ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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次なる一歩:ちぃちゃんフルバースト

 時には息抜きってものも重要だ。

 普通に生きている人間であれば誰しもが何らかの組織に属していると思うが、そこには立場の上下はあれど必ずトップが存在する。上になればなるほど組織を運営するマネジメント力、判断力、責任が求められる。トップは常日頃からそういった重圧に頭を悩ませており、そのせいか現代ではトップ層への昇格意欲がない人も増えているのだと言う。結局のところ、管理職になって貰える金が増えてもその使い道がないくらいに忙しくなったら意味ないもんな。一度きりの人生、もっと気楽に生きたいものだ。

 

 だが、そのトップ層は誰かが担わなくてはならない。何事もまとめ役ってのは必要で、それがいない組織なんて責任が全員に等しく分散されてしまい、やがて厄介事の押し付け合いになるだけだからな。もちろん組織のトップになるにはさっきも言ったような能力が必要になるわけだが、同時に多大なるプレッシャーとストレスも抱え込んでしまう。だからこそ常日頃から頭を悩ませているトップの奴ほど息抜きは大事ってことだな。

 

 11月下旬の放課後。場所は某所のゲームセンター。

 目の前のダンスゲームをプレイし、現在進行形で圧倒的なスコアを荒稼ぎしている奴が1人。

 

 Liellaの部長である千砂都は、しなやかな動きで難易度設定MAXのダンスを見事に最後まで踊り切った。しかも店舗内ランキングは堂々の1位。ダンス中、あまりにも華麗なダンスだったためかいつの間にか周りに人が集まり始め、ランキング1位が画面に出た瞬間に大きな拍手と歓声が上がった。

 

 千砂都はこちらに向かってピースサインを突き出すと、タオルで汗を拭いながら歩み寄って来た。

 

 

「こういうゲーム初めてやったんですけど、すっごく楽しかったですっ!」

「お疲れ。気に入ってもらえて良かったよ」

 

 

 息切れして少し疲れた様子は見られるが、本人が満足しているっぽいので俺の目論見は成功したと言っていい。これでつまらなそうにしていたら、成人男性が教え子の未成年女子をゲーセンに連れまわすただの変質者になってたからな。女の子さえ喜んでくれれば周りの目はデートをしているカップルと勘違いしてくれるだろうから。

 

 彼女を休ませるため、ゲームセンター内の休憩コーナーのベンチに並んで腰を掛けた。

 

 

「でも最初は驚きました。まさか先生が私を遊びに誘ってくれるなんて」

「最近お前忙しくてストレス溜まってただろ。『ラブライブ!』も近いからその手続きに追われて、追い込み用の練習メニューも考えて、たこ焼き屋のバイトも休まない。それでいて授業も寝ずに真剣に聞いて、宿題も忘れず、テストはいつも高得点。いつ休んでんだよって話だ」

「あはは、私はあれでも充実してるから満足って思ってたんですけどねぇ……。ストレスも別に感じたことなかったですし」

「バカ。ストレスってのは気付かない間に溜まってるものなんだよ。むしろ感じたことがないってことは、無意識に溜めてばかりで発散したことがないってことかもしれねぇだろ」

 

 

 俺が千砂都をここに連れてきたのは、そのストレスを発散させてやるためだ。コイツはスクールアイドル部の部長という立場もありながら、練習のメニュー作りも一手に引き受け、バイトもして学業にも従事するスーパーマン。体力バカでタフな性格なのは1年生の頃から知ってるけど、だからこそ無理が祟る前にどこかで息抜きさせてやろうと思ったわけだ。

 

 その息抜きの方法だが、コイツと言えばやっぱり身体を動かすことだろう。スクールアイドルの練習で動かしてはいるのだが、スクールアイドルみたいな仲間との連携で格式ばったお堅いダンスとは違い、1人で伸び伸びと、誰の目も意識しないありのままの自分を出せるダンスができる場を提供してやった。そして俺の目論見通りコイツが求める刺激に突き刺さったようで、久々に何も考えずにダンスができてご満悦のようだった。

 

 

