女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!!   作:エマーコール

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どうもこんにちは。エマコです。メモなくしてまたプレイ中です。

しかしこの日は暑かったですね……。セブドラではどの季節なんだろうと常々思いたい。
あ、ついでにⅡの裏ボスは倒しときました。これで心置きなくⅢがプレイできそうです。

ではでは、実は長すぎて後半部分を削って、ほぼコミカルと化した15Sz、どうぞ!!


15Sz 樹海の三人組

 俺たちは例の如く軽自動車で渋谷へと向かった。……あぁ。いつものだ。ご厚意により、しばらく貸してもらえることになった。ほんと、感謝したくてもしきれない。……ついでにやきそばパンはまだ所持してますよっと。1つは車の中で食べたから残り1つ。

 ……車で行けるだけいって、そして、ある場所で降りた。……えっと……ここって……

 

「……ここ、渋谷……?」

「……そう思いたいものだな」

 

 ……いや、いまいち信用できないんだが……

 だって、いたるところに木の根っこが生えていて、フロワロもところどころにある。

 ……ここが、本当に渋谷なのか……?

 ……いや、今じゃ信じるしかないけどさ……。

 

『おい13班。聞こえるか?』

 

 ん、通信だ。これは……。

 

「ん?……あ、ミロクか。今回はキミなのか?」

『え!?何でオレの名前知っているんだよ!?』

 

 ……あー……確かにミロクには言ってないよな。……えーっと……

 

「……ミイナに教えてもらった。俺はそういったコードネーム的な言い方嫌いなんだ」

『そうなのか……まぁいい。今回はオレが担当させてもらう』

「おう。よろしく」

 

 そう言ってミロクは「あぁ」とだけ言った。……と、ここでもう一人、通信が入る。

 

『聞こえるかしら?13班。今回は私も参加させてもらうわ』

「ナツメさん……」

 

 ……はぁ。どうしてもこの人は苦手なんだよな……訳が分からないけど。

 

『んじゃ、お前らには道玄坂方面へ探索を頼むよ。オーヴァ』

 

 と言って、通信はいったん切れた。……しっかしちょっと生意気だなミロクは。まぁ、かわいらしい部分でもあるんだけどな。

 

「……しかし、重力が反転した都庁の後は繁華街……ならぬ、繁『花』街か。……どうも、帝竜のそれぞれの適性が現れるようだな」

「そうですね。……どこから来るか分かりませんし、慎重に行きましょうか」

「あぁ……ん、どうした?ジョウト」

 

 ……あぁ、そう言えばジョウト一度もしゃべってないよな。……なんか、ボーっとしてるし。やっぱり驚いてんのかな。

 

「……いんや、真っ逆さま都庁よりかはましだと思っただけだ。あーあ。つまんねーの」

「ピクニックに来ているわけではないんだぞジョウト」

「分かってますよオッサン。……そんじゃ、行こうぜ」

 

 ……しかしなんかおかしいなジョウト……。他にも理由があるはずなんじゃ……。俺はそう思ったけど、ジョウトの性格じゃ口が裂けても言わなそうだから、黙っていた。

 

=============

 

「……おい二人とも、あれって……」

 

 ドラゴンをなんとか倒しながら前へ進んでいると、ジョウトが一点を指差す。……あ、マモノ……って、遠くにヒトが!?

 

「助けに行こう!」

「了解だ!」

「ったりめーだ!!」

 

 二人はすぐに承認してくれ、すぐに俺とヒカイさんは突撃。背後でジョウトが下準備を始める。

 

「コード強化、ATK……start!!」

 

 ジョウトの『アタックゲイン』が発動。不思議と、精命力(マナ)が増幅されたような気がする。このまま一気に仕留めるしかない。そんなに少ないのが幸いか。俺は双銃を取り出して構える―――!

 

「歌い踊れ!『ダンシングバレット』!!」

 

 マナを増幅、銃に込めて乱射。まるで舞っているかのようなソレはマモノへと攻撃の雨を降らす。その一体、懐にヒカイさんは飛び込む。

 

「ハァッ!!」

 

 ヒカイさんのアッパーが炸裂し、マモノ一体が吹き飛びつつ、消滅していく。残りのマモノもそれに応じるかのように消滅していた。

 

「……その人は無事か?」

 

 ヒカイさんが無事を確かめるように俺に促す。……見た限りでは、傷は負いつつも、立っているだけ無事なようだ。俺はゆっくりとうなずいて、ヒカイさんに合図を送る。その後、ヒカイさんはインカムで通信を取った。

 

「……あぁ。分かった。……こちらの方は頼んだぞ」

「……どうすればいいんだ?」

 

 ジョウトは辺りを警戒するように見渡しながらヒカイさんに言った。ヒカイさんはゆっくりうなずいた後、

 

「もうすぐ、人命救助班が来るらしい。その人たちに任せ、我々は奥に進んでもらいたいとのことだ」

「ふぅん。じゃ、そいつら来るまで待機ってところか?」

「……いや、これを使わせてあげようか」

 

 そう言ってヒカイさんが取り出したのは、小型の……ケータイみたいなものか?これって……

 

