暴物語   作:戦争中毒

1 / 80
どうも読者の皆さん、戦争中毒です。

今回は『暴物語』の一周年を迎えるにあたり、はじめまして番外編を書かせてもらいました。
原作を参考にせず、ノリと勢いに任せ好き勝手な設定で書いているので本編とも矛盾する点があるかもしれませんがそこは寛大な心でお願いします。


一周年特別番外編 IS佰物語

01:【入学試験】

 

一夏「せっかく志望校目指して勉強したのに無駄になった」

 

忍野「まあそうだよな。会場でそのまま身柄を拘束されそうになったし、警察に追われるし」

 

一夏「仮に試験を受けれたとしたら入学できてたのかな?」

 

忍野「さぁね。案外、お前の運命は否応なくIS学園行きだったのかもしれねぇな」

 

一夏「否定しきれない自分がイヤだ」

 

 

02:【合格発表】

 

箒「私は強制入学だったので発表通知などはなかったのだが、通常はどうだったのだ?」

 

セシリア「普通でしたわね。あまり変わった所はありませんでしたわよ? ただ・・・」

 

箒「ただ?」

 

セシリア「合格通知の書類が1枚で、同封されている各種書類が50枚を超えていたのには驚かされましたわ」

 

箒「その量は普通と言わない」

 

 

03:【入学式】

 

一夏「俺と忍野は別室で入学式の中継を観れただけで式に参加してないんですよね」

 

楯無「仕方がないわよ。参加させたら生徒が騒いで式どころじゃなくなるって織斑先生が学園長に具申したの」

 

一夏「そういえば楯無さん。生徒会長からの祝辞みたいなの、してなかったですよね?」

 

楯無「あ~、その、お姉さん国家代表でしょ? それで・・・国の方に呼ばれて、ね?」

 

一夏「・・・心中お察しします」

 

 

04:【制服】

 

一夏「みんな制服はカスタムデザインなんだよな?」

 

鈴「そうよ。世界中から入学してくる生徒がいるから敢えてデザインを統一しないでいるのよ。ところでどう? 私の制服」

 

一夏「う~ん。セシリアの制服(デザイン)の方がいいな」

 

鈴「はあ!? 何でよ!?」

 

一夏「だって冬でも暖かそうじゃん」

 

鈴「・・・ああ~、うん。そうよね」

 

 

 

05:【クラス分け】

 

鈴「何でアタシだけ2組なのよ!」

 

忍野「まぁクラスが違うから一夏の事が心配でならないのは分かったから」

 

鈴「そ、そんなんじゃないわよっ!!」

 

忍野「さて、可能性を言えば、癖のある生徒を一ヶ所に集めて監視しようって魂胆だろうな」

 

鈴「癖ってどういう事よ?」

 

忍野「俺と一夏は言わずもがな。箒はIS開発者の妹でセシリアは入学当初は女尊男卑派。シャルロットは男装でラウラは軍人。極めつけが世界最強の千冬」

 

鈴「うわぁー」

 

忍野「この個性が豊か過ぎるメンバーに混ざるかい?」

 

鈴「ワタシ、2組デ良カッタデス」

 

忍野「賢明な判断だ」

 

 

 

06:【週休二日】

 

一夏「IS学園も週休二日制。一応、専門学校だからてっきり週一だと思っていた」

 

シャルロット「それは僕も思った。でもこの二日って単に生徒に休みを与えてる訳じゃないんだよ?」

 

一夏「え? 日本の教育事情に合わせたんじゃないの?」

 

シャルロット「えっとね、設立当初は一日だったらしいけど故障した専用機を持って帰国してると一日じゃ足りないって事態があったんだって」

 

一夏「ああ確かに。地球の反対側まで帰らなきゃならない人も居るし、まさか郵送する訳にもいかないからな」

 

シャルロット「それである国が文句を言ってきたから二日制に変更になったんだ」

 

一夏「へぇ、そうなんだ」

 

シャルロット「世界の警察だって言ってるのに我が儘だよね」

 

一夏「名前を伏せた意味無ぇーッ!?」

 

 

 

07:【テスト】

 

簪「IS学園のテストは筆記と実技・・・」

 

忍野「当然と言っちゃぁ当然か。確か候補生は採点基準が違うんだよな?」

 

簪「うん。候補生は筆記4割、実技6割。知識より経験に重きをおいてる・・・」

 

忍野「国家代表にとるには頭だけじゃダメだからねぇ。ところで簪は筆記試験の方は大丈夫なのか?」

 

簪「入試に期末、全試験全科目オール満点」

 

忍野「マジかよ!?」

 

簪「ケアレスミスって、憧れる」

 

忍野「憧れることじゃねぇよ」

 

 

 

08:【パイロット科・整備科】

 

一夏「二年生になったら整備科って技術系の進路があるんだよなぁ」

 

ラウラ「いかにも。ISの研究、開発をするエンジニア育成のための学科だがお前も教官の弟として嫁と一緒にパイロット科に進み、ISの腕を磨くべきだ」

 

一夏「そういえば忍野は整備科の方がいいって言ってたな」

 

ラウラ「・・・私が戦い、嫁が私の機体を整備する。有りだなっ!」

 

一夏「あの戦闘狂ぷりじゃ整備科は無理だと思うぞ」

 

 

 

09:【国語】

 

一夏「IS学園って国語の授業がないよな」

 

箒「世界中からの入学者のいるIS学園ならではだな。国語の授業も、どちらかと言えば日本語慣らしのための意味合いが強い。日本文学に触れる機会が少ないのが残念だが・・・」

 

一夏「そういえば箒って古典は得意なのか?」

 

箒「得意だとは思う。家にあった古書を読むために一通りの読み方は教わっているからな」

 

一夏「へぇーすごいな」

 

箒「問題は古書の殆どが姉さんのらくがき帳になっていて、読めなかった事だ」

 

一夏「忍野が聞いたら発狂しそうなオチだな」

 

 

 

10:【数学】

 

一夏「セシリアって数学強そうだよな」

 

セシリア「ええ勿論。オルコット家当主として恥ずかしくないようあらゆる科目を勉強してまいりました。数学も然り、ですわ」

 

一夏「でもISの訓練まで公式で言われても普通は対応出来ないって」

 

セシリア「ですが箒さんや鈴さんのように感覚任せの方がナンセンスですわ。何事も計算と公式で組み立てれば必ず上達しますわ」

 

一夏「その持論は料理の時にお願いします」

 

 

 

11:【社会】

 

シャルロット「社会の授業って言っても政治経済がメインだよね」

 

一夏「経済学の歴史だったり各国の政治体制の仕組みだったり。昔の事は振り返らないみたいな感じだよな」

 

シャルロット「まあ、国の歴史には触れることが出来ないからね」

 

一夏「どういう事だ?」

 

シャルロット「えっとね一夏。例えば戦争の歴史はそれぞれの国で、都合の良いように改ざんされてることが多いから事実とは限らないんだよ。だから授業でどの国の視点で教えるかってなったら・・・」

 

一夏「・・・揉めそうだな」

 

シャルロット「触らぬ神に祟りなし、だね」

 

