〈※凍結中〉IS インフィニット・ストラトス 高専生がIS世界に転生!?   作:瑞翼 翔

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 珍しく、早めに投稿出来ました。ちなみに、作者の地元では、某国の弾道ミサイルが飛んで来ないか心配している人がいます。取り合えず、存在Xに祈りましょう。それでは、どうぞ。

早速ミスをしました。すみませんでした。

P.S.活動報告にてアンケートを行っております。お暇であれば、答えてくだされば幸いです。


FRAME-09 虎と隼

修治side

 どうも、神上修治です。アニマ全員との顔合わせが完了してからおよそ一年が経ち、今は十二月のとある土曜日だ。今となっては一週間に一度の頻度でしかアニマ達の寮を訪れていないが、その分俺が来たときのアニマ達の喜びようが微笑ましいというか、浄化されるというか……。まあ、言ってしまえば一週間に一度の楽しみというものだ。

 

(実際、昨日のことで少し癒されたい気分になってるし)

 

「あら、修治さん」

「ファントムか。髪を黒く染めてるってことは、今から外出か?」

「ええ。手間がかかりますけど、あまり目立ちたくないので。まあ、それでもナンパはされますけど」

「まあ、あれだ。やり過ぎるなよ(・・・・・・・)。ああ、それと。はい、お土産」

「ありがとうございます。毎週大変じゃないかしら?」

「いや、家にたくさん有るから大変じゃないよ」

「そうなのですね。それでは」

 

 そう言ってファントムは寮の出口へと向かった。というか、アニマ達との顔合わせの時に知ったのだが、あいつ(ファントム)は、『始まりのアニマ』じゃなくて『初めて安定した(・・・・)アニマ』らしい。それで、本当の『始まりのアニマ』は―――

 

「久しぶり、修治」

 

『Su-27M』こと、『ジュラーヴリク』だ。俺がこいつと会うときはいつも『MiG-29SMT』、通称『ラースタチュカ』と『T-50』、通称『パクファ』との三人で行動してる。ちなみに、三人を例えるなら、『ジュラーヴリク』はプライド高めのお嬢様、『ラースタチュカ』は『ジュラーヴリク』のボディーガード(というか、忠犬?)で、『パクファ』はいろんな意味で危なっかしいメイドさん。だっていっつもトカレフ持ち歩いてるから。

 

「久しぶりだな、『ジュラーヴリク』。ほら、お土産だ」

「お、『ニュ〇ヨ〇ク〇ン〇』じゃん」

 

 そう言って『ジュラーヴリク』が袋を取ろうとすると、『ラースタチュカ』がそれを遮った。

 

「お待ちください。ジュラが食べる前に私が毒味をします。こいつのことまだ信用していないので」

 

 うわ、辛辣。本当、『ラースタチュカ』には信用されてないのな。それと、『パクファ』。何気なく俺の左に立ってさりげなくトカレフ抜けるようにするな。ケジメの時間じゃないよ。

 

「モグモグ。毒はないですね。おい、もう二個あるか?」

「ああ。『ラースタチュカ』と『パクファ』の分も持ってきてる」

 

 俺はそう言って『ニ〇ー〇ー〇サ〇ド』二個を出すと、『パクファ』は左側のをを取り、『ジュラーヴリク』は右側のを取った。

 

「本当、修治が持ってくるお土産はハズレが無いな」

「その通りですね、ジュラ」

「ええ♪」

 

 上から『ジュラーヴリク』、『ラースタチュカ』、『パクファ』の順だ。

 

「じゃあね、修治」

 

 そう言って、『ジュラーヴリク』達は彼女らの目的の場所へと向かった。さて、俺も目的の部屋へと歩を進めるか。

 

「修治」

 

 そして、しばらく進んだところで後ろから声をかけられ、振り返るとグリペンがいた。

 

「グリペン、飲み物を買いに行ってたのか?」

「そう。それよりもあの三人にあげていたお菓子、私の分もある?」

「あるよ。ほら」

 

 俺はそう言ってグリペンに『ニュー〇ークサ〇ド』を渡した。しかし、グリペンは少し不満そう。

 

「どうした?もしかして、もう一個欲しいのか?」

 

 俺がそう問いかけるとグリペンは勢いよく首を縦に振った。

 

「はぁ、わかったよ。ほら」

 

 そう言ってグリペンに『ニ〇ーヨーク〇ンド』をもう一つあげると嬉しそうな態度を取った。

 

「ありがとう。大事に食べる」

 

 グリペンはそう言うと足早にここから去っていった。食いしん坊め。

 

(おっと。もう着いてたか)

 

 ようやく、目的の部屋―――『ゼロ』の部屋に到着した。

 

コンコンコンッ

 

「……修治?」

「うん」

 

ガチャ

 

「入って………」

「ああ」

 

 俺とゼロが扉越しに話さなくなってからは、ゼロは話すときにつっかえることが少なくなった。対人恐怖症は少しずつ改善されていってるかな?

