女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!!   作:エマーコール

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どもどーも。作者でございます。

リアルの方で少々用事が出来てしまい、更新が遅れました(まだ早い方ですけどね)

前置きは(思いつかなかったから)これまでにして、9Szどうぞ!


9Sz 反転都庁

「……すげぇ」

 

 久しぶりに外に出たら、異様な光景が浮かんでいた。

 建物の各種に点在する赤い花、フロワロ。それらが東京を赤く飾っていた、と言っても過言ではないぐらいに咲き誇っていた。

 

「確かにすごいにはすごいが……これは毒素があるらしい。無理に近づくのはよしたほうがいいだろうな」

 

 それはないんじゃないか?俺はそう言った。不思議とヒカイさんがこっちを見た。

 

「だったら外に出た時点でもうやられてます。……けど、こうして無事な辺りは抗体ができたはずです」

 

 それに都庁でも所々で咲いてたし。

 ………にしてもなんともまぁ、すごい光景だな。初めて東京に来た人にはずっとお祭りなのかっておもうぐらいにフロワロがあるし。……いや、のんきなこと考えてる暇はないよな。

 

「それじゃあ……行きましょうか。ヒカイさん。運転お願いします」

「あぁ。乗った乗った」

 

 あ、ちなみに他人から借りた軽自動車な?ちゃんと許可もらいました。……というか、よく軽自動車なんて引っ張って来れたな。不幸中の幸い、というべきかな。

 今回は都庁に行くこと。少し距離があるし、のんびり歩いていたら到底間に合わないし。もちろん寄り道なんかできないし。

 

「………えーっと、一応聞きますが、免許は取っているんですよね?」

「取っていなかったら運転できると思うかね?」

 

 ですよね。

 

 俺達を乗せた軽自動車はそのまま都庁へと進んでいく。

 ……やっぱり辺り一面フロワロだらけだ。この場所には記憶がない―――行かなかっただけ、とも取れる―――けど、なんだか異質な光景で、違和感がありすぎる。元の東京に戻すにはドラゴンを討つことが第一、なんだろうな。

 

「……」

「……」

「……」

 

 ………く、空気が重い…。確かに盛り上がるべき光景じゃないし、そんな雰囲気でもない。

 でも重すぎだろーよいくらなんでも!いや、確かに緊張感は必要だよ必要。でも重い。……話題を出すことなんてもってのほか。…つかこの二人の趣味とかこの世界のモノとか知らないし……。

 

「……あ、あーっと……そう言えば、俺消し炭にしてやるーって言ってましたよね」

「うん?……確かにそれもそうだな。まるでもう一つ能力あるような口ぶりだったな」

「えーっと、そのことなんですが……」

 

 俺は説明した、と同時に車の中で使っても被害がない超能力、『キュア』を発動。確かこれは仲間の疲労とか傷とかを回復させる能力だっけ。それを何気なくヒカイさんに向けた。

 

「……ほう。二重能力か…」

「いや、分かってることはこれだけですし、初めて知ったのは目が覚めた後です」

 

 そもそも何で超能力(サイキック)まで使えるかなー…。あれか。神様の気の利いたサービス、ってか?……だったら最初から説明してくれりゃよかったのに。

 ……いや、説明してくれなかったから俺は戦えるようになったんだ。……あの後体慣らしに短刀を振っただけだけだし、イメトレもしていないので本当に戦えるかどうかは分からない。

 でも戦わなくちゃいけない。戦えなくちゃペテン師だ。二人が戦うってのに、それまで一緒にいた俺も戦わなくちゃいけない。

 

「……ま、頼りにさせてもらう」

「…はい」

 

 ……なんだろ、まだ怒ってるのかな。

 それにさっきからジョウトは黙りまくっているし……

 

「……って、ジョウト?お前大丈夫なのか?」

「…話しかけんなアホ」

 

 えー!?無事なのか確認とろうとしただけなのにアホ言われた!?

