暴物語   作:戦争中毒

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いちかファイト

 

001

 

 

あっという間に時間は過ぎて今日はクラス代表決定戦当日。

その間には一夏と箒が仲直りしたり忍野が千冬に追いかけまわされたり忍がドーナツをせがんだり。

 

ここは第三アリーナのAピット。

一夏と忍野、それに千冬と箒もいた。

 

「試合の順番だがまずは織斑とオルコット、その次がオルコットと忍野、最後が織斑と忍野だ。」

「初戦は俺かよ、緊張するな」

「一夏と俺は最後か。ま、楽しみは最後にってね」

 

試合の順番を聞いて緊張する一夏といつもどうりの忍野。しかし箒はそれよりも気になってる事があった。

 

「ちふ・・・織斑先生、ISが見当たらないのですが?」

 

箒の疑問は正しい。彼女や対戦相手のセシリア、他の生徒たちは一夏と忍野が訓練用のISで戦うものだと思っていた。

 

「安心しろ篠ノ乃、こいつらは専用機を持っている」

「せ、専用機!?」

 

そう言われ一夏は左手の深緑色の腕時計を見せ、忍野は首の深紅色のチョーカーを指で叩いた。千冬の言葉にあからさまに驚く箒。無理もない。ISのコアは467機しかないため専用機は代表候補生でも持っていないことがあるにこの二人はそれ持っているのだ。だがそんな事よりも

 

「そんな話、一度も聞いてないぞ一夏」

 

黙ってたことにご立腹のご様子だ。

 

「言いふらすことじゃないだろ、持ってない人だっているんだよ?」

「うぐっ」

 

忍野に正論を言われて言葉を無くす箒だった。

君達は仲が悪いのかい?

 

「時間だ。織斑、準備しろ」

「はい」

 

千冬に言われて一夏は一歩前に出て他は後ろへ下がった。

 

「来い、ケルディム!」

 

次の瞬間、左手の時計がひかると緑色の光が一夏を包んだ。

光の中から出てきたのは全身が装甲に覆われ肌の露出が一切ない、深緑色をメインとした白とのツートンカラーのボディー。右肩には盾にしては奇妙なパーツ。左肩には少し歪な形をした大きな盾。臀部には鳥の尾羽のようなパーツ。 フェイスマスクには緑色のツインアイ。額には中央に赤いセンサーのようものがあるV字アンテナ。非固定装備の無い機体だ。

 

全身装甲(フル・スキン)の機体?」

 

箒は機体を見て疑問を感じた。

『全身装甲』は第一世代の機体ではよくあった物だが第二世代以降にない旧式のデザインだからだ。『非固定装備』がないのも気になった。

が、今はそれよりも、

 

「一夏、勝ってこい」

 

この言葉をかけることにした。

 

「おう、任せておけ」

 

そう言うと一夏は移動して発進ゲートへ。カタパルトに載ってスタンバイにはいった。

 

「織斑一夏、ケルディムガンダム。発進する」

 

勢いよく発進し、緑色の光を放出しながらートを飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

002

 

 

空を飛んで見てみると観客席は超満員で立ち見の客で身動きをとることすら難しい。 一組でクラス代表の結果が知りたいもの。 単に世界初の男性操縦者と代表候補生という試合の物珍しさから見に来たもの。そして女尊男卑の考え方を持つ者。

様々な思惑の中、一夏はセシリア・オルコットの前に立つ。

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

 

余裕綽々の表情をしたIS『ブルー・ ティアーズ』を纏っているセシリア。

 

「わざわざ逃げる必要も無いんでね」

「ぬけぬけと間抜けに来たあなたに最後の チャンスをあげますわ。私が一方的な勝利 を得るのは当たり前のこと。自然の摂理。ですから惨めな姿を公衆に晒したくなけれ ば、今ここで謝りなさい。でしたら許してあげないこともなくってよ(全身装甲からして防御に特化した機体、なら私のブルーティアーズの敵ではありませんわ)」

 

 

《お前様、あやつのISは射撃体制にはいったぞ。初弾エネルギーを装填しておる》

《分かってるよ忍》

 

忍から警告を発せられる。

 

「そう言うのはチャンスとは言わないよ。それに、負けるつもりは無い」

 

試合開始のカウントが始まった。

3

 

「そうですか。なら、」

 

セシリアが右手に持ったレーザーライフル 『スターライトmkⅢ』を構え、一夏をロックする

 

2

 

一夏は自然体でセシリアをまっすぐ見つ める

 

1

 

「ここで、」 銃口を一夏に向け、エネルギーをチャージする

 

試合開始

 

「お別れですわね!」

 

スターライトmkⅢの引き金を引く。レー ザーがケルディムに迫るが一夏は難なく回避する。

 

「!? ま、まぐれにしてはよく避けましたわね」

「まぐれかどうかは確かめてみればいいだろ」

 

