ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 3週連続で割と真面目な個人回が続いていたのですが、今回は超絶ネタ回。
 そして久々にあのキャラたちがゲストで登場します。


最近ロリ成分が枯渇してるから強制補給される話

「あっ、来た来た! おにーちゃ~ん!」

「えっ、ここあ? こころもいるのか」

「お久しぶりです、お兄様」

 

 

 いつも通り虹ヶ咲学園へ向かう途中、その校門前で矢澤のロリ姉妹こと矢澤こころとここあに出会った。ロリと言ってもコイツらは立派な高校生なんだけどな……。

 そう、コイツらももう高校生なのだ。数年前まではこころは中学1年生、ここあが小学6年生のロリっ子姉妹だったのに、それから4年、今では音ノ木坂学院の制服を纏う立派な女になっている。しかも姉のにこと同じく愛嬌たっぷりの美少女に育ち、音ノ木坂男子からの人気も半端ないんだとか。姉の影響でスクールアイドルをやらないかと各所からスカウトも受けてるらしいので、それだけでも如何にコイツらが魅力的な美少女に育ったかが分かるだろう。まあ本人たちは他の男に興味がなければスクールアイドルのやる気もないみたいだけど。

 

 そんな2人は音ノ木坂生徒なので虹ヶ咲にいるはずがないのだが、反応を見るにどうやらここで俺を待っていたようだ。

 

 

「どうしたこんなところで? 何か用か?」

「うんっ! おにーちゃん、そろそろロリ成分が足りなくなってきて辛い時期だろうなぁ~っと思って」

「はぁ?」

「それで私たちの出番というわけです、お兄様」

「ちょっ、ちょっと待て。全然話が呑み込めないぞ??」

 

 

 いきなり現れただけでも驚きなのに、いきなりロリ成分がなんとか言い出すなんて正気かコイツら? 身体はまあまあ成長してるのに性格だけはホントに変わらないな……

 つうか昔からそうだけどコイツら声がでけぇんだよ。人の往来がある道端とか関係なく俺をロリコン扱いしようとしてくるので周りの目が痛い。おい、まさか今回も……!?

 

 

「おにーちゃんってロリコンじゃん? でももう周りにロリの女の子がいなくなってロリ成分が不足してるでしょ? だから私たちが来てあげたんだよ♪」

「だから声を抑えろ! 俺がロリコン?? なんだその根も葉もない情報は!?」

「えっ、でもお兄様、私たちにぺろぺろされて気持ちよくなったことありましたよね? しかもあの時は私が中学1年生、ここあが小学6年生。そんな私たちにぺろぺろされて果てちゃうなんて、ロリコンさん以外に考えられません」

「そ、それは俺も若かったからで……」

「別にロリコンでもおにーちゃんは変なことをしてくるわけじゃないし、何の問題もないと思うけどなー」

「お前らの中でしゃぶらせたのは変なことじゃないのか……」

「えっ? 男性が小さい女の子の小さなおクチに太いモノを突っ込んでしゃぶらせたいのはごく普通の欲求ですよね?」

「ちげぇよ!! どんな性教育受けてきてんだお前ら!?」

 

 

 こんな高校生のガキに言い負かされそうになったり言い争っているあたり、俺もコイツらと同レベルなんだと思いなんだか惨めになる。そもそもコイツらの性的思考回路がバグっているせいで、こっちにもそれが感染して知能が低下しているに違いない。

 

 つうかしゃぶらせ事件からもう4年余りが経過しているのに、まだコイツらはその黒歴史を持ち出してくるのか。やっぱり黒歴史ってのは言い返せないし弁明できないから封印したいのであって、それを掘り返されると文字通りひとたまりもない。俺をロリコンに仕立て上げて一体どうする気だ……?

 

 

「お兄様はロリ好き。でも私たちの調べでは現在お兄様の周りに小さい女の子はいません。私たちが高校生になってしまい、ロリ成分が不足する毎日。そしてそろそろ小さい子にエッチをしたくなってくる頃だと思います」

「いや違うが?」

「だからおにーちゃんのために、私たちがロリ成分を補充させてあげようと思ってね!」

「いいから話を聞け――――って、どうやって?」

「それはね――――この子だよ! スカンク!」

「え……?」

 

 

 どこから取り出したのか、ここあはスカンクを抱きかかえて俺に見せつけてきた。

 そもそもスカンクって日常的に見ることがないし、なんなら生で見ること自体が初めてレベルだ。黒毛に包まれているが胴体の上部は白毛であり、なんとなく中二病心をくすぐりそうなコントラストだ。そして目もくりくりとしていて可愛らしい。

 

 でもどうしてコイツらがスカンクなんかを……?

