〈※凍結中〉IS インフィニット・ストラトス 高専生がIS世界に転生!?   作:瑞翼 翔

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作者「さて、ようやく最新話です。大変長らくお待たせしました」
修治「ところで、何で遅れた?(怒)」
作者「大学受験です……」
修治「それは知ってる。だが、それ終わってからなにやってた?」
作者「………F●Oとアズ●ンと記念話の原作とのすり合わせ」
修治「最後は許す。だが、前二つは許さん」
作者「ええっと。何でチェーンソーを6つ束ねたやつ持ってるんですか?」
修治「いっぺんミンチになれ」ギュイイイイイイイイン


修治「という訳で、最新話をどうぞ」





FRAME-14 接触

修治side

 

 Добрый вечер.神上修治だ。俺は今、しばらく俺の自室となる1037号室の前に立っている。

 

「(いつまで立っているつもりだ?)」

「(心の準備が出来るまで)」

「(かれこれ五分経ってるぞ、ドアの前に立ってから)」

「(そうか。―――よし、入るか)」

 

 ようやく入る気になった俺は、自室のドアをノックした。

 

コンコンコンッ

 

「すみません。同室の者なのですが、入ってもよろしいでしょうか?」

 

 そう声をかけると、中から返答があった。

 

「空いてるから入って」

「では、失礼します。」

 

 そう言って入ると、中にはセミロングで内側に癖毛が向いている眼鏡っ娘がいた。

 

「今日から同室になる、神上修治です。よろしくお願いします」

「・・・・・・更識簪」

「では、よろしくお願いします、更識さん」

「・・・簪でいい。名字で呼ばれるのは嫌い」

「まあ、それもそうだな。俺も少し嫌だし。俺のことも名前呼びでいい」

 

 そう言いつつ、台車から段ボール等を降ろす。すると簪さんが、

 

「その、アタッシュケース」

「ん?」

「それって『ファイズギアボックス』?」

 

と聞いてきた。それに俺は、

 

「よく分かったな。簪さんって特撮好きなの?」

 

と返した。

 

「う、うん・・・。変、だよね」

「いや、うちの母さんも好きだから」

「え・・・?冗談でしょ?」

「本当に。ちなみに、母さんが好きなのは『鎧武』」

「あの虚淵脚本の?」

「そう。母さん曰く、『欲望が渦巻いていつつも人間の弱さが演出されているのがいい』ってさ」

 

 そこから話は続く。

 

「へえ・・・。じゃ、じゃあ、修治くんは?」

「まあ、『ファイズ』だね。理由は、俺が初めて見た作品だからだな。かく言う簪さんは?」

「『ドライブ』、かな。刑事ドラマと特撮がいい具合に調和されていて見ていて面白かったから」

「なるほど。と言うか、簪さんと結構話が合うな」

「そうだね、改めてこれからよろしく」

「ああ。ってあれ?」

 

 そこで俺はあることを思い出した。

 

「どうしたの?」

「簪さんってさ、日本の代表候補生?」

「そう、だけど?」

「倉持に専用機開発頼んでる?」

「うん・・・」

 

ちょっちマズイな、これ。

 

「色々とすまない」

「え?何で?」

「ヒントは俺の実家だ・・・」

「・・・そういうことね。それって修治くんは関係無いじゃない」

「あれ?伝わってないの?簪さんのクラスには」

「えっ、あの噂って本当の話なの」

「そう。ちなみに、ヒラの時にある程度は第二世代機の開発に携わってたんだけどね」

「それって『G-3』?それとも『ジェガン』?」

「『ジェガン』のほう。あれは少しヤバかった」

 

 だって、俺のISに関するノウハウはその時ゼロなんだぜ(コアについては除く)。だからイアンの技術を盗みまくってそれを形にするのもキツかったし、俺の知識の『ジェガン』の外観をISの形状に落とし込みつつも、『ジェガン』らしさを保つのに苦労した。

 まあ、その経験のお陰で、今では俺は一からISを作れるようになったんだけどね。

 

「そんな前から・・・。凄いね」

「いいや、凄くない。今までこれたのは会社の先輩方のお陰だし、支えてくれた家族―――いや、妹たちのお陰だよ」

「家族と仲良いんだね」

「そうでもないさ。ケンカだってする。だけども、後でなんのしがらみもなく腹割って話せば関係は治る。まだ俺と相手、両方とも生きているし、死んでから後悔しても遅いからな」

