〈※凍結中〉IS インフィニット・ストラトス 高専生がIS世界に転生!?   作:瑞翼 翔

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 お久しぶりです。取り敢えず生きています。さて、皆様。今回は初めての短編にしています。多分、読み進めていくうちに察する人もいるかもしれない伏線があります。それでは、どうぞ!

P.S.一部人物名に関しては、構想中の小説の人物名を使用しています。


SIDE-STORY Savior Phoenix

――これは、IS世界でも神上修治がもといた世界でもない、もう一つの世界の話――

 

 

 

 日本の広島にある岩国基地。そこの庁舎にある執務室に二人の男がいた。

 

「―――それでいいのか?」

「はい。元はといえば自分が南西諸島の天候をよく確認していなかったが故です」

「気に病むことはない。どうも()()()()は突発的なものだったらしい」

「しかし、提督――」

「だが、不思議なのだよ。常崎君。()()()()が無いのにも関わらず、何故()()が行方不明なのか。そして、()()と共に濃霧へ入ってしまった()()()()()は何故帰還できたのか、というところが」

 

 

 事の発端は、約九時間前に執務室に入った情報からである

『南西諸島ニテ濃霧ガ発生。鼠輸送中ノ駆逐隊、之レニ突入ス。ナホ、近クニ敵ノ反応無シ』

 

 この数分後、濃霧に突入してしまった駆逐隊の旗艦から無線で連絡が入った。

『我、濃霧カラ脱出セリ。ダガ、一隻ガ応答無シ。捜索隊ノ派遣ヲ乞フ』

 

 その連絡を受け、提督――白石昴は、軽空母、軽巡洋艦、潜水艦から成る捜索隊を派遣し、駆逐艦()()の行方を探した。結果として――

 

()()の行方は不明。周辺海域にも艤装の残骸や破片はなく、その上、敵の残骸も見つからなかった。事実に相違はないな」

「はい。ですから、自分は大切な艦を行方不明にしてしまった責を取って、遠征統括の任を降りたいと思います。」

 

「ふむ。私も君の来るほんの10分前まではそのつもりだった。だが、たった10分で状況は変わった。これを見てくれ」

 

 そう言って昴が取り出したのは縦長の八面体のクリスタル様の物体であった。

 

「これは…?」

「伊58が()()の消失点からたった200メートルしか離れていないところで見つけたものだ。最初、私はただのごみだと思った。だが、どうも私の勘がこれを調べるべきだと告げてね、人見くんに調べてもらったんだ。その調査結果が来たのが君の来る10分前だ」

「それで、結果は…?」

「結果なのだが、どうやらこれはかなりスペックが半端無いコンピューターのようなものらしい」

「この透明なのがですか?」

「ああ、そうらしい。最初は私も信じられなかったよ。だが、『篠ノ之束』という名前を聞いたとき、すべてが繋がったよ」

「誰でしょうか?その人は。それに、そんなにすごいものがあるのでしたら、何故私たちは知らないのでしょうか?」

「質問は二つだな。まず一つ目の質問である、『篠ノ之束』が誰なのか、についてだが、そもそも『インフィニット・ストラトス』というアニメを知っているか?」

「いいえ、知りません。それがどうこの話と繋がるのでしょうか?」

「実はな、『篠ノ之束』は、そのアニメの登場人物なのだよ」

「まさか。そんなことあるはず無いじゃないですか」

 

常崎はそう言った。だが、それを否定したのは、昴のとなりにいた黒いセーラー服を着た金髪で、髪が長く下の方でその長い髪を二つに結んだ()()であった。

 

「それが案外あり得る話なんだよ。この宇宙とは別の宇宙――簡単に言ってしまうとパラレルワールドだね。――それがごくたまにこちらの宇宙と重なってしまうことがあるんだ。そして、そこに迷い込んだこちらの宇宙の人もいる。その現象のことを昔の人は『神隠し』ってよんだんだ。さらに、場合によっては、向こうの技術がこちらに()()()()こちらに伝わることもあるのさ。ボクとしては、電子レンジがそうなんじゃないかなって思うんだ。だって、何十年経ってもほぼ同じ大きさのままだし。少し話が逸れちゃったね。それで、この宇宙と向こうの宇宙とが重なるときに、極めて稀にその宇宙世界の地球の光景を感じて、それを本にして出版した人もいるんだ。それの有名な作品が――」

 

 ここで、その少女が言葉を区切り、その続きを昴が言う。

 

「『H.P.ラヴクラフト』の『クトゥルー神話』なのさ」

 

「一応は、それで納得しますが、その『インフィニットストラトス』はどのような話なんでしょうか?」

 

「まず、篠ノ之束がインフィニットストラトスというパワードスーツを開発した。――今後はインフィニットストラトスをISと省略させてもらうが――しかし、それには一つ大きな欠点があった。女性しか動かせなかったんだ。そして、社会は女尊男卑に傾いた。そして、物語が大きく動くのは十年後に一人の男性が出てきたことだ。名前を『織斑一夏』という。彼がISを動かした、ということはどういうことになるかというと、まあ簡単に言うと、どっかのマッドな科学者によって細胞の隅々まで調べられて、用が済んだら()()()()()っていうことになるわけだから、日本政府は『IS学園』っていう百パーセント女子しかいないISを学ぶ学園に強制的に入学させて、そこで起こるドタバタを描くハイスピード学園ラブコメのことだよ」

 

「なるほど…って、『艦娘』と同じじゃないですか!?」

「その通りだ。だから、『Верный』も早く順応するんじゃないのかと思うんだ」

 

「そうですか。それで、自分の処遇はどうなるのでしょうか?」

「まあ、体面のことを考えると……二ヶ月の減給処分かな。」

「有難う御座います!」

「だが、この事は私と常崎君とあと()()()()だけの秘密として箝口令を敷く」

「もう一人というのは?」

「大湊に私の高校時代の友達で大学で工学系を学んだ後に防大に入った奴がいるんだが、そいつに詳しい解析を頼んだ」

「その人は信頼できるんですか?」

「勿論だ」

「名前は?」

「松山薫少佐だ」

 

 

――この世界の歯車も嵌まり、廻っていく――




次の話はIS世界の話に戻ります。
ご指摘、ご感想お待ちしています。

5月29日 前書き、後書きの修正
6月9日 一部修正

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