女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!!   作:エマーコール

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どうもです。……はっきり言って、この部分をどう描くのかに戸惑って、あきらめて、三か月ほど放置してました。ごめんなさい。

………そして!!なんと!!!セブドラの続編が発売されるようです!!!イヤッホォォォウ!!

今回は3DSで物語が展開される模様。そして発売が10月らしいです。もしPXZ2が同じくらいに出たならセブドラを優先して買います。本当にうれしいです!!

そのおかげで今回の話をエクゾーストして書きました!放置で、久々に書いたのでガバガバかもしてませんが、11Sz、どうぞ!!


11Sz 自他共に知らず

 一度俺達は『逆サ都庁』を後にしてシェルターに戻って行く。………え?素材?…入ってるけど…トランクに。

 

「しっかし、こんなちんまりした素材が本当に武器防具作れんのかよ」

「んー…いけんじゃないのか?」

 

 実際、某一狩りだったり某神狩りだったりとかだとほんの少しの素材ででかい武器作れるし……。あ、ゲームの話じゃないよなこれ。

 ……よく考えるとこれだけで造れるのかが疑問だなうん。…でもこの素材だけを使う訳じゃないよな。さすがに。

 

「……」

「……」

「……」

 

 ………なんで急に空気重くなるかなー本当に。いやしゃべることは本当にないんだけど。なさすぎてこの状態のままシェルターに移行しちまうぞ本当に。

 いい話題があるわけでもないけど。

 

 ……そう言えば、なんで俺ら無事だったんだろうか。あまりにも疑問に感じていなかったこの出来事。普通アイツに喰われてもおかしくはなかったはずなのに…。誰かが助けたのか?…でも、あの時は全員………

 

 って、ダメだダメだ。思い出しただけでもぞっとする。できる限りあんな状況は思い出したくない。それってただ単に逃げてるってことになるけど、思い出したら、本当に嫌な感じしか思い浮かばない。

 

 とりあえずこの重たい雰囲気をなんとかしたい。ジョウトは下向いちまったし、話しかける相手がヒカイさんしかいない。さっきの疑問をヒカイさんに聞いてみた。

 

「…あのすみませんヒカイさん。……俺ら、なんで生きているんでしょうね」

「…なんでだ?」

「いや……ほら、あのときガトウさん達は別のフロアに行ったんですよね。だったら俺らのことはあんまり察知できていなかったはず…。でしたら、誰が助けたと思います?」

「ふむ……難しい、そして確かな質問だな…。確かにあの時は私達以外にはいなかったはずだ。意識を失い、あの状態でここまで生きているとなると、誰かに助けてもらった……。だがその『誰か』とは誰かと聞かれると難しいな」

 

 考えられることは二つ。一つはガトウさん達が助けたこと。そしてもう一つは第三者が助けたことになる。

 でも第三者って誰だ?キカワさん?でもそうしたら何かいろいろおかしい気がする。

 となると……一体誰だ本当に?

 

「あるいは……ロナ。君かもな」

 

 俺?まさか。あの時俺は…………。

 って、そういやサイキックも発覚したのはあの時だったよな。そしてそのあと技をぶっ放して………。

 

「…そう言えば、誰かの声が聞こえたような…」

 

 そうだ。あの時どっからか声が聞こえた気がする。今となっては誰がどんな声を出したのかは分からない……けど、普通に考えたらその声を出した人物だよな。

 

 ……なんだか知らないけど、その声の主が何故かおぼろげに浮かび上がってくる。一人はでかい人、もう一人は………猫人間?

 

「……ほんと、誰でしょうね」

 

 少なくても俺じゃないのは確かだ。確かにぶっ放して、その後意識を失った。この状態で二人を抱えて脱出できるのは絶対不可能だ。だったらその第三者のおかげだな。

 ………の割にはさっきのように何故だか助けてもらえたはずの二人が容易に思い浮かんでくる。顔はさすがに……だけど本当に外見だけは頭の中で形を作っていく。違和感がないことに違和感だ。……ったく、本当にどうなってんだ……?

