休めてくれ。……おやすみ。ロナ」

「おやすみ。……キリノも適度に休めてな?」

 

 それだけ言うと、俺は自室に戻ろうとして、またキリノに呼び止められた。なんだろ………?

 

「あ、ロナ……居住区フロアで弾いていたの聞いてたよ」

「マジ?……へへ、なんか恥ずかしいな。……感想は?」

「また、聞きたいな」

「あぁ。……余裕があるときにじっくり聞かせるよ」

 

 そう言って、俺は今度こそ中へ。

 

 ……一時的、その一時的だけど、でも、音の力ってすごいんだな。と感じていた。

 

 違わないだろ?(ロナ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もう、タケハヤさんの身体は持たなそう……か」

 

 渋谷。苦しそうに胸を抑えるタケハヤを遠くで見て、フウヤはそう思っていた。

 そして、首都高の戦いでのロナを思い浮かべながら、言葉を紡いだ。

 

「にしても、ロナ達が『狩る者』ね……。……確かに、冗談ではないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………残り、あと一つ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?今回のchapter2は。
まさかの、ゲーム経験者にとってはオリジナル展開だらけで「こんなのななドラじゃねぇ!」とも、もしくは新鮮だ!と思ってくれる人もいるかもしれませんね……?

ちなみに、あらすじの話を見た方にとってもちょいと「嘘だッ!」と言うことになりかねませんね。
ということで、今回の裏話は『ガトウさんについて』。

実はガトウさんも当初は生存ルートが存在してました。むしろガトウさんがいたらどうなっていたんだろーなーと思いながら話しを立てていたんですが、ある部分で問題が発生。
主にこの次のchapterで必要になってきたんです。ガトウさんが。ゲーム中でも非常に重要な役割があり、これを崩すとなると……非常にオリジナル展開が必要になっていく。ということで泣く泣く原作通りに変更。すまんガトウさん……ゆるしてくれ……。
あとついでなんですが、本来ならナツメをぶったたくのはアオイちゃんだったんですよね。でも、ここは主人公こと、ロナがぶん殴ることに。……あとで分かったことなんですけど、このたたきが原因でアオイちゃんは待機命令を。……ちょっとこの部分は作者の勘違いでこうなりました。すまん……。でも激昂する主人公描きたかった。反省も後悔もしていない。

さて、あとがきはここまでにしてっと。次はchapter3ですね。イッツ肝試し。だが普通に怖い。個人的にはあそこのステージは好きでした。ちくしょう!何で20Ⅱで再録しなかったんだ!!

ではみなさん。最新作までこの話を陰ながら支えてもらえると、私は嬉しさのあまり、何度もリアクトしながら話を書くと思います。もちろん、最新作であるⅢが発売されて買ったらそっちに専念しても構いません!私もそうなります!(マテ


実はこの話を書き終えた後、39さんでてねぇ!と思いました。ゴメン、本来なら帝竜戦で出番あるはずだったんだ……。

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