女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!!   作:エマーコール

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どうもです!評価もつけられて僕も嬉しい限りです。そして、これだけのななドラファンがいることを再確認できました。

さて、chapter2も後半戦に突入!彼らに待ち受ける運命は一体!

それでは、24Sz……どうぞ!

(ちなみに前の話で前書きがなかったのは仕様です。あまりにもシリアスすぎる演出故の処置みたいなものです)


24Sz 巨大な円陣

 どこからか日の光が差している気がする。部屋は少し明るく感じる。

 

「…………」

 

 ……うん。バッチリ目が覚めたはず。俺は短剣とハンドガンを見ながら武装の確認をした。やっぱ、こういう時はちゃんと起きとかないとな。

 ……いつまでも寝てたら、ガトウさんが夢の中から起こしかねないし……な。

 

「……ロナ、オッサン……少し、いいか?」

 

 ……ジョウト……

 

「……悪かった。もしあのとき止めとけば……」

「……ジョウト。君は悪くない」

「でも、教えてくれよ。何であの時、止めなかったんだ?」

 

 ……気になったのは、それだ。

 それを聞かないと、俺は気にくわねぇ………。

 

「………犠牲、しか思い浮かばなかったんだよ。でもよ、正直に話すぜ……。俺は、『先発隊』の話しか聞いてなかった。まさか、こんなことになるなんて思わなかったんだよ………」

 

 ……お前………

 

「……もしあん時止めときゃあ……ガトウや、自衛隊のヤツらを失わずにすんだんだよな……」

「……もういい。過去を悔やんでもしかたないだろう?……大切なのは、今、だ」

「でもよ!……それでも、オレは許せねぇんだよ。……どこかでケジメつけねぇと……自分が許せねぇ……」

 

 ……

 ………

 …………

 

「……ロナ?」

 

 俺は無意識に立ち上がって、ジョウトを見た。

 

「ジョウト。歯を食いしばれ」

 

 俺はそう言った。……ヒカイさんが止めようとしてるけど、構うもんか。

 一発、やっとかねぇと気が済まない。

 

「………あぁ」

 

 ジョウトは立ち上がると、俺の目の前にやってくる。

 ……

 

「……目をつぶって、歯を食いしばれ。いいな?」

「分かってるっつーの」

 

 ……ジョウトが、目をつぶる。

 ………手をゆっくり構えて、そして――――――

 

 

 

 

 

 

 

「カツアゲんときにジコ中で俺のやきそばパンを手放そうとしたなチョーップ!!」

「え!?」

「へ?―――フゴォ!?」

 

 

 ……意外だろ?俺、恨みはずっと抱えている性分なんで。

 あ?そっちじゃないだろ?……それもそうなんだけどさ。

 

「……よっしスッキリした。いつチョップすればいいのか分からなかったからな」

「は、はぁ……?」

「……いいよ別に。俺も勝手な行動してたし、お互い様。そりゃあ、まだ恨んでるったら恨んでるけど。……でもいいよ。あの人ぶん殴ったし、それでいいや」

 

 ……やっぱり、意外って顔だな。……いや、もちろんさっきの言葉は嘘偽りなしだ。

 

 けどさ。……結局、仲間じゃん。誰にも言えない悩みってのもある。……なんか知らないけど、そう言う奴になれてるからかな。……その辺りの記憶はないけどさ。

 

「……それに、これ終わったら後でヒカイさんに都庁の外の広場でみっちり説教してくれるはずだから、これだけにしておく」

「……よしわかった」

「そりゃねぇだろ!?」

 

 焦りの見える言葉に俺は笑った。やーいザマーみろー。助けてくれなかった罰だー。

 

「もちろん、ロナもな?怒っていたとはいえ、上司を殴ったからな?」

「ゲェ!?なんで俺まで!?」

 

 ……あー畜生!!ジョウトに笑われた!!

 

 ……まぁ、いいか。緊張もほぐれたし。

 

 ……グットタイミングでミイナからの通信。……会議室、だってさ。

 

「……よっし!行きますか!ジョウト!ヒカイさん!」

「わーったよ」

「あぁ!」

 

================

 

 会議室。……今回は遅刻もしてないし、ちゃんと飯も食った!大丈夫!こっちの準備も万端!

 ……あっれ?開発班のみなさんと、自衛隊のリンさんと、後は……

 ナガレさんと、キカワさんはいるけど……アオイがいない……まだ落ち込んでいるのか……。

 

「……あ、ロナ、ヒカイさん。ジョウト」

 

 ナガレさん。……あれ?そのバンダナ……?