 

「……あとでナツメさん達に聞いてみます?」

「ふむ…それもまた一興だな。確かにその場にいたはずの総長たちに聞いた方が早い」

 

 ………ナツメ『さん』……か。どうもイラついてくる。何か忘れてる気がして。なのに思い出せないのがもどかしいのか。分からない。分かるはずがない。

 ………いや、これ以上詮索したところで変わることはないはず。……

 

 はぁ……もういいや。俺は考えることをやめて窓の外を眺めた。赤い花、フロワロ。それらが一面に気持ち悪いぐらいに咲いている。こんな状態だけど……いつか、本当の東京を取り戻したい。それが全く違う東京だとしても……ね。

 

「……ところで本当にジョウトはしゃべらねぇな。まさか車酔いか何かか?」

「……」

 

 シカトかい!?そんなジョウトは窓見たり下見たりと忙しい奴。……逆に酔うんじゃねぇのそれ。

 

「……ロナ。ちょっといいかね?」

 

 ん、ヒカイさんに呼ばれた。………なんだろ急に。俺は返事をしてヒカイさんの次の言葉を待つ。

 

「……お兄さんは大丈夫かね?」

「え……」

 

 兄……?

 

 …

 ……

 ………

 …………

 

 ……………あー……そういやそんなこと言ってたっけ。うっわ、今の今までそういう偽設定忘れてた。

 てか、よく考えると日本全土がドラゴンの巣となっているんだっけ。それで家族のことが不安になるのも確かだよな。

 ………そういや、二人の家族も大丈夫なのかな。……って、まず質問に回答しないとな。

 

「……多分……大丈夫だと思います。連絡とれないけど(というか取る相手もいないけど)、兄だってA級の実力持ってますし、ドラゴンから逃げれる力量ぐらいあるでしょうね」

「ほう?お兄さんはA級か」

 

 ……つか、A級って何だっけ。……ランクのことがあるし、多分だけど、Sの下、A……ってことだよな?つまり……劣化?……まぁ、そうだよな……。

 

「……ヒカイさんの身内も平気……ですかね」

「……」

 

 ……やっべ、変なこと聞いちまった……。ヒカイさんは運転しながらも、ミラー越しに見える顔が少し険しくなった気がする。やたら地雷踏むよな俺……。

 

「あ、あー……だ、大丈夫です……ご、ごめんなさい」

「なら、いいんだがな」

 

 ……はぁ。さらに空気が重くなっちまった……。これ以上何言っても無理っぽいし……しょうがない。おとなしく待とう。

 俺らは特に何事もなく、静かなままで、地下シェルター出入口までやってきた。

 そして何事もなく、無事にシェルター内へ。言うことがなさすぎるな……。

 

============

 

「よっし!すぐにとりかかるぜ!任せとけ!」

 

 と、言って俺らが頑張って取ってきたドラゴンの素材―――以下、Dzと略させてもらう―――を取って作業を開始するムラクモ4班の人達。

 ……結構いるんだね。ムラクモに所属している人は。

 ムラクモ4班の人達は常人には分からない動きで着々と武器や道具を作っていく。……ドラゴンの素材でそんなに作れるもんなんだな。と、納得していた。

 

「……あ、そうだ。ジョウト」

「んだよ?」

「……ニット帽、ありがとな?」

 

 俺は笑顔でそういう。直後、ジョウトが硬直した。

 

「……………あ、アホォ!!オレじゃねーっつーの!!第三者だってーの!!」

 

 ぜってーお前だこれ。動揺しすぎて笑えてくる……が、俺は口を押えて、必死に笑いをこらえた。ところが、別の所から笑い声が。……これヒカイさんだな。

 

「ははははは!!なるほど!これはジョウトが作ったのか!!どうりで何か変わってると思ったら……ははははは!!」

「て、テメーらァ!!!ぶっ殺すぞ!!!」

 

 やっべ、最高!!俺は耐えられずについにバカ笑いしてしまった。だって、あんだけ無感情なジョウトが動揺するだけでも面白いのに、耳まで真っ赤なんだぜ!?ぜひともいろんな人に見せてやりたいよこれ!!

