実況パワフルプロ野球 -三日月の約束- 作:もす代表取締役社長
今回はこの作品に目をとめていただいてありがとうございます。
今回が初投稿ということもあり皆様にとっては少々荒削りと感じる作品かもしれませんが、どうか暖かい目で読んでいただければと思っております。
この話はプロローグということもあり短めです。
夕日の映る公園のベンチで一人の少年と一人の少女が話していた。
「今日の試合、惜しかったねー」
少年が笑顔で言う。
「そうだな。お前が投げてれば勝っていたのに。監督はバカだ」
「俺より六年生の先輩が投げた方がいいに決まってるよ。聖ちゃんは俺を上に見すぎだよ」
「私はお前が最強だと思っている。だから私もそのピッチングについていけるような最強のキャッチャーになるんだ」
「最強とか言う前にまずは二人とも試合に出なきゃね」
「なっ!次は絶対に出れる!」
少女は少しムキになって言った。
その少女をなだめるように少年は優しい笑顔で言う。
「はいはい。一緒に頑張ろうね」
少女は少し不満気な顔をして、少年から目をそむけながら「・・・そうだな」と言った。
そんなことを話してるうちに辺りはすっかり暗くなり、二人のことを月明かりが照らしていた。
「見て聖ちゃん!今日は綺麗な三日月だよ!」
「綺麗だな。私も三日月は好きだぞ」
それを聞くと少年は思い立ったように野球バックから何かを取った。
「じゃあこれあげる」
「これって・・・」
それは少年の野球バックにいつもぶら下がっていたピンクの三日月をかたどったキーホルダーだった。
「これ、俺の宝物だけど聖ちゃんにあげる」
「いいのか?私なんかが貰っても」
少年は「いいからいいから」と言いながら、少女の手の中にキーホルダーを入れる。
「俺にはこれがあるから」
少年はそう言ってポケットから何かを取り出す。
「ほら」と言って笑顔でそれを少女に見せる
「なーっ!!これじゃあお揃いじゃないか!」
少女の顔が赤くなる。
少年の手にあるそれは、青の三日月だった。
「いいじゃん。聖ちゃんはピンクの三日月。俺は青の三日月」
少女は自分が恥ずかしがっているのを隠すかのように
「もう帰るぞ。大分暗くなってきたしな」
と言って立ち上がり、帰路を歩きはじめた。
「待って!」
少女が振り返る。そこにはグローブをした少年が立っていた。
「キャッチボールしない?」
いつもの笑顔で少年がそう言った。
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「実は俺さ、引っ越すんだ」
少年がボールを投げる。
突然の告白に少女は驚いた。でもあまり感情的にならない方が少年のためと思い、
「そうか・・・・寂しくなるな」
とだけ言い少女はボールを投げる。
少年は少女のほうったボールを捕り笑顔で言った。
「だから聖ちゃんとキャッチボールするのも、これで最後だね」
その笑顔は涙を堪えてるようにも見える。
少しの間、二人の間に沈黙が続いた。
「ねえ、聖ちゃんの夢は何?」
少年がボールを投げる。
ボールを捕った少女は言う。
「私の夢は甲子園に出ることだ。そして出たからには優勝したいな。でも無理だろうな。私は女の子で、しかもまだまだ下手くそだから」
少女がボールを投げる。
「そっか・・・」
そう言いながら少年がボールをキャッチ。
「じゃあ同じ高校に行こう」
少年は被っていた野球帽をとり、さっきの笑顔とは違う、涙を堪えた笑顔とは違う、今までの中で一番の笑顔で言った。
「俺が甲子園に連れてってやる!」
夜空に浮かぶ三日月のように野球帽をとった少年の額には三日月型の傷跡が浮かんでいた・・・・
文章力などまだまだですが、これからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
一応この聖ちゃんと少年は小1です。
その割に大人びてる感じがするけどまぁ気にしない気にしない。
感想も受け付けておりますので、良かったらお願いします