 

「うん。……ガトウさんの形見だよ。……僕が大きいこと言ったし、ガトウさんに託されたからね。……だから、引き継がなくちゃ」

 

 ナガレさん……うん。そうだよな。そうこなくっちゃな。

 

「……ロナ。アオイちゃんから伝言。『まだ気持ちの整理が出来ていないので、しばらく休んでいます』って」

「キカワさん……はい。後でアオイに伝えといてください。休めるだけ休んでおいてって」

 

 ……後で、様子見にいかなくっちゃな―――

 

「おはようございます!みなさん!」

 

 うおっ!?……いつになくキリノの声がでかいような……?……寝た、の?

 

「一睡もしていませんが……ボクは気分最高、気分快調です!いやー、気持ちいいなぁ!」

 

 お、おう……!なんだこのキリノ、すげぇやる気にあふれてる……!?

 

「……キリノ殿。興奮するもいいが、みんなが話についていけてないぞ?」

「あっ……ご、ゴホン!」

 

 ……さすがヒカイさん。この空気をなんとか元に戻してくれた。すげぇ。

 

「……昨晩、開発班の皆さんに協力してもらい、自衛隊の兵装を強化することに成功しました。ウォークライの外翼部を削りだし、耐レーザー用の皮膜を形成しています。非常に薄く軽いコートですが、レーザーに対しては飛躍的に防御性能が向上しています」

 

 ……えーっと、すげぇ、んだよな!要は、「薄いコートでレーザーを防げる」ってことだよな。うん。……ある程度聞き流しちゃったけど。

 ……でも、それって……?

 

「……また、自衛隊の人達にオトリになれ、と?」

「…………」

 

 ……それだったら、俺らがやったほうがいいだろ。多分。……痛いの嫌だけど、これ以上人を失いたくないんだよ。だったら、俺らが―――

 

「いや、いいんだ。昨日お前が言った言葉、嬉しかった」

 

 ……リンさん……?

 

「理屈じゃないかもしれないけどさ、アタシたちの取り戻した東京に、1人でも多くの人間が生き残るといいよな」

「……リンさん……」

「それに、ロナがアイツを殴っている光景を見て、アタシもスカッとしたんだ」

 

 うっ!?いや、だからあれはただ単にキレただけだし……さすがに悪いと思ってるし……。

 

「ははっ!そんなあわてたような顔をするなって。……とにかく、アタシたちには特別な才能はない。だから、ドラゴンを倒す刃になるのは無理だ。それは13班達に任せるよ」

「……そんなこと、ないですよ。……少なくても、俺にはそんな才能は……」

「そんな過小評価するなって。な?」

 

 リンさんが、俺の肩を叩く。

 ……リンさんの瞳には、強い意志があった。そう。嘘偽りない、意思のある瞳が。

 

「……でも、そんなアタシたちでも、13班たちを導く盾にはなれる。人を1人でも多く守るための盾だ。死ぬためにやるなんて馬鹿げてた。……キリノ。お前のこの武装、信頼していいんだろ?」

「ええ!もちろん!!」

 

 ……キリノが、自信にあふれた返答をする。……うん。感じる。キリノにも、意思がある。

 

「……大丈夫だ。アタシたちには意思がある。1人でも多く生き残るために!これは『アタシたちの意思』だ!」

 

 ……そっか、そうだよな!!

 うん!大丈夫!みんなの意思、それをつなげれば……!

 

 ……あ、そだ。

 

「……あ、あの!みなさん……円陣組みません?」

「エンジン……って、あの……」

「そうですよ。……みんなの意思を確かめ合うんです。円陣を組んで、意思を集めて、そして、この作戦を成功させるんです!」

 

 俺の言葉に、この場にいた全員がうなずいた。各自が集まって、肩を組み合って大きな円を作る。……俺の隣には、ヒカイさんと、ジョウトがいる。……感じる。二人の、いや、全員の『意思』が……!!

 

「……じゃあキリノ、よろしく!」

「えぇ!?こういうのはロナが……」

「今この場の全体指揮を執ってるのはキリノなんだから、な?」

「……分かりました」

 

 途端に、俺の頭におぼろげな記憶が浮かぶ。

 

 こうして、少人数の円陣を組んでいる。そして―――

 

『絶対に……成功させよう!』

「絶対に、成功させて、誰一人失わずに帰りましょう!!」

『『『オーーー!!!』』』

「「「オーーー!!!」」」

 

 ……やばいな。今まで無理やり思い出そうとした痛みは全くない。

 

 ……最高の、思い出なんだろう。

 

 そして、改めて感じる。全員の意思。

 

 ……絶対、成功させてやる!!!

 

 

 

 だから、見ててください、ガトウさん!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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