 

 

12:【英語】

 

一夏「英語って今じゃ名称として以外、使う機会ないよな」

 

簪「IS登場以降、日本語が世界の標準語になったから・・・。でも漢字で書いて英語読みなんて謎の文化が始まったのもこの頃・・・」

 

一夏「後付武装(イコライザ)瞬時加速(イグニッション・ブースト)形態移行(フォームシフト)拡張領域(バススロット)

 

簪「四字が英語読みされる傾向にある・・・」

 

一夏「それなら、篠ノ之 束(マッドサイエンティスト)とか唯我独尊(アイ・アム・キング)ってなるのかな?」

 

簪「・・・格好いいけど、中二病っぽい」

 

 

 

13:【理科】

 

一夏「IS学園の理科って普通じゃないよな」

 

箒「教科書に“爆発物として使われる物質”とか出て来た時には思わず目を疑ったが、最近ではないな」

 

一夏「慣れって凄いな。その代わり家にある洗剤とかを触るのが少し怖くなった」

 

箒「今なら家庭用品で爆弾を作れそうだ」

 

 

 

14:【体育】

 

鈴「ISを動かすにはまず基礎体力。素人スポーツ選手並みのトレーニングメニューをこなさないといけない」

 

簪「入学一ヵ月ほどは、授業の度に筋肉痛・・・」

 

鈴「・・・ところで誰が嫌い?」

 

簪「山田先生。凄く・・・揺れる」

 

鈴「横に並ぶなら?」

 

簪「ラウラ」

 

鈴「同士ッ!!」

 

 

 

15:【保健体育】

 

楯無「ふふふ。お姉さんが手取り足取り、保健体育を教えてあげるわよ♪」

 

忍野「痴女はお帰り下さい」

 

楯無「ちょっ! 私は痴女じゃないわよ!?」

 

忍野「ふぅ~ん。でも原作だと際どい恰好してたよな? 水着エプロンとか下着Yシャツ(一夏シャツ)とか(一夏)の背中を流す時に密着(水着あり)して胸を押し付けたりとか」

 

楯無「案外詳しいわね!? それとあなたが原作とか言っちゃダメでしょ!?」

 

忍野「ここはメタネタありなんで。まぁ誘惑しているのにいざ一夏のラッキースケベが発動したら過剰な反応を示すところ、口先だけのキャラ作りかな? 処女ビッチさん」

 

楯無「しょ、しょしょ処女ちゃうわっ!!?」

 

忍野「え? 経験あんだ。なら簪にそう行ってこようかなぁ?」

 

楯無「わぁーッ! 嘘嘘嘘、嘘だからそれだけはやめてぇっ! 処女です耳年増です年齢=彼氏いない歴のなんちゃって女ですよ!! うわーーんッ!!」

 

忍野「泣いちゃったよこの子。そこまで言えなんて言ってないのになんで自爆するんだよ」

 

 

 

16:【IS実習】

 

山田「ISの基礎操縦技術を学ぶもので、同時に現行のISが“危険なもの(兵器)”である事を学ぶ大切な授業ですっ」

 

千冬「最近のガキ共はISを自転車感覚で乗ろうとするからな。個人的には痛い目に遭って考えを改めてもらいたいが、教師としては言葉で理解してもらいたいな」

 

山田「そうですねっ。毎年一年生には数人、地面に突き刺さる子がいますからね。怪我をしなければ良いんですが・・・」

 

千冬「そう思うなら実習で緊張しない様にしろ。仮にも元代表候補生だろうが」

 

山田「すっ、すみませ~ん!」

 

 

 

17:【IS機学】

 

一夏「IS機学。つまりISの座学。IS学園の週の科目の四分の一近くを()める授業で、条約から基礎設計まで、ISの知識を学ぶ科目なんだな」

 

忍野「入学して真っ先にあったのもこの授業だったからなぁ。ISがどういうものか正しく理解してもらう為の時間だろう」

 

一夏「ISを正しく・・・。俺達って正しくISを使えているのか?」

 

忍野「正しいか正しくないかで言えば、正しくない、つまり間違いだな。宇宙を目指す翼で国同士の抑止力にしてるんだから仕方がないさ」

 

一夏「いつか本当の意味で正しく使われる日が来るのだろうか?」

 

 

 

18:【芸術】

 

ラウラ「IS学園では音楽や美術といった授業は一括して“芸術”と言う科目として行われている」

 

箒「五教科以外の授業は少ないからな。その分をIS関連にまわしている。そう言えば芸術の成績は候補生の内申に影響するのか?」

 

ラウラ「余程酷くない限りは問題ない。候補生に求められるのはIS操縦技術がなによりだから例え音痴で絵心がなくても何とかなる」

 

箒「そうなのか。ところでラウラは絵心はーーー」

 

ラウラ「訊くな」

 

箒「・・・歌の方は?」

 

ラウラ「下手ではない、と思うぞ」

 

箒「あ、そっちは答えるのか」

 

 

 

19:【家庭科】

 

セシリア「わたくしの出番ですわね!」

 

忍野「お呼びじゃねぇよ」

 

セシリア「何を仰いますの!? 家庭科と言えば料理! 料理と言えばこの、セシリア・オルコットを置いて他に居ませんわ!!」

 

忍野「そのセリフはまともな料理を作れるようになってから言え」

 

セシリア「でしたらこのクッキーを食べてみてくださいまし! 一夏さんのために作ってまいりましたクッキーですが、オルコット家当主として汚名返上のために、泣く泣く一枚お譲りするのですからしっかりと評価してください!」

 

忍野「とりあえず味見はしたか?」

 

セシリア「そんなもの必要ありませんわ。何と言ってもこちらのクッキー、イギリス高級菓子店の品の写真を参考に作りましたので味は折り紙付きですわ!!」

 

忍野「・・・随分と自信(無意識の殺意)があるなぁおい。俺にはこのクッキーを(危険過ぎて)食べれそうにないな」

 

 

 

20:【教師】

 

千冬「教師かぁ。学園創設当初のはヒドかった」

 

一夏「へ~ぇ、どういう風に?」

 

千冬「当時は学問を教える教師とISの知識を教える研究者という二人体制だったからな。互いの認識の違いでよく授業が中断したものだ」

 

一夏「なんで中断に?」

 

千冬「毎度のように取っ組み合いになってな、“学園神拳(アカデミーしんけん)”なる乱闘用の武術が生まれた程だ」

 

一夏「乱闘って、科学者と教育者だろ?」

 

千冬「束曰わく、『科学者ってのは基本的にお山の大将だから人の意見を聞かない。だから最後はガンつけ暴力で自分の意見を押し通す』なんだとさ。そしてそんな研究員に対抗して教師も神拳を学んだからかなり見応えのある乱闘だったぞ」

 

一夏「それで良いのか!?」

 

 

 

21:【登下校】

 

箒「中学時代は基本、政府の車で送迎されていたな」

 

セシリア「わたくしは自宅学習でしたので登下校自体がありませんでしたわ。そう言えば日本の登下校では熊が出ると聞きましたが本当ですの?」

 

箒「それは一部の山間の学校だけだ。街中の学校ではそれはない」

 