「そう・・・。―――私にもね、お姉ちゃんがいるんだ」

 

うん、それは知ってた(・・・・・・・)

 

「それでね、ある日お姉ちゃんから言われたの。『あなたは無能のままでいなさいな』って」

「うん」

「私、いつもお姉ちゃんと比べられていてね、陰で『出来損ない』とか言われてたの」

「すまん、何個か質問していいか?」

「いいけど・・・」

「それってさ、誰から聞いたの?」

「私の専属メイドから」

「簪さん()ってさ、なんか特殊な家系なの?」

「よく分からないけどそうみたい」

「そっか。やっぱりな」

「・・・え?」

「そっか。あの(・・)更識か。ちょっと電話かけていい?」

「・・・うん」

 

 簪さんの許可をもらったので、簪さんに聞こえないようにバスルームに向かい、スマホを出して父さんの番号にかける。

 

「あ、父さん?」

『なんだ、修か。どうしたんだ?仕事用の番号にかけてきて』

「『更識』の現当主ってさ、ロシア代表なんだよね?」

『・・・それがどうした』

 

少し父さんの話すトーンが下がった。これは裏のトーンだ。

 

「『更識』の現当主の妹と同室になってさ、相談受けてんだけど、現当主の妹に対しての暗部に巻き込みたくない気持ちが別の解釈されてるっぽいんだよ」

『他の暗部組織に関することに首を突っ込むな、と言いたいが、その子は家がそういうとこだと知らないのか?』

「話を聞く限りは」

『なら、姉妹間の仲を取り持ってやれ』

「いいの?」

『まあな。『更識』は大事なクライアントみたいなもんだからな』

「わかった」

『それじゃあ、切るぞ』

 

 そう言って父さんは電話を切った。それを確認して俺はバスルームから出た。

 

「簪さん、簪さんのお姉さんの名前教えて」

「え?何で」

「ちょっくら、後で殴りにいく」

 

 あら?急に何でフォン出てきちゃったの?

 

「早くしろ」

「・・・更識楯無」

「OK」

 

「(そんじゃあ変わるぜ)」

「(了解。だけど、何で急に出てきちゃったの?)」

「(・・・・・・ノーコメント)」

「(あっそ)」

 

「あ、そうだ。簪さん、御飯食べた?」

「まだ、だけど・・・」

「それじゃあ食べに行こうか」

 

 そういうわけで、(多少強引だけども)簪さんと一緒に御飯を食べに行くことにする。その道中、

 

「あ~。かみっか~とかんちゃんだ~」

 

やせいの ●カ●ュ●が あらわれた!

 

「・・・本音、その呼び方は止めて」

「それはムリなのだ~」

「あれ?簪さん。あのピ●チ●ウ、知り合い?」

「・・・不本意ながら、幼なじみ」

「なるほど。それと、『かみっか~』って俺のこと?」

「そ~だよ~」

 

 なんというか、ようやくあだ名らしいあだ名をつけられたかも。それに少し捻られてるし。

 こののほほんとしてる子、侮れん。

 

「かんちゃんと、かみっか~もごはん?」

「そうだが、君の名前は?」

「布仏本音だよ~」

「ふむ・・・じゃあ、『のほほんさん』って呼んでいいか?」

「お~。なんか私にぴったり~」

「そうだ。のほほんさんも御飯を食べに行くのなら、俺たちと食いに行くか?」

「行く~」

 

 途中でのほほんさんと偶然合流して食堂へと向かう。やはりというか、俺らが歩くと何故か道が開ける。不思議だ。

 

 そんな感じで到着した食堂。さて、今日の夕食何にしようかな?

 

 

 

 

 

(ヤバい、決まらん)

 

 券売機の前でフリーズすること三十秒。未だに食べたいものが決まらない。

 

「かみっか~どうしたの~?」

「・・・・・・食べたいものが決まらない」

「全部頼めばいいじゃ~ん」

「そんなことはしたくない。そもそも、そんなに夜は入らないからな」

「(その代わり昼はかなり食ってるけどな)」

「(まあな。それでバランス取ってるんだよ)」

 

「―――よし、これにしよう」

 

ピッ!