 

 

「このスカンクは特別でして、秋葉さんが育てていらしたのをいただいたのです」

「あ、秋葉……だと!? ということはただのスカンクじゃねぇだろソイツ!!」

「そうだよ! ねぇスカンクくん、お願いしてもいい?」

「ちょっ、お願いってなんだよ!?」

 

 

 ここあの言っていることが理解できるのか、スカンクは頷くと2人におしりを向ける。

 待てよ、そういえばスカンクって強烈な悪臭を放出することで有名な動物じゃなかったか? 動物のことは詳しくないが、スカンクと言えば臭いオナラのイメージが強い。そして今、そのスカンクがこころとここあにおしりを向けている。

 

 まさか、ここあのお願いって……!!

 

 そのまさかはすぐに訪れた。

 スカンクはおしりからガスを2人に向かって放出する。だがそのガスがおかしい。普通のおならなら目に見えないはずなのに、放出されたガスは煙幕のように広がりこころとここあを包み込む。それになにより無臭である。だが煙の濃さは半端なく、2人の全身を包み隠して外からは何も見えなくなってしまった。

 

 何が起こっているのかさっぱりだが、秋葉が育てたスカンクってだけで身構えてしまう。この全く臭くないが視界を遮るほどの濃さを持つガスも秋葉仕込みによるものだろう。もうスカンクのおならよりもアイツの臭さ――――胡散臭さの方が圧倒的に危険だな……。

 

 しばらくして煙が晴れる。そしてこころとここあの人影が煙に紛れて薄っすらと見えた。だが、明らかに背丈が低い。

 そういやさっきロリ成分が云々って話をしていたよな? もしかして……!!

 

 

 俺が察した瞬間、2人が煙の中から俺に抱き着いてきた。

 

 

「おにーちゃん見て見て! ここあたちちっちゃくなっちゃった!」

「これがお兄様が望んだ私たちの姿です!」

「お前らなんだその身体は!?」

 

 

 2人の身長は小学生サイズにまで縮んでいた。なるほどこれが秋葉が仕込んだスカンクガスの効果か――――って、納得してる場合じゃねぇだろこれ!!

 ようやく状況が呑み込めてきた。要するに俺の周りにロリキャラがいなくなったら、秋葉の力で自分たちがロリになって俺を愉しませようって魂胆か。いや普通にありがた迷惑だけど!?

 

 ちなみに着ていた制服までロリっ子サイズとなっており、身体だけ小さくなって服だけそのままという全裸晒しの展開にはならなった。これもガスの効果らしい。なんと都合のいいことで……。

 

 中身は高校生でも外見は幼女になってしまったこの2人。よく見たら俺が初めて出会った時よりも背丈が低く、小学校低学年くらいのロリロリ幼女と化していた。そして俺は虹ヶ咲学園前でそんな2人に抱き着かれているこの状況、誰かに見られてでもしたら誤解されるのも無理ねぇな。特に(あいつ)に見つかったらどんな罵声を浴びせられるか想像もしたくない。

 

 

「あれ? お兄さん?」

「あ゛っ……」

「学園の前で何を――――って、え゛っ!? な、なんでそんな小さい子に抱き着かれてるんですか……?」

「ちょっ、普通にドン引きすんのやめてくれない……?」

 

 

 言ったことは大体フラグになる俺の能力、そろそろ表彰してくれてもいいと思うんだ……。

 俺の恐れていた侑とのエンカウントが現実となる。そして案の定と言うべきか、侑は引きつった顔をして俺から距離を取ろうとしていた。そりゃ傍から見たら幼女2人に抱き着かれている男なんて怪しい以外の何物でもない。だからコイツの反応は当然と言えば当然なのだが、この前のデートで仲良くなった矢先にこれだからちょっとショックだな……。

 

 

「お兄様、さっきこの方が『お兄さん』とお呼びしていましたが、まさかまた妹を作られたのですか?」

「違う。コイツは高咲侑。虹ヶ咲のスクールアイドルのマネージャー的な感じだ」

「あぁ、お姉様から噂は聞いてます。新しいオンナですよね!」

「お兄さん……。妹とかオンナとか、周りに私のことをどのように話してるんですか……?」

「俺じゃない!! コイツらが勝手に誤解してるだけだ!!」

 

 