セシリア「熊より危険なものが出そうですけどね」

 

 

 

22:【クラブ活動】

 

ラウラ「嫁はどこかのクラブに入らないのか?」

 

忍野「俺や一夏が参加できるクラブってなると必然的に文化系になるんだが、あまり良いのが無くてな」

 

ラウラ「なっ、ならば私と一緒に茶道部に入らないか!?」

 

忍野「千冬が顧問だから遠慮するよ」

 

 

 

23:【放課後】

 

シャルロット「今日は僕が一夏とISの訓練をするよ!」

 

セシリア「何を仰いますのシャルロットさん!? ここはこのセシリア・オルコットの出番ですわ!!」

 

シャルロット「・・・・・・」

 

セシリア「・・・・・・」

 

シャルロット「リヴァイブ!!」

 

セシリア「ブルー・ティアーズ!!」

 

 

 

24:【私服】

 

シャルロット「忍野くんって私服を着てる所、あんまり見た事ないけどちゃんと持ってるの?」

 

忍野「君は俺を何だと思っているんだ? 俺だって少なからず持ってるさ」

 

シャルロット「一応訊くけどアロハ服じゃないよね?」

 

忍野「持ってるけど、どうかしたか?」

 

シャルロット「・・・髪、金髪にしないでね」

 

忍野「何のこっちゃ」

 

 

 

25:【友達】

 

シャルロット「ねえ、大分訊きにくい事なんだけど・・・、忍野くんって友達いるの?」

 

鈴「ん~、中学時代はアイツ学校に行ってないから少なくとも私達と同年代の友達は殆ど居ないかったわね。私と一夏の友達数人だけと交友はあったけど?」

 

シャルロット「数人って・・・」

 

鈴「あと一夏も友達は少ないわよ」

 

シャルロット「なんで一夏も?」

 

鈴「・・・女子にモテたから、男子とは、ね?」

 

シャルロット「・・・昔から一夏は一夏なんだね」

 

 

 

26:【携帯電話】

 

簪「携帯電話はスマートフォン型が主流・・・」

 

セシリア「確か、一度進化してから退化してますわよね。プッシュボタン型からスマートフォン型になって、空中投影型になってからスマートフォン型に」

 

簪「空中投影式だと端末本体が乾電池ほどの大きさしかなかったから無くす人が多かった・・・。それに、指に触れる感覚が無いから操作している気がしなかったのが、退化の原因・・・」

 

セシリア「結局、ある程度大きさがあり、操作している感覚を残すためスマートフォン型で落ち着きましたわね。現在は薄さなどはそのままに本体強度やバッテリー容量の競争が激化してますわよね」

 

簪「・・・もうみんな、電脳化しよ」

 

セシリア「その先にあるのは公安9課か仮想現実(マトリックス)ですのでノーセンキューですわ」

 

 

 

27:【メール】

 

鈴「忍野、あんたメール入力出来るの?」

 

忍野「い、今は出来るぞ!」

 

鈴「へぇー、出来るようになったのね。それにしてもあんた変な所でアナログよね」

 

忍野「悪ぅござんでしたねぇアナログで。このスマートフォン女」

 

鈴「おいコラどこを指し示している」

 

忍野「山田先生が揺れて、お前が微動だにしない部分だ」

 

鈴「よし殺そう」

 

 

 

28:【アルバイト】

 

弾「一夏、今年は土日のバイトしないのか?」

 

一夏「休みって言ってもISの訓練もあるし、そもそも外出届を出さないと学園から出れないんだよ。今年は無理そうかな?」

 

弾「マジかよ。お前が来てくれたら売り上げ倍増なのに」

 

一夏「倍増って、大げさな」

 

弾「本当だって。去年も(お前目当ての)クラスの奴とかが連日食べに来てたからかなり儲かったんだよ」

 

一夏「う~ん、お前な家にはお世話になってるからなあ。バイトは無理でも手伝い位には行けるようにするよ」

 

弾「頼むぜ!」

 

 

 

29:【テレビ】

 

箒「どこの部屋にも設置されているな」

 

シャルロット「うん。それに日本は勿論、各国の民放も見れる優れものだよね」

 

箒「だがそのせいでチャンネル数が普通じゃない。しかも各種専門チャンネルまで揃えてるときてる」

 

シャルロット「僕は料理番組」

 

箒「私は時代劇」

 

シャルロット「一夏は何を観てるんだろうね?」

 

 

 

30:【クラス対抗戦】

 

忍野「中止になっちゃったけどさ、結局あれってどんな展開になったんだ?」

 

楯無「多分、一夏くんが優勝していたわ。離れればビットとライフル、近づけばガン・カタ。近接戦闘の遣い手が操る遠距離機なんて普通じゃないもの」

 

一夏「まぁ言っちゃ悪いが機体性能の差もあるから並の奴じゃ無理か」

 

楯無「最も、その後に私がエキシビションマッチで彼のフリーパスを奪うけどね」

 

忍野「大人気ねぇ。勝てたかは別問題だがな」

 

 

 

31:【体操服】

 

箒「IS学園の体操服は、ブルマだな・・・」

 

鈴「今時ブルマって、一体どうなってるのよ」

 

箒「ISスーツも昔のスク水みたいなデザインだし、まさか姉さんの趣味か?」

 

鈴「実の姉なんて言いぐさなのよ。でも仮に束博士の趣味でブルマだったらどうする?」

 

箒「今すぐミサイルに絶縁状を貼り付けて姉さんの顔面目掛けて発射する」

 

鈴「わぉー、オバーキル」

 

 

 

32:【プール】

 

忍野「この話はパスしていいか?」

 

シャルロット「ダメだよ。と言うより泳げるようにならないとラウラや簪が悲しむよ?」

 

忍野「何で二人が出てくるんだ?」

 

シャルロット「何ででもいいの。とにかく泳げるようになりなさい」

 

忍野「無理難題な。大体みんなはどうやって水に浮いてるんだ? そこから理解に苦しむよ」

 

シャルロット「・・・浮き輪でもつける?」

 

 

 

33:【喧嘩】

 

箒「学園内での喧嘩と言ったら基本、忍野が鈴か織斑先生と繰り広げるアレだな」

 

セシリア「最近では賭事の対象になってますわよ。先日も“忍野さんが織斑先生から逃げ切れるか?”と食券を賭けていましたし」

 

箒「し、知らなかった」

 

セシリア「今度参加されてみれば如何ですか? 娯楽として楽しめますよ」

 

箒「確かに、ここは学園だからあまり娯楽が無いからな」

 

セシリア「『火事と喧嘩は江戸の華』と言う言葉の意味が何となく分かりましたわ」

 

 

 

34:【体育祭】

 

鈴「中学校の体育祭トロフィーに千冬さんと束博士の名前がたくさんあったけど、あの二人って何者?」

 

箒「う~ん、昔から姉さん達は異常なほどの身体能力が高かったからな。ちょうど今の忍野みたいな感じだ」

 

鈴「何か、化物じみた人が多くない?」

 

箒「確かに。もしかしたら今年からの体育祭は忍野の名前で埋まるかもな」

 

