〈※凍結中〉IS インフィニット・ストラトス 高専生がIS世界に転生!?   作:瑞翼 翔

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 さて、6話です。一つだけ言っていいですか?珍しく、一月に2話分投稿できました!

では、第6話をどうぞ!


FRAME-05 大事なときに居ない人っているよね

修治side

 どうも、神上修治です。今日は10月の中頃。今ごろドイツでは、第二回モンドグロッソが行われています。

 

(そういえば、原作では一夏が誘拐されるんだったなあ)

 

 ちなみに俺はそういうときに限ってインフルエンザに罹っているので、ただいま絶賛隔離中。勿論、外出は厳禁です。看病してくれているのは、なんと束さんです。そして、料理を作ってくれているのは薫さんと莉央さんです。ん?束さんは料理を作らないのかって?あの人、料理じゃなくて炭か生物兵器作っちゃうから、台所に立たせられないんだよ。

 

ガチャ

 

「修くん、どお?体の具合」

「まあまあです、げほげほ」

「う~ん、もう少し頑張れ!修くん」

「ありがとうございます。それで、『例の件』どうなりましたか?」

「ああ、あれね。ゴーレムを向かわせて、今頃社会的にも物理的にも抹殺していると思うよ」

 

 『例の件』というのは、一夏を誘拐する予定の皆さんを一夏の誘拐前に土の下に送るということである。ほら、そこ!俺の事腹黒いとか言うな!

 

 そういえば、俺のもう一つの専用機も作っておいた。しかも、俺の作ったISのコアを積んだ機体。名前は『クアンタ』。待機状態は、左腕に着けたエメラルドグリーンの腕輪。

 

「そうですか。ありがとうございます」

「い~の、い~の。もしいっくんが誘拐されることになったら私もちーちゃんも黙ってないから、その芽を早めに摘めてよかったと思うよ」

 

そう言って束さんはドアを閉めた。にしても、暇だな~。

 

 そう思ってると、ドアの前で、

「もしもし、ちーちゃん、どったの?………ふんふん……………………………ちょ、落ち着いて!………………えっそれ本当!?……………うん。修くんにも伝えとく。………………………うん。分かった。それじゃ、切るよ…」

という会話が聞こえた。

 

そして、ドアが開かれ、束さんが現れた。しかし、いつもつけているうさ耳カチューシャが垂れ下がってしまっていた。

 

「修くん。いっくんが誘拐された」

「えっ!?」

 

(一夏の誘拐を未然に防いだのになぜこういうこととなった。いや、待て。もしかして、俺と響以外にも転生者がいる(・・・・・・)?もしそうだとして、仮に俺にとってどういう立場になるのか?こういうときは、最悪のパターンを想定すべきか。そうなると――――)

 

「『亡國機業』」

「?」

「束さん。俺の案で抹殺した連中と密に連絡していたところを調べられる?」

「勿論。すぐに調べるね」

 

 そう言って、束さんは俺の隣室である自室へと向かう。俺は、考察を続ける。

 

(仮にそうすると、向こうも専用機を持っているだろう。薫さん達を向かわせても良いが、束さんに料理をさせるのは危険すぎる。そうすると、道は一つしかない、か)

 

「修くん。調べたよ」

「ありがとうございます。それで、結果は?」

「さっき修くんが言った『亡國機業』――正確には『ファントム・タスク』っていうみたいだけどね――それが関わっていたみたい」

「やっぱりそうですか」

 

 時刻は1530。時差はおよそ七時間だからドイツは0830だな。

 

「なら、束さん。千冬さんに電話してこう伝えてください。『試合に出て』」

「判ったよ。でも……」

 

俺は、運命に抗えないからといって諦めたくはない。

 

「動かせる駒がいないんだったら自分が動きますよ、束さん」

 

抗えないくらい強大な力であっても、抗って砕ければいい。

 

修治side out

 

束side

えっ、修くん今何て言った?

ちーちゃんに『試合に出て』って?

