女ルシェに転生して2020年の東京で運命ごと『かえる』!!   作:エマーコール

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はい初めましての人も初めましての方もこんにちは。エマーコールです。

本当は自分の誕生日(地球の日)に合わせて投稿しようかな、と思ったんですが、フライングして『ななドラ』の転生モノを書かせていただきます。

どうか最後まで見ていただけるとありがたいです!!


あ、ちなみにタイトルの『Sz』の『S』はstoryの『S』です。原作にある『Az』とか『Dz』にかけたものです。

ところで『z』って何の意味なんでしょうね←


Prologue 『無自覚』なる『転生』
0Sz 転生理由


「…………………………これ、何の状況?」

 

 えー……初めまして、なのかな、つかどこに向かってしゃべってんだろ。

 まぁいいや。えーっと、とりあえず、ありのままに話そう。

 現在、天国のような雲の上に、俺と、純白の衣装をまとった男の人がいる。

 ………つまり、どういうことだってばよ?

 

「すまない」

 

 いきなり男が謝ってきた。

 まった。いきなりすぎて何のことか分からねぇ。どういうこと?

 いや、待て待て待て。天国?人のような誰か?え?

 

 …………なにこれ、まさか俺死んだ?

 

「…すまない」

 

 ……………………

 

「まてやぁ!?何で俺死んでるの!?ねぇどういう状況なんだよこれ!!いきなりすぎて怒ったりできなかったぞ!?え!?どういうことなの!?」

「……我が説明する。

 我々神、その争いに一般人であるキミが巻き込まれてしまった。つまるところ……よくある、『手違いで死んでしまった』。ことだ」

「…………」

 

 マジすか。つか、この神様結構責任感あるな……。俺が読んでいる話とかだと神様ははっちゃけた印象な気がするけど。

 いや、まずは……神同士が戦争?何で?

 

「……ただの領地の奪い合いだ。我々はそれぞれの領地があるからこそ、神がいる」

 

 つまり信仰?ってことかな。どこかの某幻想弾幕ごっことかの神様はそんな感じだよな?

 

「あぁ。ある神が信仰を他の神から奪い取ろうとしたために、攻撃を開始した。その際の流れ弾がキミに運悪く当たってしまったのだろう。……本当にすまなかった」

「待った待った!あんt、……じゃなかった。あなたが…えーっと、何故謝るんですか?話からして、神様が悪いわけでは……」

「止められなかった我にも責任がある」

 

 すまない。と、その神様は頭を深々と下げてきた。

 

 ………やべぇ。まじでかっこいい。他人事なのにわざわざ謝りに来た。責任感のある人って、こういうことを言うんだろうな………。

 

 っと、話が逸れた。とりあえず、俺はこの神の戦争に巻き込まれてしまった。その流れ弾が当たって俺はこの世………今は『あの世』か。とおさらばしてしまった。

 となると、予想通りだとこのまま三途の川へ……か。

 

 伝えたかったこと、たくさんあったはずなのに。あっけない終わり方に俺は逆になんだか苛立っていた。

 まぁ、しょうがないか。俺はあきらめて、とりあえず三途の川への行き方を尋ねようとした……が。

 

「それにはおよばない。……キミの身体は今『修復中』だ」

 

 ……修復中?何それ……?

 俺は気になって下を見た。足場としての雲、それだけだった。……ということは……。

 

「今のキミは魂だけの存在だ。むしろ、我々の流れ弾に当たって魂だけ分離したのもすごいことだ」

 

 ……俺褒められてる?どっちでもいいけどさ…。とりあえず、その修復中って何ですか?

 

「言葉通りだ。キミの身体は遺伝子ごとに分離してしまった。だから現在我の部下がその身体を一から修復している。肉体だけだが、その中にキミが入ればまた元通り生きられる」

 

 ……わざわざ赤の他人にここまで献身的なんて。俺はその姿勢に涙が出そうになったが、出ない。魂だけだからだろうか。ともかく、感謝したい。本当に。

 

「だが……」

 

 ………まだ何かあるのだろうか。俺はその神様を見続けていた。

 

「………すまないが、今のキミの魂だけの存在だと、我々が急いで修復したところで、その間中に消えてしまう」

 

 …………え?

 

 つまり『助けられる術なし』?

 

 ……

 ………

 …………

 

 ………………ええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!?

 

 なんで!?え!?意味ないじゃん!?逆に泣きそうだよ!!!