 

「はい、ゼロ。今日のお土産の『ニュー〇ーク〇ン〇』」

「あ…ありがとう。うわぁ~~い」

 

ファッ!?

 

「ちょ、ゼロ」

「え…?」

「急にどうした?そんなに喜ぶとは思わなかったぞ」

「う…うん。でもね……修治が何か……疲れているみたい……だから………あたしが……元気に……させようと……思って………」

 

 その言葉を聞いた瞬間、俺は衝動的にゼロの頭を撫でていた。

 

「え…?…しゅ…修治……」

「ありがとな、ゼロ。少し元気になれたよ」

「ど…どういたし…まして……。それで…、何が……あったの……?」

「実はな―――――」

 

《回想》

 

 十二月と言えば、貴方達は何を思い浮かべるだろうか?新年の足音が聞こえてくる、それもいいだろう。クリスマス、とりあえずリア充は爆発しろ。え?急にどうしたって?それはな―――

 

「それでは、アナハイム・エレクトロニクスIS部門の忘年会を始めちゃうよ~。まずは、かんぱ~い!」

「「「乾杯~!」」」

「か、かんぱーい」

 

忘年会だ。拒否権というものは最初っから無かった。吹雪神(俺を転生させてくれた神サマ)以外の存在Xめ………。

 

(まあ、ソフトドリンク飲んでるからいいかな?)

 

 そのときはそう思っていた。そう、そのときは(・・・・・)

 

 そして、忘年会が進むにつれて、皆さんの飲酒量が増加していった。そんな中、

 

「修治~。楽しんでいるか~?」

「ええ」

 

 今、声を掛けてきたのはうちの部門で材質の強度検査をしている『橿原(かしはら) 陽子(ようこ)』さん。

 

「そんなシケたもん飲まないで酒を飲もうぜ」

「いえ、結構です」

「なんだよ~。せっかくの忘年会なんだからパーッといこうぜ~。パーッとな!」

 

(うわ、あの噂本当だったんだ)

 

 ちなみに、噂とは、『橿原さんは酒癖少し悪いし、人変わる。普段はあんなにお淑やかなのに…』というものだ。なるほど、本当だ。

 

(どうしよう)

 

 そう思ってふと束さんの方を見たら、

 

「ねえ~かおるん~。暑いから服脱いでいい~?」

「ちょ、束!?ダメだよ」

「いいじゃ~ん。あ、もしかしてその先の事もシたいの~?」

「そういう問題じゃないし、今外にいるんだよ!?せめて家に帰ってからにして!」

「え~。かおるんのイケズ~」

 

使い物にならないレベルの酔っぱらいになってた。

 

(何だ?この混沌は)

 

 そう思いつつ、グラスに入ったジンジャーエールを飲んだ。あれ?変な味する。一応ちゃんと中身見てみよう。

 

「………うぎゃあぁぁぁぁ!」

 

 なんと、ジンジャーエールがビールに変わっていた。いや、マジで。そして、陽子さんの手には俺がさっきまで飲んでいたジンジャーエールのグラスがあった。

 

「陽子さん!未成年になに飲ませてるんですか!?」

「何って、居酒屋(ここ)の裏の井戸水さ。なぁ、千歳」

「ええ、そうね」

 

 そう答えたのは『水上(みなかみ) 千歳(ちとせ)』さん。この人も結構飲むという噂があったけど、それも本当みたいだな。

 

「さあさあ、飲め飲め」

 

 そして、夜が更けるまで陽子さんと千歳さんにお酒をたくさん飲まされた。

 さらにお酒が好きではない薫さんと莉央さんに今朝聞いたところ、束さんが悪酔いしてウォッカのボトル二分の一本を俺に飲ませたらしい。ちなみに、そのとき俺は意識を失ってた。なお、薫さんと莉央さんが俺を救出した後にスポーツドリンクを飲ませたらしい。

 巷では、飲酒した後にスポーツドリンクを飲むのはご法度ということをよく聞くが、実は、飲酒後にスポーツドリンクを飲むのは二日酔いを防止するなど、逆に良いことらしい。

 

《回想終了》

 

「―――ってことがあったんだ」

「大変……だった…ね」

「まあな。だけど、ゼロを見てたら元気が本当に出てきたよ。ありがとな」

「ど…どういたしまして」

 

 その後、夕方までゼロと話していた。そして、家に帰ったら玄関先でDO☆GE☆ZAを束さんがしていた。まあ、昨日の悪酔いの事でやってるんだろうな、と思いつつ近所迷惑になるから薫さんを家の中から呼んで、束さんをシバいてもらった。

 

 ちなみに後日、束さん、陽子さん、千歳さんの三人は減給三ヶ月という処分が下ったそうな。皆様もお酒の飲み過ぎと悪酔いにはお気を付けて下さい。




感想、ご意見、誤字脱字のご指摘、お待ちしております。

2019.1.27 一部修正

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