「ありがとうございます。確かに頭を空っぽにして『うにゃぁああああああっ!!』って感じで、我武者羅に何かをしたかったんだと思います。自分で自分のことを気付かなかったのに、先生は私の本心に気付いてただなんて流石ですねやっぱり」

「お前のような思春期女子と何人関わってきたと思ってんだ。ま、慣れてるとは言い難いけどな。この世で俺が一番謎だと思ってんのが女心だから」

「あれだけたくさんの女性とお付き合いしてるのにですか?」

「外でそれを言うな……。永遠の課題だよ、女の子とのコミュニケーションは」

 

 

 女の子との関わりはそこらの男よりも断然多いが、毎回ベストなコミュニケーションが取れる自信があるかと言われたらそうではない。誰1人として性格、考え方、内に秘めてる本性は同じではないので、毎回コミュニケーションは違う対応が求められる。今のような世間話は除くにしても、真面目なシーンなんかではどう話したらいいのかワードチョイスを結構考えたりしてるんだぞ。教師になってからの出来事だと、コイツらLiellaのメンバーの勧誘の後押しをする時なんていつもそうだった。それくらい難しいんだよ、女心ってのはさ。

 

 

「えぇ~先生って繊細なところもあるんですね♪ 意外と可愛いところあるじゃないですか♪」

「お前の方が可愛いよ」

「んぎゃっ!? ちょっ、こっちが猫みたいにじゃれついたのに、ガゼルパンチのストレートで返さないでくださいよ……」

「こっちもジャブのつもりだったんだが……」

 

 

 いや可愛いなんて普通に言うだろ。そんなのでダメージを受けるのはお前の防御力が弱いからじゃねぇのか……?

 

 

「話を戻しますけど、先生見てくれていたんですね、私のこと」

「当たりめぇだろ。顧問なんだから」

「先生の場合は顧問というより、女の子だから……じゃないですか? 女性好きは相変わらずですね♪」

「女の子なら誰しも気にかけてるわけじゃねぇよ。顔が良くないとダメだ」

「うわぁ……」

「自分で種撒いておきながらドン引きするなよ……」

「だとすると、先生に気にかけて貰えてるってことは女性として魅力があるってことですよね。あっ、知り合いにスクールアイドルが多いのってそういう……」

 

 

 そりゃスクールアイドルはアマチュアと言えどもアイドルなんだから、美女美少女しか揃ってないわな。だからこそ俺の人生はスクールアイドルに支配されているのかもしれない。

 

 

「とにかく、ストレスとかプレッシャーとかでお前が潰れないようにこうして連れ出してやったってことだ」

「ふふっ、ありがとうございます。確かに最近のダンスレッスンはみんなの動きのことや、グループとしてどう魅せたらいいのかとか、ずっとそんなことを考えながらやってました。もちろんそれが嫌とかではなくて、むしろみんなの役に立てて嬉しかったんですけどね」

「だからこそ休む時は全力で休むんだ。アイツらが心配しないくらい元気でいるためにもな」

 

 

 その休むってのが1人で何も考えずにフルバーストでダンスをするってのも凄い話だ。家に引きこもってゲームをするとか寝るとか動かないことならまだしも、ダンス好きなコイツにとっては羽を伸ばして自由に動き回ることこそ最大の休息なんだよな。あまりのタフさに体力勝負をしたらもしかしたら負けるんじゃないか、俺……。

 

 

「こうして1人で何も気負わずにダンスをするっていうのも確かに息抜きになるんですけど、私にとって一番は――――えっ、あっ、はいっ」

 

 

 何か言いかけたところでゲーセンの店員に呼ばれた千砂都。

 どうやらランキング1位更新の記念で店内に飾る写真の撮っているようだ。店側からすれば自分の店でこんな美少女がランキング首位になったら、そりゃ宣伝になるし撮影もするわな。

 

 当の本人はダンスコンテストやスクールアイドルのおかげでこういう撮影には慣れており、むしろノリノリで撮影されていた。このノリの良さとコミュニケーション力、咄嗟の対応力の高さといった社交性の高さは素直に感心するよ。頭が回るからこそ心の奥底では無意識にストレスを溜め込みやすいとも言える。