 

 

35:【ニックネーム】

 

のほほんさん「私の出番だね~、いえ~い」

 

簪「いつも思うけど・・・、どう言う風にニックネームを考えてるの?」

 

のほほんさん「ん~っとねえ~、パッと見てねえ~、ビビビッと来たのを言ってるの~」

 

簪「・・・つまり適当なの?」

 

のほほんさん「違うよ~? ネーミングの神さまからのお言葉だよ~」

 

簪「電波を受信してる・・・」

 

 

 

36:【更衣室】

 

忍野「この学園って更衣室っていくつあんだろ」

 

ラウラ「私も数えた事はないが、それなりの数はあるのではないか?」

 

忍野「各アリーナに二つから三つずつあって、各部活が約三つで一部屋管理してて・・・」

 

ラウラ「さらに教員用と予備の更衣室を合わせれば、40は越えるだろうな」

 

忍野「思った以上にあったな」

 

ラウラ「そうだ。私の副官が『更衣室』を『行為室』にすれば嫁との仲が深まるとーーー」

 

忍野「その副官をクビにしろ」

 

 

 

37:【身体測定】

 

一夏「俺達って測定する意味あるのか?」

 

忍野「無いだろうな。俺なんて録な食生活をしてないが検査の結果は正常値だしなぁ、まぁ暇つぶしだと思えばいいよ」

 

一夏「女子はそうでもないようだけど?」

 

忍野「教室中から腹の虫が鳴っていたなぁ」

 

一夏「朝ご飯抜いたからって1kgも変わらないだろうに」

 

忍野「だよなぁ」

 

 

 

38:【出欠】

 

忍野「この学園って皆勤賞とかってあるのか?」

 

千冬「確か粗品が貰える程度だったか? どっちにしても表彰されるようなほど大事にはならないな」

 

忍野「へぇー、ならサボってもいいか?」

 

千冬「許されると思うのか?」

 

忍野「俺が許す!」

 

千冬「それが遺言でいいか?」

 

 

 

39:【学級閉鎖】

 

一夏「IS学園で学級閉鎖って、ちょっと思い付かないんですけど、過去にあったんですか?」

 

楯無「それ位あるわよ。隔離された場所だからインフルエンザが蔓延したりしたらすぐよ? 逆に言えば外からは入ってこないんだけどね」

 

一夏「その場合、患者はどこに診察してもらいに行くんですか?」

 

楯無「保健室よ。過去最悪の事例だと教師を含めた学園内の七割が押しかけて、急遽町の病院から先生を派遣してもらったわ」

 

一夏「・・・今年はどうでしょう?」

 

楯無「怖いこと言わないで」

 

 

 

40:【保健室】

 

簪「IS学園の保健室は国立病院並の設備が整っている・・・」

 

ラウラ「人工島にある学園だから緊急時に本土の病院に搬送していたのでは間に合わないからな、学園内で治療を出来るようにしている」

 

簪「最新の再生医療技術まで、ある」

 

ラウラ「さすがに其処まで怪我をおうことはないだろうと思うがな」

 

簪「真っ先に使いそうな人・・・居るよ」

 

ラウラ「なに? 学園内でそんな危険な事があるのか!?」

 

簪「忍野くん。織斑先生の制裁で・・・」

 

ラウラ「なるほど。確かにそうだった」

 

 

 

41:【図書室】

 

シャルロット「僕は行ったことがないけど、ここの図書室って広いの?」

 

セシリア「そうですわね。学園の規模から考えれば狭いですが、それでも地方の図書館並の蔵書量を誇ってますわ」

 

シャルロット「そうなんだ。どんな本があるの?」

 

セシリア「さすがに其処までは・・・。もし気になるのでしたら忍野さんにお尋ねされては如何ですか?」

 

シャルロット「どうして忍野くんなの?」

 

セシリア「蔵書されている本すべてを読破したそうですわ」

 

シャルロット「地味に凄いね」

 

 

 

42:【夏休み】

 

一夏「この話はパスだ」

 

忍野「だろうな」

 

 

 

43:【冬休み】

 

忍野「ずっと寝てていいか?」

 

一夏「ダメだって。それにその台詞、毎年のように言ってるよな」

 

忍野「俺は狐だぞ? 狐は冬眠する生き物なんだから冬は寝てもいいだろ?」

 

一夏「その台詞も聞いた。でも冬眠したらいつ起きるつもりだ?」

 

忍野「休みが終わるまで」

 

一夏「もう少し有意義に休みを使えよ」

 

 

 

44:【春休み】

 

忍野「春休みってかなり短いけど何か意味あんの?」

 

千冬「あるに決まっているだろう。本来は教師生徒それぞれが進級に備えての準備期間だ。お前みたいに遊び呆けていると思うな」

 

忍野「まぁ大半の学生は遊び呆けるけどね」

 

 

 

45:【ゴールデンウィーク】

 

一夏「去年は毎日バイトしてたな」

 

シャルロット「そうなんだ。ところで一夏、ゴールデンウィークって業界用語だって知ってた?」

 

一夏「そんだったの!?」

 

シャルロット「うん。だからTVの国営放送なんかは大型連休って報道しているよ」

 

一夏「へ~、シャルロットは物知りだな」

 

シャルロット「うん。だからもっと僕を頼ってね?」

 

一夏「・・・言葉に含みを感じる気がする?」

 

 

 

46:【避難訓練】

 

箒「IS学園の避難訓練は襲撃を想定しての訓練をしているな」

 

忍野「数が限られているISを一番多く保管している場所だからねぇ。実際クラス対抗戦の時に襲撃犯(工作員)が居たから間違いではないな」

 

箒「襲撃犯(無人機)に避難経路を寸断されて無駄になったがな。そう言えば忍野。お前はあの時どこに居たんだ?」

 

忍野「・・・校舎裏で暇つぶし」

 

箒「一夏の応援をしろ」

 

 

 

47:【通知表】

 

一夏「昔は通知表を持って帰るのが怖かった」

 

シャルロット「なんで、ってそうか。一夏が通知表を見せる相手って織斑先生だからね。やっぱり厳しかったの?」

 

一夏「いや、厳しいって訳じゃないんだよ。特に説教とかもなかったし。ただ、前回の通知表と比べて下がってる科目があると家に居る間の威圧感が数割増しになった」

 

シャルロット「威圧感って・・・、胃が痛くなりそうだね」

 

一夏「寮ならその心配がないから気が楽だよ」

 

シャルロット「その代わり成績は筒抜けだけどね。と言うより通知表を書く側だし・・・」

 

 

 

48:【マラソン大会】

 

簪「私の中学は、みんな仲良く一等賞みたいな、のんびりとした大会だった・・・」

 

鈴「アタシや一夏の中学は凄く力を入れてたわ」

 

簪「みんな、速かったの?」

 

鈴「それが鬼ごっこ形式で、のんびり走っていると後ろから先生が走って来るのよ。もし捕まったら補習が決定するからみんなサボれもしないし、負の大会ね」

 

簪「補習って・・・」

 

鈴「転校出来て嬉しく感じた数少ない事の一つよ」

 

 

