実況パワフルプロ野球 -三日月の約束-   作:もす代表取締役社長

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初登場キャラがここからどんどん出てきます。

それにしても全然野球しなくて読みにくいかもですが、温かく見守ってください。


第三話 廃部危機!?

聖は頭を悩ませていた。

 

「部局ミーティングの日まであと2日か・・・」

 

新年度の部局ミーティングは新入生が正式に部の一員となる日でもある。

それが近づくのは聖にとって嬉しいことのはずだが・・・

 

「ひじりん、どうしたんッスか?」

 

「ほむらか、ちょっと考え事だ」

 

「考え事ってことくらいわかるッス!何で悩んでるのかを心配したんッスよ!」

 

「そうだったのか。すまなかった。実はな、野球部に入ってくれる人を探さないといけないのだ」

 

「え、野球部って人数足りてなかったッスか?」

 

「ああ、一昨日のことなんだが・・・・

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

私は野球部の練習に参加していた。

私はみずきの投球練習に付き合っていた。

 

「今のスクリューよかったぞ」

 

「まあ、私の決め球だしねー」

 

やはりみずきの球はいい。

グローブを胸の前に持ってくる。右足をあげ身体を捻る。一瞬身体は静止し、身体に隠れていた左腕が身体の周りを回り、一気に振り出される。肩、肘、手首と力が込められ遂に球が放たれる。

 

パンッ!

 

球は全く反れることなく私のミットにおさまる。

球速は130km/h前後というところだろう。

 

「調子良いみたいだな、橘」

 

そう言いながら友沢先輩が近づいてきた。

 

「どうしたのよ友沢。練習サボって私に見惚れてるの?」

 

みずきが冗談混じりに言った。

 

「俺は練習をサボるなどしない。それに俺は金持ちのお嬢様は好きにならん!」

 

ここ最近見ていて分かったことだが、友沢先輩とみずきはあまり良い雰囲気ではないようだ。

簡単に言えば『仲が悪い』のだ。

 

「何よ!私に魅力がないとでも言いたいわけ?」

 

「まあ一旦落ち着け。俺はお前の投手としての能力を認めている」

 

友沢先輩は真剣な目で続ける。

 

「俺は今年こそ甲子園に行きたいと思っている。そこで現エースのお前にもう一つ武器を持ってもらいたい。だから俺がスラ「なんだとコラアァァァ!!!」

 

友沢先輩の声を遮るように、ノックをしてる方から怒鳴り声が聞こえた。

 

「てめぇは何を目標に野球やってんだよ!」

 

「俺は遊びの一環で皆と楽しく野球したいだけだ。だから佐賀の練習にはついていけない」

 

怒鳴っているのは佐賀部長。

見た目は恐いが野球に真摯で根は優しい月姫学園野球部の大黒柱だ。

どうやらヤル気のない部員に怒りが爆発したらしい。

 

「こんなにキツイ練習ばっかで嫌になるね」

 

「そんな気持ちで甲子園に行けると思ってんのか!?」

 

「甲子園なんて俺らは目指してない。さっきも言っただろ。遊びの一環だって」

 

「確かに楽しむのも必要だ。だがお前はヤル気もなく愚痴ばかり。そんな奴はいらない。この部から消えろ。楽しむとか何かと理由つけて自分を正当化してんじゃねーよ」

 

私は佐賀先輩の意見が正しく思った。

私から見ても、だらしない練習態度にメニューへの愚痴、ヤル気のなさ等酷いものだった。

それは決して一人ではない。部の殆どの人間がそうだったのだ。

佐賀先輩は甲子園を目指さないことについて怒ったわけではない。そんな態度に激怒したのだ。

 

その次の日、部活には私、みずき、友沢先輩、佐賀先輩、他2人しか来なかった。

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

・・・・という事情でな。練習に来なかった人達はもう戻るつもりはないらしいのだ」

 

「そんなことがあったんッスか・・・」

 

「しかも、この学校では『スポーツ部はチームに必要最低限の人数+2人がいないと部として成立しない』という規則があるらしい・・・」

 

「それは急がないとダメッスね!まあ、そういうことならほむらに任せるッス!要は中学時代野球をやっていた人がわかれば良いんッスよね?」

 

と言ってほむらは机の中から一枚の紙を取り出した。

 

「なんのプリントだ?」

 

「フフフッ、これは・・・」

 

ほむらは机にその紙を叩きつけた。

 

「第一学年クラス分け名簿ッス!この名簿から元野球部を探すッス」

 

「探すって言ってもどうするんだ?」

 

「ここの地区の中学なら全校スタメンは覚えてるッスから。その名前を探すッス」

 

どうやらほむらは月姫学園近辺に住んでいるらしく、周辺中学の地区予選を観戦していたため、強豪校でなくても選手を覚えているらしい。

 

「あ、この人ッス。まずはこの人から行くッスよ!」

 

 

 

 

 

 

「失礼する」

「失礼するッス」

 

その教室にいる人達は聖とほむらに注目していた。

それもそのはずだ。いきなり知らない人間が自分達の教室に入ってきた上、それがかなりの美少女なのだから。

 

「佐久間博というのは君か?」

 

聖は水色の髪の毛をした少年のような幼い顔立ちの男の前に立ち声をかけた。

 

「確かに僕だけど、どうかしたかな?」

 

「私は六道聖、野球部の人間だ」

 

「うん、良く知ってるよ。僕も野球部に入るから。これからよろしくね、六道さん」

 

「あ、ああ。よろしく頼む」

 

勧誘することもなく一人目成功!

 

 

 

 

聖とほむらは廊下を歩きながら、次に勧誘する人について話し合っていた。

 

「野球部の人間じゃないのに付き合わせて申し訳ないな、ほむら」

 

「全然ッスよ。友達のためッスから!」

 

「他にも情報があると助かるのだが、どうだ?」

 

ほむらは顔をしかませた。

 

「うーん、いるっちゃいるッスけど・・・同姓同名の可能性高めッスね。この人がこんな学校にいるとは思えないッスから」

 

「誰なんだそいつは?」

 

「この人ッス」

 

ほむらが指した、そこに書いていた名前は・・・・

 

 

 

 

 

 

 

『東條小次郎』

 




部の成立条件は僕の通っていた学校からいただきました。

なかなか投稿できませんがこれからもよろしくお願いします!

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