「『迷彩ツール』ってやつだ。これがあれば動かない限りある程度感知はされないだろう。……それでは、もう少しお待ちを。必ず、他の部隊が助けに参ります」

 

 ヒカイさんは迷彩ツールを起動しながらその人に渡す。……見た感じでは変化はなさそうだけど確かに、これだとマモノは通り過ぎてしまいそうだな。なんかよくわからないけど……。

 

「よし。引き続き、我々は我々の任務を実行しようか」

「了解です」

「はいよ」

 

===============

 

『おい、13班。前方200mに2名、生存者確認だ』

「うん。こっちからも見えてるよ」

 

 確かに遠くに…………あの……ミロク?遠くからでも分かるぐらいに不良オーラ丸出しなんだけど。……まぁ、生存者は生存者だよな……。仕方ないので接触を……

 

「……ッ」

 

 いっつ……。小さな頭痛が響いた。まるで、この先の状況が分かっているかのように。……まぁ、大体わかるんだけど……でも、……うん、生存者だからね……。

 

「……えーっと、おーい、すみませーん」

 

 俺達は近づきながら2人に呼びかける。……こっちの声を聞くや否や、いきなり立ち上がると、こっちにやってきた。……はぁ、悪い予感的中だよ……。

 

「あっれ~?またまた生き残りはっけぇ~ん!」

「やったぜ!これでノルマ達成~!!」

 

 ……あっれ、予想を裏切られたような的中したような……、いや、ちょっと待て。

 

「……ノルマって、どういうことだよ?」

「うっさいな~。とりあえず、食い物と飲み物と後一服できるヤツ、全部出してみ?」

 

 ……えー……これって……カツアゲ?

 

「おいカツアゲだぜおっさん」

「あぁカツアゲだなジョウト」

 

 で何で二人とも平然としてんだよおかしいだろ!!!カツアゲだぞカツアゲ!!

 

「カツアゲだろ?ある意味すげぇな。こんなちっぽけなところでカツアゲだとか」

「何でジョウトはカツアゲを平然とネタにできてんだよ!」

「はぁ?カツアゲだぜ?最近見てないからなぁ~」

 

 か、完全にバカにしてるぞこいつ……!俺はチラリと2人組の様子を確認……あー…さっさとしろ、待ちきれないんだよオーラ丸出しですね……。

 

「そういえばロナ?君はやきそばパン持っていたよな?」

「は?」

「お、それがいいな。お前だって平和的にいきたいだろ?」

 

 お前らの方がカツアゲだよ!!俺は心の中で突っ込んだ……が、2人の言うことに一理あるけど……。

 

「やだよ命の源のやきそばパン渡すなんて。最後の一個ですし。それ以前に何でこういうときだけ俺に被害喰らうんですか。というか二人も何かあるはずでしょ?」

「すまんが、あまり身体に悪いものは食べない飲まない吸わないがモットーだからおじさんは」

 

 うわぁ~……セリフはかっこいんだけど、すっげぇムカツク。状況に応じた判断でかっこよくもかっこ悪くも聞こえるってことを何故か身に染みた。

 

「俺はねぇよ。つか、なんでこいつらにハイそうですかって渡さなくちゃなんないんだよ」

 

 だったらなんで俺に「やきそばパン渡せ」って言うんだよ!!ジコ中かお前は!!

 

「ドヤァ」

「SEを自分で言うなアホジョウト!!……とにかく!俺は渡しません!!」

「ここまでコケにされたのは……」

「え?」

 

 お前らだゴルアアアァァァァァ!!!と言う怒声が聞こえたかと思うと……うわ!?『フレイム』!?

 

「あぁくそ!!『突壊の氷刃(フリーズ)』!!」

 

 俺は本能的に『フリーズ』を発射―――

 

 瞬間、俺の脳裏に『あの出来事』がフラッシュバックする。

 

 意識を失う瞬間、俺は一度に炎と氷を発射したような気がする。

 そして……起こったのは爆発……

 

 ……これって……まずくね?

 

 ………という予想を大きく裏切り、何故か俺が発射した『フリーズ』が打ち勝ってギャルに直撃。

 …えーっと…

 

 …

 ……

 ………

 …………

 

 ……………悪いね☆

 

「ッテンメー!!宣戦布告と見なしたぞゴラァ!!」

 

 うわっ!?今度はヤンキーの方かよ!?しかも物騒な刀持ちやがって!!

 でも、なんか読めるな攻撃が。

 俺はとりあえず直感的にしゃがんで横斬りを避ける……あと、ついでに軽く蹴飛ばして……

 

 ドムンッ!!

 

 ……え?

 

 ……あれ?俺、軽く蹴飛ばしたはずなのに、なんか威力上がってね?

 

「……ジョウト、お前か」

「蹴ったのはお前だ」

「いやそれはそうだけどさ、だからってこっそり『アタックゲイン』かけてんじゃねぇよ」

「ドヤァ」

「ヒカイさんこいつぶん殴っていいですか?」

「そんなことよりいいのか?あのボーイ&ガールがロナをにらんでいるぞ?」

 

 ………

 …………

 

 なんで被害全部俺が喰らうんだっつーの!!!