 

 そして撮影を終え、千砂都が俺のところに戻ってくる。何やら手に持っているみたいだが。

 

 

「いやぁ撮影だけじゃなくて一言求められたり、お菓子の詰め合わせを貰ったりで至れり尽くせりでしたよ~」

「注目されてチヤホヤされることには慣れてるんじゃないのか? 小さい頃からダンス大会で常に上位をキープしてたって聞いたぞ」

「普通の人に比べるとそうですね。自分が好きでやってることで注目されているので、それってとても嬉しいです♪」

 

 

 自然な笑顔を向けてくれる千砂都。

 普段から表情変化が活発で笑顔も多い彼女だが、最近はさっき言ったように自分でストレスも感じられなくなるくらいの多忙さによって表情も硬くなっていたので、こうして頬が緩んでいる顔が見られてこっちも嬉しいよ。その表情を見ることこそ今回俺の最大の目的だったわけだしな。

 

 

「色んな人に注目してもらえるのは嬉しいことですけど、やっぱり一番はこうして先生が気を向けてくれることです」

「俺?」

「はい。勉強とかダンスとか、スクールアイドルとか、頑張っていい成績を取って、それで誰かに褒められるのはもちろん嬉しいことです。家族とかかのんちゃんとか、Liellaのみんなとか友達とか。その中でも一番、先生に褒めてもらえるのが何より嬉しい。だから自分でも驚くくらい舞い上がっちゃいましたよ。さっきランキング1位を取った時、先生に拍手されて『凄い」って言ってくれたこと……」

「あんなありきたりな言葉でもか」

「先生の言葉ならどんな言葉でも! 好きな人に褒めてもらうのは、やっぱり嬉しいですよ!」

 

 

 驚いた。『好き』なんて素面の状態で言えるようになったんだな。特に恥ずかしがってはいないようなので、2人きりの息抜きという恋愛色のある雰囲気が後押しをしてくれたのか。元々Liellaの中でも俺に対して容赦のないコミュニケーションをしてたしな。よくからかわれたりもしてたし……。

 

 

「あれ、もしかして私、今とんでもないこと口走りました?」

「いや。率直で素直な気持ちだったよ」

「そっかぁ勢いで言っちゃったかぁ……。まあでもこういったノリでないと中々言えないですし、せっかく先生と2人きりでのお出かけだから、これはこれでアリかなって」

「テンションたけぇなお前」

「そりゃもうっ! 何も考えずに『うがぁあああああっ!!』ってダンスができて、先生と一緒に息抜きもできてもう満足過ぎますよ♪」

「ストレス発散できたのなら良かったよ」

 

 

 実は重大な悩みを抱えて今にも爆発寸前でしたぁ~なんて、そんな爆弾を投下されたらどうしようかと思ってたから安心もした。思春期女子の心ってどんな地雷が埋まっているか分からないから、俺も上手くコミュニケーションを取っているように見えてそれなりにしっかり爆弾解除はしているつもりだ。

 

 それはともかく、千砂都の心がかつてないほどに開け放たれている。それはもうかのんたち他のメンバーが見たら『自分も一歩踏み出さなきゃ』と焦るくらいには。

 さっきのダンスゲームでは最近は見られなかった伸び伸びしている子供っぽい彼女が見られ、今ではテンションが上がり過ぎて思わず告白っぽいことを言ってしまう彼女も見られた。

 普段はLiellaのブレインとして、部長として頭脳派として見られることも多いのだが、千砂都の本来の性格はこっちだ。繊細なところはあれど、やっぱり俺はアクティブな方が似合ってると思う。全力の自分を恥じずに俺に魅せてくれているあたり、その考えは間違ってないだろう。

 

 そういや、コイツは七草やウィーンの登場にはどう思っているのだろうか? 恋は特に意識していないフリをしながらも、実は押しの強いアイツらの出現に焦っていたけど……。

 

 

