〈※凍結中〉IS インフィニット・ストラトス 高専生がIS世界に転生!? 作:瑞翼 翔
前置きが長くなってしまいましたが、『IS インフィニット・ストラトス高専生がIS世界に転生!?』第三話、抜錨!
修治side
どうも、神上修治です。ISの世界に転生して、小学校から人生やり直しています。すごく勉強が退屈です。なぜかって?こっちがわかっていることを、ダラダラと聞かされているからだよ。某メガネの少年探偵の気持ちがすごく分かるよ。本っ当、テストがちょろ過ぎてすぐに終わっちゃいます。時間が余ったので、寝ます。そして、テストが終わった後に、そのことについて担任のBB…もとい、先生に怒られます。それをいつも聞き流しています。そして、言い忘れていましたが、今も怒られています。
「―――――分かりましたね!」
「はい」
あ。今気づきました。聞き流しても、ある程度はつなげられました。驚きです。
「戻っていいよ。神上くん」
(テメエに『くん』付けされる筋合いねえよ。BBA)
そう思いつつ、自分の席へと戻ります。席に座ったら、机の中からいつも読んでる『龍●がゆく』を読もうとした時、
「しんじょう……くん?」
と声をかけられた。なので、俺は声が発せられた方向を向いた。
「織斑か、どうしたんだ?」
「オレのことは『いちか』でいいよ。しんじょうくん」
「だったら俺のことも修治でいいぞ、一夏。それで、どうしたの?」
「あのな、べんきょうおしえてほしいんだ」
おおう。急にタメった。ま、いっか。ちなみに、さっきから俺が話しているのは、読者の皆さんがお察しの通り、織斑一夏。勿論ご存知原作主人公。
「おう、いいぞ。見せて」
「ありがとう」
そういって一夏は教科書を渡してきた。
(確か、今は43ページやってるよなぁ)
と思ってぺらぺらと教科書をめくって行って、43ページに着いた。
(ふんふん、素因数分解かぁ~。どう教えたら一夏が理解してくれるかなぁ~。ん?ちょい待ちぃ)
俺は、この教科書に感じた違和感に対する仮説を立証するため、教科書の表紙を見た。検証の結果、仮説通り、そこには、『数学 三』と書かれていた。まあ、俺が渡されたときに気づけよって話なんだけどな。
「なぁ、一夏。なんで中三の教科書持って来てるんだ?」
「えっ、ウソ!」
オレの手から教科書を取り、一夏は見ていった。
「……ほんとうだ。ちふゆおねえちゃんのきょうかしょもってきちゃった!」
「じゃあ、お姉さん困ってんじゃない?」
「でも、おねえちゃんこーこーせーだよ」
「そうなのか。じゃあ、一夏の算数の教科書ってどこにあるの?」
「たぶん、いえだとおもう」
「そうか…。じゃあ、先生に教科書忘れたこと言ってきたら?」
「わかった」
そういって一夏は先生の所へ行った。
(そういえば、母さん大丈夫かな?暁たちの世話)
そう思いつつ、『●馬がゆく』を読んでいると、
キーンコーンカーンコーン
昼休みが終わった。それにしても、小学校って昼休みが終わってから五時限目が始まるまでの間が何で五分多いんだろう?
そうして、退屈な日々が過ぎていく。
(つーか、俺って対人スキル低くね?)
……。明日からは、しっかりと人と遊ぼうか。やっぱり。
(それにしても、やはり俺の見立ては正しかったな。俺の妹たち、艦これの第六駆逐隊の四人だもん。まあ、名前はそっちからとっているのはナイショだけどね)
それから、およそ四年が過ぎた八月の十五日。それは俺の十回目の誕生日の前日。俺は夏休み真っ只中のため、一日中家で妹たちと遊んでいる。―――――宿題…?いえ、知らない子ですね。
暁、雷、電と俺が遊び、響がひとりで本を読んでいる。
(響、何読んでるのかな~?)