 侑の額に青筋が浮かんでいる。そりゃ幼女にあらぬことを吹き込んでいると思われても仕方ねぇよな……。誤解から更なる誤解が広がって収集がつかなくなる前に早くなんとかしよう。

 といった流れで侑に現状を説明する。目の前の幼女は実は高校生であること、こころとここあの自己紹介、そして元凶であるスカンクの正体も……。

 

 

「またあの人の仕業ですか……」

「俺と一緒にいる限りは一生アイツが付き纏う。諦めろ」

 

 

 侑はこの状況に驚くというよりは呆れているようだ。つまり場慣れしてきている。俺と過ごす非日常の生活に慣れてきたのであればそれはもう毒されていると言ってもいい。本人としても慣れたくはないだろうが、俺と一緒にいる以上アイツの魔の手から逃れられないんだよ、残念ながら。

 

 

「それより私たちを見てよおにーちゃん! 意外とちっちゃくなっちゃったね! これ年齢一桁だよ絶対! ひとケタ!!」

「おい大きな声でそんなことを叫ぶな! 勘違いされるだろ!」

「年齢が一桁の女の子を好きな男性のことはロリコンではなくペドフィリアって呼ぶみたいですね。でもお兄様はロリコンの方が似合っているので今後もそれで行きましょう!」

「似合ってるってどういうことだよ!? てか行かねぇよ!?」

「やっぱり私たちにはひとケタが合うね! こっちの身体の方が馴染むもん」

「初めて聞いたぞその馴染み方……」

 

 

 想像以上に背丈が低くなり見た目年齢が一桁になってしまったことに対して焦りもせず、むしろ喜びを見せている2人。俺からすればコイツらはロリっ子の印象が強いためこっちの姿の方がしっくりくるが、まさか本人たちもこの姿の方がいいとか相変わらず思考回路バグってんな……。

 

 

「ねーねーおにーちゃん見て見て~!」

「今度はなんだ――――えっ!?」

 

 

 ここあが俺の服の袖を摘まんで引っ張ってくるので目を向けて見ると、自分の制服のボタンを外し、裾を掴んでたくし上げ始めた。そうなればもちろん上半身が丸見えになってしまうわけで――――!!

 

 

「ほらほらおにーちゃん! あばら骨が浮いてるよ! 小さな子特有の骨の形が分かるやつ!!」

「ちょっ、お前早く隠せ!!」

「なにやってるのここあちゃん! 学園の前でそんなこと……!!」

「そういえばおっぱいもぺったんこになってるかな? おにーちゃん確認してもらっていーい?」

「それ以上服を上げたらダメだから!! お兄さんこっち見ちゃダメですよ!!」

「分かってるから早く止めさせろ!!」

 

 

 侑が俺とここあの間に割り込んだことで、一桁幼女のおっぱいが外界に晒されるのを間一髪で防ぐことができた。いや、ぺったんこだしおっぱいを言うよりかは乳首の方か。もう俺の視界には乳首が見えそうで見えないラインまで到達してたけどさ……。

 

 当たり前だが、身体はしっかりと一桁年齢のそれになっていた。胸も膨らんでなければ骨も浮いて見え、肉付きの幼さをこの目でしかと目撃してしまった。残念ながら俺はロリコンではないのでその程度では興奮しないが、この世のロリ愛好家からしてみればさっきここあがやったような幼女体見せつけ行為は鼻血モノだろう。

 

 

「そういえば、ぺったんこになったのであればブラもいらないですよね。せっかくですし、お兄様に差し上げますね♪」

「なにがせっかく!?」

「だったら私のもあげるよ♪」

「はぁ!?」

「ふ、2人共! 服の中に手を入れて……!?」

 

 

 こころとここあは自分と服の間に手を突っ込んだ。そして胸元あたりで何やらゴソゴソ漁っているのだが、なんつうか、その仕草がエロく感じてしまうのは俺だけか? 女の子の着替えシーンに興奮できる人なら分かってもらえると思う。

 

 ――――て、待て待て、相手の見た目は小学校低学年だぞ? いくら中身が高校生だとしても外見幼女に艶めかしさを感じるのはやべぇ奴だろ。危うく本当にロリコン扱いされるところだった……。

 

 

「取れた! はい、おにーちゃん!」

「お兄様、こちらをお納めさせていただきます」

「な゛ぁっ……!?」

 

 

 2人は自分と服の隙間から下着を取り出すと、そのまま俺に手渡してくる。こころが白でここあが桃色――――って、ダメダメだ何も考えるな!! 目を逸らせ俺!!

