〈※凍結中〉IS インフィニット・ストラトス 高専生がIS世界に転生!? 作:瑞翼 翔
P.S.今回の話に出てくるキャラクターの一部の声帯の妖精さんがわかった方は感想にてお答え下さい。
(あくまでも私個人の想像で声帯の妖精さんを決めているので読者のイメージと違う場合があります。ご容赦下さい)
修治side
Bonjour.神上修治です。昨日は父さんに
「どうも、八代通さん」
「ああ、昨日ぶりだな、少年。さて、こっちだ」
そう言って、八代通さんは航空機部門のエントランスの向かって左側へと向かった。当然、俺はそれについて行く。するとその先には自動ドアがあった。
「少年、IDカードは有るよな」
「ええ」
「それをここに当ててくれ」
八代通さんは自動ドアの右側にある黒いパネルを指差した。俺は八代通さんの言うとおりに俺のIDカードを当てた。すると、その下からテンキーが現れた。
「八代通さん、これの暗証コードはなんですか?」
「『3102054』だ」
「ありがとうございます」
俺は八代通さんに礼を言ってその暗証コードを打ち込んだ。すると自動ドアが開き、中に入れるようになった。
「それで、此処は?」
「『アニマ』達の寮だ。まあ、
そのようなことを話していると前方からデニムのジャケットを着て、白のミニスカートを穿いた金髪の少女が歩いてきた。そして、俺達―――正確には八代通さんを見てこちらへと走ってきた。
「あ~、お父様だ~。ハグ~」
と言って金髪の少女は八代通さんに抱きついた。って、『お父様』!?
「八代通さん、この子は誰ですか?」
「こいつは『イーグル』。『アニマ』の内の一人だ。イーグル、少年に挨拶しなさい」
「イーグルだよ。よろしくね、
あ、今ので昨日のファントムが言ってた『脳天パッパラパー娘』がこの子だと実感できたわ。
「こちらこそよろしくな、イーグル。それと、俺の名前は神上修治だからな」
「わかった!」
この子、外見は俺と同じくらいか少し上なのに、精神年齢は幼稚園児レベルなのか?
「八代通さん。昨日言っていたかなり時間がかかる子の部屋って何処ですか?」
「左側の奥の部屋だ」
「ありがとうございます」
八代通さんにそう答えると、俺は言われた部屋のドアの前に向かった。ちなみに、八代通さんはイーグルに連れられてどこかへ向かった。
(さて、どういう意味で時間がかかるのだろうか?)
そう思いつつ、その部屋のドアを叩いた。
コンコンコンッ!
「………誰?」
中から答えが帰ってきた。それに答えるように俺は言った。
「今日からここに出入りする事になった神上修治です」
「………」
返事が帰ってこない。
「あの~」
「………」
(どうしよう。って、八代通さんの言っていた『時間がかかる』というのはこの事なのか?)
そう思った俺は床に座りドアの方に背中を預けた。何故かって?信頼度を上げるんだよ。
「早速で悪いけど、君の名前は?」
「………『バイパーゼロ』」
「そっか。じゃあ『ゼロ』って呼んでいいか?」
「いいよ……。別に」
そういうような感じで俺とゼロとの交流が始まった。(今のところ俺が一方的に話しかける形だけど)
修治side out
ゼロside
(あの人……、いつも…来てる)
あたしの部屋の前にあの人が来るようになってからもう二ヶ月近くになった。
最初はすぐに諦めて来なくなると思っててあたしは黙ってたけど、一ヶ月を過ぎても来て話しかけてくれていた。あの人の話は自分の学校で起きたことや、自分の友達の馬鹿話とかがメインだった。
あたしはその話を聞いていて少し心地よかった。そして、いつの間にかその話を聞いて笑っていることに気付いた。
(あの人は…あたしの声が、不快だと…思っていないよね……?)