と思って響の方を見ていると、
「おにいちゃんは、いなづまたちとあそぶのです!」
「そうよ、それに、れでぃのいるまえでほかのひとをみるのは、しつれいなことなのよ!」
暁と電に両頬を引っ張られた。
(果たして、これは教育をミスったというわけではないよな…。三歳児が『レディ』という単語を使っているということは)
そうして、妹たちと遊んでいて、ふと時計を見るとお昼近くになっていた。
「さて、と。お兄ちゃんはご飯を作るから、待っててね」
と言って俺は台所に行こうとした。すると、
「おにいちゃん、わたしにたよってもいいのよ」
雷がそういった。それにのっかるように電が
「いなづまもほんきでたすけるのです!」
といってきた。
(うーん。この積極性を喜ぶべきか、はたまた危なっかしいと思うか。それが問題だ。さて、と。昼飯どうしよう)
俺がそう考えていると、
ピンポーン!
(ん?こんな時間に誰だ?)
そう思いつつ、俺は妹たちに、
「絶対玄関には出てくるなよ~」
と言ってから、玄関のドアのカギを一番上以外、外してからドアを開けた。すると、
「なんだ、一夏か」
「おう。どうしたんだ?」
「それはこっちのセリフだ」
「わりぃ。飯作ってくれ」
「またか…。まあ、いいけど。ちょうど今から作ろうと思っていたところだし」
「そうか!よかった~」
「そうだ、千冬さんいる?」
「おう。それがどうした?」
「なんだ?私がいるとダメか?」
ドアの陰から長門…じゃなくて、千冬さんが出てきた。
「いえ。ただ、人数の把握をしておかないと分量がわからなくなるので」
「それもそうか。すまない。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。では、立ち話もなんですし、中入ります?」
そういって、一度ドアを閉めて、一番上のドアロックを外し、またドアを開けた。
「どうぞ」
「「お邪魔します」」
そういってはいる織斑姉妹。そう言えば、今思ったことなんだが、よく学校側から渡される、『夏休みの決まり』なるプリントがあるのだが、その中に『親のいない家に遊びに行くな』っていう文言があるのだが、ムリじゃね?守るの。まあ、作者さんは守っているらしいがな。そもそも、あの人ボッチ状態らしいし。
それはおいとくとして、俺の家に入った織斑姉妹を暁、雷、電が出迎え、響だけがそっちの方を見てまた本の方に目を落とした。
(これこれ、挨拶くらいしとけよ、響。もしかして、人見知り?いや、何回も一夏は来てるはずだが…。あ、千冬さん?千冬さんに人見知りしてるのか?響)
シスコンだと!?冗談じゃないわ!俺はただ単に妹たちの先のことを考えてだな………。
「どうしたんだ?修治」
「すまんな。少し考え事してた。昼飯はそうめんでいいか~?」
「ええ~また~?」
「そうめんはもうあきたのです!」
雷と電が反対し、
「あかつきはれでぃだから、おにいちゃんがきめたことにはしたがうわ!」
「хорошо(すばらしい)」
暁と響が賛成した。つーか、響にロシア語教えたの誰さ?俺しか家族の中でロシア語訳せる人いないから、父さんたちは?マーク浮かべるだけなんだが……。そういえば、去年買った日露辞典どこ行ったんだろ?
