ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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お癒しご奉仕で大乱交!?

 虹ヶ咲学園には学生寮が存在する。しかもタワマンに引けを取らないくらいに大きく、内装もホテルかのように豪華だ。

 これだけ寮が充実しているのは虹ヶ咲がグローバルな学校であることに他ならない。全国、そして全世界から優秀な生徒を集めている学校なので、むしろこれだけの待遇は当然と言える。あまりにも設備が豪華だから、中にはわざわざ実家を離れてここで暮らしたいと思う生徒もいるそうだ。

 

 そして何より女子寮なので男子禁制。寮の入り口は厳重なセキュリティに加え、女性警備員が交代で24時間体制で常駐している徹底ぶり。男1匹見つけようものなら即確保からの通報、逮捕までがスムーズに行われるらしい。虹ヶ咲の生徒は美女美少女ばかりなので男にとっては高嶺の花だが、このセキュリティの高さを見ればそれはもう文字通りの高嶺なっている。

 

 そんな中、俺はというと――――

 

 

「マジで高級ホテルだなここ……」

 

 

 その女子寮の中にいた。

 入口のセキュリティは何故か顔パスで通ることができ、顔を赤らめた女性警備員たちから『女の子に会いに来たのですか? たっぷり可愛がってあげてください♪』やら『次来た時は警備員室に寄って私たちも可愛がってください、零さん♪』やら、名前も知らない警備員たちが既にデレデレだった。しかも何故か俺の名前を知っており、それでいて発情状態だったのでちょっと怖かったぞ……。秋葉の奴、虹ヶ咲の関係者の女性は漏れなく教育(という名の調教)をしてるっぽいな……。

 

 そんな感じでほぼ素通りで男子禁制の寮に足を踏み入れたのだが、中が高級ホテル並みに広すぎて迷ってしまいそうだ。外から見ても大きい建物だとは思ったが、いざ入ってみると萎縮するくらい俺には似合わない場所だと分かる。やっぱこういったお堅い場所は苦手だな。

 

 

「ここか……」

 

 

 ようやく目的の部屋に到着した。先日エマから寮に遊びに来て欲しいと連絡を受けてここに来たのだが、何をするのかは一切聞いていない。寮に行くと承諾したときにやたらめったら嬉しそうにしていたので、もしかしたら家デートをしたいだけかもしれない。でもだったら隠す必要はないよな? エマは言いたいことをはっきり言うタイプなので、家デートごときわざわざサプライズにする奴ではない。ま、アイツだったら他の奴らと違って騒がしいことにはならないだろうから大丈夫だろう。

 

 そんなことを考えながら部屋のインターホンを押す。

 部屋の中にインターホンが鳴る音が聞こえ、通話口からエマの声が聞こえた。

 

 

『はい、エマ・ヴェルデです』

「零だ。来たぞ」

『零さん! すみません。今すこぉ~し混みあっているので、そのまま部屋に入って来てもらってもいいですか? 鍵は開けるので!』

 

 

 鍵の開く音がする。恐らくスマホの遠隔操作でドアのカギを開閉できるスマートロックだろう。こんなのが付いてるなんて高級寮にも程があるな。

 エマの指示通りにドアを開ける。すると既に目の前に女の子がいて、こちらを上目遣いで見つめていた。コイツは――――彼方!?

 

 

「零さ~ん、いらっしゃ~いっ」

「な゛っ!?」

 

 

 エマに呼ばれたのに彼方が出迎える意味も分からないが、俺が驚いたのはそこではない。コイツの恰好が超薄着のネグリジェであることに目を丸くしている。そもそも普通のネグリジェですらかなり薄着なのに、コイツが来ているのはもはや透けそうなくらいペラッペラ。しかも下に何も着ていないのか、よく目を凝らせば生の胸の先端まで見えてしまいそうだ。そんな痴女みたいな恰好をした女子が出迎えてきたらそりゃ驚くだろって。もしかしてこの部屋、そういう風俗を営んでたりする……!?