そう思ってあたしは今日あの人が来たらドアを開けてあたしを見てもらおうと決めた。
ゼロside out
修治side
あれから二ヶ月くらい経った。俺は一日も欠かさずゼロの部屋の前に行き、話をした。まあ、そのお陰でこの寮に居るアニマほぼ全員と顔を合わせることが出来た。
「あっ!修治だ。ヤッホー」
「ライノか。今度お前の料理食べさせてくれ」
「分かったよ。腕に縒りをかけて作るから楽しみに待っててね」
こいつは『ライノ』。まあ、分かりやすく名前を言うと『F/A-18E スーパーホーネット』だ。こいつはたまに滑走路を走って健康を維持している。それに加え、かなりヘルシーな料理を自室で作ることもある。趣味はそれらを含めた『健康』だそうな。ちなみに、味は一般家庭レベル。
「修治君、こんにちは」
「あ、『昴』さん。こんにちは」
「今日もバイパーゼロちゃんのところに?」
「はい」
「あの子、君が根気よく話しかけに来てから少しずつ明るくなってきてるよ」
「そうですか。では」
「たまには私の料理を食べに来てね」
「はい」
この人は『昴』さん。この人もアニマでドーターの名前は『JFA-44 昴』。この機体は日本が世界に先駆けて量産化に成功した第六世代の戦闘機。量産化した当時は世界最高峰の性能を誇っていたらしいけど、量産一号機がロールアウトしたのはISが生まれる前年だったから生産数はかなり少ない。ちなみに、彼女の趣味は料理とVRゲームで、料理の腕前はシェフの方々が唸るほど。
「Расцветали яблони и груши~♪」
「ベルクト、食堂にバイトしに行くのか?」
「あ、修治さん。こんにちは。えっとそうですね。そろそろお昼ですし」
「頑張れよ」
「はい!」
今すれ違った
(さて、と。何気にこのドアの前に立つのも慣れたなあ)
そう思いつつドアを叩く。
コンコンコンッ!
「『ゼロ』、今日も来たぞ」
「う、うん……」
ガチャッ
(えっ!?)
「は、早く……入っ…て……」
なんと、『ゼロ』が自らドアを開けて俺を部屋の中に招き入れようとしたのである。いや、何があったし。
「お、おう」
とりあえず、『ゼロ』の部屋に入る。ちなみに、この寮の部屋の中はホテル(具体的には、東品川の臨海部にあるホテル)の部屋にキッチンがついている感じだ。
「ここ……座って」
「あ、ああ……」
そう言って『ゼロ』が示したのは恐らくゼロが使っているであろうベッドだ。良いのか?それで。まあ、座るけど。そして、俺が座るとその左隣にゼロが座り、口を開いた。
「あ、あのね…その……しゅ、修治……にね、……あたしの……顔を……見てほしかったの……。そ、それでね、………あたしの顔を見て……、ふ、不快に……なったり………、してないかな……?」
……何をいってるんだ?『ゼロ』は。
「お前の顔を見て、不快になる奴が居たなら俺が殴るよ。だってお前、可愛いじゃん」
ここで、『ゼロ』の容姿について説明する。髪の色はラベンダーパープルで、髪型はハーフアップで、前髪の左右を黒のヘアピンで留め、黒色のリボンで髪を留めている。どこからどう見ても可愛いんだけど。
「ほ……本当に…?」
「ああ」
「あたしの……声を…聞いても……不快じゃ……無い……?」
「当然だろ。むしろ、不快になる奴がいたら変だろ」「……そっか。じ…じゃあ、明日から…修治が…あたしの部屋に……来たら…入ってきても…良いよ……」
いきなりの急展開である。実際、俺としては嬉しいけどね、ゼロが俺に心を開いてくれたことが。
「ありがとな、『ゼロ』」
「う、うん………」
そういう感じで、アナハイムエレクトロニクス航空機部門所属の『アニマ』全員と顔を合わせることが出来た。メタい話になるが、残りの四人に関しては、多分そのうち紹介することになるだろう。
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2019.1.27 一部修正