 

「あ、あのーお取込み中すみませんが……」

「ハハハハ……は、ハイ……な、なんすか……」

 

 俺は笑ったままで、ムラクモ4班の一人、レイミを見た。あーやべぇ。久々にバカ笑いしすぎて涙出てきた。

 

「とりあえずできたのでこれを自衛隊の方々に渡してください。お願いしますね?」

「………え、あ、はい!分かりました!!!」

 

 はっやぁ!?てっきりうるさいから説教かと思ったけど、いくらなんでも笑ってる隙に終わるとかどんな技術持っているんですか!?

 俺は動揺しつつも荷物を受け取る。中身は弾丸だとかほとんどだと思うけど、他には武器とかもある。なるほど。弾丸とかだと時間はそんなにかからないね。

 そしてレイミの横から、これまたムラクモ4班の一人の、ワジさんが来た。

 

「それと、お前たち用に武器も作っておいたぞ。余った素材で作ったものだが、ぜひとも使ってやってくれ」

 

 そう言って俺ら一人一人に武器を渡す。……ヒカイさんのはトゲのついたナックル、ジョウトのは黒いチャクラム、そして俺のは……青い刀身のナイフと………ハンドガン?

 

「ロナ、確かキミはトリックスターだっただろう?トリックスターはナイフの他にも銃を使う。折角だから使ってみてくれ」

「わ、わざわざすみません……ありがとうございます」

 

 俺はナイフをしまい込み、二丁のハンドガンの感覚を感じるように手に取る。……確かに、使いこなせそうな感じだ。

 

「それでは、行こうか。ワジさん達、ありがとうございます」

「ワシたちはこれぐらいしかできんが、どうか、健闘を祈る」

 

 ヒカイさんはお礼を言って俺達に、戦場に戻るぞ。と言って先にでる。

 ……戦場か。なんか……緊張と恐怖が混じっているな。

 

「……おいロナ」

 

 ん?何だよジョウト?

 

「もし戦闘中にチャクラムが飛んできたら運が悪かったと思え」

 

 そう言ってジョウトも部屋を出る。

 …………あー……さすがにいじりすぎたかな?

 まぁ、さすがに飛んでくるとは思えないけどな。

 ……やべぇ。思い出しただけでも笑えてくる……けど、俺はギリギリ耐えて部屋を後にする。

 

 部屋を出た俺は、バッタリとナツメさんと出くわす。

 

「あ……ナツメ…さん」

「……ロナ、時間ある?」

 

 ない。俺はそう言うように首を横に振った。

 

「……えぇ。確かに。ごめんなさい。……無事終わったら、相談したいことがあるの」

「……分かりました。……二人もつれてきた方がいいですかね?」

「いいえ。あなた一人で来て頂戴。それは……」

「だったら来ません。その……仲間に隠し事はしたくはないですし、それに……」

 

 どことなく………信用できないし。

 でも俺はそれは言わずに口を閉ざす。そして、それの代わりの言葉を必死に探す。意外にも、すぐに見つかった。

 

「……自分のことなんか、自分が一番分かりません。だから、自分のことについてはあまり触れないでください」

「………そう。分かったわ」

 

 それだけ言うと、ナツメさんはすぐに戻って行ってしまう。……どこかしらに罪悪感はあるけど、でも……。

 

 そう思っている俺の後ろから、ヒカイさんが呼びかけてくる。俺は一旦それらをおいといてヒカイさんたちについていく。

 ……ま、今は、課せられている任務をなんとかするのが先決だよね。絶対に―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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