 ……あれ、でもなんか気分悪そうな。………いや、そんなまさか。

 

「……ジョウト、もしかして酔ってる?」

「……なわけあるかアホ」

 

 またアホ言われた。もう知らん。俺はそっぽ向いた。……えーっと、俺とジョウトは後部座席に座っている。この状態でジョウトが………。

 

「おいばかやめろ」

「オレなんもしてねぇよ!!!」

 

===============

 

「……着いたな」

 

 やっぱり元と変わらない、じゃないな。どこかしらにフロワロが咲いていて、そして都庁の上を見上げると、どことなく皆既日食を連想させるような球体があった。あれが太陽なのか、月なのかはは分からない。

 いやーそれにしても特に何事もなくやってきてよかった。ま、本番はこれからなんだろうな。

 

「……とりあえず都庁の中に入ろう。そして目的を達成するべきだ」

 

 ヒカイさんが俺達に指示を出す。うなずく。

 ……大丈夫だ。あの時と同じようにやれば足手まといになんかならない。小さなポーチの中に入っている短剣の柄を握りしめながら俺はもう一度気合を入れなおす。

 

 ……初任務だ。絶対に頑張らなくちゃならない。ガトウさん、ナガレさん、キカワさんのためにも……。

 って、そういや、なんだかキカワさんが気になるんだよな……。何故か初対面だし、ガトウさんやナガレさんは初めて会った気がしない。どういうことだ…?

 

「おーい、ビビリさんさっさとこーい」

 

 るせぇぞジョウト!!つか俺は……確かに怖いけど、普通大声で言うか普通!!

 俺は二人の後についていき、都庁に入ろうとする。

 一つ目の自動ドアをくぐり、そして二つ目、ヒカイさんが先行して中に入ろうと―――

 

「ぬおおお!!?」

 

 うわっ!?ヒカイさん!?俺はあわてて都庁の中に入る。…目の錯覚か、何故かヒカイさんは上の方に飛んで行ってしま……

 

「どあっ!?」

 

 うわ!?ちょ、どうなって……!!

 

 ゴンッ!!

 

「つっ……痛て……」

 

 天井に頭ぶつけた……痛い……。

 

「ぐふっ!!」

 

 あ、ジョウトまで落ちてきた………。

 ……落ちてきた?

 ……あれ?

 

「………まさか」

 

 俺は恐る恐る上を見た。そこには、出入口が存在した。

 ……あれ、どうなっているんだ…?俺らはちゃんと入ってきて、それで……。

 

『コール、13班』

 

 あ、ナビちゃんだ。……とりあえず俺は現状を説明する。というか知りたい。都庁の重力が、逆さまになっていることに。

 本来なら地面にあるはずのテーブルが180度回転して天井にくっついている。そして物は本来なら天井と呼べる場所に無造作に散らばっている。……本当にどうなっているんだ?俺が入ってきた都庁とは全く違うような……。

 

『恐らく、ウォークライの仕業でしょう。帝竜の力が都庁に発揮されて重力がめちゃくちゃになっている……。それほどウォークライの力があるのでしょう』

 

 マジか……。

 いくらなんでもすごすぎるだろ。重力反転とか。これを東京、いや、地球全土にわたられたら全員大気圏に突入してお陀仏だ。……言っただけでゾッとするな…。

 

『確認を取ります。今回のロナ達13班の任務はドラゴンの死体から検出できるDzの回収です。下のフロアにドラゴンの反応が複数存在するのでそれらをすべて狩り、無事に持ってきてください』

 

 了解。自分の克服、それに俺達の準備運動にはいいかな……。

 

『では、健闘を祈ります。オーヴァ』

 

 プチンと、通信が切れた。………オーヴァって何の意味があるんだろうか。と頭の中によぎった。まぁ、いいか。

 

「……はぁ、なんというか、酔いそうだな……」

 

 重力反転状態とか、それだけでなんだか勘弁してもらいたい。それにナビちゃん言ってたけど、下のフロアって、つまり上の階ってことだろ?……いや、今は下で……って、わけがわからないよ。

 

「揺れるもんよりかはまだましだろ。……とっとと行こうぜ」

 

 ジョウトが前に出て、大穴の近くに近づく。……そんな深くはなさそうだな。さすがにどうとでもなりそうな予感がする。と。

 

『……よォ。来たんだな新入り達』

 

 …この声、ガトウさんか。

 

「……えぇ。俺らの都庁を取り返すために。それに、ガトウさんが戦っているのにそのまま引きこもってなんかいられませんよ」

『ガハハハ。言うようになったな。……んじゃまぁ……お互い死なないようにな?』

 

 もう援軍はこねぇぞ。とガトウさんは冗談のように言って通信を切った。

 ……リアリティありすぎて怖いんだが。…いや、まだいいほうだろうな。

 ………大丈夫だ。二人がいる。俺に力をくれた二人が。だからこそ、俺は頑張れるはずだ。

 

「……よし、行こう!!」

「あぁ。……安心しろ。前の通りにな」

「ふん。分かってるよオッサン」

 

 

 

 

 

 

 




何言いたいのか分からなくなった……。

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