 

 

「こ、これは……」

「むふふ~逃がさないよぉ~♪」

 

 

 あまりの衝撃に後退りしてしまうも、艶やかな雰囲気を漂わせる彼方に手首を掴まれて部屋に引きずり込まれる。そしてオートロックによりドアに鍵がかかったことで退路まで防がれてしまった。

 そしてそのまま訳も分からずワンルームの部屋に引っ張られ、そこでようやく解放される。

 

 

「な、なんだよ一体――――って、え゛っ!?」

「こんにちは零さん! 今日はたっぷりとおもてなししますね♪」

「今日は癒されるまで帰らせないから、覚悟しておくことね」

「エマ、果林、お前らもその恰好……!?」

 

 

 更にエマと果林が俺を出迎えてくれたのだが、コイツらも漏れなく超薄着ネグリジェだった。彼方が紫、エマが黄緑、果林が青でそれぞれのイメージカラーに合わせているのだろう。てか仮にも清純なスクールアイドルとしてのモチーフカラーなのに、超薄着ネグリジェという淫猥なモノにそのモチーフを重ねるのはどうなんだ……?

 

 とにかく、全くもって今の状況が分からず混乱しているので早く説明を求めよう。

 

 

「その恰好も含め、どうしてこうなっているのかを教えてくれ……」

「ご奉仕だよ~ご奉仕。最近の零さん、下級生たちに揉みくちゃにされてるから疲れてるかなぁ~っと思って」

「それで3年生の中で相談して、あなたを徹底的に癒してあげようと計画したの。全く、あの子たちは愛の伝え方が過激なんだから……」

「それに零さん、最近は来年教師になるための勉強や実習に精を出しすぎてると聞いています。なので私たちでストレス発散になればいいかなと」

「なるほど、俺を癒すためにネグリジェでご奉仕してくれる――――って、意味分かんねぇけどな!? 半裸の女の子たちにご奉仕されるってどんな怪しい店だよ……」

 

 

 しかも相手は現役のスクールアイドル。更に虹ヶ咲と言えば全国でも名が知られるトップクラスのグループだ。スクール()()()()だからもちろん美女美少女の集団であり、しかもこの3年生組は誰しもがスタイル抜群というオマケつき。胸も女子高生離れした大きさのせいで薄いネグリジェから(こぼ)れそうになってるし、ぶっちゃけそこらの適当な卑猥な店よりもこっちの方が破壊力あるぞ。

 

 『スクールアイドル』+『女子高生』+『美女美少女』+『巨乳』+『薄着ネグリジェ』×『3人』か……うん、相当やべぇな。これだったらいくら金を積んでもご奉仕されたいと思う男はいるだろうが、現実は俺だけの空間。しかもタダで味わえるとなればもう楽しむしかないのか……??

 

 そんな優越感に浸ろうとしていると、ベッドの上から何やら音が聞こえた。3人は俺の目の前にいるし、他にも誰か……と思ったけど、そうだよ3年生組は3人じゃない!!

 

 

「ミア……!? お前なんだその恰好は!?」

「気づかれた……!! こ、こっち見るな!!」

 

 

 まさかこの部屋にミアもいたとは。しかも彼方たちと同じくネグリジェ装備で、彼女のモチーフカラーでもあるシルバー(とは言ってもほぼグレー)である。

 ミアはベッドと壁の角に身を寄せており、俺に見つかったことで体育座りから更に身体を丸める形で自分のあられもない姿を何とか隠そうとしている。そんな姿をしていたらより男を興奮させるだけなんだけどな……。

 

 

「ほらほらミアちゃん、せっかく着たんだから零さんに見せないと!」

「エマたちが無理矢理着させたんだろ!? なにあたかも自分から着たみたいに言ってるんだ!?」

「これぞ虹ヶ咲流のコミュニケーションだよ~。零さんと裸の付き合いをするのがみんなとの仲を深める一番の方法なんだから~♪」

「大学のヤリサーか!? しかも乱交まで推奨して!! そもそもボクはコミュニケーションを取りたいなんて一言も言ってない!!」

「私たちとはよく一緒にいるけど、零さんとはまだそこまででしょう? だから今日はたくさん愛してもらいなさい。大丈夫、初めてでも零さんなら優しくしてくれるわ」

「ちょっと何をさせる気だ!? 処女が軽々しすぎるだろ!!」

 