「聞きたいことがあるんだけど、お前は七草やウィーンにあんなことを言われてビビってないのか?」

「あぁ~。特には」

「あっさりしてんな……」

「だって七海ちゃんは七海ちゃんだし、ウィーンさんはウィーンさん。私と先生の関係には入り込めないじゃないですか。それは私もそうで、先生と七海ちゃん、ウィーンさんの関係には入り込めないし、そのつもりもありません。それにただ向こうが勝手にビビらせてきてるだけだと思うので、それに乗ってしまうと思うツボってやつじゃないですか。だから私は私の考えとやり方で先生と距離を縮めちゃいます♪」

 

 

 つえーなコイツ。頭脳派人間だからいきなり出てきた女に好きな男を取られそうになって色々考えちゃう、みたいな展開を予想していたのだが、逆に折り合いをつけていたとは……。不安が全くないわけではないと思うが、そんなことを気にしたらアイツら(というより七草オンリー)の思い通りになってしまうのは目に見えているみたいだ。そういう分別が自分の中で筋道を立ててできるから賢いんだよなコイツ。

 

 

「それに先生は女性の受け入れ人数に制限ないですよね? だったら誰が抜け駆けするとか、そういったこと考えなくてもよくないですか?」

「人を施設みたいに言うなよ……。ま、俺も気にしていないけどな。アイツらはアイツらで相手をするし、お前らはお前らで相手をするだけだ」

「じゃあ私が気に病むことはないです。むしろその質問をされたことに驚きましたよ。心配してくれるのはありがたいんですけど、これってほら、女性と2人きりの時に他の女性の話はするなってやつです。せっかく先生と2人きりのお出かけでいい気分だったのになぁ~」

「はいはい悪かった悪かった」

「もう拗ねないでくださいよ~! からかっちゃったのは申し訳なかったですけど~!」

「笑ってんじゃねぇか……」

 

 

 こうやってチクチク発言でからかってくることも多いが、幼馴染のかのん曰く、こういった態度を取るのはよほど信頼している人だけらしい。それは同じLiellaメンバーでも例外ではないらしく、特に今のようなクソガキっぽく絡むのは『自分か先生くらい』とのこと。さっき猫のようにじゃれていると言っていたが、まさにその通りだな……。

 

 

「そういうわけで、私は私のやり方で、フルパワー千砂都でこれから先生に構ってちゃんするのでよろしくですっ!」

「元気がいいのはいいことだけど、この調子でみんなが構ってちゃんになると骨が折れるな……」

「Liellaのみんなって、意外とそういうキャラ少なくないですか? 可可ちゃんくらい?」

「確かに。でも女心はいつハジけるか分からないからな。男関係が上手く言った途端にタガが外れる奴もいるし」

「じゃあ真っ先に私がハジけてる姿を見せれば、みんなも乗り気になってくれるかも? それに先生といきなり仲良くなってる姿を見せれば、七海ちゃんの意表を突くこともできますし♪」

 

 

 明日いきなりLiellaのみんなが俺に抱き着くようなことがあれば、いつも余裕綽々の七草も少しは動揺するかもな。まあコイツは別としても、他の奴らが俺に抱き着けるような強靭な精神力があるとは思えねぇけど。

 

 余裕綽々と言えば、今のコイツもかなりその域に達している。一時期は他の奴らと同じく俺が隣にいるだけで良からぬ妄想をしていたが、今はフルバーストモードのためかそんな脆さは全く見られない。

 かつてはかのんの隣に並び立つためには、彼女の出来ないことを自分1人の力で出来なくてはいけない、かのんと同じ大人にならなければいけないと思っていた千砂都。小さい頃から歌も上手く、イジメられていた自分を助ける度胸も持っているかのんに対し、自分は弱い存在だと痛感していた。

 だがスクールアイドルに関わり始めたのを機にそれを乗り越えて、遂に自分もスクールアイドルになった。自分の弱い部分は他の人に頼って支えられてもいいという協調力も身に着けたんだ。それからもダンスを続けて自分の強みを磨き上げることはやめず、時にはかのんたちを頼りつつ、そのストイックさと協調力のおかげで同級生からも後輩からも信頼されてスクールアイドル部の部長に抜擢された。