「なんで、またそうめんなのよ!」
「今の時期にそうめんを片付けないといけないからだよ」
「じゃあ、ふゆににゅうめんたべればいいのです!」
「それもそうなんだが、大人数になったからそうめんにしないといけないんだよ。手間があんまりかからないから」
「「それならしょうがない(わ)(のです)」」
やっぱり双子だね。こういうことで声がそろうのは。
「分かってくれたんだったらいいよ。それじゃあ、作ってくるよ」
「俺も手伝うよ」
「悪いな、客なのに」
「いいよ。俺は良く修治の家に飯食べさせてもらっているいるから、こういう時にその分の恩を返したいんだよ」
「そうか。なら、早く作るぞ」
そういって、俺たちはそうめんを作り(と言っても茹でて麺をざるに出して冷水で冷やして、つゆを作るだけだけど)、リビングへと持って行った。
「できたぞ~。響は本を片付けとけよ~。こら、雷電!今から新しい遊びを始めるな!」
「「名前をまとめないで(なのです)!」」
「すまんな」
そう言いつつ、そうめんをテーブルへ置いていく。そして、一夏がつゆを2つ持ってくる。
(これ、お盆で持って行った方がよくね?)
と思ったので、俺は台所へ行き、残っているつゆをお盆にのっけて持っていった。
そして、各席へとつゆを置いて行って、各々が全員席に着いたところで、
「それじゃあ、いただきます」
「「「「「「いただきます!」」」」」」
そして、俺たちはそうめんを食べ進めていき、しばらくして、全員がそうめんを食べ終わろうかという時に、
ガチャッ!
「ただいま~」
「あ、母さん。お帰り~」
母さんが会社の昼休みに帰ってきた。そして、リビングへと向かわず、台所へと向かい(うちは、玄関と台所が引き戸でつながっているタイプである)、帰り道に買ってきたのであろう食材を冷蔵庫に入れ、リビングへと来た。
「あら、一夏君と千冬ちゃん来てたの?」
「「お邪魔しています」」
「そう固くならないで。そうだ、暁たちはどう?修」
「うん、大丈夫。ケンカもなかったし」
「そう。それなら良かった。そういえば、千冬ちゃん。モンド・グロッソ優勝おめでとう」
「ありがとうございます。おばさん」
「それにしても千冬ちゃん。試合観てて思ったんだけど、『暮桜』っていうんだっけ?あれって太刀しか搭載していないの?」
「まあ、そうですね。ワンオフアビリティの方に容量使っているので」
「そうなの!?だったら、遠距離の敵を倒すときはどうしてるの?」
「近づいて一刀両断していますね」
「よくそんな戦術で勝てたね」
「自分でも驚いていますよ」
「そうなのね……。話は変わるけど、修。学校の宿題ちゃんとやってる?」
おおう。急に話、俺に振られた。
「うん。もう終わってるよ」
「それならいいわ。それで、一夏君は?」
そういって母さんは一夏の方を見た。すると一夏は母さんから目をそむけた。
(まさかとは思うが……)
「まさかお前、宿題やってないとか言わないよな……」
「え?やってないけど?しゅ―――ぐえっ!」
千冬さんのチョップが一夏の喉にクリティカル!一夏は50のダメージを受けた。
「一夏、お前はカ●オかよ!」
つい、某ご長寿アニメの坊主頭の小学五年生の名前を口走ってしまった。反省。反省。
「いま、ふせじがはいったのです」
「さくしゃ、ちょさくけんにふれるのこわがっているみたい。だから、なんかいもこのしょうせつすいこうしてるのよ。まあ、そのおかげでとうこうがおくれているみたいだけれども」
「Извините(すまなかった)、さくしゃさんもそういってる」
「しっかし、だれにむけてはなしてるのかしら?」
「このさくひんをみているどくしゃのかたがたにむけてなのです!」
「Спасибо(ありがとう)、こんなちせつなぶんをよんでくれて」
どうしよう。一夏のことも心配だけど、うちの妹たちもメタ発言バンバン出していることも、別の意味でかなり心配だ。
「一夏、俺たちの夏休み、後10日しかないぞ」
「うえっ!マジで!?」
「マジだぞ。しょうがない。俺の貸そうかな。ただし!」
「きよみ?」
「何ぞ?その返しは」
「ん~、何となく?それで?」
「今すぐ宿題すべてここにもってこい。ここでやるぞ」
「分かった」
「一夏、早くとってこい。さもなくば死ね」
(うわぁ、実の弟に言うセリフか?これ)
そのような事を思いつつ、暁たちに声をかける。
「俺たち此処で勉強するから、部屋で遊んでて」
「「「わかった(わ)(のです)」」」
「りょうかい」
そういって暁たちは部屋へと戻って行き、一夏は宿題を取りに行った。
「それじゃ、私は仕事に戻るから。午後も暁たちのこと、よろしくね」
「あれ?母さん。昼ご飯食べたの?」
「帰ってくる途中で食べて来たわ」
「そう、それなら良かった。行ってらっしゃい」
「いってきます」
そう言い、玄関のドアを開け、母さんは外に出ようとした――――が。
ビターンッ!