 

 ミアは正論を振りかざすが世界が悪かった。この空間は神崎零至上主義となってしまっているので、彼女の正論はこの世界では正論でなくなってしまう。逆にエマたちの主張が正論となる理不尽仕様のためミアの抵抗は全くの無駄だった。

 

 そして14歳の華奢な少女ではどう足掻いても高校3年生の3人には勝てず、ベッドから強制的に引きずりおろされて俺の前に差し出された。

 

 こうして見るとミアも美人だし綺麗だな。色白なのでグレーのネグリジェがよく似合い、歳はまだ中学生と同じなのにスタイルもいい。ただ胸の大きさは実は栞子やしずくと同じ程度なので、歳の割に発育が進んでいることが良く分かる。それに何よりほぼ半裸の姿で恥じらっている様子がなんかこう、グッとくる。見た目は幼いのに艶やかな色気を感じるっつうか、並の男だったら惚れてもおかしくない。既に彼女が大人びているというのもあるのだろうが、それでもこの色香は男の目を奪うのには十分だ。

 

 

「ジロジロ見るなよ……」

「いや、似合ってるからさ……」

「に、似合ってるって、ネグリジェが似合うって言われても複雑なんだけど……」

「可愛いよ。思わず見惚れた」

「ッ~~!?」

 

 

 ミアの顔色が真っ赤に染まる。そりゃ赤くするようなことを言ったからなのだが、あの言葉は純度100%の本心で何も羞恥心を揺さぶってやろうとか一切考えていない。俺が脊髄反射で口から可愛いと漏らすなんて中々ないぞ。つまり今のミアがそれだけ魅力的だってことだ。

 

 

「あらあら、随分とお熱いことで。今のミアが可愛いのは分かるけど、私たちにそういう言葉はないのかしら?」

「お前らも十分可愛いとは思うけど、いつも言ってるから今更かなぁって」

「私たちは何度でも聞きたいですっ! 零さんからのお褒めの言葉は録音してずっとリピートしたいくらいに!」

「なんだよそれ!? 逆に怖くて言えねぇよ!!」

「もうこうなったら彼方ちゃんたちのご奉仕で気持ち良くさせて、あまりの心地良さに本心しか出ないようにしちゃおうよ~。えいっ♪」

「うわっ!?」

「ひゃっ!?」

 

 

 彼方に背中を押される。すると俺の前に立っていたミアを巻き込む形でベッドにダイブした。ミアが仰向けでベッドに倒れ、俺がその上に四つん這いとなり向かい合っている構図。これ明らかに女子中学生を押し倒す成人男性という即逮捕事案にしか見えない。彼女も何が起こったのか即座に理解できず目を丸くして俺の顔を見つめていた。

 

 だが、もちろんだがこれだけでは済まない。

 

 

「お互い熱く見つめ合ちゃって、さっきから放置されっぱなしで寂しいわ」

「うえっ!? か、果林お前いきなり抱き着くなって……」

「そうだそうだ~平等に相手しろ~」

「お前が背中を押したんだろ――――って、お前まで……!!」

「前も右も左も、そして後ろからも気持ちよくしちゃいます♪」

「エマ!? うおっ!?」

 

 

 左右から果林と彼方に、後ろからエマに引っ付かれる。ネグリジェ1枚しか隔てがない3人の胸がその形が変わるくらい俺に密着する。虹ヶ咲の連中は1年生も2年生も発育はいい方だが、3年生のコイツらはやっぱ特別だ。もう密着されてるだけでデカいことが分かる。俺の腕と背中に肉丘が押し潰され、むにぃ~っと形を変える。その感触が凄まじく心地よく、そして興奮を煽ってくる。

 