 

「待ってくれ。確かに魂だけの存在では消えてしまう。

 

 

 

 ……………だからこそ、一度『転生』してもらう」

 

 ………まじすか。

 転生たって、どこだろ。某動物だらけの村とか、完全に平和な世界、場所がいいな………。ほら、俺って『一般人』だし…………

 

 …ん?『一般人』?

 

「……すまないが、転生先はこちらで決めさせてもらった。言い方が悪いが、キミの管理、そしてキミの適正に最適な場所を選ぶとなると本当に限られる。だから、勝手ながらこちらで決めさせてもらった」

 

 すまない。とまた頭を下げていた。

 

「…あーいや、いいですよ別に。わざわざ身体の修復をしてもらってますし、それに自分が悪くないのにわざわざ謝りに来てくれたとか、それだけですごいのに、これ以上は望めませんよ」

 

 こんなこと言った俺だけど、内心はどうしてこっちで決めさせてもらえないのかちょっと苛立っていた。だって転生だぜ?折角だから平和なところに行きたいし。そうすれば、死なないし。あ、でも転生して死んだらまた魂になるのか?

 とにかく、俺はどこに行くのか訊ねた。神様は言う。

 

「場所は2020年の東京。だが、キミの知る東京ではない。その東京、いや、世界は『マモノ』であふれている世界だ」

 

 …………まじですか。東京、と聞いただけで嬉しかったのに話が進むにつれてテンションが下がってしまった。何でそんな物騒なところに転生するんですか。

 

「そしてキミは女性になってもらう」

 

 なぁぁんだそりゃあああ!!!

 

 俺は男だぞ!!!何で女になってそんな物騒な世界に行くんだよ!!だったらこのまま消えた方がいいし!!

 

「ただの女性ではない。普通のヒトではない女性だ。………『ルシェ』、と呼ばれる種族。キミはそれになってもらう」

 

 無視ですかそーですか。

 ………ん?ルシェ?聞いたことあるような……どこでだ?

 

 …あれ、そもそも何で思い出せないんだ?流れ弾が頭に当たったのか?いや、俺はちゃんと自分の名前は覚えているし……………………。

 

 ……逆に言えばそれしか思い出せないんですが。どういうことなの…。

 

「…キミが望めばその世界に転生してもらおうと思う。このまま消えるも転生するもよし。………どうだ?」

 

 ……まじで勘弁してもらいたいんですけど。

 今までのカッコ良さから一転、こっちの心情すらも無視してどんどん勝手に制限だらけのぶっそうな世界に女として転生してしまう。

 

 …えーっと、その前に一つ。転生して死んだらどうなるの?

 

「消滅する」

 

 嘘だそんなことー!?

 

「先ほど言ったはずだ。キミの身体はかろうじて魂と分離して遺伝子レベルで消滅した。そしてこれから先は魂が実体を持って動くことになる」

 

 つまり、コンティニューできないのさ!ってことか…………………。

 え?じゃあなんで身体の元通りにできないの?魂が実体持つならそれだって可能じゃないのか?

 

「キミの魂が実体をもつために転生してもらわなくてはならない。………言い忘れたが、キミの身体が修復し次第、すぐに元通りの生活に戻ってもらう」

 

 あーあれか。身体が元通りになるまでとりあえず転生して、そして元通りになったら戻ってくる。

 

 …………つまり死ななければいいってことか。

 

 …嫌だけど。そりゃまぁ……嫌だけど。いろいろと。平和に生きたいし、そんな場所に行きたくもない。

 

 でも、こんなところで消えるのもヤだな。まだ人生満喫してないと思うし。

 

 だから、俺は望んだ。

 

「転生させてください」と。

 

「……承知した」

 

 神様はそれだけ言うと、瞬間的に俺は何処かへと意識ごと吸い込まれていった。

 これが転生か。あんまり痛みとか苦しみとか明るいとか暗いとか、そんな感覚とか全部ないけど……。

 

 とりあえず、今しばらくは俺の世界とお別れだ。グッバイ。俺の故郷。身体が戻り次第帰ってきます。っと。

 

 そう言えば、他にも言いたいことあった気がするけど、それよりも早く俺の意識はなくなっていった。

 そんな意識の中で、俺がこの場で最後に見たもの。それは例の神様が「すまない」と言っている光景だった。

 

 謝りすぎですよいくらなんでも。…神様なんですから、もっと堂々としてください。

 

 ……届いたかな。俺の言葉。答えは神のみぞ知る…てか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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