 

 

「ほらほら~今なら脱ぎたてを味わえるよ~♪ 私たちの温もりでほっかほかだよ~♪」

「厚かましくて申し訳ございません。でもお兄様が私たちの下着で性欲を発散してくださるのであれば、それほど嬉しいことはないです♪」

「ぐっ……」

「ちょっとお兄さん心揺らいでませんか!? 本当の本当にロリコンになっちゃいますよ!?」

「ち、違う!! 女の子の下着を見せられて動揺するのは男の性だ!!」

「開き直ってる……。とにかく、これは私が預かっておきますから!」

「えぇ~おにーちゃんに使ってもらいたかったのに……」

「その言い方だと代わりに私が使うみたいなニュアンスだよね……」

 

 

 侑が2人のブラを奪い取ったことで何とかこの場を乗り切る。だが俺が幼女の下着に興味があると思われたのはあまりにも名誉棄損過ぎだ。幼女の下着とは言っても元々は高校生サイズだし、だったらそれに興味を唆られようが興奮しようがまだ健全な部類だろう。幼女の下着、いわゆる『おぱんちゅ』に興奮するのであれば今すぐ豚箱行きだけどさ……。

 

 

「どうですかお兄様? ロリ成分は補充できていますか?」

「お前らのその姿に懐かしさは覚えるけど、ロリに飢えてたわけじゃねぇから別にって感じ」

「え~嘘だ~! そろそろ私たちとエッチをしたくなる頃だと思うんだどなぁ~」

「それだけは断じてない!」

「おかしいですね。私たちにぺろぺろされて興奮していたお兄様が、このロリ姿を見て欲情しないなんて……」

「興奮!? お、お兄さんまさか……!?」

「だからコイツらの言うことを真に受けるなって!」

「嘘は言っていませんよ。私たちが本当のロリだった時代、お兄様にたっぷりと辱めてもらいましたから……♪」

「なにうっとりしてるの!? お兄さんやっぱり……!!」

 

 

 この前のデートで上げた侑への好感度がみるみる下がっていく!! やっとの思いで距離を詰めたのにまた離れていきそうだぞ……。

 ちなみに言っておくが、ロリ幼女なんて俺のストライクゾーンからは大きく外れている。ゆえに興奮もしなければ欲情なんてもってのほかだ。しゃぶられた時はまだ高校生で思春期真っただ中だったから、性に関して多少過ちは犯して然るもの。まあ若気の至りってやつだな。

 

 

「でも、私たちのような未成熟な女性とエッチをするのってデメリットがないと思うのです。なんたって生理が来ていないので中に出し放題ですよ♪」

「え゛っ!?」

「な゛っ……!?」

「それになんとなくだけど、処女も新鮮になってる感じがするんだよね~。ほら、1人エッチしてると膜がヨレヨレのおばあさんみたいになるって言うじゃん?」

「知らねぇよ!!」

「つまり、今の私たちは新鮮な膜があっていくら出されても妊娠しない身体になっているということです。それすなわち、一切のデメリットなしでエッチし放題なのです!」

「社会制裁的デメリットが大きすぎるっつうの!!」

「え~孕んじゃって責任を感じたり認知したりで悩む必要もないのに~」

 

 

 今の俺はお前らの言動で大いに悩んでるよ……。

 あらゆる手を使って俺をロリコンに仕立て上げ、そして抱いてもらおうとする2人。これが張り巡らせた策略によるものなのか、それともただただ無邪気に俺を誘っているだけなのか。どちらにせよタチが悪いことには変わりない。元々が純粋な性格なので、裏でこそこそ考えたりするよりかは今みたいに笑顔で明るく振舞っているのがコイツらの素なのだろう。言動はメスガキ以外の何物でもないけど……。

 

 

「お兄さん、この子たちっていつもこんな感じなんですか……?」

「日常は至って礼儀正しい子と無邪気活発な子だ。こうやってマセてんのは俺の前だけだよ、多分。とは言っても本来はお前と同年代なんだけどさ」

「この姿しか見たことないからなんともですけど、なんかこっちの方がしっくりくるような気がします。精神年齢的に……」

「むっ、侑さんロリを蔑みましたね……。この姿でいるだけでお兄様に抱いていただける。それだけでロリは素晴らしいのです!」

「いやぜっっっっっっんぜん心に響かないからねそれ! 私にとっては何のメリットもないし!」

「おかしいですね。女性であればお兄様に襲われたい願望があるはず……」

「非常識人なのは自分だってことを理解しようね……」

 

 