 しかもだ、目の前には押し倒されて未だに顔を赤くしているミアがいる。もうどこからどう見ても今からエッチしますよと言わんばかりの体勢であり、14歳の女の子を相手にこんなことをしている背徳感が情欲を増幅させる。別に俺から望んでこのシチュエーションになったわけじゃないのだが……。

 

 

「おい零、いつまでこうしてるんだ……」

「俺のせいなのか……。コイツらに抱き着かれてる時点で俺からはどうすることもできねぇよ」

「だったら私たちがあなたの下着を脱がせてあげましょうか? フフッ」

「「はぁ!?」」

「カラダとカラダで交われば零さんはストレスと性欲の発散になるし、ミアちゃんは零さんとコミュニケーションができて一石二鳥だよねぇ~」

「ま、待て!! じゃあさっきエマが言っていた『前も右も左も後ろも』の『前』ってミアのことか!?」

「そうですっ! お互い『前』と『前』で合体すれば2人まとめて気持ちよくなれますから♪ これこそ究極の癒しですよね!」

 

 

 貞操観念ぶっ壊れてやがるコイツら……。最初に『ご奉仕』と聞いた時から薄々感じてはいたけど、結局はコイツらがエッチなことをしたいだけじゃねぇか。しかも『癒し』を与えるとか言っておきながら結局は『快楽』を与えるって意味になってるし……。それに仮にこれだけの人数を一度に相手にしたら流石に疲れて『癒し』どころではない。コイツらに純粋さを期待した俺が浅はかだったよ……。

 

 ちなみにミアは瞬きを激しく繰り返しながら俺を見つめている。そりゃそうだろうな、自分が今から犯されそうになってるんだから。しかも抵抗できない状況に追い込まれてるからそりゃ警戒しても仕方がない。

 

 

「零、まさか本気じゃないよな……??」

「当たり前だろ。だけど……」

「けど……?」

「俺にはいつもツンツンしてるお前だけど、そういった顔もできるんだな。その……可愛いなと思ってさ」

「な゛ぁっ!? うっ、くっ……ッ!!」

 

 

 ミアはあまりの恥ずかしさが故なのか、現在唯一動かせる顔を全力で捻って俺から目を逸らす。また思わず自分の気持ちを口に出してしまったが、これもしかしてエマたちの思う壺なのでは……?? このシチュエーションになるように仕組まれた可能性がある。このムードのままだと俺の興奮が煽りに煽られ、本当にコイツらとヤっちまう流れになりそうだけど……。

 

 

「なんだか私たちとミアでは対応が違うわね。ぞんざいに扱われるのもそれはそれでプレイの一環にはなるでしょうけど」

「もしかして零さんってロリコンさんですか?」

「ちげーよ。それだけは断じて違う」

「おい、それはボクがロリっ子だと言いたいのか?」

「この中だとそうなっちゃうのは仕方ないかもねぇ~。でもこれは彼方ちゃんたちの読み通りだよ。これだけ大きなおっぱいが集まってたら、箸休めにミアちゃんみたいな華奢な子も味わいたくなるかなぁ~と思って」

「どれだけヤリチン設定なんだよ俺は……」

「ていうかボクは箸休めのために呼ばれたのか!? いやメインがいいとかそういうことではなくて、ただそれだけのために呼ばれたのかって聞いてるんだけど!?」

「まあまあ落ち着いてミアちゃん。零さんなら平等に可愛がってくれるよ♪」

「心配してるのそこじゃない!!」

 

 

 3年生組は普段の日常であれば結構まともな部類の子たちなのだが、やはり虹ヶ咲の生徒ってこともあり性のことになると途端にはっちゃける。いやただ単に性教育程度のことであればここまでのテンションにならないとは思うが、俺が話に絡みだすといつものキャラはどこへやら状態となる。俺としては淫乱な子は嫌いではないし、むしろ歓迎なんだけど、それを目の当たりにする一般人(この場合はミア)のツッコミが追い付かないのなんのって……。

 