 

 それで自信がついたおかげかもしれない、ああやって別の女からの横やりがあっても動じない精神力と、自分がどうしたいかで道を歩む決断力があるのも。

 

 

「そうか。お前がそう決めてるんだったらもう俺からしてやれることはないな」

「あっ、そうなります? 先生から構ってくれなくなるというのもちょっと寂しいですね……」

「親じゃねぇんだから……。こっちは来るもの拒まずだから、そっちから来たら構ってやるよ」

「言いましたね。本当にそっちに行っちゃいますよ!?」

「どうぞ」

「うぐぐ……」

 

 

 流石に擦り寄ってくるのは今の状態でも恥ずかしいか。いやまぁ思春期女子が好きな男と身体接触すること自体とてつもない羞恥心を抱くだろうが……。

 

 千砂都は躊躇いはしたが、ベンチに座りながらも両手をついて、こちらににじり寄ってくる。余裕綽々だった態度は消えかかっているが、本人はそれを認めたくないようで、羞恥に満ちそうになる顔を何とか押し殺してニヤついた表情をする。

 

 

「もしかして先生も緊張されてますか~? どうせ私にこんなことができないと思ってたんでしょうけど~」

 

 

 恥ずかしさが渦巻く中でお得意のからかい攻撃を仕掛けるが、ぶっちゃけ悪あがきだ。恥辱に追い詰められた状態で攻撃を仕掛けられるだけまだ他の奴らよりかは心は強いだろうが、ここまで溜め込んできたテンションの高さを消費して踏ん張っているだけなので、俺がこのまま黙って見つめ続けるだけでこっちの不戦勝には持ち込める。

 

 だけど、それだとつまらない。コイツの反応が面白いから少し驚かせたいと思ってしまう。じゃれてくる奴を突然ビビらせたらどうなるのかと考えてしまうのは人間の悪い性だろう。目の前の奴をいきなりぶん殴ったらどうなるんだろう、と考える猟奇的思考と一緒だ。

 

 そうと決めたら行動は早かった。

 俺は両手で千砂都の両肩を力強く掴んだ。

 

 

「んにゃっ!?」

「なんだよその声。本当の猫じゃねぇか……」

「だ~か~ら~っ!! 猫のじゃれつきに人間に仕掛けるような壮絶ドッキリをしないでくださいよ!!」

 

 

 人間じゃなかったのかお前……。それに全然壮絶でもなんでもねぇし……。

 興が冷めたのか、千砂都は元の位置に戻って再び腰を下ろした。ちょっと怒っていながらも、どこか楽しそうにしているのは表情から分かる。

 

 ただニヤつきは止んでいない。

 マズイ、これ何かよからぬことを要求されそうな――――!!

 

 

「もう1回ストレス発散をしたくなりました! こうなったら近場のゲーセンのダンスゲームのランキング、1位を全部私にしちゃいます!」

「えっ? ストレス溜めちゃったの俺が原因?」

「当たり前ですよ。だから――――」

 

 

 千砂都は立ち上がって俺の方を振り向く。

 

 

「息抜きが完了するまで、徹底的に付き合ってもらいます! 私を誘ったこと覚悟してください、先生♪」

 

 

 その後、体力お化けの千砂都に何件もゲーセンに付き合わされてヘトヘトになってしまった。アイツは全然疲れていなかったので、やっぱり体力勝負で負けたんじゃねぇかこれ……。

 

 ちなみにランキングは無事首位を制覇しましたとさ。これただの荒らしじゃね……? 本人が息抜きになってんのならいいけど、息抜きでランキングを独占されるほかのプレイヤーが気の毒だな……。

 




 今回は千砂都の個人回でした!
 意外と積極的なところを見せた千砂都ですが、これまで零君とこういった関係になるのは恥ずかしいと思っていただけで、1つ乗り越えればあっさり距離を詰められると知ってフルバーストモードになってました(笑)
 実際に付き合えたら超楽しそうな子だと思います!





☆10評価をくださった、多音さん、ありがとうございました!
(前回お礼言えておらず申し訳ございません!)


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