「母さん、大丈夫?」
コンクリに躓いて盛大にコケた。
「うん、大丈夫よ、修。いつものことだから。改めて、行ってくるわね」
そう言い、今度は転ばずに歩いて行った。
リビングに戻ったら千冬さんが煎餅食べていた。
「千冬さん………。なにくつろいでるんですか?」
「ああ、済まないな。ところで、おばさんっていつもあんな感じなのか?」
「まあ、はい。でも、母さんが高校生の時、登校中に転びそうになった時に受け止めてくれた人がいてくれて、それがどうやら、父さんらしいんです」
「なんだその少女漫画チックな話は」
「そう思いますよね。でも、現実は小説よりも奇なりとよく言いますし」
「まあな」
千冬さんと談笑していたら、一夏が戻ってきたんだが……。
「箒、どうしたんだ?」
箒もいたのだ。地味に驚いた。
「わ、私も宿題終わっていないのだ!だから…、その、何だ…」
あ~。察した。とどのつまり、『勉強という口実で一夏と二人っきりになりたい!』ということか。一夏よ、もう少し女心考えろよ。年長者からの教えです。
「分かった。なら、一夏と箒はここに座れ」
そういって、俺は
「千冬さん、この後予定ありますか?」
「いや、な…。あったな、そういえば。私はそろそろ帰る。一夏、修治と篠ノ之に迷惑をかけるなよ」
千冬さんはそういった後に俺の方へと向かってきて、小声で話しかけてきた。
「修治、篠ノ之のフォロー頼むぞ」
「了解です」
「しかし、一夏は女心というものを知らんな」
「全くです」
ここまで言ったところで千冬さんは離れ、
「ではな」
と言って出て行った。
「さて、と。一夏、お前がわからないところは箒に聞け。箒もわからなかったら俺に聞けよ。というわけで俺は二階にいる」
そういって俺は二階へと向かった。
(さて、と。妹たちと遊ぼうにも、一夏たちの勉強を見ないといけないしな~。あ、そうだ!『大和』建造しよう!)
というわけで、部屋に入りクローゼットの中から、デカい箱の赤と青の星がついた『大和』のプラモデル(旧版)を出し、箱を開けた。
(旧式のプラモデルだけれども、やっぱりいいな~、大和は。というか、前世でこれ買いに行った帰りにトラックに轢かれて死んだんだよな~。だって、その時にはもうほとんど売ってなかったんだよ!ガチで)
そのような事を思いつつ、ランナーからパーツを切り、接着していく。ちなみに、俺は塗装に関しては組み途中にする派だ。作者は先にする派のようだ。
(大和って、就役した時と沈没した時とでかなり印象違うんだよね~、印象が。俺は、沈没した時の方がかっこいいと思うんだよね。だって、高角砲や機銃がたくさんある方がカッコ良くない?)