 ちなみにロリ云々に関して、いくらミアが飛び級でアメリカでは大学生、こっちでは高校生だとしても、年齢的にはまだ中学生だ。だからこうして女の子の部屋のベッドに押し倒しているだけでも通報レベル。流石の俺でも小学生や中学生のロリと言われる部類の子に手を出すのは少し罪悪感がある。まあ高校生でも相当な問題なんだけど、エロゲだったらヒロインは高校生ばかりだし、そこはセーフかなって。

 

 

「そもそも零さんっていつもはノリノリで彼方ちゃんたちをぶち犯してくるのに、今は被害者ぶってるのはなんでかなぁ~」

「ぶち犯すって言葉遣いひでぇな……。そんな下品なことはしてねぇし、俺は雰囲気を大切にする男なんだよ。こんな騒がしくてムードもへったくれもない空間でノリ気になるかよ。しかもまだ真昼間でそんな気分でもねぇからな」

「性欲が溜まったらそこらかしこでやる節操なしじゃなかったのか……」

「ミアお前、俺のことそういう目で見てたのか……?」

「そりゃお前とみんなの関係を見てればすぐに察せるだろ。成人の男が複数の女子高生と肉体関係を持って性を満喫してるってこと。栞子も察してるだろうし、分かってないのはこういう知識がないランジュくらいだ」

「文章で表すと犯罪臭がするからやめてくれ……」

 

 

 そりゃコイツらとはそれなりの関係だけど、お互いに合意の上だから別にいいだろう。それに俺から誘うことはほどんどなく、ほとんどがコイツらから誘ってくる。俺に学園の種馬という異名が付けられているみたいだが、俺から積極的になっていない以上それは不名誉すぎるんだよなぁ……。

 

 

「つうかお前ら俺を癒してくれるんじゃなかったのかよ。俺からヤらせようとめちゃくちゃ煽って来るじゃねぇか」

「だってケダモノになった零さんの方が私たち好きですから! 男らしく、力強く『お前らは俺のモノなんだぞ~』って言う感じで襲ってくれるので♪」

「興奮してる時の俺、そんなキャラなのか……?」

「でも今の零さんはそういうムードにならないみたいだから、もう彼方ちゃんたちから行っちゃうよ~?」

「零さんってもうおっぱいに慣れ過ぎて、抱き着いている程度だと性欲を煽ることすらできないものね。だったら――――」

「おいっ、服を脱がそうとするな!!」

 

 

 3人で纏わりついているのをいいことに俺の服を脱がそうとしてくる。もちろん抵抗するのだが、いくら女子高生とは言え3人に、しかもほぼ半裸の女の子の肉の感触をたっぷり堪能させられているこの状況では力を十分に出し切れない。ネグリジェ1枚で男の服を脱がそうとしてくるなんて、卑猥な店のオプションとしても破格のプレイだぞこれ……!!

 

 いっそのことこのまま身を任せてもいいのだが、サディスト精神を持つ俺にとって女の子の手玉に取られるのはどうも性に合わない。なんか組み伏せられているみたいで屈辱で、己のプライドが許さないんだ。だからと言って女の子たちに雁字搦めにされてるこの状態を脱せるかと言われたら……キツイな。

 

 かくなる上は、少し強い口調で――――

 

 

「お前らの好意はありがたいけど、また別の機会にいくらでもやってやる。だから今は離せ。俺の言うこと、聞けるよな?」

「「「ッ!?」」」

「えっ、みんなの動きが止まったけど、零が何かしたのか……?」

「い、いやぁ~あんなに鋭い口調で言われちゃったら女心がぎゅ~って掴まれるよねぇ~」

「男性の力強さ、というより零さんの力強さにキュンって来ちゃいました!」

「やっぱり零さんは攻められるより肉食系が似合うということね。こんなことで惚れちゃう私たちも私たちだけど……」

 

 

 ちょっと強めに威圧したら3人はそっと俺から離れた。強い口調で命令する男らしさに女心を揺さぶられ、この人には逆らってはいけないと言うコイツらの本能が呼び戻されたのだろう。聞き分けのいい子は大好きだぞ。

 