 

49:【文房具】

 

シャルロット「特にこれと言って変わったものはないね」

 

セシリア「シャープペンと消しゴムくらいしか使いませんわよね」

 

シャルロット「私は鉛筆派」

 

セシリア「わたくしはシャープペンですわ」

 

シャルロット「いつの時代も学校ではこの二つがしのぎを削っているね」

 

セシリア「そうですわね」

 

 

 

50:【髪型】

 

簪「忍野くん。その髪は・・・セットしているの?」

 

忍野「これか? くせっ毛だよ。濡らしても乾いたら跳ねてくるんだよなぁ」

 

簪「似合ってると思うよ」

 

忍野「ありがとうね。そう言えば簪は髪を弄ったりしないのかい?」

 

簪「その・・・、私、髪短いから・・・。忍野くんは、髪が長い方が、好き・・・なの?」

 

忍野「(すき)? あぁ、大昔のスコップのことか」

 

簪「そんなボケは求めてない」

 

 

 

51:【委員長】

 

一夏「クラス代表って言っても何にもしてない気がするんだが気のせいか?」

 

忍野「そりゃそうだろ。今のところ議題になるような事はないし、細々とした事は俺が片付けているからなぁ」

 

一夏「そう言えばお前は代表補佐だったな」

 

忍野「現状だけで言えばお前の方が仕事をしてないぞ。そんなところで仕事をしていない一夏、この書類の提出、お願いしていいか?」

 

一夏「性格悪い頼み方だな!?」

 

 

 

52:【不良】

 

鈴「アタシの居た中学って途中から不良が居なくなったわね」

 

簪「そうなの? どこの学校でも居そう・・・だけど?」

 

鈴「それが二度に渡って地元の不良が全滅したのよ。何年か前に目つきの鋭い一撃女(ワンパンウーマン)が、アタシ達が中学一年の秋頃に茶髪の一撃男(ワンパンマン)が不良をやっつけちゃって、それ以降、不良になる奴が居なくなったらしいのよ」

 

簪「脱力系ヒーロー?」

 

鈴「ヒーローって言うより喧嘩屋じゃないかしら? どっちしても正体不明よ」

 

 

 

53:【階段】

 

一夏「はっきり言って使いたくない」

 

忍野「階段を昇っていったら上に女子が居てスカートの中が見そうになっちまうんだよなぁ」

 

一夏「実際に見てなくても女尊男卑の奴だったら問答無用で警察送り。実際学園でも何回かあったよな?」

 

忍野「あぁあれか。スカートの中を覗いただの何だのって騒いでた女。確かあの後、千冬が取り調べをしたら俺達を陥れようとしたって白状したぜ」

 

一夏「うわぁー」

 

忍野「千冬が直々に取り調べをしたから改心してるかもね」

 

 

 

54:【怪談】

 

一夏「どこの学校にも七不思議とか言うのがあるけど、全然怖くないな」

 

忍野「だろうな。俺もお前も七不思議そのものみたいな者だからなぁ、怪談もクソも無ぇよ」

 

一夏「今なら花子さんとも友達になれそうだよ」

 

忍野「止めとけ、フラグを立てるオチが見えているから」

 

 

 

55:【青春】

 

箒「姉さん、青春ってなんですか?」

 

束「漠然としたテーマだね~。青春、それは箒ちゃん達自身のことなの。十代の貴重な一日一日が、すべて青春というドラマのワンシーンなんだよ」

 

箒「すごい、姉さんがまともな事を言っている」

 

束「あるいはエロい妄想のことだよ」

 

箒「台無しだ!!」

 

 

 

56:【屋上】

 

簪「IS学園の屋上って、開放されているけど・・・使われない所が多い」

 

忍野「そりゃ四方を海に囲まれてるんだ。潮風の弱い屋上に利用が集中するのは避けられない」

 

簪「よく、屋上に行くの・・・?」

 

忍野「内緒話をする時はね。風音で周囲に声が響かないから盗聴機が使い物にならないし、人の少ない所なら盗み聞きされる心配がないからなぁ」

 

簪「考え方が、違う」

 

忍野「どうだろうねぇ?」

 

 

 

57:【授業】

 

千冬「一般科目は私が担当して、IS機学などは山田先生に任せているな」

 

ラウラ「教k・・・織斑先生。失礼ながらお尋ねしますが教員免許を持っておられるのですか?」

 

千冬「一応持っているぞ。私は高卒なんだが国家代表になった時に特例で教員採用試験を受けさせてもらってな、ギリギリ合格した」

 

ラウラ「では元々教師になられるおつもりだったのですか?」

 

千冬「ISが出来る前からな。意外に楽しいぞ? 授業中、寝ている生徒やふざけている男子生徒に出席簿を振るうのは」

 

ラウラ「その楽しみが間違っているのは私にも分かります」

 

 

 

58:【席替え】

 

忍野「クラスで席替えしても俺と一夏って同じ場所なんだよなぁ」

 

一夏「そうそう。それにテンションの落胆さが激しいよな」

 

忍野「席替えする前はスポーツ観戦してるかのような熱気があるのに、終わった後、離れた席の方はお通夜みたいな感じだからなぁ。席替えって何処でもあんな感じなのか?」

 

一夏「多分、そうなんじゃないか」

 

忍野「席替えって怖ぇな」

 

 

 

59:【教科書】

 

一夏「ISの教科書って毎年のようにページが増えるですよね」

 

山田「よく知ってますねっ。そうですよ、去年に比べて今年の教科書は20ページほど増えています。ISは発展途上でブラックボックスの技術ですから日々の研究で分かった事や生まれた物を教本に載せているので、これからも増えていきますよっ」

 

一夏「先生も大変そうですよね」

 

山田「はいっ。先生ですからちゃんと教えれるように増えたページの分は毎年勉強しています」

 

一夏「お疲れさまです」

 

 

 

60:【ゲームセンター】

 

鈴「中学の頃は週一くらいで行ってたかな」

 

ラウラ「げーむせんたーとは何だ?」

 

鈴「えッ!? 知らないの!?」

 

ラウラ「私はずっと軍属だから世間の事は疎い。日本における知識も副官に教えてもらったからな」

 

鈴「それなら知らなくても当然よね。って、ん? 副官に教えてもらった?」

 

ラウラ「うむ。優秀で頼りになる、私の部隊の副隊長を勤めている者だ。彼女のOTAKUと呼ばれる知識にはいつも助けられている。そうだ、げーむせんたーについてもーーー」

 

鈴「アタシが実演付きで教えてあげるからその人を頼るのは止めなさいッ!!」

 

 

 

61:【バレンタインデー】

 

弾「誰か俺にチョコをくれぇぇぇ!!!」

 

忍野「何だよいきなり、ビックリするなぁ。突然、血の涙を流しながら何を叫んでるの?」

 

弾「だって一夏が山盛りのチョコを貰っているのに、俺には義理チョコ一つ無いんだぞ!? この気持ちが分かるか!?」

 

忍野「ごめん、どんな気持ちなのか分かんない」

 

弾「勝ち組かよチクショーッ!!」

 