 

 そして食券が出てきた。

 

「かみっか~けっきょく何にしたの~?」

「日替わり定食」

「なんか・・・無難」

 

いいじゃん、別に。

 

「すみません、食券ここでいいですか?」

「あいよ。日替わり一つ・・・って、あんたが噂の御曹司かい?」

「御曹司かは知りませんが、おそらくあなたの指している人は多分私です」

「あんたんとこの調理器具、結構使いやすくて重宝してんのよ」

「そう言っていただくと嬉しいです」

「良いってことよ。はい、日替わり」

「ありがとうございます。あれ?この杏仁豆腐って?」

 

 日替わりを受け取った俺は、セット内容についていない杏仁豆腐があることに気づき、食堂の職員に聞いた。

 

「ああ、これかい?おばちゃんからのサービス。風当たりは強いかもしれないけど、色々と頑張んなさい、この学校で」

「ありがとうございます」

 

 食堂のおばさんによる好意で、杏仁豆腐150円がタダでもらえた。少しうれしい。こういった善意をもらったら、ほかの人にも善意をあげないとな。もちろん打算なしで。

 

「簪さん、空いてる席ある?」

「ちょっと待って……。あ、あそこが空いてる」

 

 そういって簪さんが示したのは窓側の四人掛けテーブルだった。

 

「よし、そこにしようか。」

 

 というわけで、俺ら三人はそこへと移動を始めた。ちなみに、簪さんはかき揚げうどん、のほほんさんは混沌としたお茶漬け。おそらくそれを直視したら削れてはいけない値がどんどん削れていくだろう。そして、俺の頼んだ日替わり定食の今日のメニューはご飯、みそ汁、ほうれん草のおひたし、豚の生姜焼きだ。

 

 全員の今日の夕飯を紹介したところで、目指していた席に着いた。俺が座った向かいに簪さん、のほほんさんが座った。

 

「では、いただきます」

 

 そうして食事を進めていると、のほほんさんが口を開いた。

 

「そういえば、かみっか~。セシリーに勝てるの~?」

「え…どういうことなの?修治くん」

「ああ。そういえば言ってなかったな。今日、ちょっくらセシリア・オルコットに喧嘩売られて買っただけ」

「セシリア・オルコットってあの?」

「そう、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の代表候補生」

「なんで正式名称……?」

「そっちのほうがいろいろとうるさくないから」

「ってそうじゃなくて」

「セシリア・オルコットに勝てるかどうかだったな。無論勝てる。そもそも稼働時間が違うし、初めて動かした期間も違う」

「………どういうこと?」

「まあ、口で説明するよりも実際に見てもらったほうがいいか。俺の専用機の稼働ログだ。本来なら、外部に漏らすのはご法度だがな」

 

 そう言いつつ、俺はRX-0の待機状態を外し、稼働ログを呼び出した。いつぞやのドイツ行きの時の稼働ログは、束さんに消してもらった。だって国際問題になるからね。

 

「なんか……イかれてない?」

「いんや、これが正式なログ。稼働日時も正しいものだし」

「ほえ~。こんなに動かしている人初めて見たよ」

「いや、それ以前の問題だよ、本音……。六年前から動かしてるんだよ、修治は。下手したら国家代表と戦えるんだよ」

「ほえ~。あれ?一番最後のログだけ動画がついてる。ポチッとな」

 

 あ、やべ。動画を束さんに送るの忘れてた。確か、五分だったかな。再生時間。

 

 

 

そして五分後

 

 

「「修治くん(かみっか~)、ここに何で来たの?」」

 

まあ、そうなるな。

 

「簡単に言えば、コネづくり」

「「ゲスい」」

「まあ、冗談だけどね。本当は、ISを本来の用途にするための知識を求めてここに来た。あと、解剖逃れと殺されたくないから」

「……その道のりは厳しいと思う。だって今はそういう風に世間はISを見ていないから」

「まあな。だけど、どのくらいかかったとしても、やり遂げたい」

「そっか。夢があるっていいね」

「まだ夢がなくてもさ、君らはまだ若いんだから、迷って悩んでいいと思うよ」

「かみっか~オジサンみたい~」

「ほっといてくれ。俺でもおっさんみたいなこと言うなぁ、って思ったんだから」

 

 

 

「ほんま、修やん変わってへんな」

 

 急に後ろから声がかけられた。振り返ると―――――――。

 

修治side out




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