 

「ゲッホ……つか、よく見たらそのダッセー腕章……ムラクモどもだろうが」

「はは……道理でこんなにコケにされたわけねぇ!!」

 

 あーやべぇ……危険すぎるなこれ。

 ……思わず二人を見……ってあれ?二人は…………遠くにいるし。

 

「オレ、悪くないんで」

「すべての元凶はロナだからな」

 

 ………

 …………

 ……………

 

「……これからすること全部、ただの八つ当たりだから」

 

===============

 

 ……で?あの後?

 

 ……あの後俺一人で二人相手に、何故か余裕で勝ちましたとさ。……実力からしてあんまりなさそうだったけど。

 

「……畜生、余計な体力消費した……肉体的にも、精神的にも」

「やっぱ避難してよかったなオッサン」

「だな」

 

 ……アンタらだよすべての元凶は!!!

 

 と言う、ツッコミが心の中の俺だけという漫才をやりつつも奥へ進んでいく……

 

 …

 ……

 ………

 …………

 

 ……………なんか、臭わね?

 

「……確かに」

「……妙に臭うぜ……ちょうどそのあたりからだ」

 

 ジョウトはある方向を指差す。……うん、ゴミ箱だね。……確かに……うん。しかもクローゼットよろしくガタガタ音が鳴ってるし。

 

「じゃあ」

「俺はいかないっすよ。乙女の心が傷つくので」

 

 こういうときだけ女の身体って便利だな。ずっと不便ばっかりだったけど。つか触りたくもないし。

 

「……いいか若者たち。こういうのは若い者が先陣を切って開けるべきなんだ」

「いや、こういうのは年長者がやるべきですよ。なぁジョウト」

「その通りだ」

 

 イヤッフゥ。気が合うねぇ俺達。……あ、やっべ、ちょっとヒカイさん震えているよ。いくらなんでもいじりすぎたかな……?

 いや、今までの仕打ちのしっぺ返しだ。たまには……ねぇ?

 

「……誰も行きたくないなら……」

「逝くんですよね?ヒカイさん」

「逝くんだよな?オッサン?」

「……公平に、ジャンケン……だ!」

 

 ……出た、苦し紛れの運の一発勝負。……悪いけど、身に覚えのあるじゃんけんで負けたことはあんまりないから、俺が勝つかもねぇ。

 

「……んじゃ、さいしょはグーで行きますよ。……あ、その後俺チョキだそうかな?」

「んじゃあオレもチョキで」

「あーでもチョキだと俺大体勝つんだよなぁ……ハンデでグーにしようかな?」

「お前がハンデとかおかしいだろ。やるなら完膚なきまで、宣伝通りにチョキだ」

 

 ……ヒカイさん汗かいてるように見えてきた。やっべぇたまにはいじるの楽しい。でも、やりすぎ注意だけどね。

 ……そんなことしたら絶賛都庁の外の以下略喰らわせられるからな。

 

「……さいしょはグー」

 

 ジャンケン、ポンッ!!

 

「「「…………」」」

 

 ……宣伝通り、俺がチョキ、ジョウトもチョキ、……ヒカイさんはパーだな。

 

「はい、じゃあお願いします」

「……少しいいか?」

「言い出しっぺの法則だぜ?オッサン」

「……後で二人とも都庁の広場で」

「「はい行ってきます!!!」」

 

 チクショウ!!こういうときだけその権利使いやがって!!……しかもトランシーバー通してミロクが「何やってんだよお前ら」って小言で聞こえてきたし!!

 俺はジョウトと共にゴミ箱に前進。……よし、開けるぞ、開けるぞ……。おっと、逃げようとしたジョウトの右腕を取って一緒にゴミ箱のふたへ。……すげぇ臭うよこれ……

 

「……いくぞ」

「おう」

 

 せーの!で俺らはふたを開け、全力で退避っ!!!反動でゴミ箱倒れたけど気にしない!!人出てきたからよしとする!!

 

「ヒィッ!!すみません!もう財産はこのゴミ箱だけ……って、あれ?」

「……えーっと、ムラクモ13班です。……えーっと、俺達、都庁を基地として、救助したり……」

「……た、助かった!!イヤッホォォォウ!!これでこの場からでれるぅ!!さらば!!我が家90リットルのマイホーム!!待ってろよ、屋根と寝床のある生活~っ!!」ピュ~ン

 

 ……あ、あいつ行っちゃったぞ?……すげぇ臭い漂わせて。

 

『ゲェ!?あのゴミ男、こっちに来るのかよ!?』

『ナビ、一番強力な消臭剤を頼むわね』

『え、あ、はい……』

 

 ……確実にナツメさんしわ寄せたな。その光景が容易に思い浮かんでくる。……って、それよりも……

 

「……マモノやあの人達に襲われないですかね?あの人」

「あの臭いならどうとでもなるだろうな」

 

 ひでぇ。……でも、確かにそんな気がしてならない。

 

「……お疲れ様」

「どっちの意味だよ」

 

 そうして、俺達はまた樹海の奥へと進む―――。きっと、いるはずの生存者を探して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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