忍野「何に勝っちゃったのか知らないけど、お前にも春が来ると思うぞ? 具体的には今年くらいに」

 

 

 

62:【移動教室】

 

一夏「入学当初はひどかった」

 

シャルロット「別段、一夏が苦労するような話じゃないと思うけど?」

 

一夏「それが移動教室で廊下に出るたびに、どこかの武家屋敷のように他のクラスに追い回されたんだ。しかもこっちが遅刻するのもお構いなし。そのせいで何回出席簿アタックを食らったことか」

 

シャルロット「アハハハ、ご愁傷様」

 

一夏「忍野の奴はちゃっかりクラスメートに紛れて移動してるし。散々だったよ」

 

 

 

63:【黒板】

 

鈴「黒板、黒板って言ってるけど実際には深緑色よね。何で“黒”って言うかしら?」

 

シャルロット「でも黒板って今でこそ技術の進歩で深緑色になってるけど、昔は本当に黒かったんだよ」

 

鈴「ええッ!?」

 

シャルロット「それに黒板は海外から伝えられた物で、当時はブラックボードって呼ばれていたんだよ。それが歴史の流れの中で直訳の黒板って呼ばれるようになったの」

 

鈴「随分と詳しいわね。何でそんなに詳しいのよ?」

 

シャルロット「黒板を始めて見た時に気になっちゃって、それで調べたの」

 

鈴「優等生ね」

 

 

 

64:【将来の夢】

 

束「箒ちゃんはさ、将来の夢とかあるの?」

 

箒「そうですね。せっかく姉さんが紅椿をくれたので国家代表を目指そうかと思ってますが・・・」

 

束「うん良いと思うよ。夢なんか見ないほうがいいけどね」

 

箒「それでも大人ですか。嘘でもいいから、夢の見れることを言ってください」

 

束「努力すれば夢はきっと叶う!」

 

箒「浅っ!」

 

束「努力した夢は踏みにじられる!」

 

箒「最悪な台詞ですね!?」

 

束「私は、そうだったから・・・」

 

箒「重ーいっ!」

 

 

 

65:【ラブレター】

 

弾「爆発しろよ!!」

 

鈴「うるさいわね。何か嫌な思い出でもあるの?」

 

弾「あるともさ! 中学の頃、月に一度は必ず一夏宛のラブレターの受け渡しを頼まれたんだぞ!? 自分で一夏に渡せば良いのによ、間に挟まれる俺の気持ちにもなれってんだ!! だから全部断ってやったぜザマァー見ろ!!」

 

鈴「後でジュースを奢るわ」

 

 

 

66:【修学旅行】

 

一夏「広島と大阪」

 

箒「広島と京都」

 

一夏「日本の中学校なら広島が必ず入るよな」

 

箒「戦争の悲惨さを忘れないようにと原爆ドームを見学しに行くのが通例だからな」

 

一夏「そう言えば、千冬姉達が修学旅行に行った時に束さんが原爆ドームに落書きをしようとしたって話、聞いた?」

 

箒「初耳だ。何をやってるのだ姉さんは」

 

 

 

67:【宿題】

 

束「宿題なんて滅びればいいんだっ!!」

 

一夏「一体どうしたんですかっ、藪から棒に!?」

 

束「いっくんは小学生の時に夏休みの宿題をいつやった?」

 

一夏「え? それは毎日少しずつやってましたけど?」

 

束「私はあんな簡単な宿題に時間を取られるの嫌だったから、貰ったその日の休憩時間に全部やって提出したの。そしたらーーー」

 

一夏「そしたら?」

 

束「先生とお母さんからムチャクチャ怒られて、もう一度宿題を出された~」

 

一夏「自業自得じゃないでしょうか?」

 

 

 

68:【お弁当】

 

箒「弁当か。学園には食堂があるから毎日は作らないな。ラウラは弁当を作るのか?」

 

ラウラ「弁当以前に、私は料理自体があまり得意とは言えないな。軍では戦時食のような物しか作った事がない」

 

箒「では忍野に弁当を作ってみればどうだ? 確か、男は女子の手料理を貰えると嬉しいらしいぞ?」

 

ラウラ「チャレンジしてみるか」

 

 

 

69:【受験勉強】

 

一夏「IS学園の受験ってどんな感じなんですか?」

 

山田「まずIS適性検査があって、そこでC+以上の数値が出ないと以降の試験を受けれないんですっ。その後は筆記と面接、そしてISの模擬戦という流れになります」

 

一夏「因みにどの位、人数が絞られるんですか?」

 

山田「そうですねっ。年によって違いますが、適性検査で平均六割近くの受験生が落とされて、筆記と面接で約千人までに減って、模擬戦で入学者が決定しますっ」

 

一夏「狭き門、ですね」

 

山田「倍率1万は伊達じゃありません」

 

 

 

70:【推薦入試】

 

一夏「では推薦はどうなんですか?」

 

山田「IS学園の推薦枠は整備科のみになります。そのためで受験生さんは基本、ISの技術系の進路を目指している方なので適性検査と模擬戦は免除されていますね。その代わり論文の提出があります」

 

一夏「論文って、さすが」

 

山田「この論文提出と面接で政府のコネや、親の七光りで推薦入学しようとした受験生さんはほぼ落とされます。さらに一年生の間は他の生徒さんと同じく授業を受けるので、実際に二年生からの整備科に上がってくるのは半数くらいに減ってしまいます」

 

一夏「それって大丈夫なんですか?」

 

山田「問題ありませんよ。やりたい事を目指すのは良いことですし、何より生徒さんが自分で決めたことですから先生が強要するわけにはいきませんよ」

 

 

 

71:【合唱会】

 

弾「合唱会って女子はノリノリだよな?」

 

一夏「先生~! 男子が声を出してませ~ん!(棒)」

 

弾「あるある!」

 

一夏「男子ちゃんとやってよ!(棒)」

 

弾「あるある!」

 

一夏「みんな声出し過ぎ! 男子の声が引き立たないでしょ!(棒)」

 

弾「ねぇよ! 何だよそれ!?」

 

一夏「・・・もしIS学園で合唱会があった待ち受けているかもしれない末路」

 

 

 

72:【肝試し】

 

八九寺「これ私が話してもいいんですかっ?」

 

箒「肝を試す以前に、お前は幽霊だからな。むしろ試すための障害扱いされる側だな」

 

八九寺「こんな可愛い幽霊で肝試しなんて、罰当たりも程がありますっ! 団子抗議しますっ!」

 

箒「餅米を練って作る日本の伝統菓子に抗議するな。それを言うなら断固抗議だ」

 

八九寺「失礼、噛みました」

 

箒「違う、わざとだ」

 

八九寺「噛みまみた」

 

箒「わざとじゃない!?」

 

八九寺「飲み込んだ」

 

箒「喉に詰まるだろ!?」

 

 

 

73:【休み時間】

 

箒「忍野の事が気になるなら休み時間に来ればいいのではないか?」

 

簪「そっ、そんな事・・・出来ない。声をかけて、教室中の目線が向くのが・・・怖い」

 

箒「そこまで怖いか?」

 