ちなみに、クローゼットの中には旧日本軍艦船のプラモとして『大和(1/350)』の他にも、『大和(1/700)』、『矢矧(1/700)』、『霞(1/700)』、『初霜(1/700)』、『朝霜(1/700)』『磯風(1/700)』、『浜風(1/700)』『冬月(1/700)』、『涼月(1/700)』それと『雪風(1/700)』が入っている。要は、『坊ノ岬沖組』だ。それに加えて、『夕張(1/700)』と『島風(1/700)』が入っている。飛行機は、『ラファール』、『F-35』、『F-22』、『心神(仮)』、『零式艦上戦闘機21型丙』、それに『烈風』がある。自衛艦としては、『いかづち』、『いなづま』、『ひゅうが』、『いせ』、『いずも』、『かが』がある。戦車としては、『10式戦車』がある。ほら、そこ!積みプラ常習者とかいうな!
そのような事を思いつつ、大和を組みあげていく。そして20分くらい経った頃に、階段を上がってくる音が聞こえてきた。
「修治、わからないところがあるのだが…」
(箒か。聞きに来たのは)
そう思って、接着剤と塗料の入った瓶のふたをしっかり閉めているのを確認してからからドアを開けた。
「説明するから下に降りるよ」
「わかった」
そうして、箒と一緒に一階へと降りて行った。
「それで、どこがわからないんだ?」
「ここなのだが…」
そこは、数学もとい算数の、面積を求める問題だった。しかも応用を利かせないといけないタイプの。だが、俺にとっては朝飯前だ。
俺は、一夏と箒に丁寧に、そしてわかりやすくその問題について解説していった。すると、一夏と箒の持っていた鉛筆がさらさらと進んでいった。
「すげえ、解けた!」
「ありがとう、修治」
「どういたしまして。さあ、次の問題も解いて行け。特に一夏、お前はほとんど宿題やってないらしいから、口よりも手を動かせ。そして、死ぬ気でやれよ。死なないから」
そう言い残し、俺は台所へと行く。なぜなら、暁たちにおやつを作らないといけないからである。今日はプリンを作ろうと思う。
材料は、卵3個、砂糖60グラム、牛乳400ミリリットル、バニラエッセンス少量、バター少量、カラメルソースとしての砂糖50グラム、水が45ミリリットル、それにお湯である(6人分)。用意する調理器具は、プリン用の方、鍋を2つ(あ、そういえば前、アルミ製の金色の鍋を響が被っていたなあ。勿論、写真はしっかり撮ったよ!)、ボウル2つ(ボールじゃないよ。というか、それだったら丸い形の棺桶だよ)、茶こし、菜箸とそこが少し深い天板とオーブンです。
そして、プリンを蒸しているのを待つ間に洗い物をすましておく。ここまでで30分ほど。気づいたら、もう3時に近くなっていた。ちょうど、プリンが蒸し上がったようなので、オーブンから出し、冷やしておく。その間に2階に上がり、暁たちの様子を見に行く。
そして、暁たちの部屋のドアを開けたら、すごい光景があった。
(うわぁ。響が座って寝ているし、雷は布団から出て床で寝ている)
とりあえず、起こしておく。
「響、起きて~」
トントン
「……うにゅっ。доброе утро(おはよう)、にいさん」
「おはよう、と言いたいがもう3時だぞ。もう」
「そうなのか?」
「そうだぞ。あ、暁たちを起こすから、手伝ってくれ。おやつの時間だし」
「わかった」
というわけで響と手分けして残りの3人を起こしていく。まず俺は、床で寝ている雷を起こす。
「お~い、雷。起きて~」
トントン
「……ひゃっ!おにいちゃん!?おはよう」
「おはよう、と言いたいけど、3時だぞ。もう」
「ほんとう!?」
「ああ、本当だ。もうおやつ作っているから、先に降りて待っていてくれ」
「わかったわ」
そういって雷は部屋から出て下へと降りて行った。次は電かな~?