そう言うと右手のライフルを取り出して構え、更に左手はピストルを手に取った。

 

再度、セシリアは撃つ。 一夏は避け両手の武器を撃ちながらセシリアに接近をする。

 

「ビ、ビーム兵器!?」

 

セシリアは一夏の射撃武器に驚愕した。ビーム兵器は理論や技術は完成してるが素材とエネルギー問題でまだ実装されてないものが男のISに装備されてるのだから。

 

それを数回繰り返すとセシリアは一夏から一気に距離をとる。

そして 、非固定浮遊部位のフィンアーマーが切り離される。

 

「さあ、踊りなさい!セシリア・オルコットとブルーティアーズが奏でるワルツで!」

 

4機のフィンアーマーが飛翔し、レーザーが一夏に向かい撃ち出される。一夏はそれを見ながら回避していく。

 

「ビットかよ!?」

 

そう言ってる間にもフィンアーマーは一夏を取り囲むようにしながら攻撃をしてくる。

 

 

 

 

《お前様、気づいておるか?》

《何をだ?》

《あの娘、さっきから全く銃を撃っておらんぞ》

《それってつまり?》

《恐らくビットで攻撃しとる間はあやつ自身は攻撃できん》

 

攻撃を避けながら一夏は忍からセシリアの弱点と思われる点を聞いいていた。

 

 

 

一方セシリアは焦っていた。初弾を避けらビーム兵器を使い、自分の切り札であるビット兵器『ブルーティアーズ』の攻撃をも避け続けてる。織斑一夏に。

攻撃の手を止める事が出来ない。止めたら最後、確実に負けると。

 

 

 

 

003

 

 

 

「なぜ?なぜ当たらないんですの!?」

 

試合開始から25分経過。

会場は騒然としていた。一夏がセシリアの攻撃をすべて避けてるのだから。確かセシリアは最初は手抜きで、後半は集中力がきれてビットの動きが粗いがそれにしても異常だった。

 

「お前は俺の反応が一番遠い角度からしか攻撃してないから簡単だ。それにビット制御に意識を集中させてるからそれ以外の攻撃が出来ないんだろ?」

 

一夏は避けれる理由とセシリアの弱点を言った。

 

「ッ! それがどうしたと言うんですの!!」

 

セシリアはヒステリック気味に答えた。確かに彼女はビットを展開してから手に持ったライフルを1度も発射してない。何度か撃つチャンスがあったのにだ。

 

「別に、ただ自分だけがビットを使えると思うなよ!」

《シールドビット全機展開じゃ!》

 

すると左肩の盾がバラバラになり一夏を守るように周囲に展開された。

そしてセシリアのビットからの攻撃を防ぎ始めたのだ。

 

「防御用のビット?!そ、そんな物で!」

《かかっ、無駄じゃ!》

 

セシリアはそう自分を奮い立ったたせ自分に接近してくる一夏にさらなる攻撃を加えた。だか攻撃はすべて忍の操る防壁に阻まれ一夏の進行を止める事が出来ない。

そしてついに一夏はセシリアの直前にまで接近した。

 

「残念ですが、ブルーティアーズは四機だけじゃありませんわ!」

 

セシリアは両腰からミサイルビットの砲口を向けてミサイルを放つが、

 

《この儂が気づかんと思うておったか?》

「悪いけどこっちにもあるんだよ!」

 

一夏がそう言うと腰のフロントアーマーからミサイルが発射された。

双方のミサイルが衝突し爆発した。しかしセシリアの発射弾数は2発、それに対して一夏は8発。誘爆を逃れたミサイルがセシリアに着弾、爆発した。

そして一夏はその隙を逃すはずもなく両手にピストルを構えセシリアに弾丸と斬撃を加えた。

 

 

 

 

 

 

 

「あれはなんですか?!」

 

モニターを見ていた箒はそう千冬と忍野に聞いた。

今一夏は銃で相手を“殴ってる”のだからわけがわからない。

 

「あれは『ガン・カタ』って言われる戦法だよ」

「がん・かた?」

「銃を打撃武器として使う戦い方だよ。銃で殴って少しでも距離が開けば弾丸を喰らわすって物騒な。もっともあの銃は刃物もついてるから斬撃もプラスされるけどね」

 

忍野はそう淡々に答えた。

 

「あれがいち・・・織斑の戦い方だ」

 

織斑先生、別に『一夏』って言ってもいいんじゃない?

 

「あれが、一夏の・・・」

 

箒は再びモニターに釘付けになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで終わりだ!」

 

一夏の無数の打撃と斬撃と射撃でついにセシリアのシールドエネルギーが0になった。

 

 

 

 

『試合終了。勝者、織斑一夏』

 

アナウンスがなり試合は一夏の勝利で終わった。

観客席からは歓声が上がった。

 

 




戦闘の描写が難しいです。かなり手抜き感のあるものになってしまった・・・。

ご意見、ご感想お待ちしております。

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