簪「なら、上級生のクラスに行って、先輩に声をかけてみたら分かる・・・よ?」

 

箒「・・・確かに怖い」

 

 

 

74:【出席番号】

 

箒「そう言えば山田先生は出席番号で私達を呼びませんよね?」

 

山田「それは、ちゃんと名前があるのに番号呼びするなんて生徒さんに失礼だと思いますしーーー」

 

箒「いい先生だ」

 

山田「ーーー教育委員会から怒られたくないですから」

 

箒「小心者だった」

 

 

 

75:【文化祭】

 

忍野「文化祭ねぇ。面倒くさいなぁ」

 

楯無「あら? せっかくの“祭”なんだから楽しまないと♪」

 

忍野「生憎こっちは()()と暇じゃねぇんでね」

 

楯無「・・・良からぬ事を考えているなら、容赦しないわよ?」

 

忍野「ハッハー、人の事を言えるんですかぁ、会長さんよぉ?」

 

 

 

76:【臨海学校】

 

忍野「この話もスルーだな」

 

一夏「語る程じゃないな」

 

 

 

77:【転入生】

 

一夏「考えたら転入生って普通はそんなに居ないよな?」

 

箒「お前と忍野がIS学園に入ったのを知ってから手続きをしたから入学に間に合わなかったのだろう」

 

一夏「鈴は早かったけど、シャルロットとラウラは遅かったよな。やっぱり国が近いとすぐに手続きが終わるんだな」

 

箒「そんな訳無いだろ。シャルロットは、まあ男装とかしていたからだし、ラウラも軍人だからすぐに国を離れられなかったのだと思うぞ?」

 

一夏「分かってるって。冗談のつもりだったんだよ」

 

 

 

78:【学問】

 

鈴「中学の頃はよく学校の勉強って役に立つのか考えたけど、実際のところ偏りがあるわね」

 

弾「使いどころあんのか!? 俺は全然ないぞ?」

 

鈴「それはあんたがバカだからでしょ。でも全部じゃないわよ? 多分、半分も活用してないわ」

 

弾「そう思うと全部が全部、“義務”で学ばないといけないのか分からなくなってきたぞ」

 

鈴「どっちにしても、高校生(アタシ達)には過ぎた事だから関係ないけどね」

 

 

 

 

79:【読書】

 

マヨイ「読書と言ったらこの人! 忍野さんお願いするんじゃよ!」

 

忍野「何で俺なんだ?」

 

マヨイ「ま~たまた、忍野さんの趣味が読書なのは調べがついてるんじゃよ~。さあ、四の五の言わずにナイス発言お願いするんじゃよ!」

 

忍野「小説は覚えなくていい、そうすれば何度でも楽しめる」

 

マヨイ「つまり馬鹿になれ?」

 

忍野「長生きすると馬鹿な方が楽なんだよ」

 

 

 

80:【衣替え】

 

鈴「衣替えって言っても千冬さんは変わり映えしないわよね。年中同じ様な服装だし」

 

忍野「スーツかジャージかの二択だからなぁ。色気の欠片もねぇ」

 

鈴「やっぱり社会人になったらオシャレをする機会ってないのかしら?」

 

忍野「さぁね。でも俺は冬でも太ももを露出してる女の子の正気を疑うよ」

 

鈴「あれはファッションだから良いの」

 

 

 

81:【体育館】

 

のほほんさん「いち~、に~い、さん~、」

 

簪「何を、数えてるの?」

 

のほほんさん「え~っとね~、天井に引っかかってるボールの数を数えてるの~」

 

簪「どこの学校も、よくバレーボールが・・・引っかかってるよね」

 

のほほんさん「違うよ~? バスケットボールだよ~?」

 

簪「この学校に・・・百合のエロ奴隷って居たっけ?」

 

 

 

82:【気象警報】

 

鈴「気象警報・・・台風・・・にへへ・・・」

 

忍野「何だよ?」

 

鈴「台風ってテンション上がらない!?」

 

忍野「上がんねぇよ、腹の底がざわついて不愉快だ」

 

鈴「あの空気中のビリビリとした感じがたまらないのに! こうゾクゾクすると言うか!」

 

忍野「理解不能だ」

 

鈴「忍野! 模擬戦すんわよっ!!」

 

忍野「お断りだ」

 

 

 

83:【掃除当番】

 

一夏「掃除か。最近はやってないな」

 

鈴「アンタまさかまだ忍野と当番制で掃除してたの」

 

一夏「だってそうだろ? 頑張って掃除しても数日で元通りにされたら心が折れるって」

 

鈴「でも忍野に任せっきりにすればいいじゃない」

 

一夏「あいつだってリスクを背負ってるぞ? もしバレたら殺されるだろうし」

 

鈴「そうよね。千冬さんの部屋に入ったってバレたら消されるわね」

 

一夏「あそこまで散らかす千冬姉が悪い気がするけどな」

 

 

 

84:【五月病】

 

忍野「憂鬱だ、死にてぇ」

 

シャルロット「うわっ!? 絵に描いたかのようにドヨーンってしてるけどどうしたの?」

 

忍野「それが湿気で保管していた古書が何冊もカビていてよぉ、読めなくなってたんだ」

 

シャルロット「たったそれだけの事で死にたがってるの!?」

 

忍野「それだけって言うけどなぁ、本が見付からないとかじゃなくて読めないんだぞ? 俺にとっては砂漠でオアシスを見つけたが柵で囲われているようなもんだ」

 

シャルロット「ちょっと僕にはその例えになる感性が分からないよ」

 

 

 

85:【球技大会】

 

忍野「なぁ、球技大会って何をやるんだ?」

 

箒「学校によって違うが基本はサッカー、野球、ドッチボールの三つだな。クラス対抗だったりチーム戦だったりと方式も多種ある」

 

忍野「へぇ~。ついでにもう一つ訊いていいか?」

 

箒「何を訊きたいのだ?」

 

忍野「ドッチボールって何?」

 

箒「お前の知識はどうなっているのだ!?」

 

 

 

86:【恋愛】

 

忍「我が主様に話す資格はない!!」

 

一夏「何でだ?」

 

 

 

87:【職員室】

 

簪「職員室って独特の威圧感があるよね」

 

忍野「だな。呼び出されても絶対ぇ行かねぇな」

 

簪「忍野くんって、真面目じゃないよね・・・」

 

 

 

88:【朝礼】

 

忍野「朝礼って地方の学校じゃやってねぇんだよなぁ」

 

セシリア「それは忍野さんの母校の話ですの?」

 

忍野「いいや、知ってるだけだよ。第一、俺には母校なんてもんはないし」

 

セシリア「・・・学校に通っていないですの?」

 

 

 

89:【学級会】

 

箒「ではこれより“織斑先生と忍野の暴挙を阻止する方法”の議論を始めます。意見のある者は挙手を」

 

ラウラ「そもそもあの二人を止めれるのか?」

 

箒「一言で終わってしまった」

 

 

 

90:【ボランティア】

 

箒「小学校の頃の一夏は千冬さんとよくボランティア活動に参加してたな」

 

シャルロット「一夏って好きそうだよね。人助けとかそう言うの」

 