 コイツらは俺がロリコンだとガチで思い込んでいる。純粋が故に疑うことをせず、ロリになれば本当に俺が欲情して襲い掛かると思っているのだろう。一度しゃぶらせてしまったのが運の尽きだったか。無邪気に慕ってくれるところは素直に可愛いんだけど、肝心の中身がメスガキじゃあな……。

 

 

「そうだ! 侑ちゃんも私たちと同じ格好になってみれば気持ちが分かるんじゃない?」

「えっ? 同じ格好って、そ、その小学校低学年に!?」

「そう、このスカンクを使ってね♪」

「イヤ! 絶対にイヤ!」

「大丈夫大丈夫! 時間経過で元に戻るから!」

「そういう意味じゃないから!! 誰でもそんな姿になるのはイヤでしょ!?」

「もう心配性だなぁ~。ほらスカンク、煙出して! ほらほら!」

 

 

 ここあは抱いているスカンクのおしりを水鉄砲の銃口を構えるかの如く侑に向ける。侑はビビりながら後退りするが、スカンクは一向にガスを噴射しなかった。

 中々仕事をしてくれなくて気になったのか、ここあはスカンクの頭をぽんぽんと軽く叩く。壊れかけのテレビじゃないんだからそんなことをしたら気を損ねるだけだと思うんだけど……。

 

 

「あっ、スカンクが!?」

 

 

 と思った矢先、スカンクはここあの腕から脱走した。ここあが急いで取り押さえようとするが、幼女になっているせいか脚の速度では追いつけない。

 そしてそのスカンクは足早に虹ヶ咲学園の敷地へと走って行ってしまった。ん? それマズくねぇか!?

 

 

「おいっ! あのスカンクって女の子を幼児化させるんだよな!?」

「えぇっ!? 虹ヶ咲は女子高だから女の子しかいないんですよ!?」

「そうだ。だから早く捕まえねぇと―――――って、既に悲鳴聞こえてるじゃねぇか!!」

 

 

 嫌な予感やフラグってのは回収されるもの。既に学園内から女の子たちの悲鳴が聞こえていた。

 俺たちは学園内に入って周りを見渡してみる。するとそこには――――――

 

 

「わぁ~ロリっ子いっぱいだよおにーちゃん!」

「小さい方がこんなにもたくさん……。しかも美幼女ばかり揃っているなんて、虹ヶ咲の方々は容姿端麗な方ばかりなのですね」

「遅かった、みたいですね……」

 

 

 既にそこには幼女たちになった女の子がたくさんいた。どこを見渡しても小さな子、幼女、ロリ……まるで幼稚園のようだ。

 中庭、校舎、いたるところにガスが充満している。恐らくスカンクが校舎を駆けまわって女の子を見つけ次第おならを噴きかけているのだろう。そしてそのガスに包まれた子たちが片っ端からロリになっていると。それなんてパンデミック!?

 

 

「これだけロリっ子がいればおにーちゃんも満足できるよね! 誰でも選び放題好き放題できちゃうもん!」

「ここはお兄様にとってのパラダイス。普通のロリコンなら叶えられない願いが、お兄さん限定で今目の間に広がっていますよ!」

「なに呑気なこと言ってんだよ……。いいから早くスカンクを捕まえるぞ!」

「「はーいっ♪」」

「ったく……」

「今回ばかりは同情します、お兄さん……」

「ははっ、ありがとな……」

 

 

 もう渇いた笑しか出ねぇ……。

 

 そんなこんなでスカンクを追うことになった俺たち。幼女になった子たちの介抱をしながらも、気付いた頃には校舎内の生徒ほとんどがロリになる異常事態になっていた。

 結局2人が言った通りロリっ子パラダイスになってしまったわけだが、なんとかスカンクを捕獲した後も姿がすぐ元に戻ることはなく、全員が戻るまでに丸1日を費やした。こころとここあを相手にツッコミを入れ続けていたことで疲れ、スカンクを追い回して疲れ、ロリっ子たちの御守りをして疲れ、もう散々だったよ今日は……。

 

 

 うん、もうしばらくロリはいいかな……。

 




 私は特段ロリ系が好みというわけではないですが、別に嫌いでもないので稀に嗜みたくなることがあります。まさに今回がそうですね(笑)
小説のストーリーをサザエさん時空にしていないせいでロリだったキャラも成長してしまうのが難点でしたが、そこは秋葉さんがしっかり解決してくれました。今更ながら彼女の存在のおかげで色んなネタが無理な設定なくできるので本当に重宝しますね(笑)



 小説が面白いと思った方、是非ご感想や評価をよろしくお願いします!

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