side out
響side
初めまして、響だよ。今、私は兄さんと一緒に暁たちを起こしている。まずは、近くに寝ている暁を起こそうか。
「あかつき、おきて」
「…んっ。ひびき?どうしたの…」
「にいさんがおやつをつくってくれたみたいだから、したでたべよう」
「わかったわ。じゃあ、したにいこ、ひびき」
「わたしはにいさんといっしょにいくから、さきにいってまっていて」
「え~」
「いちにんまえのれでぃは、ひとのいったことにもんくはいわないんだよ。あかつき」
「そ、それもそうね。じゃあ、あかつきはしたにいってるわね」
そういって暁は下へと行った。なんというか…暁、人の言ったことをすぐ信じちゃうのは止めた方がいいよ。
そう思いつつ、兄さんの方を見てみると、電を起こしている途中だった。そういえば、電ってあまり朝スッキリと起きれない方なんだよね。どうするんだろうか、兄さんは。
side out
修治side
さて、今俺は電を起こしているのだが――。
「電~。起きろ~」
「…ふにゅんっ。zzz…」
とまあ、こういう感じで起きてくれません。眠り姫よろしく、キスをすれば起きてくれるのでしょうか?(まあ、実行する気はないが…)
そして、数秒考えて導き出した電の目を覚まさせる方法は、
「ていっ!」
ポカッ
軽く頭をチョップすることだ。
「はにゃっ」
「起きたか?電」
「おはようなのです。おにいちゃん」
「おはようの時間じゃないけどまあ、いいや。おやつの時間だから、下に行ってて。お兄ちゃんもすぐに行くから」
「わかったのです」
そういって、下に降りて行った電。やっぱり、安全のために角クッションつけた方がいいかな?
「にいさん、はやくしたにおりようか。あかつきたちがまっている」
「それもそうだな、響」
そういうわけで、響と一緒に一階へと降りた。
「おーい、一夏。休憩だぞ~」
「おう、そうだな。ところで、修治の宿題見せてもらうって話はどうなったんだ?」
「ナ…、ナンノコトカナ…?」
「目をそらすな」
「ごめん、忘れてた。とりあえず、休憩しようか?」
「ああ。そうするか」
「それじゃあ、俺はおやつ運んでくるわ。あ、まずは、飲み物運んで来て。勿論、箒と暁たちも」
俺がそういったので、俺以外の全員が台所にある冷蔵庫へとバラバラに向かったが、戻ってくるのはそろっていた。なぜなら、みんなが飲みたかったのはどうやら――。
「みんな麦茶飲みたかったんだな」
つまりはそういうこと。けれども……。
「飲み物だけ持ってきておいて、コップとかないよな……」
「「「「「「あ!」」」」」」
『あ!』じゃねーよ、『あ!』じゃ。
「ったく~」
俺は、台所へ行ってコップ二つと、暁たち用のストロー的なやつがついた、幼児用のコップを持ってきた。
「はいよ」
「サンキュー、修治」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして、箒。さて、暁たちのを先にそそぐから、一夏。ペットボトル貸せ」
「分かった」
そして、暁たちの分の麦茶を注ぎ、一夏にペットボトルを渡したところで台所へと向かい冷やしていたプリンとスプーンを六つずつ持ってきて、一夏と箒、それに暁たちの所に置いて行った。
「あれ?修治の分は?」
「俺は昨日作ったスコーン食べるからいいんだ」
「そうなのか」
「修治」
「どうした?箒」
「いつも妹たちにお菓子を作っているのか?」
「時間があればな」
「今度、教えてくれないか?私にお菓子の作り方を」
「ああ、いいぞ」
まあ、一夏に作るんだろうな、箒は。それはさておき、俺は冷蔵庫に行き、スコーンを取り出し、テーブルまでもって行った。
「さて、いただきましょうか」
と、俺が言うと、みんなが食べ始めた。
(おいしそうに食べるな~みんな。作った甲斐があったよ)
その後、一夏たちは午後5時までうちにいた。重ねて言っておくが、明日は俺の誕生日である。まさかあんなことになるとは、この時の俺は予想だにしていなかった。
誤字、脱字があれば、ご指摘よろしくお願いします。感想もできればよろしくお願いします。
4月6日修正