箒「それもあったのだろうが、“普段近所の人にお世話になっているからその恩返し”と言っていた」

 

シャルロット「あっ、そんか・・・。一夏って・・・」

 

箒「うん。だから千冬さんも張り切っていた」

 

シャルロット「織斑先生って何でも出来そうだから鬼に金棒だね」

 

 

 

91:【持ち物検査】

 

千冬「今持ってる物を全部出せ」

 

忍野「なんだよ藪から棒に。元気いいなぁ、何かいいことでもあったか?」

 

千冬「イタズラ道具を没収すると言っているんだ」

 

忍野「さらばだ!!」

 

千冬「このッ! 逃げるな!!」

 

 

 

92:【テスト勉強】

 

忍野「テスト勉強かぁ。そういや一夏は受験の前は夜遅くまで勉強してたな」

 

ラウラ「私は前日に教科書とノートを読み直すだけだ。嫁は勉強をしないのか?」

 

忍野「ん~、これと言った事をしなくても赤点は回避出来るからねぇ。姿勢を正し改まっては勉強してないな」

 

ラウラ「それを羨ましいと思う者も居るだろうに。しかしそれなら勉強して高点数を狙わないのか?」

 

忍野「まぁそこは、餌は狩人を煽ってはいけないってね」

 

ラウラ「よく分からないぞ」

 

忍野「分からないようにしてるの」

 

 

 

93:【廊下】

 

鈴「廊下は走ってはいけないって言うけど、千冬さんと忍野ってガッツリ破ってるわよね」

 

ラウラ「二日に一回は走っている姿を見かけるな。初めて見た時は何かのトレーニングかと思った程だ」

 

鈴「最近じゃ壁や天井を走ってバレルロールをするぼどよ」

 

ラウラ「一体どんな身体能力をしているのだろうか?」

 

鈴「考えるだけ無駄よ」

 

 

 

94:【旅行】

 

千冬「そう言えば、一夏は中学の時に何度か旅行に行っていたな」

 

忍野「ん? あぁそうだな。えっと、五反田の兄妹って言えばわかるか? まぁとにかく、友人と日帰り旅行とかしてたぜ」

 

千冬「その旅費をどこから捻出していたんだ? 確かに一夏に実質的な一人暮らしをさせていたから多めに生活費を渡してはいたが、旅行が何度も出来るほどの余裕はないと思う。ましてやお前が住み着いてからはさらに余裕は無くなったはずだぞ」

 

忍野「それは至極簡単な理由だよ。千冬には家賃しか払ってなかっただろ? だから日々の生活費と迷惑料として毎月10万渡してたんだ。それを使って旅行に行っていたんだ」

 

千冬「10まッ!? 中学生に渡す額じゃないぞ!? 大体、お前はどこからその金を用意した!?

 

忍野「普通に貯金を切り崩してだが。まだ貯金は8桁くらいはあるぞ?」

 

千冬「・・・その金があればドイツから帰ってこれたんじゃないのか?」

 

忍野「田舎の地方銀行に預けた金をドイツで引き出せたなら、帰国していただろうね」

 

 

95:【提示板】

 

一夏「廊下に設置された提示板の張り紙見ると、IS学園ってイベント多いなと思うよな?」

 

シャルロット「確かにそうだよね。クラス対抗戦にタッグ・トーナメントと臨海学校、夏休み後には文化祭にキャノンボール・ファスト。普通の学校じゃあり得ない数だよ」

 

一夏「でも今のところ、どれ一つとして成功してないんだよなあ」

 

シャルロット「そのうちテロリストが攻めて来たりして」

 

一夏「あれ、おかしいな? 何か本当に起こりそうな気がする」

 

 

 

96:【買い食い】

 

鈴「中学時代はよく買い食とかしてたわね」

 

箒「部活帰りだとどうしても・・・な? 商店街を通した時のあの香りは最早暴力だ」

 

鈴「そうそう。それで気付いた時にはもう買っちゃったりして、ダメだダメだと思いつつ止められないのよ」

 

箒「そしてしっかりと(胸が)育ってしまう・・・」

 

鈴「ええ。(腹が)育っちゃうのよね」

 

箒「何度服を買い替えた事か」

 

鈴「・・・ねえ何か会話が噛み合ってない気がするんだけど?」

 

 

 

97:【整備室】

 

一夏「整備室ってどんな設備があるんだ?」

 

セシリア「どんな、と言われましても。ISの組み立てからオバーホールが出来る程の設備がある部屋から、検査機器と装甲用ワックスしか置いていない質素な部屋もありますのでどの部屋を参考にお教えすれば良いのか・・・。それよりも一夏さんは機体の整備はご自分でなさらないのですか?」

 

一夏「忍野に任せっきり。ガンダムは束さんのお手製だから一般的な方法じゃ点検すらままならないし、何より俺はガンダムの整備方法を教えてもらってない」

 

セシリア「そう言えば篠ノ之博士作の機体でしたわね」

 

一夏「セシリアは自分で整備するのか?」

 

セシリア「整備の心得がないので出来ません。しかし機体の微調整は同じ祖国(イギリス)の方の力を借りて時々行ってますわ」

 

一夏「やっぱり他国の子に自国の最新鋭機の中身を知られたらマズいからなあ」

 

セシリア「心苦しくもありますが、機密情報がありますのでこればかりどうしようにも・・・」

 

一夏「忍野は誰が居ても気にせずに作業してるらしいけど?」

 

セシリア「機密は何処へ行きましたのっ!?」

 

 

 

98:【告白】

 

忍野「告白ねぇ。女の子達なら嬉し恥ずかし、恋愛の告白を想像するんだろうけど俺達の場合は、なぁ?」

 

一夏「俺にふるなよ!? まあ確かに千冬姉に秘密にしていて心苦しくはあるけど、怪異なんて理解してもらえるとは到底思えないし。この告白はまだ先になるな」

 

忍野「その辺のタイミングはお前に任せるよ。互いに怪異を抱えている者として、説明の協力はしてやるぜ」

 

一夏「・・・悪いな」

 

忍野「気にするな」

 

 

 

99:【卒業式】

 

一夏「これで最後か。長かったけどこれで終わりか~」

 

忍野「感傷に浸っているところ悪いが、そこの数字よく見てみな」

 

一夏「あれか、ってよく見るたらこれ99話じゃん! 100話目はどこにやった!?」

 

忍野「俺に訊くな作者に訊け。大方、『暴物語』が完結していないのに合わせて未完にしたってところだろうなぁ」

 

一夏「つまりどう言う事?」

 

忍野「願掛け、ってやつかな?」

 

一夏「そうなんだ。ところで、この百物語はどうやって締めるんだ?」

 

忍野「俺達の闘いはこれからだ!(棒)」

 

一夏「ありきたりな台詞だ」

 

 

忍野・一夏「99話の間、お付き合いありがとうございました」

 

 




長々と毒にも薬にもならない話を読んでいただき、ありがとうございます。

本編は自分が考えている結末に向かえるように頑張っていきたいと思ってますので、もし宜しければこれからも暴物語を読んでくれると嬉しいです。

ご意見、ご感想をお待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。