 その後しばらくして場の色香が収まったような気がした。淫猥な雰囲気も徐々に消えていったため、こうして見ると女の子の出す色気って場の雰囲気を大きく変えるんだなって思うよ。

 

 

「なんだかエッチな気分が一気に抜けちゃったねぇ~。せっかく今朝たくさんコンセントレーション高めてきたのに~」

「それは1人でヤってたってことか……」

「一区切りついたらお腹空いたわね。朝からこの計画のためにずっと待機してたもの」

「こんなことで本気を出すなよ……」

「それじゃあお昼ご飯を作るね! このまま外に出かけるわけにもいかないので、お家デートと行きましょう!」

「元々そのつもりで来たんだけどな……」

 

 

 部屋に入る前はこんなことになるなんて予想だにしてなかったぞ。半裸の女の子たちにくっつかれるのは嬉しいのは嬉しいけど、コイツらがあまりにも肉食系すぎるんだよ。慣れているとは言えども3人同時は中々にハードだからな……。

 

 そんなこんなでエマたちは昼食を作りに行った。ネグリジェの上からエプロンを付けているのでもう裸エプロンにしか見えないが、あれはあれで俺を誘っているのだろうか……? いやまぁいい光景だとは思うけどさ……。

 

 そんな中でベッドに腰を掛けて休んでいる俺の隣で、ミアが枕を抱えて丸まったまま俺を見つめていることに気が付いた。

 

 

「どうしてあの時エマたちを無理矢理引き剥がさなかったんだ? いくら3人とは言え相手は女だ。お前なら力尽くで跳ね飛ばせただろ?」

「まあ半裸の女の子たちに抱き着かれてる時点で力はある程度抜けてたけど、一番の理由はお前らのためかな」

「へ?」

「カラダをあんなに露出させてたんだ、俺が派手に動いたらその綺麗な肌に傷をつけちまうかもしれないだろ? それにお前を押し倒す体勢だったから、ただ巻き込まれてるお前にこれ以上災害が降りかかるのは避けたかったんだよ。お前もみんなに負けず劣らす綺麗だからさ、そのカラダを穢したくなかったんだ」

「なっ……!? ッ~~!?」

「うぶっ!? 急に枕投げんな!!」

 

 

 突然ミアが抱えていた枕を俺の顔面に投げつけた。そしてすぐさま近くの別の枕に顔を埋めてしまった。そのため表情は分からないが耳まで赤くなっているのが見える。

 

 

「おーおー恋愛してますなぁ~」

「零さんに真剣な目であんなことを言われたら……ねぇ」

「なんだかんだミアちゃんも零さんを意識しちゃってるんだね」

 

 

 台所から何やら聞こえてきたが、それよりこの後ミアが俺の目を一切見てくれなくなったことが気になり過ぎて仕方がなかった。

 また侑からデリカシーがないとか言われそうだな……。

 




 今回は学年別回のラストである3年生編でした!
 3年生はスタイルのいい子+中学生年齢のミアという凸凹スタイルの組み合わせですが、今回のようにそっちの方がそれぞれのスタイルの良さが際立っていいと思います!

 これにて学年別回を一通りやったのですが、3話どれもハーレム全開で描くことができて非常に楽しかったです! まさにこの小説らしさを出せたかなぁと思っています。
この小説を読みに来ていると言うことはハーレム好きの方が多いと思うので、もしよろしければ今回のお話だけではなく、前の1年生編と2年生編を含めハーレム回のご感想を頂けると嬉しいです。

 まあどのハーレム回が良かったのかと言われたら、そりゃハーレム好きだから1つに選べませんね(笑) 



 そういえば公式でラブライブスーパースターのアニメ3期が決定したようで。小説のネタができるのは嬉しいのですが、このままだといつまで経っても小説の進行が公式に追いつかない気が……。ただでさえ今は虹ヶ咲2期の内容なのに、既にLiella2期、にじよんアニメ、幻日のヨハネと回収できるネタが大量にあるのに回収しきれるか不安で空かないです(笑)





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