 

「判ったよ。でも……」

 

私にはこういう風にしか言葉を紡ぐしかできなかった。だけど、修くんはその言葉に続けてこう言った。

 

「動かせる駒がいないんだったら自分が動きますよ、束さん」

 

修くん。君は何を考えているんだい。

 

束side out

 

修治side

 俺がそういうと、束さんが驚いた顔をした。

「な、何を考えているの!?君、インフルエンザなんだよ!?なのに、どうやっていっくんを助けるつもりなの!?」

「束さん、一つ質問なんだけどさ」

「何」

「RX-0の『フェネクス』の外装って何?」

「生体同調機能を付与させた多重ナノ結合ハイブリッドハニカム装甲」

「その生体同調の機能は?」

「命に関わる怪我や病気であったとしても、装甲内のナノマシンによって修復、治癒する機能……って!?」

「そういうことです。それなら問題ないでしょう」

「ハァ~。修くんの発想って結構ブッ飛んでるとき有るけど、ここまでとは……」

 

貴女には言われたくないです。

 

「では、行っていいですか?」

「いいよ。だけど、一つだけ約束して。絶対にいっくんを助けて」

「勿論です。では、行ってきます」

 

 そう言って、俺は自室の窓を開け、外に出るとRX-0の『フェネクス』を展開し、その上で『FAパック』を装備し、出現した三枚のシールドにアームドアーマーDEを、追加でコールした三枚のシールド全てにビームガトリング、ハイパービームジャベリンをコールした後にアームドアーマーDEをコールした。そして、動作確認を行った後で、ドイツに向かって飛翔した。

 

修治side out

 

一夏side

 よっす。俺は織斑一夏。今俺はドイツにいるのだが、

 

(ここ、どこ?)

 

 今俺は、黒服の男達にミニバンに押し込まれ、その上目隠しまでされている。まあ俗に言う誘拐っていうものによって何処かにいる。

 

 だが、少し普通と違うと思うのは(と言っても、これが初めてなんだが)、身代金目当てで誘拐したっていう雰囲気ではなくて、何か少しだけ嫌な予感がするんだ。例えて言うならば、背中にナイフを突きつけられている感覚。どうしよう、この状態。

 

一夏side out

 

修治side

 およそ1時間経ち、現在ドイツ上空。4か国の領空を通り、その度に撒いてきました。ちなみに、一番しつこかったのはロシアだったりする。さて、一夏を探しますか。

 

「修くん、ゴーレムがいっくんを見つけたよ。場所を転送するね」

 

 束さんから通信が入り、一夏が誘拐されて連れ込まれた場所が地図上に現れる。俺はその場所に向かって全速力で空を駆ける。

 

(千冬さんが決勝戦に出たことで連中は一夏を用無しとして処分するだろう。一夏が居てこその『IS』だ。それを無視するとか本末転倒じゃないか!)

 

『それならオレ様が力を貸してやろうか?』

 

(ああ、誰だっていい。一夏を助けるなら悪魔だろうが鬼だろうが関係ない!力を貸してくれ!)

 

『決まりだ。まずはこの機体の能力を全て解放する!』

 

RX-0 Compliance rate:150% over.

Versus gravity ability:Check the highest value breakthrough.

PCYCHO-Frame:No damage.

Do you stop the man?

YES or NO

 

 謎の声が聞こえた後、機体のモニターにこのような文章が浮かんできた。

 

「ああ辞めてやるよ、人間。この世界を護るためにだったらな」

 

The word was received with YES.

Destroy-mode boot.

 

 モニターにこの言葉が浮かんだ瞬間、自分の額から電撃が走って機体が止まり、変化が起きた。装甲の継ぎ目から虹色の光が発生し、モニターに『NT-D』と浮かぶと同時に脚部、腕部、胴体が伸長し、肩と腰部の装甲板がスライド、バックパックからはビームサーベルが展開し、スラスターが出現。頭部では側面が回転しフェイスガードが収納され二つの目が出現し、RX-0の特徴である一本角が二つに割れた。変化は本体だけではなかった。機体の周りに浮いている六枚のシールドが上下に割れて伸長し、装甲板が内部から展開、そして中央には『Iフィールド発生装置』が常時露出した状態になった。

 

(そうか、これが能力の全ての発現した姿。『Destroy-mode』)

 

 そう思い、機体のコンディションを確認した後、先ほどとは速度が段違いとなったRX-0で空を駆ける。

 

ただ、俺はまだ知らなかった。この光景を地上から見ている銀髪の少女(・・・・・)がいることに。

 

修治side out

 

千冬side

 一夏が誘拐されるなんて考えられなかった。だが束にに聞いたところ、修治が助けに行ったらしい。インフルエンザなのにそれを押して助けに行ったんだ。それなのに私がこれ(モンドグロッソ)をがんばらないと、意味がない。それに、修治が助けに行ったんだ。私でも一度も勝てなかった(・・・・・・・・・)あいつが。なら、大丈夫だろう。私は自分が今までしたことを信じてそれを出せば優勝できる。よし、頑張ろう。

 

『We now go to the finals. Please start preparing athletes.』

 

 決勝戦の準備を始めるように選手に告げるアナウンスが鳴った。さて、私は気持ちを切り替えて頑張りましょうか。

 

千冬side out




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